本来、理想的な受信機なら同調、モード、AF GAINくらいしかコントロールは必要ないはずです。プリアンプやATTやNBやAGCがオンオフできるとか、段間同調が調整可能なのは全部、何等かの不具合を軽減するための対策です。RF GAINのノブもその一つです。
しかしこのRF GAINコントロール、大昔からあるにもかかわらず有効に使えている人は大変少なく、日頃OMと呼ばれている人でさえ「常に回し切りで触ったこともない」という人が沢山います。理由はひとつに、「それでも使えてしまう」から。もう一つに、機器の説明書ではもちろん、雑誌記事にも「上手な使い方」の解説がさっぱり存在しなかったからでしょう。しかし、体得するしか知る方法がないのも真実です。いくら経験年数ばかりが長くとも、新たな知見を求めようとしない人は中身は初心者のままです。
私がRF GAINを意識した契機は「AGCが嫌いで、その代わりにRF GAINをよく動かす」という話をJA1BHG 岩上氏の記事で見たことからで、それは八重洲FT-400Sの解説中ですから私のハム歴の中では初期の事でした。どれどれ、と私もAGCをオフにして、色々とやってみました。目的信号自体が強力過ぎる場合、あるいは強力な妨害波がある場合、などの各ケースでRF GAINとAF GAINの割合を色々と変えてみる。固定のATTがあればまずそちらを優先的に入れてみる。妨害波の問題がない場合は、次は検波出力のS/Nや歪に注意して耳で判断する、等々を確かに一律に解説するのは難しそうであります。しかしこういった経験から受信機間の性能差に気が付くようになってみると、どの受信機が高性能、とかの世間の評判は怪しいことだらけでした。
かつてJA1ACB難波田氏がアンテナ・クリスタルフィルターが有効と書きましたが、ただでさえ高価な部品を特注では現実味を感じませんでした。ところが後年になり、JA1BK溝口氏が本当に全バンド分、クリスタルフィルターを特注して装備したという投稿が出たのです。市販の受信機の性能にはまだ隙があった、ということになりますが、それにしてもゴージャスなお話で。