「大豆田とわ子と三人の元夫」
第３話～全俺が泣いた～器が小さい男の恋
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八作） 人に面白がってもらえるって
うれしいことじゃないですか。
鹿太郎） 君は随分適当なこと言うんだね。
あの心がない褒め言葉って、時に悪口
より人を傷つけるよ？ ねぇ。
えっ何で目そらすの？
慎森） 別れた夫となんて目合わせたく
ないでしょ。
鹿太郎） 君もだよ。君もね。
八作） 心の目は合ってると思いますよ。
鹿太郎） あぁもう何もかも適当なんだね。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
鹿太郎） 結婚･･･結婚を前提に、
お付き合いしていただけませんか。
とわ子）私、馬じゃありませんよ。
鹿太郎） ごめんなさい。
とわ子） あっ･･･私も、嘘っていうか、
黙ってたことがあります。
一度、結婚に失敗してるんです。
あなたにふさわしくない。
鹿太郎） あぁ･･･。
あなたは、僕のとって、花です。
高嶺の花です。
あなたを、上に引き上げることは
できないけど、下から支えること
はできます。僕があなたを、持ち
上げます。
とわ子） 重いでしょ？
鹿太郎） 花束を抱えてるようです。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
慎森） 人の嘘を補完し始めたら。
八作） だまされてる証拠ですね。
鹿太郎） 僕は信じるよ。
彼女はそんな人間じゃない！
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
登火） まあ、でも俺、
あの社長好きだけどね。
大輝） 何で？
登火） あの人は嫌われても逃げないか
ら。みんなにいい顔してごまかしたり、
だったらお前がやれよって逃げたり、
社長がそういう人だったら会社潰れる
でしょ。あの人は、ちゃんと嫌われる
役を引き受けたんだよ。自分だって建
築士だったのに、今は嫌われ役をやっ
てる。ふっ、普通やりたくないでしょ。
大輝） まあね。
登火） 今回は離れることにしたけど、
またいつか一緒に仕事できたらなっ
て思ってるよ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
とわ子） 待ちなさい。
鹿太郎） はい。
とわ子） 何？
鹿太郎） 花屋で、見つけて。
君に似合う、花だったから。
この花も、きっと君のことを
好きだと思ったから。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
とわ子） 頑張ってるよ、うそだったのに、
本当にファッションカメラマンになった
んだもん。
鹿太郎） 今それ言うかね。
とわ子） 馬を愛する男だったね。
鹿太郎） ちょやめて、恥ずかしい。
とわ子） ちゃんと目指したものがあって、
それにちゃんとなれたんだもん。
すごい、すごいことだよ。
鹿太郎） 社長業、きつい？
とわ子） きつい･･･きつくはないけど。
鹿太郎） けど？
器をさ、小さくすればいいんだよ。
まあ誰だってね、苦しい時はあるよ。
思ってたのと違うな、やってらんない
なって時は、あるよ。そういう時にさ、
我慢することないんだよ。一人で
乗り越えることなんてないんだよ。
愚痴、こぼしていこうよ。
泣き言言っていこうよ。
器が小さかろうと何だろうとさ、
もう愚痴ぐらいこぼしていかなきゃ、
もうやってらんないでしょ。
とわ子） そうだね。やってらんないよ。
鹿太郎） でしょ？ ふふっ。
とわ子） みんな勝手なことばっかり言うし、
えらい人たちとの会食は疲れるし、
銀行はお金貸してくれないし。
鹿太郎） だよね～。
とわ子） 網戸は外れるし、ラジオ体操
行ったら切腹おじさん現れるし。
鹿太郎） ん？ 誰？ 切腹おじさんって。
とわ子） まったくやってらんないよ。
ふぅ～。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
鹿太郎） パーティーだったんだ。
君との出会いは俺にとって、
人生最高のパーティーだったんだ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
慎森） 花束っているかな？
鹿太郎） いるでしょ。もらうとうれしいし、
すさんだ心が癒やされるでしょ。
慎森） もらった時はうれしいけど
３日後にごみ箱に捨てる時は
嫌～な気持ちになりますよね。
結果プラマイゼロじゃないですか。
鹿太郎） う～ん、わ･･･わかるけどさ。
慎森） しかも、かさばる電車で目立つ、白
い服着た人に花粉付いてトラブルに･･･。
鹿太郎） ちょっと何とかしてよ。
八作） じゃあ、いいですか？
（花束から花を抜いて慎森に渡す八作）
鹿太郎） あれ？ あれうれしい？
ねえ捨てる時嫌～な気持ちになるよ？
あははっ、後ろむいちゃった。あはははっ。
これ喜んでるね。な～んだ。ははははっ。
素直に喜びなさいよ、はははっ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
かごめ） 火種があるなら早めに
消しといたほうがいいよ。
とわ子） えっ？
かごめ） 営業と現場が対立
してたら会社が傾く。
とわ子） 人間めんどくさいなぁ。
唄） 人に期待なんか
しなきゃいいんだよ。
とわ子） 何してるの？
唄） うん？ 勉強やめようと思って。
とわ子） 勉強やめる？
唄） もう医大も医者も目指さない。
二十歳までにお金持ちと
結婚することにした。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
今回は２番目の夫、器が小さいので有名な
鹿太郎さんのお話。離婚理由は、嫁姑問題
関係？ 結婚は本人同士の相性だけでじゃ
ないからね～。絶縁できればいいんだけど、
鹿太郎さんはそれもできなさそうだしね～ｗ
姑が原因の場合、再婚も難しそうな気が･･･。
器は本当に小さいけど、やるときはやる男！
まあ、いろいろと気が利くタイプなんだよね。
いろんなことに気が付くし、気が回るタイプ。
そして、ここぞって言う時のセリフも悪くない。
あなたは、僕のとって、花です。
高嶺の花です。
あなたを、上に引き上げることは
できないけど、下から支えること
はできます。僕があなたを、持ち
上げます。
持ち上げて「花束を抱えてるようです」って。
これがイケメンだったらね～とはいえ、イケ
メンじゃなくても、うれしくなくはないけどねｗ
「花束っているかな？」と言った慎森も、１輪
の花を手にしたら、まんざらでもない顔にな
ったのが、可愛いったらもう！憎めないわぁ。
人の嘘を補完し始めたら、
だまされてる証拠。
うんうんこれね～ホント大事。真実だと思う。
都合のいい解釈を始めるのもだまされてる
証拠。そんなはずはない、と思いたい、だま
されていると思いたくない。人の嘘を補完し
始めたら･･･心の掛け軸に書いておかねば。
やりたくない社長の仕事、嫌われ役をきっち
りやりとげるとわ子がいい。いい女だよね～。
慎森も鹿太郎も、「人生最高」の時を彼女に
感じたと言う。せっかく結婚できたのにね～。
器をさ、小さくすればいいんだよ。
まあ誰だってね、苦しい時はあるよ。
思ってたのと違うな、やってらんない
なって時は、あるよ。そういう時にさ、
我慢することないんだよ。一人で
乗り越えることなんてないんだよ。
愚痴、こぼしていこうよ。
泣き言言っていこうよ。
器が小さかろうと何だろうとさ、
もう愚痴ぐらいこぼしていかなきゃ、
もうやってらんないでしょ。
器を小さくする！ 発想の転換だ。器を大きく
したい、器が大きくなりたいと思うものだから。
器を小さくすればいいとはなかなか思えない。
でも、それはある意味、「足るを知る」ことに繋
がっていくと考えることもできるかも。とはいえ、
やっぱりなるべく器は大きくありたいけどね～。
３人の元夫が、それぞれやべぇ女に関わって
いきそうなのがね、そこからどうやって生還す
るのかが楽しみ。次回は八作の回になりそう
だし。彼との離婚の理由は･･･女？ 口が上手
く、あたりが柔らかく、来る者拒まず去る者追
わずみたいな男は厄介だ。好きだけど嫌～ｗ
３人の元夫より、結婚するならとわこかも～♪
とわ子と一緒にいれば幸せになれそうな予感。
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