記事を断片的に読まれると誤解されるかも知れないので繰り返しの注意になりますが、書いていることは全て個人的な感想です。違う人に聞いたら違うことを言うかも知れない程度の話だと思って下さい。
 
また、各塾の偏差値60くらいまではその塾のカリキュラムにしっかり乗れれば塾以外の教材など考えなくても到達可能と考えています。つまり、N偏差値55〜60くらいまでの学校を目指す方は余計な情報に惑わされず、目の前の日能研のカリキュラムと教材を信じて頑張れば大丈夫という考えが大前提にあります。
 

 

さて、今回はこれまたSNSなどで不安になる機会があるであろうR4(合格可能性80%)偏差値の信頼性について私の考えを書きます。結論から書くと、併願戦略を練るための指標としての信頼性は十分!でもそもそも②模試の偏差値で合格可能性が読めるなんて思わない方がいい!という感じです。
 
 
 
 
 
公開模試で出てくる偏差値の一番の使い道は、個人的には併願戦略を組む際の参考にすることだと思います。この目的では少なくとも6年の夏以前に他塾の模試を受ける必要はないし、必要ないどころか、SNSの情報などから不安になって他塾の模試を受けたら迷子になることがあるとさえ思います(理由: カリキュラム進度がずれている、自分だけ形式に慣れていない、複数回受験して「面」で見ないと見誤る、など)
 
夏以降なら、特に志望校別模試(冠模試)がない学校が第1志望の方が、目指す学校と受験者のボリュームゾーンが合った模試(首都模試/四谷合不合/SAPIXオープン)を受けるのはありだと思います。
 
一方で、特に難関校の合格可能性を公開模試の偏差値で読もうとしても無理があります難関校の出題はそれぞれにクセが強く、学校ごとに問題が全然違うからです(いわゆる「相性」も含め)。
 
志望校合格への距離感は志望校別模試や過去問の出来などから総合的に見ていくべきでしょう。まあそれでも、結局最後は当日次第であり合格可能性なんて分かりませんけど。そもそも、1回しか試せない事象において確率って何?っていうのもありますし・・・(笑)
 
「R4の定義が『その偏差値で80%』でなく『その偏差値以上の累積で80%以上』なんじゃないか」(なんのことか分からない方は分からないままで大丈夫です…笑)なんて議論もSNSではよくあります。元々の定義は前者のはずですが、オン・ザ・ロード資料を見ると、実際問題として確かにR4以上の累積(=Aゾーン)ですら合格率が80%に届いていない学校が少なくありません。
 
これまで4年間分のデータをたくさん見てきて、R4偏差値が本来の合格率80%より2程度甘くついているような感覚を、私は当初から一貫して持っています。しかし、そこは私からすると枝葉末節でどうでもいいという感じです。併願戦略を練るための指標として使う分には大した問題でなく、どのみち志望校合格への距離感は志望校別模試や過去問で見ていくべきものだからです。
 
なお、R4も「点」として見ないで、合否分布の形やR3、R2も含めた「面」で見ると違った姿が見えてきます。そのあたりに興味がある方は過去記事もご参照下さい。