〜デッドリフトの種類〜
ビッグ3で最も高重量を扱えるデッドリフトには、沢山の種類、やり方があります。
🔲床引きデッドリフト(フルレンジ)
脊柱起立筋、広背筋、お尻、ハムを中心に、大腿四頭筋、肩上部、腕にも効かせる全身運動です。
また、床引きデッドリフトには、ナロースタンスとワイドスタンスがあります。上2つはナローちの、下から2番目がワイドです。
ワイド、ナローの違いについては次回書きます。
🔲ルーマニアンデッドリフト
お尻にフォーカスしながら、ハム、脊柱起立筋、広背筋に効かせます。
同じ深さまで曲げるものの、膝を伸ばしたまま固めて、上体の上下だけで行うのがスティッグレッグデッドリフトで、お尻よりハムと脊柱起立筋の関与が多くなります。
上動画がルーマニアン、下動画がスティッグレッグです。
🔲トップサイドデッドリフト(膝上、膝下)
広背筋と脊柱起立筋にフォーカスします。上動画が膝上、下動画が膝下で膝上はより広背筋にフォーカスします。
がありますが、通常デッドリフトは、床引きデッドリフトの事を言い、床引きフルレンジ、ルーマニアン、トップサイドの順で可動域が広くなります。
〜どのデッドリフトをやるべきか?〜
個人的には、どのレベルのトレーニーの方でも、スクワットやベンチプレスをフルレンジでやるべきなのと同じように、床引きフルレンジのデッドリフトをやるべきだと強く思います。
理由は、筋トレは筋肉を縮めて拡げる筋収縮の繰り返しであり、可動域をできる限り取れるか取れないかにより、ボディメイクと身体能力UP目的が異なるいずれの効果も変わってくるからです。
但し可動域が狭いトップサイド、ルーマニアンには、
- 脊柱起立筋および広背筋に(ルーマニアンは+大臀筋)にフォーカスできる。
- 高重量、高負荷で行える。
- 背中をアイソレート(稼働する筋や筋群を限定的し、意識を集中しやすいところや、ピンポイントで刺激を与えること)しやすい。
のメリットがあり、「デッドリフトはルーマニアンかトップサイド!」というトレーニーは多いです。私はそれ自体を否定しません。
床引きフルレンジがルールのパワーリフター別として、筋肉エリートの国内外有名なボディビルダーでも、床引きフルレンジではなく、ルーマニアンやトップサイドを採用している人は結構多いです。
そのような方々は、色々な方法を試した上で、デッドリフトについてはルーマニアンかトップサイドを選択している人も実際に多いです。
しかしながら.......
〜特定の人を除いて、デッドリフトは基本床引きフルレンジを絶対にやるべき!!〜
デッドリフトだけに限らず、ウエイトトレーニングは、身体全体を広範囲に効かせられるコンパウンド(複合関節)種目が基本で、デッドリフトは床引きフルレンジが基本です。
初心者のうちは正しいフォームを覚える為に、軽い重量で床引きフルレンジでやるべきです。最初からルーマニアンやトップサイドだけでやるのではなく、基本の床引きフルレンジをマスターしてから、デッドリフトの補助種目として、ルーマニアンやトップサイドが良いと思います。
理由は、
☑️どのようなトレーニングでも全身の連動性が重要。デッドリフトについてむは床引きフルレンジの方が全身の連動性を高めやすい。
☑️床引きフルレンジで正しいフォームを身につけないと、先々高重量でやる時に怪我をしやすくなる。
特定の筋肉にフォーカスすべきなのは、上級者かつボディビルやフィジーク、ベストボディ等のボディメイク系選手だけだと思ってください。
また、初心者だけでなく、上級者でも、運動パフォーマンス、運動神経を向上したい方や競技選手は床引きフルレンジでやるべきです。女性トレーニーにも多いクロスフィッターは皆、床引きフルレンジをやってます。ダイエット目的なら、消費量を考えれば床引きフルレンジ一択です。
折角全身を使えるコンパウンド=複合関節種目なので、可動域をできる限り広く取りましょう。
〜床引きフルレンジは怪我しやすい?〜
よく「床引きフルレンジは怪我しやすい」という事をおっしゃる方や、デッドリフトは腰に悪いとデッドリフト自体を否定する方もいらっしゃいます。
デッドリフトは、正しいフォームを習得すると効きが良くなったり、将来的に扱う重量が伸びるばかりではなく、身体にかかる負担も非常に軽減されるので、いつもデッドリフトを行った後数日間腰痛に悩まされていた人が、正しいフォームを習得したら全く痛くなくなったという事も起きます。
デッドリフトは決して身体に悪い種目ではありません。フォームが悪いから腰などを痛めるのです。
次回以降より、デッドリフトのフォームについて書いていきます。