私はもっぱら通勤には二本の脚だけに頼っているのだが、会社までの片道は健脚にて10分強の約1.2KM。何だたったのそれっぽっちかと馬鹿にされそうなもんだが、激しい雨が降ろうが突風が吹き荒もうが深々と凍りつくよな雪が舞い降りようが、365日せっせと続けることが大事だと大袈裟にも心の支えとしている。
50近くにもなるとあちこと支障をきたし、一昔前フットサルが流行りだしたころ会社の若い連中に混じって手合わせしたのがそもそもいけなかった。左膝が悲鳴を上げるのだ。堪らず医者に診てもらいレントゲンでは判らずMRIなる精密検査に挑んだ結果、靭帯損傷・半月板変性という肩書きならぬ名誉を戴いた。俗に生活習慣病と呼ばれる糖尿病や脂質異常症、高血圧に高尿酸血症、挙句の果てメタボリック症候群に比べ、こりゃアスリート並の診断結果ではないかと一瞬格好いいとさえ感じたものだ。
しかしどれだけの月日が経とうと一向に治る兆しは無く、日によっては膝に潜む悪魔たちの機嫌で好不調が左右される。対策も絶対安静が一番とも言ったり、老化現象による筋力減衰防止策として筋力強化がいいと言ったりと判断にむつかしい。
先ほどから大そうに話していますが、実のところ名誉なる損傷名に隠された症状はと言うと、何ミクロンの傷口程度らしい。今夏盛りのセミ達に置き換えれば致命傷的症状で、骨の一本二本折れた騒ぎでないはずが私にとってはあくまでも何ミクロンの世界で「あっ痛たた痛たた」の大騒ぎ。悪魔のご機嫌をとりつつ、こりゃ仲良く付き合うしかねぇなぁと<悪魔を憐れむ歌 >でも口ずさむ今日この頃です。
となればあのストーンズの“ベガーズ・バンケット”登場と相成るはずが・・・何の脈絡もなく<ナタリー(Nathalie)>という素敵な女性を、否、素敵な曲をご紹介しよう。<ナタリー>とくれば誰もがフリオ・イグレシアスの大名曲を思い浮かべるであろうし、私はフランスのピアニスト、アラン・ジャン・マリーの大名盤(入手困難だった)“Biguine Reflections Vol.4”にそっと置かれている曲であり、日本では癒し系はハナレグミの“音タイム”に収録されていたナンバーであり、そこへ間髪入れず「一寸待った~!」と竹内まりやはRCA時代の1981年作“ポートレイト”での人気曲とまだまだ出てくるのである。
ジャズ輸入盤ブームを加速つけさせたのがレザボア・レーベルであり、ホッド・オブライエンの『Ridin' High』。その中に彼のオリジナル・ナンバーで芳しき旋律の<Nathalie>が添えられている。アルバム全体に拡がるスインギーな流れがふと7曲目でムードを変える。訥々とシンコペイトされたピアノに導かれながらベースとドラムがそれに溶け込んき、みるみるうちに辺りの空気が青みを帯びてくる。ここではどこかエキゾチックな装いを纏った【ナタリー】が、悠久の旅路を終え確実に私の前へとその姿を露わにする。
しかもその前後には佳曲<You And The Night And The Music>と<Summer Night>が挟み撃ちしているのだから堪ったもんんじゃない。当時無名に近かったオブライエンは起死回生に選んだのがタイトル・ナンバーでありオープニング・ナンバーの<Ridin' High>だったのだろうが、日本人の琴線をくすぐったのは聴いて納得の<Nathalie>に他ならない。挟み撃ちした2曲が霞んでしまうほどの美旋律たるゆえんだ。
-NO.590-
★ボンルパ心斎橋店★
目抜き通りから一歩入ったところに洒落た酒屋さんというか洒落た看板が目に入った。お馴染みのニッカ・ウヰスキーにメルシャン・ワインの古風な看板。店内に入るとお酒以外にチーズやドライ・フルーツなどどれにしようか悩んでしまうほど充実。