新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景 -9ページ目

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景

独断と超偏見による、勝手気ままでええ事しか書かん日記のようなもんです。
まあるい形してて、音が飛び出してくるモノへの愛情表現です。
ほなお暇なお方はどうぞお入りやす。
某サイトの『ぺんたno座右の銘盤』、『続・ぺんたno座右の銘盤』の続編となります。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-basia  BASIA(バーシア)、この響き懐かしいでしょう。81年マット・ビアンコの紅一点としてデビュー、その後ソロ活動に専念しつつもマット・ビアンコの一員としてちょいと気紛れにリ・ユニオンを組んだり、ここにきては約15年ぶりのニュー・アルバム『イッツ・ザット・ガール・アゲイン』を携えて僕らの前に戻って来た。

 本名はバーバラ・スタニセワ・チェチェレフスカといいポーランド出身。いい名前だ。ズバリ東欧ならではの名前で、実に体操競技をやらせると金メダル間違いなしの声が聞こえてきそうだ。彼女は多くのポップスや特にソウル系ミュージックにリスペクトを受け、70年代のポーランドにおける社会主義体制下では闇ルートにしか流れなかったそれらを確実に耳にし、血湧き肉踊らせ自己啓発してゆく彼女だった。そして完成されたのがスタイリッシュ・ヴォイスというわけだ。

 彼女は黒人民族音楽と白人西洋音楽とが融合した音楽や、伯剌西爾阿弗利加系住民による集団的音楽が前述した融合音楽の影響を受けたもの、また米国における黒人流行歌、ええいっ、単純に言い換えればジャズやボサノヴァ、R&Bを取り入れた多種多様なサウンドなのだ。

 さて彼女との馴れ初めといいましょうか出逢いはというとサード・アルバム『スウィーテスト・イリュージョン』の中の<サード・タイム・ラッキー>でした。ずっとずっとこの曲一本で他の曲には脇目も振らずいましたが、或る日何とこのデビュー・アルバム『タイム・アンド・タイド』のタイトル曲で腰砕けになってしまいました。ジャケットもいいではありませんか。後にジャケ違いも発売されているので慌てお買い求めなさら無い様にしてくださいね。「いやいや何を仰るのですか! 私はオリジナル・ジャケを持っておりませんので敢えて買い求めるのです」という方は是非お買い求め下さい。ただしコンプリートなさる方はファースト盤だけで3パターンのジャケットが存在していますので。

 僕の中で彼女の最高楽曲として君臨する<タイム・アンドタイド>は何度聴いても凄い! 第一にこの手のダンサブルな音楽というものを私は滅多に聴かないし、最新鋭のコンピューターによるサンプリング・サウンドの塊には血が通っていないのかどうも苦手だ。それに引きかえこの曲は人間らしく血が通っていれば魂も宿っている。イントロはシンフォニックなシンセに包まれそれを図ったようにピアノが現れそれにヴォイスとベース、ドラムが加わる。リズムより随分と重視されたビートはゆったりと流れる。

 感動的な間奏部は2分20秒からビート深度はより重く底辺を彷徨う。バーシアが声高らかに「Yeah~」とシャウトし、そうかと思えば予想だにしなかった太くしなやかな声が全身全霊かたむけられる。もうこうなったらバーシアに心と身体を預けるしかない。「時の流れにまかせて」って歌われちゃしょうがないよね。あっそうか、テレサ・テンの“時の流れに身をまかせて”も<タイム・アンド・タイド>って言うんだろうかね。しかしバッキングのピアノは誰なんだろうか、普通から言って相棒のダニー・ホワイトなんでしょうが。バーシア以上に気になるってなわけじゃないけど、誰がなんと言おうとあそこでのバッキングはこうでなくっちゃと言ってほしいね。

 一般的にはボッサ・タッチの曲<フロム・ナウ・オン>や<ニュー・デイ・フォー・ユー><アストラッドへの想い>に人気が集まるでしょうが、私のおススメは次のジャズィな2曲。ジャズとボッサがくっついたり離れたりが面白い<マイルズ・アウェイ>、気だるさとアンニュイな雰囲気がとてもまぶしい<フォギブ・アンド・フォゲット>がお終いにそっと置かれているとこが憎いね。

 追伸:マット・ビアンコでの復活もお待ちしておりますよ。

-NO.589-


★月のののうさ★

 この春ブックマークナゴヤ2010が開催され、その参加店のひとつがこの店。名古屋市西区那古野の“四間道(しけみち)”の傍にある。四間道とは古くは江戸時代に火事などの教訓から道幅が七米もとられたという。今でもなまこ壁による蔵などが残されており、堀川とともに古き城下の風情が漂ってりる。肝心の“月のののうさ”には豆本を目当てに伺いました。古民家を再利用したお店には所狭しとかわいい手作りスタンプなどが並んでいます。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-mj5  なにかと不祥事続きで話題に事欠かない相撲界、ここ地元名古屋場所を控えた或る日大激震が起こった。とは言いつつこの手のことは何も相撲界に限ったことではないし、腐敗しきった日本の政治(家)に比べりゃ赤子同然の不始末と思うのだが。今の国会、選挙結果、安定多数は我々国民から見れば絶対不安定多数としか思えない。

 さて僕の中で相撲といえば小中学生の頃の話に集約される。プロレスも人気を博していたが身近な格闘技となると大相撲だった。紙相撲をやった記憶もあるし、友達と真剣に嵩じたのは白黒ハッキリ勝負がつく相撲だ。二強横綱として凌ぎを削った黄金の左の異名を持つ“輪島”と低重心からの突き上げ、左四つを得意とする不沈艦“北の湖”の時代。でももっと秘かなる楽しみが千秋楽にあった。千秋楽といえば優勝争いもさることながら表彰式のあの時を待つのであった。

 その年代をご存知の方なら「ヒョー ショー ジョウ」の名調子でピンときたでしょう。PAN-NAM(パンアメリカン航空)の認知度は大相撲千秋楽の表彰式における極東地区広報担当支配人デビッド・ジョーンズ氏の日本語ででかのスピーチでしょう。またパンアメリカン航空杯のドでかいトロフィーをふらつきながら授与したシーンも、その滑稽さやその実役者顔負けの演技力にドッと笑いが起こるシーンは忘れ難い。

大阪場所では「アンタハンハ」、名古屋場所では「オミャーサンハ」など遊び心も忘れてない。そして僕がとっておきと称した場面はたどたどしい日本語でのスピーチの後、その刹那。会社およびご自身の紹介のくだりだ。アメリカ人なのだから当たり前なのだが、満を持して解き放たれたおよそその土俵上には似つかわない異国の言葉がゾクゾクっとさせてくれた。

 前口上が長くなったがゾクゾクっ序でに、1984年先月休刊に追い込まれたスイングジャーナル誌とキングレコードが川島重行をプロデューサーに立て結成したのがマンハッタン・ジャズ・クインテット(オリジナル・メンバー=デヴィッド・マシューズP、ルー・ソロフTP、ジョージ・ヤングTS、チャーネット・モフェットB、ステーヴ・ガッドDS)。以来年に一枚のペースでメンバーを替えながらテーマに基づいたコンセプト・アルバムを30枚ほど発表してきた。薀蓄序でにリーダーのデヴィッド・マシューズは、1990年に松田聖子が米国デビュー盤【seiko】でアレンジャーとして参加。ルー・ソロフはハイ・ノートを生かしスーパー・ブラス・ロック・バンド、ブラッド・スウェット&ティアーズやジャズの巨匠ギル・エバンスにも従事。

 さてMJQ、モダン・ジャズ・カルテットじゃないよ、クインテットのデビュー盤はその名も『Manhattan Jazz Quintet』で、既成(スタンダード曲)事実を心置きなく改ざん(ここでは悪用のためじゃないよ)、野趣ともにそれらに新鮮味を与えた。この手のものは1980年代初頭から顕著に見られ、キース・ジャレットが行ったスタンダーズ革命と同じだ。

 オープニングはガーシュイン作<サマータイム>、奇跡的な一曲となった。この聴き慣れた曲も彼方此方仕掛けを投じている。マシューズもスコアと睨み合い何度書き直したことだろう。イントロだって、55秒には天空にも突き刺さる ♪さ~ま た~ぃむ とルーが吹く褐色の鋼音にゾクゾクっとしちゃう。5分10秒、ぶっきら棒にマシューズがシングル・トーンでソロを始めるが、計算され尽くした非の打ちどころのないものだ。褒め序でにこのアルバム全編に感じるのはマシューズがピアニストであったということ。9分近い演奏だけどまったく飽きさせるこったぁない。

 リチャード・ロジャース作ミュージカル・ナンバー<マイ・フェイバリット・シングス>、ジャズ界ではジョン・コルトレーンのオリジナルだと思っていらっしゃる方が居てもおかしくないくらいイメージが出来上がっている。近年ではJR東海のCMテーマで赤坂達三のクラリネットが耳に残っているのでは。「そうだ 京都、行こう。」のバックで流れているやつ。そうそう、「そうだ 京都へ行こう」や「そうだ 京都に行こう」と思っていませんか? それは「そうだ 京都、行こう。」が正しいので記憶を改めていただこうかな。原曲もそうだし、CMはクラリネット、コルトレーンはソプラノ・サックスでいずれも線が細いのに対し、ここではジョージが勇猛果敢に泥臭いテナーでコレトレーンに応酬している。

 アルバム全6曲に外れなし。特にマシューズ作<ロザリオ>は急速調ナンバーで、ライブではたいていトリを務め、<サマー・ワルツ>はまぶしいほど可憐な曲で、暑いあの夏の日に連れていってくれることでしょう。デビッド・ジョーンズ氏はご存じの通りパンアメリカン航空が破綻したと同時母国へ帰り、2005年89歳の生涯を閉じられた。そうだ、ジョーンズ氏の物真似で「ヒョー ショー ジョウ」なんてやってないで、せめてあの流暢な語彙や発音でも真似してりゃあ良かったなと思う次第です。

-NO.588-


★BAR CORE★

 大阪は道頓堀にある立ち飲みバー。ちょうど法善寺から西へ出てきたところの角にあり、L型カウンターに大人6人がギュウギュウ詰めに立つと身動きできないほどの間口一間×一間のお店。ふらっと立ち寄るには好都合。白州、山崎はもちろん、マッカランなどそこには琥珀色した誘惑が漂っている。軽いつまみもあり、ワンコインとはいかないが今日のお小遣いで飲めちゃういいお店。なにか立っていることも忘れ、ついつい長居してしまう不思議な小空間だ。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-french ballads  七夕というのは彦星と織姫の逢瀬(デート)が一般的な逸話として語り継がれてきたが、本当はそうではないらしい。気になるところではあるが、まあそんな堅苦しいことは放っておいて七夕に相応しい一枚はないかとして思惟し見つけたのがバルネ・ウィラン(ts)の『フレンチ・バラッズ』、云わばシャンソンを基調としたバラード集とでも言っておこう。

 七夕の時期はたいてい梅雨がまだ明けきっていない、即ち蒸し暑く寝苦しい日々の最中ということ。因って涼みを得るためのアイテムがバルネの吹く仏蘭西名譚詩集と相成った。一念天に通ずといったナンバーばかりで、まさに願い叶って涼気さが浮遊してくる。

 バルネは何と言っても【ラ・ノート・ブルー】で復活の狼煙を上げた“IDA”の諸作に限る。しかもワン・ホーンであるからしてそのバルネの威力は必至。録音もフランスはパリ郊外のイエールで、それは夢のような時間であったに違いない。

 オープニング<詩人の魂 (L'Ame des Poetes)>は、お馴染みシャンソン曲。私自身何度となくバルネを取り上げてきましたが、讃美の句を与えるに相応しいと漸く気づかされた一曲ではないでしょうか。要はバルネのエスプリがすべてここに記されていると感じたからです。何がどうこうでなく。続くミシェル・ルグラン作<これからの人生>における低く垂れ込めたトーンのサジ加減はモノの見事と言う他ないでしょう。

 極めつけは<パリの空の下 (Sous le Ciel de Paris)>、アップ・テンポの3拍子、サビは高らかに、アドリブは濃厚なほとばしりを放つ。やがて感涙の面持ちで待ち構えていたマイ・フェイバリット・ナンバー<おもいでの夏 (Un Ete)>が当たり前のように奏でられるが、ここではソプラノで吹かれたことが私にはちょっぴり残念だった。代わりにと言っちゃあ何ですが、シナトラで有名な<マイ・ウェイ>では静かに語り、「人の心のありようなんて実にいい加減なものだ」と言わんばかりにテナーに持ち替える。心の中をそっと見透かされたようで、顔をあげられない。

 <枯葉 (Les Feilles Mortes)>はシャンソンの中でも名曲中の名曲であり、私にとっては厄介な超“迷曲”なのです。有り触れた曲ゆえに面白味のない演奏は聴く方がダラケてしまい、ここでのバルネのように粉骨砕身演っていただけるのならば誠心誠意聴いてやろうと思うのであります。

 ジャンゴ・ラインハルトの曲でジプシーの血が流れる陰と陽、その陽が勝った明るい曲想の<夢の城 (Manoir De Mes Reves)>は、常に陽が射しているような隠れたる名曲だ。<バラ色の人生 (La Vie en Rose)>に至っては終始何の曲やらてんで分からず、最後の最後でやっとテーマが現われるという心憎い構成。聴きなれたフレーズが飛び出した瞬間奇跡的名演となった。

 7月7日、年に一度一枚でいいからこういった作品に出会うことを願って止みません。

-NO.587-


★大阪証券取引所★

 大阪北浜の交差点にある大阪証券取引所は東京・名古屋と並び日本三大証券所であり、このシンボルである円形のエントランスは改築後もちゃんと遺されている。正面に鎮座する銅像は五代友厚で、大阪経済を立て直すため商工業の組織化や信用秩序の再構築を図った“大阪の恩人”と称される人物。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-funny face  オードリー・ヘップバーン、ソフィー・マルソー、メグ・ライアン(五十音順)。映画というものをあまり観ない私でもお気に入りの女優さんはいる。まさにその三人ということになるのだが、偶然にも五十音順が好きな順になっていたのは、たったの三人だったからなので、人に訊かれればこの順に答え、わざわざ五十音順が好きな順になっているなどと間違っても言わない。が、ここに書いてしまった。

 その中からオードリー・ヘップバーンがフレッド・アステアと共演した1957年作品『ファニー・フェイス(パリの恋人)』のサントラ盤を。実はこのCD入手が困難を極めており、ネット・オークションや中古市場などでも高値(数千円)を維持している。それがだ、あるCDバーゲン・フェアでたったの千円札一枚と交換できたのだから歓喜の声をあげずにはいられなかった。

 ヘプバーンはこの映画でアステアと互角に渡り合うため、撮影開始前の2ヶ月間パリのオペラ座のダンス教師についてダンスのレッスンを受けたという。もちろんCDではその気になる初々しいダンスを観ることはできないが、ダンス同様今作で初めて本格的な歌を披露し、それを耳にすることが出来るのだ。彼女のソロ・ナンバーはアルバム2曲目<How Long Has This Been Going On? >のみで、その歴史的瞬間を我々は体験することとなる。しかしそこで聴かれるのは歌というより台詞に近いものであり、恐る恐るマイクに向かっている彼女のシルエットが脳裡を過ぎる。

 これも歌というよりまさしく映画のワンシーンからの切り取り。<Bonjour, Paris! >でのヘップバーンは可愛らしさをかなぐり捨てがなり立てるようにシャウト! しまくる。それはそれで私にとって柳に風の心境であり、貴重な一コマなのだ。

映画ではシャンティ公園近くの野外でアステアとヘップバーンのダンス・シーンに挿入される<He Loves and She Loves>は、甘く囁くアステアの独唱で始まる。スクリーン・ファンには雨中で踊る二人が音もなく蘇ってくるであろう。最後までヘップバーンの声は現われないが、聴いているだけでヘップバーンの気配を感じる、まさに音もなく。そしてアステアに敬意を表してここに記した。

 <On How To Be Lovely>は最もヘップバーンの可愛らしさが傑出したナンバーだ。白眉はデュエットするケイ・トンプソンの“On How To Be Lovely”に続いてヘップバーンが同じように“On How To Be Lovely”と追っかけるくだり。ケイ・トンプソンには失礼だが、天地雲壊の差を感ずるほどヘップバーンは「ファニー・フェイス」ぶりを発揮する。決して上手くないところがすべて決め手となる。最後の<S' Wonderful>は、デュエットするアステアを凌ぐほどの讃美を与えられたのは言うまでもない。もちろん私からだが。

-NO.586-


★北浜レトロ★

 英国の旗が目印の北浜レトロ。お目当ては薫り高き紅茶と目移りしそうな珍しいお菓子たち。時間があれば是非格調高き本場のアフタヌーン・ティーを。店内奥の窓からはゆったりとした川面を覗くことができ、趣味のいい調度品のひとつ、この鏡にもゆるやかな時間が映し出されている。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-split coconut  私は何を隠そう、いや隠そうとしない大のタイガース・ファンである。いやちょっと待って! ジュリーが歌うGSのタイガースではないぞ、阪神電鉄乗客数倍増戦略のために結成されたタイガースの方である。私の生まれたのが干支でいう寅年、出身地は京都なので関西。しかもタイガースは優勝をもって私がこの世に命を受けたことを祝ってくれた。これだけの好条件が揃ったのだからタイガースを応援せずに生きてゆくことは許されないのだと全能の神ゼウスに誓って早40シーズン目となる。

 自分でいうのもなんだが、タイガース・ファンは何かと面白い。他球団の実情はあまり知らないので、そんなことないよ、ウチだって同じやと云われるかも知れないが。さりとて阪神タイガースはオモロイ。ファン皆が監督であり、解説者となって自分自身に独り語りそして野次るのだ。それらは全てお笑いの要素なり、厳しくも愛情を含むことが大前提となっている。だから見も知らぬ者が聞いても笑って済ませる。ファンの多くは野球観戦そのものよりもたくさんの楽しみ方を知っている。甲子園において野次るという行為は、次なる展開に恐怖慄いているからなのだだろう。結果的に勝てばその日タイガース・ファンは吉日となるのだ。

 これは以前某サイトでアップしたデイヴ・メイスン『スプリット・ココナッツ』の改訂版として楽をさせていただきたい。怠け癖の私にとって誠にありがたい常套手段なのだ。しかしただのコピーでは申し訳ないという気持ちが加筆修正の範囲を超えてしまった。単に大好きな作品として何度でも紹介したいという意気に駆られているだけなのであって、動機促進要因に“好き”という二文字さえあればそれでいい。

 デイヴ・メイスンはトラフィック脱退後70年に渡米し、初のソロ・アルバムはレオン・ラッセル、デラニー&ボニー、リタ・クーリッジらがゲストで参加しており、アメリカ南部のスワンプ系サウンドに傾倒した音楽性と自らのルーツである英国紳士的メロディを不思議にマッチさせたのが功を奏した。彼はイギリス人だが音は揺るぎないアメリカンそのもの。
 彼の作品の中でも一押しがアルバム『スプリット・ココナッツ』で、その中にはキラ星の如く輝きを放っている<Two Guitar Lovers>という泣きのギター満載の曲に心酔しきっている。それと双璧をなす<You Can Lose It>は盟友デヴィッド・クロスビーとグラハム・ナッシュがコーラスで参加、それをことごとく完膚なきまでに隅に追いやったメイスンのスライド・ギターが鳴き叫ぶ。最初の一で迷宮の入り口へと誘う<Give Me A Reason Why>は、全編に亘るジム・クリューガー弾くギター・フレーズの宝庫として存在感を示す。
 こんな風に詩が書けたら、こんな風にギターが弾けたら、こんな風に歌えたらと“ギュッ”と抱きしめたくなるような9つの音世界だ。第一曲名に<Sweet Music>なんてつけるかい。
-NO.585-

【ジェット風船(甲子園球場)】

 久しぶりの甲子園、待ちにまったジェット風船飛ばし。昨年は新型インフルエンザ騒ぎで自粛モード、風船の売上も阪神の成績も伸び悩む一方だった。が、今年は復活! 一個50円、4万人が飛ばせば200万円、さらに勝利の風船飛ばしで2万人が飛ばすと都合300万円をばら撒くこととなる。実際には4個入り200円なので、実売上は一試合当り400万円は確実なんだろうね。