新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景 -11ページ目

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景

独断と超偏見による、勝手気ままでええ事しか書かん日記のようなもんです。
まあるい形してて、音が飛び出してくるモノへの愛情表現です。
ほなお暇なお方はどうぞお入りやす。
某サイトの『ぺんたno座右の銘盤』、『続・ぺんたno座右の銘盤』の続編となります。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-kate davis  諺では「天は二物を与えず」と言っているにも拘らず、天が三物を与えたもうた喩えがある。ケイト・デイビスという名の若き女性ベーシストのことだ。その三つの優れたる要素の中には、見た目に可愛らしさなる切っても切れない大定義が存在し、男勝りともいうべき図太く強靭なベースワーク、さらに愕くなかれ歌が巧いとくる。鬼に金棒、虎に翼、弁慶に薙刀だ。

 さらに誉め述べると、天真爛漫な可愛らしさ、血湧き肉踊るベース、純度100%の歌声となる。彼女のデビュー作『Introducing Kate Davis』では、12の選ばれし曲の善し悪しを彼女の可愛さと引き換えに、天が三物を与えたのかどうかを検証してみたい。

 のっけから急速調で感情が激発する<Just One Of Those Things>は、彼女のベース以外耳に入ってこないほどの凄みがある。。どうって、ボボンボン、ブルンブルン、ダダッダダッダッという風に書くしかないのだ。ねぇお分かりいただけたでしょうか。ベースしか耳に入ってこないのは当たり前で、バース部から数小節はベースと歌のみで進んでゆく。何とピアノにはTony Paciniと希少価値の高いピアニストが、彼女のベースに煽られ荒れ狂うように弾いているではないか。でも彼女に限って言えばベースのみ◎としておく。

 ハイライトはラストに配されたビヨンセの<Crazy In Love>がカッコいい。David ValdezのサックスとDick Titteringtonのトランペットとがメラメラと鉄が熱く焼けるほどの芳香が立ち昇り、これまた希少価値充分のRandy Porterのピアノがメロディを弾けさせ、渾然一体となって狂喜乱舞の世界へといざなう。曲◎、ベース○、しかしインスト・ナンバーと分かって天も二物までとうな垂れる。ハイライトでこれじゃあ、では三物はというと。

 <ジ・オールド・カントリー>はキース・ジャレットのヴァージョンでいっぺんに私の愛でる曲となり、ナット・アダレイ畢生の名バラードと太鼓判を押す。本来この物静かな円熟味のバラードを、彼女はルーズで退廃的に、尚も骨太なサウンドを軸にスリリングな展開に持ち込む。この曲にしては本来の姿ではないにしろ、これはこれでまたとてもいいのだ。曲◎、歌○、ベース○と天が与えし三物がこれだ。

 世の中は(ジャズの世界も)女性の時代へ着々と歩んでいる。この華奢な彼女が抱持するは、ガッチリした男性が如き猛者ならぬウッド・ベースなのだ。補足しておくと、歌で◎を勝ち得たのは<Little Girl Blue>、じつに可憐だ。

-NO.579-


★中之島倶楽部(大阪市中央公会堂)★

 ここでは名物オムライスを食べましょう! 何とレギュラー・サイズで680円也。大阪は食い倒れの町だけあって安くて旨いわ。大正ロマンに身をゆだねてさあいただきましょう。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-猫ジェニー  これは期待通りといえばそうなんだろうし、期待外れと言ってもそうなんだろうね。ジェニー・スミス嬢とっておきの一枚がDot盤『ジェニー』、猫ジャケで一躍有名になった盤だ。RCA盤にも存在する同名『ジェニー』は、弱冠18歳の時のデビュー・アルバムで全体的に硬さ見られるが、反面そこが初々しくもあってよろしいかとの見解をする諸氏も多い。しかし猫ジャケジェニーは華の女26歳、殿方の目尻が下がるほど実に素晴らしいの一言に尽きます。

 ではその目尻が下がるとはどのようなものかと言いますれば、ご覧いただいておりまする照像に映れしご尊影にございます。またお抱きになさっておりまする子猫ちゃんの人懐っこさ、またその毛色はジェニー嬢の金色に輝く髪と同じではないですか。さらに(この際)お二方が見つめる先には何があろうかと気にはなりますまいか。ことジェニーに関して「美人は言わねど隠れなし」のようにはいかず、まだまだ知らぬ殿方が多いようで返す返すも残念でなりませぬ。ここは一つ華麗なる歌声でお引き合わせいたすことにしましょう。

 まこと期待通りとはこのこと。ジャケット・イメージに似つかわしい<Spring In Maine>は、サックス奏者ドン・トレンナーを軸としたコンボと彼のオーケストラとの息の合ったバックを背に、ジェニーは朗々と歌い上げている。<You Don't Know It>は一転して華やかなでパンチの効いた歌と演奏が心地よく、特にバック陣では管がいい。クレジットを見やると4人いるトロンボニストにあのフランク・ロソリーノが居て、ギターにはハーブ・エリスと渋い面々が揃っているではないか。ロソリーノは前述した曲にこの曲含め全4曲に参加しており、何と言っても彼の音色は西海岸の乾いたトビっきり優しきサウンドだ。またボブ・ニールの叩くドラムは、かつての歌謡TV番組【夜のヒットパレード】の看板バンド、そうダン池田とニューブリードのドラム・サウンドを思い出してしまった。パワーなくとも、テクニックなくとも、これほどまでに確りとした気持ちのいいタムを叩かれると恐れ入る。チョビ髭ダン池田はつまらぬスキャンダルが原因で引退したようだが、見た目意外や、フジテレビ専属意外や、実にカッコ良かったのがダン池田率いるニューブリードなるフルバンドだった。

 <With You>は僕を女性ヴォーカルの桃源郷へと導きたもうたジョニ・ジェイムス姫。その彼女を彷彿とさせるいいとこ取りの歌唱。少々難癖つけるとしたら、あの糸を振るわせるがのごときビブラートがお目見えしないことくらいだろう。<I Love You Today>は中間部から沸き起こる、否、囁くようにいずる ♪ラララ だ。隣のお姉さんが小窓に腰掛けハミングしてくれるような・・・おっそうか、甦るはTV番組【時間ですよ】でギター抱えたマリちゃんが歌うあのシーン。<Pretend You Don't See Him>も中間部以降に現われるギターとピアノのユニゾンと、ジェニー嬢の艶やかで伸びのある声がゾクゾクっと男心をくすぐる。

 期待外れって誰が言ったのだろうか。確かにこの盤を一番に挙げる人は意外と少ないが、ラストの<When I'm In Love>の短いトロンボーン・ソロを聴いていただければ分かると思う。ジェニー嬢以上に艶やかで伸びがあったのは4本のトロンボーンでした。しかもまあ、全曲スティーブ・アレンの曲ではないですか。なかなかいい曲をお書きになるお人と再認識いたした次第で、それよりスティーブ・アレンについての四方山に浸っている私です。

-NO.578-


★YEBISU ART LABO FOR BOOKS★

 名古屋の長者町通といえば今でも繊維問屋さんのメッカ。その一画にある、えびすビル3Fを目当てにこの階段を上る。ここにあるお店自体(3軒)もそうだが、こんなところによくもお店を構えたなぁというのが正直な印象。今年で3回目になる“ブックマークナゴヤ”がなければ知る由もなかったのは言うまでもなく、階段脇に描かれた“猫”? それとも“虎”? 実は“豹”? などと悩ませる下手ウマな画が真っ先に迎えてくれる。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-brian browne  カナダ出身のベテラン・ピアニスト、ブライアン・ブラウンのオタワはカフェ・パラディゾでのライヴ盤『クワイエット・ナイト』。こうやって書いておかないと誰もライヴ盤だと気づくことはないだろう。この人、名前も初めて知ったし、音を耳にしたのも今しがたのこと。まこと端正なピアノをお弾きになり、音の粒立ちもキリリとしており我ながら背筋の伸びる思いがする。

 私がジャズ初心者であるならば、このようなジャズで崇心すればまともなジャズ人生を送ることができようもの。それほどにピュアで、これ以外のものは享けつけることを拒み続けるであろう。そうのような自信が俄然と湧いてき、不平不満、愚図るわけではないが、驚きの連続とやらが現れることも決してない。

 最初と最後に配されたオリジナル・ナンバーに期待の丈を覗かせ、じっと食い入るよう先ずは<Beautiful Creatures>を聴く。一曲目からこのような超スロー・ナンバーを置くことに驚く。日も暮れしころ、酔いどれたちの美しき凱歌が闇に底知れず沁み入る。これはジャズというよりブラウンお得意のブルース感覚に酔うといっていいでしょう。タイトル・チューンの<Quiet Night>は、ジャケットに映る街並みのようなほんのりした明るさを湛える静けさがとっても心地よい。

 さて気になって気になって気になってしょうがない<All In Love Is Fair>はスティービィー・ワンダーの隠れたる佳曲。よくぞ数ある彼の楽曲の中から択んでくれたものだ。誰も取り上げることなどないと決めてかかったのか、よほど性格も私に似て捻くれ者でないかと心配すらしてしまうくらい探しにさがしたのでは。ステーヴィーは滅多矢鱈にこのようにしんみりとした曲は書かないのだが、これもすべてブラウン含む3人の慎ましやかで老練な業に気圧された証しだろう。もう一つ気になるの曲が<Besame Mucho>だ。これまたこんなにスローなベサメ・ムーチョは先にもなく後にもないであろう。場所はカナダのオタワ、八方手を尽くしラテン風味を封じ込めた老獪なるカナディアン3人によって、そっと秘密の扉を開けるように私に聴かせてくれた。

 幸いなことに彼を知る人は少ない・・・と思うのだが。

-NO.577-


★カギロイ★

 神保町にあるカギロイでは、日本特有の調味料である【味噌】にこだわった作品が供される。敢えて作品といっておこう。浅蜊のエキスがしみこんだ味噌や、全国ありとあらゆる自慢の味噌が集結している。調理法も食べ方も至ってシンプルで、分かり辛いのはお店の場所だけ。お昼のランチメニューにそそられ知ったお店。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-rp &amp; ak  最近は医学の進歩によるところも大きいが、あらゆる環境の変化や情報社会による知恵工夫が人間の寿命を延ばしそれぞれの適正年齢を引き上げてきている。分かりやすく言うなればスポーツ選手なんかそうだ。阪神のアラフォー・トリオが示すとおり、40台のキャッチャーが息子くらいの10代ピッチャーとバッテリーを組むなんて当たり前の時代。格闘技にせよ親子ほど離れた年齢差で殴り合うのだから胸のうちは複雑。そんなこった音楽の世界ではなんら当たり前にやっていることなんだが。

 数年前、かのレッド・ツェッペリンのリード・ヴォーカルだったロバート・プラントと、ブルーグラス、カントリー界きっての若手歌姫アリソン・クラウスとのデュオ・アルバム『レイジング・サンド』を産み落とした年齢差は何と23歳。ロバート・プラントとなるとおよそ35年前、“聖なる館”あたりで既に声の衰えを感じさせたと皆に年寄り扱いされたりもしたが、ここでのプラントはどうだ。当時と変わりないというか声の衰えはなく、以前にも増して若々しさゆえ精気すら漲り、23歳の差もどこかへ行ってしまっている。

 いきなりオープニングで予想を裏切ってしまう<リッチ・ウーマン>がカッコ良すぎ。アリソン・クラウスにしてもこんな体験は先にも後にもないだろう。即刻カントリー・ミュージックと片付けるには、この二人の妖艶な影が驚きと未知なる世界を期待させる。一転、2曲目<キリング・ザ・ブルース>ではロマンティックに肩を寄せ合うかの二人が素敵に映る。

 極めつけはプラントに悪いがクラウスのソロ・ナンバー<シスター・ロゼッタ・ゴーズ・ビフォア・アス>で決まり。曲調は厳かな風合いで粛々と綴られてゆく。スコットランドの暗く湿った空間のなか、クラウスの伸びある声だけが明るく眩しく浮き立ち、ワンラック上の上質な気分にさせてくれる。

 なぜプラントがカントリーをという大きな疑問符?は、聴いてゆくうちに歓喜の感嘆符!に変わるのだ。まあ何はともあれ原点回帰という大義名分は要らないくらい素晴らしいの一言。次なる作品が待ち遠しい。

-NO.576-


★名古屋セントラルパーク★

 この日は曇り勝ちでまだ肌寒い。とはいえ桜の蕾がひらきほのかな春の薫りを嗅げば心も暖かくなってくるもんだ。名古屋セントラルパークでは四季を奏でる木々や花々がいつも今を気づかせてくれる。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-one trick pony  少し前このサイトでポール・サイモンの楽曲はジャズ・ミュージシャンに重宝がられていることを書いたのはいいが、何故なんだろうとアレコレ想いを巡らせていたがトドの詰まり結論は出ず。ただ彼の楽曲は一癖も二癖もあると言っておこう。よって癖になること請け合いだ。

 彼の作品で蔑ろにされがちなサウンド・トラック盤『ワン・トリック・ポニー』は、摩訶不思議な魅力が封じ込められたナンバーが網羅されている好盤だと私は推す。ポップスであってロックであるそれらポール・サイモンのナンバーは、愛くるしいまでのディズニー・ナンバーが奇想天外なジャズゆえのアドリブで粉砕され、吾の思う様にいかないあのもどかしさに似てるのではないかと。

 嬉しいことにちょうどこの頃バックにはあのスタッフのメンバーが陣取っていた。リチャード・ティー、スティーヴ・ガッド、エリック・ゲイル、他ではデイブ・グルーシン、ヒュー・マクラッケン、ハイラム・ブロック、ドン・グロルニック、トニー・レヴィン、アンソニー・ジャクソン、ラルフ・マクドナルドにジョン・トロペイとくりゃポール・サイモンの我ままし放題としか言いようがないくらい凄い布陣だ。そしてこのおよそ一年後、これらのサウンド・ソースを連れNYセントラル・パークにおいて53万人の聴衆の前に再びS&Gとして現われる。

 稲垣潤一の「オーシャン・ブルー」は作曲者であるユーミンが、竹内まりやの「けんかをやめて」ではヒットさせ貢献度高い薬師丸ひろこが何気なくも素敵にハーモニーを添えている。そのような何気なさに気をとられる<ロング、ロング・デイ>ではパティ・オースチンがスッと入ってきてはハーモニーを唱える。このナンバーはラドカ・トネフの項でもご紹介したので楽曲の良さは割愛させていただくとしても放っておけないいい曲だ。ちょうどこの写真の沈みかけた夜景に似つかわしいリチャード・ティーのフェンダー・ローズ、気だるさをまさに音に化したようなジョー・ベックの極上のギターが息苦しくもポール・サイモンのヴォーカルと闇に溶けゆく。誰かの膝枕で眠ってしまいたいような大人への子守歌みたいだ。

 数少ないリチャードのピアノが聴かれる<ゴッド・ブレス・ザ・アブセンティ>は、彼の楽曲の中でも私的上位に入るナンバー。私はS&G時代よりもソロ時代になってからのほうが好きな曲が多く、事実大好きなセントラル・パークでのライヴはソロ時代からの選曲が目立つのだ。こうして聴きかえしてみると、しみじみ作曲家としての天武の才に驚かされる。

 ところでサントラ盤とされた映画が気になってきた。当の御本人が熱演しているショットがライナーにいくつか載せてあるがサウンドに劣らずどれもカッコイイのである。

-NO.575-


★東京中央郵便局★

 東京丸の内にある中央郵便局が再開発のために「JPタワー」として建て替えられることになった。東京駅と並んで駅前の“顔”といえる古いビルの面影を残すようであるが。さて中央上部にある大時計、針がないのだが・・・。日の入ったころ、あの騒々しさは何処へ行ったのやら、幻想的な灯がなんともいい。