奇想天外な曲想が舞っては翻弄される | 新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景

独断と超偏見による、勝手気ままでええ事しか書かん日記のようなもんです。
まあるい形してて、音が飛び出してくるモノへの愛情表現です。
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某サイトの『ぺんたno座右の銘盤』、『続・ぺんたno座右の銘盤』の続編となります。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-one trick pony  少し前このサイトでポール・サイモンの楽曲はジャズ・ミュージシャンに重宝がられていることを書いたのはいいが、何故なんだろうとアレコレ想いを巡らせていたがトドの詰まり結論は出ず。ただ彼の楽曲は一癖も二癖もあると言っておこう。よって癖になること請け合いだ。

 彼の作品で蔑ろにされがちなサウンド・トラック盤『ワン・トリック・ポニー』は、摩訶不思議な魅力が封じ込められたナンバーが網羅されている好盤だと私は推す。ポップスであってロックであるそれらポール・サイモンのナンバーは、愛くるしいまでのディズニー・ナンバーが奇想天外なジャズゆえのアドリブで粉砕され、吾の思う様にいかないあのもどかしさに似てるのではないかと。

 嬉しいことにちょうどこの頃バックにはあのスタッフのメンバーが陣取っていた。リチャード・ティー、スティーヴ・ガッド、エリック・ゲイル、他ではデイブ・グルーシン、ヒュー・マクラッケン、ハイラム・ブロック、ドン・グロルニック、トニー・レヴィン、アンソニー・ジャクソン、ラルフ・マクドナルドにジョン・トロペイとくりゃポール・サイモンの我ままし放題としか言いようがないくらい凄い布陣だ。そしてこのおよそ一年後、これらのサウンド・ソースを連れNYセントラル・パークにおいて53万人の聴衆の前に再びS&Gとして現われる。

 稲垣潤一の「オーシャン・ブルー」は作曲者であるユーミンが、竹内まりやの「けんかをやめて」ではヒットさせ貢献度高い薬師丸ひろこが何気なくも素敵にハーモニーを添えている。そのような何気なさに気をとられる<ロング、ロング・デイ>ではパティ・オースチンがスッと入ってきてはハーモニーを唱える。このナンバーはラドカ・トネフの項でもご紹介したので楽曲の良さは割愛させていただくとしても放っておけないいい曲だ。ちょうどこの写真の沈みかけた夜景に似つかわしいリチャード・ティーのフェンダー・ローズ、気だるさをまさに音に化したようなジョー・ベックの極上のギターが息苦しくもポール・サイモンのヴォーカルと闇に溶けゆく。誰かの膝枕で眠ってしまいたいような大人への子守歌みたいだ。

 数少ないリチャードのピアノが聴かれる<ゴッド・ブレス・ザ・アブセンティ>は、彼の楽曲の中でも私的上位に入るナンバー。私はS&G時代よりもソロ時代になってからのほうが好きな曲が多く、事実大好きなセントラル・パークでのライヴはソロ時代からの選曲が目立つのだ。こうして聴きかえしてみると、しみじみ作曲家としての天武の才に驚かされる。

 ところでサントラ盤とされた映画が気になってきた。当の御本人が熱演しているショットがライナーにいくつか載せてあるがサウンドに劣らずどれもカッコイイのである。

-NO.575-


★東京中央郵便局★

 東京丸の内にある中央郵便局が再開発のために「JPタワー」として建て替えられることになった。東京駅と並んで駅前の“顔”といえる古いビルの面影を残すようであるが。さて中央上部にある大時計、針がないのだが・・・。日の入ったころ、あの騒々しさは何処へ行ったのやら、幻想的な灯がなんともいい。