日能研では有益情報をマイニチノウケンでたくさん公開してくれています。その中で、偏差値帯ごとの合否データについてはこれまでにも何度も触れてきましたが、そのたびに知らなかったという声もいただきます。そこで、今まで書いたことがなかった細かい偏差値区分でのデータの算出方法(New!)も含めてもう一度まとめておきます。

 

 

オン・ザ・ロード資料

マイニチノウケンの「学校情報>オン・ザ・ロード資料>2024年首都圏入試分析ブック>さらに詳しい入試データ」で学校名を検索すると各校の偏差値帯(ゾーン)ごとの合否データ併願校の合否データなどのお宝情報を見ることができます。※関西の方は見られないようです。

 

 

下の図はAゾーン(R4以上)、Bゾーン(R3以上R4未満)、Cゾーン(R3未満)で区切ったデータ(受験者数/合格者数)です。ゾーンが「予想」偏差値で区切られているため、「予想」偏差値から「結果」偏差値で変動が大きかった場合や、分母(受験者数)が少なく「たまたま」が多いと変な棒グラフになっていることも多々あります。

 

例としてとある学校のデータを挙げます。

毎年3月にデータが更新されて最新のものしか見られなくなってしまいますので、必要なものは毎年保存していくことをおすすめします。

 

志望者人数推移

マイニチノウケンの「学校情報>中学校索引」で学校名を検索した後に、「志望者人数推移」というところを見ると、過去2年分の偏差値5刻みでの受験者数/合格者数の生データを見ることができます。

 

 

偏差値5刻みでちょっと解像度が低いですが、校舎の先生の手元にはこれの偏差値2刻み(2.5刻みだったかも)の3年分のデータ冊子もあり、6年の面談時に言えば見せてもらえると思います。

 

(上と同じ学校のデータです)

こちらは5月中旬頃にデータが更新されます。更新されると古いデータは見られなくなるので、必要なものは保存しておきましょう。

 

 

 

細かい偏差値区分でのデータの算出方法(New!)

今回はこれを書きたくて記事を書きました。実は上記2つのデータを組み合わせて自分で計算すると下記のようにR4~R3付近(黄色部分)を細かい偏差値区分で算出できます。お気づきでしたでしょうか。

 

(上と同じ学校のデータです)

 

オン・ザ・ロード資料のように「Aゾーン」として64以上をひとまとめにされてしまうと64でも80%あるかのように錯覚してしまうかもしれませんが、このように細かく見ていくと64では合格率80%はなく、少なくとも65は超えてこないと合格率80%とは言えないことが見えてきます。

 

今回は比較的母数も多く傾向がきれいな学校を例として選びましたが、色々な学校に対してこのように見ていくと、日能研がつけているR4より2~3程度高いところに真の80%ラインがある学校が多く、SNSで時々話題になる「R4の数字は甘い」も一理あると思っています。色々な方とやり取りしてきましたが、慎重な方はR4ではなく合格率がほぼ100%になる偏差値を気にしている方も少なくないです。

 

関連記事として、よろしければ下記もご参考にして下さい。

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SNSで甘いとも言われるR4の信頼性をどう考えるかについて書きました。

 

偏差値表を見る際の注意点について、少し一般的でないことも含めて書きました。

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とはいえ、模試の偏差値による議論というのは「まとまった人数を見たら統計的にそのような結果になる」という話です。これは塾の先生などが個別事情を気にせずに最大公約数的なアドバイスをするには大変便利ですが、本当は統計的にどうとかより、個別事情も加味して「我が家」がどうなるかが問題です。

 

上に挙げているデータで言えば、偏差値65~70で合格率88.4%と言ったって95人中11人は不合格になっているわけですし、逆に偏差値55~60で合格率13.0%と言ったって、69人中9人は合格しているわけです。「我が家」がどうなるかという意味では模試はどこまでいっても模試ですし、細かい情報も「趣味の領域」かも知れませんね笑ううさぎ