歯磨きで心不全？

保険薬剤医師の米澤よしゆきです。


僕が好きなＴＶ番組のひとつに

「総合診療医ドクターG」（ＮＨＫ　木曜22：00～）

という番組があります。










浅草キッドさん司会で、若手の研修医数名が、現場でバリバリに働く

一人の医師のリードのもとで、再現ドラマを見ながら、そこで問われる

病名を突き止めていく番組です。


昨夜の患者さんのテーマは「だるい」。

再現ドラマで紹介された患者さんは

毎日忙しく仕事をするスーパーの店長で、不規則な生活と偏った

食生活が続き、寝汗が続くと訴えています。

どうしても取れない疲れ・・といった症状。

誰にでもありそうな症状ですよね。

さらに、この患者さんは、微熱が続いて腰痛があるとのこと。

この辺がポイントのようです。


たぶん多くの方はここまでの情報で、ストレス性のうつなどを連想

しがちですが、ドクターＧによると、この病名は「感染性心内膜炎」

とのこと。

感染性心内膜炎とは心臓の内側に細菌が感染して、最悪の場合、心不全で

死亡するというたいへん怖い病気です。

この患者さんは1ヶ月の入院で抗菌剤を点滴するなどで治療しました。


ではこの患者さんが、感染性心内膜炎になった原因、すなわち、どういう経緯で

細菌に感染したのかというと、歯磨きが原因の可能性が高いとのこと。


食生活が偏ったり、不規則な生活が続き、歯磨きは行っているものの雑になり

口の中の環境が良くない状況で歯ブラシや糸ようじで歯茎に傷をつけると

そこから細菌が侵入します。

菌の名前は緑色連鎖球菌。

不衛生がちな口の中にいます。


歯磨きが原因で果ては心不全って、あんまりですよね！！

不衛生がちって、どこまでが衛生的でどこまでが不衛生なんだろう。

今朝から歯磨きが慎重・丁寧になったことはいうまでもありません。


ところで、この「総合診療医ドクターＧ」、医師がアツいという点でも

有名です。

この日はドクターＧから研修員たちへの

「患者さんとのやりとりがうまくいかないとき、患者さんの元に行きたくない、

自分はダメだ、と思うかもしれない。そういう思いに駆られた時は患者さんの心に

思いを馳せてください。その人の人生、人となり、周りの人などに。

患者さんじゃなくて、皆さん（医者・研修医・医療側）方が変わる・・・これは

大切なこと」という名言で締めくくられました。


あなたの街にもドクターＧはいますか？