新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景 -8ページ目

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景

独断と超偏見による、勝手気ままでええ事しか書かん日記のようなもんです。
まあるい形してて、音が飛び出してくるモノへの愛情表現です。
ほなお暇なお方はどうぞお入りやす。
某サイトの『ぺんたno座右の銘盤』、『続・ぺんたno座右の銘盤』の続編となります。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-内山田洋とクールファイブ  嘘も隠しもしません,僕は内山田洋とクールファイブの大ファンなのです。残念ながらギター担当でリーダーの内山田さんは四年前に亡くなわれ、オリジナル・メンバーでのあのコーラスはもう聴くことができません。限りなく薄い頭髪の眼鏡をかけたキーボード担当は宮本さん。厳つい顔でビートを刻んでいたのがベース担当の小林さん。美男と言えばサックス担当の岩城さん。一番小柄で目立たなかったドラムス担当の森本さん。実質みんながリーダーだと信じ切っていたヴォーカル担当の前川さん。このように長崎では実力派なラテン・バンドの面々でした。

 さてこの若々しいメンバーのジャケ写、恰好いいでしょう。『内山田洋とクールファイブ・ヒット・コレクション決定盤』が中古店で伍百円と意外やお値打ち価格で転がっておりました。すかさず手に取った私はレジへと勇みましたが、馴染みの店員が「ハッ?」という何とも不思議そうな顔つきで覗くではありませんか。一瞬たじろいた私ですが、そこは自慢気に「コレ最高! メッチャいいバンドなんやから」と言ったものの店員の苦虫を潰したような面持ちは変わらず。今の若いモンに分かってたまるかっ! と勢いよくお店を出てすぐさまカーステのCDトレイへ挿入。

 かぁ~ええわぁ~。いきなり大好きな<そして、神戸>へボタン選曲。クールファイブのええとこは、まずイントロ、間奏、エンディングと辺り構わず ♪ブビビィ~と泣き叫ぶ哀愁のテナー・サックスに、絶妙の合いの手を入れる ♪ルルルッルルル~や ♪ワワワァ~に ♪パパッパ~の楽器を投げ捨ててまでのお得意のコーラス、時折ヘヴィなギターが現れたりと、妙に後に残るサビメロにことごとくヤラレルのだ。

 ヘヴィなギターを除いたそれらの条件を満たすのが<愛の旅路>に<中の島ブルース>、デビュー曲の<長崎は今日も雨だった>はもちろんのこと<すべてを愛して>など初期の曲に顕著に見られる。しかもラストに控えた筒美京平作<さようならの彼方へ>は隠れた名曲。じ~んとくるね。

 おっと、車の隙間から音が零れてたんだなぁ・・・皆ちらりと振り返るその目には「何やソレ!」と「うわぁ~ソレええなぁ~」の二派に分かれているように映る。私は運転席脇にあるパワーウインドのボタンで四方の隙間をチェック、チェック、チェック。アクセルを踏むと同時に<そして、神戸>を ♪こぉ~べ と唄うのでなく、あのコーラス部を一緒に口ずさむのである。

 余談ですが、変わりネタでとしてカーペンターズの<イエスタディ・ワンス・モア>の入ったベスト盤もあります。それがなかなかもので、無理してでも一度聴いてみてちょ! そこで歌っているのは前川清ではなく小林さんなんです。ムード歌謡というものに、“じゃぱにーず・そうる”を感じずにはいられない。

-NO.594-


★詩仙堂★

 叡山鉄道でのんびり一乗寺までやってきました。もちろん詩仙堂へ行かなくてはなりません。季節はちょうどサツキの終わるころでした。名立たる中国詩人たちがこの庭を見つめながらなんやら浮かんできたようです。もとはと言えば石川丈山の別荘だそうで、サツキはもちろん、三月の梅も秋の紅葉も溜息の出るような美しさを見せつけます。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-sicilian opening  私が毎度新作を待ちわび楽しみにしているちょいマイナーなイタリアのピアニストがいる。今回の新作は『Sicilian Opening』というからシチリア民謡集でも出したのかなと。内容はというとらしいメロディもちらほらするがビートルズありゴスペルあり、いつもと変わらないSalvatore Bonafede(サルバトーレ・ボナフィデ)が居た。

 シチリアといえば前回アップしたシチリア陶器のお店、その写真を今回使えば良かったのにねぇ何て思ったりもするのだが、そこは何の関連性の無いのが私らしくていいのかと。関連性が有るか無いかとなるとこのボナフィデもそうなんよね。

 メル・ルイス、ポール・モチアン、ジョー・ロバーノ、ポール・ブレイ、フランク・シナトラ、アダム・ナスバウム、トム・ハレル、ルー・タバキン、ビリー・ハート、アストル・ピアソラ、チャールス・ミンガス、エンリコ・ラヴァ、フェデリコ・フェリーニ、ジョン・テイラー、グレタ・ガルボ、スティーブ・レイシーとくればコレ何だか分かります? コレ全部彼のオリジナル・ナンバーの曲名(人名)。

 もうお馴染みの名前もありますでしょ。中にはハリウッド女優さんなんかも居ますが、何と安直なタイトルでしょうか。曲名を考えるのが面倒臭かったのか、あるいは敬意を表し使わさせていただいているのでしょうか。しかもタイトル(人名)と曲調曲想との関連性があるのかというと全くもってありません。この件に関しては是非ご本人に訊いてみたいところです。さてこのニュー・アルバムには人の曲名は? といつもながら気になり曲名に目をやってみましたが今回はなく少し残念。

 彼は1962年イタリアはシチリアのパレルモ生まれで私と同い年だ。という訳で贔屓にしているのではないのですが、有名になったとはいえまだまだ日本のジャズ市場では無名に近い存在。もっともっとCDが売れてくれないとこれじゃ生活が出来ないと引退でもし、生まれ故郷のシチリアに帰って漁師にでもなられても私も困るのだ。

 1曲目のタイトル・ナンバー<Sicilian Opening>は、まさしくシチリアの海を思わせる乾いたドラムとベースに少し湿り気を湛えたピアノが程好くブレンドされたトラディショナル風佳曲。つづく<La Grande Ilusion>はスパニッシュな響きを持つバラッドで、いかにもアノ寺島さんがお気に召すであろうナンバーだ。おやっ、次の<Ideal Standard>のイントロからしてこれまた寺島さ~んと叫びたくなる曲調。もうこれだけで寺島ご推薦盤などとポップ書きして店頭にでも並んでいそうだ。でも実際どうなんですかね寺島さん、ご推薦の意志はおありですか。

 このアルバム、最初に書いた通りビートルズ・ナンバーが2曲。その一つに私がビートルズ隠れ名曲と訴える<Blackbird>がゴスペル風イントロにつづきあのメロディを迎える。その瞬間この曲が隠れ名曲でなく、表舞台に堂々居座ることになるのだ。誰もが「へぇ~、こんないい曲だったっけ」と思わずオリジナルを聴き返してみたくなるだろう。それにまた輪をかけるように美メロの<It Plays From For>が追い打ちをかける。これもまたゴスペル・ライクな仕上がりで、よくまあ次からつぎへとメロディが湧き出てくるもんだと感心する。

 いくらビートルズが好きだからといってジョン・レノンやポール・マッカートニーなる曲名をつけるのは土台無理な話であろうか。もう一曲のビートルズ・ナンバーは<She's Leaving Home>とこれまた渋めの選曲。従来のメロディを活かしたり殺したりし終いにはちゃんと結実開花させる展開。巧い! の一言。こうしてシチリアの夢の工房は次なる作品を創るべくまた動き出すのである。

-NO.593-


★土家★

 東村山駅からほど近い住宅地、否自然に囲まれた場所に新進気鋭の蕎麦屋がある。大自然というわけではないが、お店の近くには田畑はもちろん小川も流れており、ひょっこり狸も顔を出すという。築90年という古民家のいいところを存分に活かしているのが特に厨房であり、その前にこしらえたカウンターは居心地抜群のレイアウトである。またテーブル席からは日々の自然の営みが感じられていい。今回感動的だったのは蕎麦でも酒肴でもなく“屋守(おくのかみ)”という地酒だった。もちろん蕎麦も言うことなし、地の野菜を使った炊き合わせや糠漬けにも驚きが隠されている。どれもこれもホンマ旨いです。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-あめりかん ちゅ~ん  僕にはひと回りほど離れた兄が二人いる。物心ついた僕が気がつけば兄は高校生。その兄の部屋に行こうものならオフクロや婆ちゃんに酷く叱られたものだ。決して兄は勉強などしている様子もなく、僕だけ子供であとの五人の家族は大人という認識と知ってはいけない世界がそこにはあるのだという興味だけが募った。

 或る日離れにある兄の部屋に誰もいないのを機に侵入。両親は居たが商売上お店に詰めており接客中だった。

 兄の部屋は二階、今思い起こすと急な階段で、四段目、お化けの手がにゅ~と伸びてきて足首を捕まれる。十三段目では西洋からの刺客ドラキュラが牙を光らせ見下ろしている。あと一段、登りつめた挙句ロボットが行く手を阻むらしい。が、数々の試練に耐え困難を乗り越えた先には初めて見る兄の部屋が二間あった。

 ここはどうにも身内の家でなく余所の家に侵入したような罪悪感と、今にも下階から大勢の大人達が僕を捕らえるべく登ってくるのだろうかと心臓が高鳴っていた。その中には子供にとって恐ろしく怖い存在のお廻りさんも居る。

 さてあまり長居はできない。奥へ足を踏み入れると見たこともない家具調のステレオが床の間を陣取っていた。後で知ったことだが、ターンテーブルの回転数を調節するダイアル表示には16、33、45、78とあった。特に16は何のためだったのか正規の試聴というものはやらず終いだ。ただ遊びで45回転のシングル盤を16回転で鳴らしてみた。また45回転を78回転で鳴らしてみたりもした。結果は皆さんも想像つくかと思うのでゾンビが低く唸る声やヘリウムガスを吸って出すアヒルのような声だったなんて書くつもりはない。!?って書いてしまいましたやん。

 さあ家探しならぬ何枚かのレコードが目に留まったのが人生の分かれ道。もちろん聴いたこともなければ聴かせてもらったこともありません。これも後に分かったことですが、兄は二人揃ってビートルズよりもサイモン・アンド・ガーファンクルのファンだったということです。見つけ手にしたシングル・レコード“ミセス・ロビンソン”あの“卒業”の艶めかしいロビンソン夫人(アン・バンクロフト)の御脚、その奥にただ茫然と佇むベンジャミン(ダスティン・ホフマン)のジャケットは一生涯忘れられないものに。

 行きはヨイヨイ帰りはコワイ、まさに急降下並みの階段は這いつくばってジリジリと降りてゆくのであった。その怖さに十三段目も四段目も忘れてしまっていた。僕の高所恐怖症はこの時の階段降りから備わっていたのだろうか、はたまたこの時を境になってしまったのだろうか。

 数年後、僕が小学校四年生になり、あの離れの二階の二間を占領することになった。誇らしい気分と大人へのステップを感じたと同時に一人だだっ広い部屋で寝起きする怖さも知った。

 兄が夏休みで帰省してきた時抱え持って帰ってきたのがポール・サイモンのセカンド・ソロ『THERE GOSE RHYMIN' SIMON(ひとりごと)』だった。当時この良さっていうのが分からず、ただ聞き流していたと思う。さらに時間を重ね改めて聴く<僕のコダクローム>はポール・サイモンがこだわったサウンド(音)の連鎖が聴かれ、<アメリカの歌>では腐敗したアメリカへの警鐘をさわやかなタッチで歌い紡いでいる。 ♪ぼくらはメイフラワー号という舟に乗って 月まで行ける舟に乗って 現代のもっともさだかならぬ時間に到達した そしてアメリカの曲を歌っている だけど いいのさ いいんだよ 昨日という日は無味乾燥な日に変わるだけだ ぼくは安らぎを手に入れようとしている ぼくが手に入れようとしているのは 安らぎだけなんだ というこの詩に乗せたメロディも一生涯忘れることのないものになったのは兄と聴いたあの夏の日にさかのぼる。

 僕にとって音楽のルーツは二人の兄の影響によるところがとっても大きい。「お前っ! 何でそんな古い曲知ってんだ」と言われるのも仕方のないことです。

-NO.592-


GIRASOLE(ジラソーレ)

 目黒川沿いにひっそり佇むシチリア陶器のお店で、ジョバンニ・デ・シモーネの作品が所狭しと並んでいます。一度この陽気なお皿や珈琲カップ、スープ皿を手に取ってしまったが最後でしょう。目も眩むような色と柄に目は釘づけ、足も動かなくなってしまいます。これは入口にあるお店の陶器製看板です。ちなみにタイル柄に紛れ込んだアルバム・ジャケット分かりますか?

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-Gigolo  前回につづいて通勤四方山話で認許していただこう。

朝自宅を出て会社までの道程はたったの1.2キロ。コレといって何の楽しみもあるわけでもなく、会社すぐ手前にある“ブールヴァール・デ・ガトー”という洋菓子屋さんの甘~く馥郁(ふくいく)たるパン生地の焼けた芳しい香りが歩幅を狭めさせてしまう。往きはそれだけだ。

 帰りはというとかなり違う。会社を出てすぐの洋菓子屋さんは朝ほどのふくよかな香りはなく、そそられることなく過ぎ去った先には近所で有名な“うなぎの石川”が待っている。当然歩道に面した換気扇からは、けたたましいほどの煙が匂いを伴って噴き出している。特に夏のうなぎは小骨が細く少なく脂がのってて旨いのは百も承知だ。うむ、今日も店のオヤジと目が合ってしまった。もうボチボチ食べに行ってやらないとなぁと言わせる目で返してくる。

 少し歩みを進め交差点に差し掛かった矢先に鉄の摩擦する匂いが微かにしてくる。よくある合鍵屋さんだ。某スーパーの一角に小さな店を構えている。合鍵以外に靴のリペアもしている1メートル四方の店舗だ。そしてこの後大好きな匂いが待っている。

 それはアルコール成分たっぷりの消毒液の匂いだ。もちろん病院などで嗅ぐあれ。さて自宅から一番近いそれらしきものはと言うと“ますだ歯科”の看板、未だ行ったことはない。雑居ビルの2Fにあって、大抵は南風に泳がされ私とぶち当たる。風向きによってその匂いの度合いが違ったり、またそれによって風の流れや力を知るのである。何で消毒液の匂いなんかが好きなのか? その答えは何となく落ち着くのである。病院に行ってジタバタしてもしょうがない。注射前のあのスッとする消毒、図太い針なり鋭いメスなりすきにしろって観念させる魔力がある。私にとってちょっとした麻酔のようなものだ。

 今日はいつもより遅い時間、具体的に言うと21時を過ぎたころ家路につくと、描写され続けてきた匂いがどこもかしこもしないから寂しい。ただ夏休み、火薬臭がふと鼻を突く。さっきまで子供たちが遊んでいたのだろう、足下には少しの花火屑が残っていた。

 さて匂い序でにジャズ・シーンを一世風靡したブルーノート諸作には50年代、60年代初頭、60年代中後期、70年代とそれぞれに似つかわしい匂いが音から立ち込めている。その中でも65年作品炎のトランペッター リー・モーガンの『THE GIGOLO』の匂いを嗅いでみることにしよう。そのころジャズロックの栄耀栄華やボッサのジャズへの介入も落ち着き、メインストリームはやがて百万ボルトに値するオール電化(エレクトリック導入)へと急き立てる。

 そんな不穏分子が蔓延るなかモーガン作<Yes I Can, No You Can't>のキャッチーなメロディがその時代の空気を語ってくれる。ここらあたりからブルーノートのハウス・ドラマー的存在になるビリー・ヒギンズのスネア一発を機に時代を象徴するボブ・クレンショーのベース・ラインとファンクネスなハロルド・メイバーンの♪コロ♪コロ♪ピアノが呼び水となってモーガンと後にウェザー・リポートで活躍するウエイン・ショーターのテナーがユニゾンで主旋律を奏でる。よくショーターを黒魔術的などと表現されるが、ここで聴けるテナーは温か味があって好きだ。

-NO.591-


★神戸酒心館(福寿)★

 灘の酒蔵巡りをというお方にはここをおすすめします。何てたって試飲コーナーがいい。其々置いてある酒もいい。そんでもって試飲コーナー担当のおやっさん(酒匠)がアレもコレもと注いでくれる気前のいい方。気がついたら軽く一合くらい呑まされちゃうよ。最初にここからスタートしちゃうとフラフラで他を廻らなくっちゃいけないからご注意を!

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-hod o'brien  私はもっぱら通勤には二本の脚だけに頼っているのだが、会社までの片道は健脚にて10分強の約1.2KM。何だたったのそれっぽっちかと馬鹿にされそうなもんだが、激しい雨が降ろうが突風が吹き荒もうが深々と凍りつくよな雪が舞い降りようが、365日せっせと続けることが大事だと大袈裟にも心の支えとしている。

 50近くにもなるとあちこと支障をきたし、一昔前フットサルが流行りだしたころ会社の若い連中に混じって手合わせしたのがそもそもいけなかった。左膝が悲鳴を上げるのだ。堪らず医者に診てもらいレントゲンでは判らずMRIなる精密検査に挑んだ結果、靭帯損傷・半月板変性という肩書きならぬ名誉を戴いた。俗に生活習慣病と呼ばれる糖尿病や脂質異常症、高血圧に高尿酸血症、挙句の果てメタボリック症候群に比べ、こりゃアスリート並の診断結果ではないかと一瞬格好いいとさえ感じたものだ。

 しかしどれだけの月日が経とうと一向に治る兆しは無く、日によっては膝に潜む悪魔たちの機嫌で好不調が左右される。対策も絶対安静が一番とも言ったり、老化現象による筋力減衰防止策として筋力強化がいいと言ったりと判断にむつかしい。

 先ほどから大そうに話していますが、実のところ名誉なる損傷名に隠された症状はと言うと、何ミクロンの傷口程度らしい。今夏盛りのセミ達に置き換えれば致命傷的症状で、骨の一本二本折れた騒ぎでないはずが私にとってはあくまでも何ミクロンの世界で「あっ痛たた痛たた」の大騒ぎ。悪魔のご機嫌をとりつつ、こりゃ仲良く付き合うしかねぇなぁと<悪魔を憐れむ歌 >でも口ずさむ今日この頃です。

 となればあのストーンズの“ベガーズ・バンケット”登場と相成るはずが・・・何の脈絡もなく<ナタリー(Nathalie)>という素敵な女性を、否、素敵な曲をご紹介しよう。<ナタリー>とくれば誰もがフリオ・イグレシアスの大名曲を思い浮かべるであろうし、私はフランスのピアニスト、アラン・ジャン・マリーの大名盤(入手困難だった)“Biguine Reflections Vol.4”にそっと置かれている曲であり、日本では癒し系はハナレグミの“音タイム”に収録されていたナンバーであり、そこへ間髪入れず「一寸待った~!」と竹内まりやはRCA時代の1981年作“ポートレイト”での人気曲とまだまだ出てくるのである。

 ジャズ輸入盤ブームを加速つけさせたのがレザボア・レーベルであり、ホッド・オブライエンの『Ridin' High』。その中に彼のオリジナル・ナンバーで芳しき旋律の<Nathalie>が添えられている。アルバム全体に拡がるスインギーな流れがふと7曲目でムードを変える。訥々とシンコペイトされたピアノに導かれながらベースとドラムがそれに溶け込んき、みるみるうちに辺りの空気が青みを帯びてくる。ここではどこかエキゾチックな装いを纏った【ナタリー】が、悠久の旅路を終え確実に私の前へとその姿を露わにする。

 しかもその前後には佳曲<You And The Night And The Music>と<Summer Night>が挟み撃ちしているのだから堪ったもんんじゃない。当時無名に近かったオブライエンは起死回生に選んだのがタイトル・ナンバーでありオープニング・ナンバーの<Ridin' High>だったのだろうが、日本人の琴線をくすぐったのは聴いて納得の<Nathalie>に他ならない。挟み撃ちした2曲が霞んでしまうほどの美旋律たるゆえんだ。

-NO.590-


★ボンルパ心斎橋店★

 目抜き通りから一歩入ったところに洒落た酒屋さんというか洒落た看板が目に入った。お馴染みのニッカ・ウヰスキーにメルシャン・ワインの古風な看板。店内に入るとお酒以外にチーズやドライ・フルーツなどどれにしようか悩んでしまうほど充実。