捉え後の世界(捉え暦):9ヵ月2日

原始体操開始から:9ヵ月23日

検証理論:北京原人理論(重心力トレーニング)

 

前回、鳩尾(胸郭・胸椎)に関係する中丹田がかなりはっきりしてきて、垂直延長線上に首・頭が来る感じがあると書いた。

 

しかし、なんだか上への抜けが悪い。経路がスムーズでないのだ。もちろん、以前から比べればよいのだが、だんだん身体が開発されてくると、「流れの質」に身体がうるさくなり、以前は気づかなかった滞りや癒着、経路のシビアさを訴えかけてくる。ある種の自己治癒力が自然と上がってくる。

 

これは身体がより無駄な無い動きを要求し、悪いものを排除しようとすることだと思うので良い傾向であろう。

 

で、首・頸椎の流れを良くするにはどうしたらよいのか。過去記事をあさってみると、あ~!頸長筋だ!こいつの利きが悪かったのである。(やはりメモしておくのはよい、と改めて思った。)

 

もちろん以前に比べれば日常的に頸長筋は利いていたのだろうが、だいぶ開発された身体ではさらなる利きが必要、というか利き具合にだいぶ敏感・シビアになってきている。ここをさらに利かせることによってさらなる無駄が省けるということである。

 

また、頸長筋の利きの悪さは日常的な姿勢の悪さにも比例している。どうしても顎を前に出す悪い癖が抜けないのである。特にモノを見るとき。意識している時は平気なのだが、集中するとどうしても。さらなる躾が必須である。

 

詰まるところ、まだまだ首と頭の位置がしっかりとセットされきれていない。腰椎・胸椎との関係性はだいぶ良好だが、胸椎と頸椎の関係性にまだ奥底(見えない部分)に摩擦が生じている。

 

大腰筋・中丹田に身を委ねて、頸長筋を利かしてみる。喉ぼとけを極軽く前から押す感じにすると頸長筋のスイッチが入る(追記:実際に押すわけではない)。そうすると当然表層がリラックスするので首回り・肩周りがフワっと力が抜ける。頭も安定する。

 

で、もう一つ変化があった。横隔膜の感覚が増しコントロールがし易くなる。上下に動かしやすくなるのだ。故に呼吸が非常にし易くなる。

 

股関節―鳩尾が大腰筋・横隔膜で繋がったように、今度は鳩尾―首が横隔膜・頸長筋で繋がったようである。

 

調べてみると、このラインはディープフロントライン(DFL)という筋肉・筋膜の繋がりが解剖学上はあるらしい。

 

だから、このライン上のどれかが活性化すれば刺激されて他が活性化すると考えられる。

 

さらに、個別に活性化させる手技ももちろんあるようだ。

 

しかしながら、感覚的に一か所を活性化して他を刺激したとしても、そこに伝わるシグナルの大きさはその時の胴体レベルによってかなり大小の差があるように思う。連動性の量・質に違いがでる。

 

胴体が動かないときは、いくら解剖学上繋がっているとはいえ、やはりシグナルが伝わりにくいし、その質・量、それから結果起こる反応も弱い。さらに、一時的に連動してもすぐに元に戻ってしまう。

 

胴体が動き始めると、このシグナルの伝わり方がより質が高く、大量で、反応も良く、結果、連動性が良くなる。一時的でなく、常態化するようになる。ただやはり時間がかかる

 

そう考えると、いかに「日常的に深層筋を動かせている」か重要になる。トレーニングや整体の施術はあくまで一時的

 

自分は北京原人生活で、このDFLの活性度・連動性が格段に上がったことになる。しかも自動的に。開始地点は大腰筋(内転筋)である。

 

現段階では、もうすでにシグナルライン(経路)の基礎工事は終わって、その連動性の強化(ラインの強化)や無駄の省き(細かい癒着剥がし)になっている。これは体が自動的に行っていることが面白い。

 

そして今回、基礎工事だけは終わっていた横隔膜―頸長筋ラインの強化が行われてたようである。

 

改めて思う。

 

この解剖学上の目に見えるライン(DFL)を、目に見えない身体内部でどれほど具体的に捉えられているか。個別の部位と全体の連動性の両方を含めて。

 

さらにそれをコントロールできているか

 

経験上、これにはやはり継続的(日常的)に深層筋運動時間が必要である。相手は居るけど目に見えない。だから意識しても意識しきれない【身体深部開発と感性の育ち】で書いた「自分自身を感じ取る力」の向上が大切であると思う。

 

もちろん、まだ全てを自在に操れるレベルでは全くない。おそらくできる人が達人と呼ばれるのだろう。

 

巷では、やはり図で目に見えてしまうものだから、簡単だと思われていることが多いのではないか。そして、これを動かせばいいんだよって、動いていない知識だけの人がセミナーを開いて雄弁に語る。聞き手は、知識の無い場合、それが目新しくて飛びつく。セミナー中毒になる、もしくはさせてしまう(個人的にアナトミートレインという言葉はカッコいいと思うし、DFLなんて略称も覚えやすい。「海外経験」、「~の資格保有」、「有名アスリート指導経験有」、「テレビ出演」、「様々理論の融合」という付加価値。自分に無いものをもっているという魅力は確かに有る。「最新」にはやはり惹かれる)。やがて、セミナーに行くことだけで満足してしまう。

 

で、胴体、深部から動き出した?

 

動かない?何故だ?

 

知識を広げたり、経験談を聞く目的なら別にいいのだが、動かすのが目的なら・・・。

 

まぁ、身体関係のセミナー1回も行ったことないから説得力はゼロだな(笑) 

 

以上、嘘か本当か身体内部からの報告でした。

 

始まりはいつも北京原人から。