昭和40年の空気匂いますでしょうか? | 新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景

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独断と超偏見による、勝手気ままでええ事しか書かん日記のようなもんです。
まあるい形してて、音が飛び出してくるモノへの愛情表現です。
ほなお暇なお方はどうぞお入りやす。
某サイトの『ぺんたno座右の銘盤』、『続・ぺんたno座右の銘盤』の続編となります。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-Gigolo  前回につづいて通勤四方山話で認許していただこう。

朝自宅を出て会社までの道程はたったの1.2キロ。コレといって何の楽しみもあるわけでもなく、会社すぐ手前にある“ブールヴァール・デ・ガトー”という洋菓子屋さんの甘~く馥郁(ふくいく)たるパン生地の焼けた芳しい香りが歩幅を狭めさせてしまう。往きはそれだけだ。

 帰りはというとかなり違う。会社を出てすぐの洋菓子屋さんは朝ほどのふくよかな香りはなく、そそられることなく過ぎ去った先には近所で有名な“うなぎの石川”が待っている。当然歩道に面した換気扇からは、けたたましいほどの煙が匂いを伴って噴き出している。特に夏のうなぎは小骨が細く少なく脂がのってて旨いのは百も承知だ。うむ、今日も店のオヤジと目が合ってしまった。もうボチボチ食べに行ってやらないとなぁと言わせる目で返してくる。

 少し歩みを進め交差点に差し掛かった矢先に鉄の摩擦する匂いが微かにしてくる。よくある合鍵屋さんだ。某スーパーの一角に小さな店を構えている。合鍵以外に靴のリペアもしている1メートル四方の店舗だ。そしてこの後大好きな匂いが待っている。

 それはアルコール成分たっぷりの消毒液の匂いだ。もちろん病院などで嗅ぐあれ。さて自宅から一番近いそれらしきものはと言うと“ますだ歯科”の看板、未だ行ったことはない。雑居ビルの2Fにあって、大抵は南風に泳がされ私とぶち当たる。風向きによってその匂いの度合いが違ったり、またそれによって風の流れや力を知るのである。何で消毒液の匂いなんかが好きなのか? その答えは何となく落ち着くのである。病院に行ってジタバタしてもしょうがない。注射前のあのスッとする消毒、図太い針なり鋭いメスなりすきにしろって観念させる魔力がある。私にとってちょっとした麻酔のようなものだ。

 今日はいつもより遅い時間、具体的に言うと21時を過ぎたころ家路につくと、描写され続けてきた匂いがどこもかしこもしないから寂しい。ただ夏休み、火薬臭がふと鼻を突く。さっきまで子供たちが遊んでいたのだろう、足下には少しの花火屑が残っていた。

 さて匂い序でにジャズ・シーンを一世風靡したブルーノート諸作には50年代、60年代初頭、60年代中後期、70年代とそれぞれに似つかわしい匂いが音から立ち込めている。その中でも65年作品炎のトランペッター リー・モーガンの『THE GIGOLO』の匂いを嗅いでみることにしよう。そのころジャズロックの栄耀栄華やボッサのジャズへの介入も落ち着き、メインストリームはやがて百万ボルトに値するオール電化(エレクトリック導入)へと急き立てる。

 そんな不穏分子が蔓延るなかモーガン作<Yes I Can, No You Can't>のキャッチーなメロディがその時代の空気を語ってくれる。ここらあたりからブルーノートのハウス・ドラマー的存在になるビリー・ヒギンズのスネア一発を機に時代を象徴するボブ・クレンショーのベース・ラインとファンクネスなハロルド・メイバーンの♪コロ♪コロ♪ピアノが呼び水となってモーガンと後にウェザー・リポートで活躍するウエイン・ショーターのテナーがユニゾンで主旋律を奏でる。よくショーターを黒魔術的などと表現されるが、ここで聴けるテナーは温か味があって好きだ。

-NO.591-


★神戸酒心館(福寿)★

 灘の酒蔵巡りをというお方にはここをおすすめします。何てたって試飲コーナーがいい。其々置いてある酒もいい。そんでもって試飲コーナー担当のおやっさん(酒匠)がアレもコレもと注いでくれる気前のいい方。気がついたら軽く一合くらい呑まされちゃうよ。最初にここからスタートしちゃうとフラフラで他を廻らなくっちゃいけないからご注意を!