シチリアにある夢の工房の主はサルバトーレ・ボナフィデ | 新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景

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某サイトの『ぺんたno座右の銘盤』、『続・ぺんたno座右の銘盤』の続編となります。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-sicilian opening  私が毎度新作を待ちわび楽しみにしているちょいマイナーなイタリアのピアニストがいる。今回の新作は『Sicilian Opening』というからシチリア民謡集でも出したのかなと。内容はというとらしいメロディもちらほらするがビートルズありゴスペルあり、いつもと変わらないSalvatore Bonafede(サルバトーレ・ボナフィデ)が居た。

 シチリアといえば前回アップしたシチリア陶器のお店、その写真を今回使えば良かったのにねぇ何て思ったりもするのだが、そこは何の関連性の無いのが私らしくていいのかと。関連性が有るか無いかとなるとこのボナフィデもそうなんよね。

 メル・ルイス、ポール・モチアン、ジョー・ロバーノ、ポール・ブレイ、フランク・シナトラ、アダム・ナスバウム、トム・ハレル、ルー・タバキン、ビリー・ハート、アストル・ピアソラ、チャールス・ミンガス、エンリコ・ラヴァ、フェデリコ・フェリーニ、ジョン・テイラー、グレタ・ガルボ、スティーブ・レイシーとくればコレ何だか分かります? コレ全部彼のオリジナル・ナンバーの曲名(人名)。

 もうお馴染みの名前もありますでしょ。中にはハリウッド女優さんなんかも居ますが、何と安直なタイトルでしょうか。曲名を考えるのが面倒臭かったのか、あるいは敬意を表し使わさせていただいているのでしょうか。しかもタイトル(人名)と曲調曲想との関連性があるのかというと全くもってありません。この件に関しては是非ご本人に訊いてみたいところです。さてこのニュー・アルバムには人の曲名は? といつもながら気になり曲名に目をやってみましたが今回はなく少し残念。

 彼は1962年イタリアはシチリアのパレルモ生まれで私と同い年だ。という訳で贔屓にしているのではないのですが、有名になったとはいえまだまだ日本のジャズ市場では無名に近い存在。もっともっとCDが売れてくれないとこれじゃ生活が出来ないと引退でもし、生まれ故郷のシチリアに帰って漁師にでもなられても私も困るのだ。

 1曲目のタイトル・ナンバー<Sicilian Opening>は、まさしくシチリアの海を思わせる乾いたドラムとベースに少し湿り気を湛えたピアノが程好くブレンドされたトラディショナル風佳曲。つづく<La Grande Ilusion>はスパニッシュな響きを持つバラッドで、いかにもアノ寺島さんがお気に召すであろうナンバーだ。おやっ、次の<Ideal Standard>のイントロからしてこれまた寺島さ~んと叫びたくなる曲調。もうこれだけで寺島ご推薦盤などとポップ書きして店頭にでも並んでいそうだ。でも実際どうなんですかね寺島さん、ご推薦の意志はおありですか。

 このアルバム、最初に書いた通りビートルズ・ナンバーが2曲。その一つに私がビートルズ隠れ名曲と訴える<Blackbird>がゴスペル風イントロにつづきあのメロディを迎える。その瞬間この曲が隠れ名曲でなく、表舞台に堂々居座ることになるのだ。誰もが「へぇ~、こんないい曲だったっけ」と思わずオリジナルを聴き返してみたくなるだろう。それにまた輪をかけるように美メロの<It Plays From For>が追い打ちをかける。これもまたゴスペル・ライクな仕上がりで、よくまあ次からつぎへとメロディが湧き出てくるもんだと感心する。

 いくらビートルズが好きだからといってジョン・レノンやポール・マッカートニーなる曲名をつけるのは土台無理な話であろうか。もう一曲のビートルズ・ナンバーは<She's Leaving Home>とこれまた渋めの選曲。従来のメロディを活かしたり殺したりし終いにはちゃんと結実開花させる展開。巧い! の一言。こうしてシチリアの夢の工房は次なる作品を創るべくまた動き出すのである。

-NO.593-


★土家★

 東村山駅からほど近い住宅地、否自然に囲まれた場所に新進気鋭の蕎麦屋がある。大自然というわけではないが、お店の近くには田畑はもちろん小川も流れており、ひょっこり狸も顔を出すという。築90年という古民家のいいところを存分に活かしているのが特に厨房であり、その前にこしらえたカウンターは居心地抜群のレイアウトである。またテーブル席からは日々の自然の営みが感じられていい。今回感動的だったのは蕎麦でも酒肴でもなく“屋守(おくのかみ)”という地酒だった。もちろん蕎麦も言うことなし、地の野菜を使った炊き合わせや糠漬けにも驚きが隠されている。どれもこれもホンマ旨いです。