人生を変えたキス

人生を変えたキス

奥さんと子供がいる家庭を持つ自分と、別の女性に恋をしているもう一人の自分について書いた純愛日記

興味のある方は「はじまり」 から読んでください。
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そんな日々が続いた。彼女のことで毎日頭がいっぱいだ。いつ自分のデスクに彼女が遊びにくるのかわからないから、極力デスクから離れるのをやめた。寝言で彼女の名前を言ってしまうのを恐れて、名前だけは思い浮かべないようにした。


ある日もう一度年内中に2人で飲みに行こうと思い、メイルを送った。彼女は「いいよ」と返事をくれた。

よっしゃ!やったぜ!

でもどうしよう、もしかして関係が進展したら。。。

自分の中では、会っているだけで、もう他には何もいらないくらい幸せを感じる。これ以上は自分にとって、必要ないと思ってはいるが、男と女だからもっと進展した関係というのは選択肢の一つだろう。

もちろんそういう展開になったとすれば「望むところだ!」ってな感じだ。

でも若いころとは違い、セックス、セックス、、、なんていうようには思っていない。これも年をとっているせいか。ほんとに、彼女といると純粋になれる。

映画でも、小説でも、恋愛の究極はセックスみたいな感じにとれるものが多いと思う。でも僕はセックスが究極ではないと思う。究極はやっぱり精神的なもので、本当の究極は心中だろう。ちょっと極端だけどね。


話は戻るけど、僕は彼女にいつが都合がいいか訊くメイルを出した。

しかし、いつまでたっても、返事がこない。

もう一度メイルを出した。

返事が来た。

なんと。。。!!

彼女とは、毎週サークルの帰りに送っていく度に、帰り際にキスをした。

キスをするたびに一人車の中で吠えた。 ウワオー、ウワオーって!


彼女が言っていた。

「最近、彼に優しくしちゃうんだよね。なんでだろう。」

「そうなんだ、実は僕も奥さんに優しくなちゃってるんだ。なんでだろうね。」

お互いにこの心境の変化に不思議がっていた。

後でわかったことだが、浮気をすると自分のパートナーに妙に優しくなるらしい。なんと自分たちは浮気をしてますって言っているようなもんだが、2人ともそんなことは知らなかった。


だいたい、僕は浮気なんて、全く思っていない。ある意味、本気だ。

「世界の中心で愛を叫ぶ」の言葉を、借りれば、「純愛」なのだ。

自分の心の中では、いろいろな世界があるのだ。

自分と彼女の世界があるのだ。その世界の中では2人は浮気でもなんでもない。本気なのだ。奥さんや子供はまた別の世界なのだ。僕はそう本気で思っている。 他の人はそうは思わないかもしれないが。。。



なんてことだ!

自分の人生にこんな展開があるなんて!

彼女の手を握るどころか、キスして抱きしめてしまうなんて!

ウワオッ!

だんだん、現実感がなくなってきた。そう、まいあがってしまっているのだ!

ウキウキした気分が、ぜんぜんぬけない。 彼女のことで、あの夜のことでほとんど自分の脳みそは占められてしまっている。思考の90%以上がそのことだ。

多分、あのキスは僕の今までの人生で最高のキスだろう。そして、これからの人生の中でも、多分これ以上のキスはありえないだろう。、僕のこの人生の中で最高のキスだ!


そして何日か経って、さらに発展して、こう考えるようになった。


僕はあの日のために生まれてきたのかもしれない。


僕は、もうこれ以上の幸せはいらない。


神様、僕はもうこの人生で思い残すことはありません。もういつ死んでもかまいません。


これより後の人生は余りの人生だ。 おまけの人生だ。 


この気持ちは今でももっている。




1ヶ月位過ぎてもう一度彼女を誘ってみることにした。そしたら、彼女も快くオーケーしてくれた。

ホッ! とりあえずきらわれてるわけじゃないってことだな。

そして当日。

正直言って僕は怖かった。この間みたいにドタキャンをくらうのが。。。

今度キャンセルされたら彼女は僕のことをやさしく避けてるのかもしれないってやっぱりそう感じるから。。。

もちろん僕が彼女を思っているようには彼女は思ってないんだろうな。 今回キャンセルしてきたら僕はきっぱりあきらめよう、二度と二人でのみに行こうなんて思うまい、誘うまい。 神様、メイルなんかきませんように、なんて心の中でブツブツ言った。でも、もしこれが実現したら、帰りに手なんか繋いで歩きたいな、そうしたらとても幸せな気分だろうな、なんて思って、ドキドキ、ワクワク、ソワソワ。。。


結局、無事にメイルもなくて、僕は待ち合わせの場所に来た。でもまだ安心はできないゾ、ドキドキ!!!

ちょっときになって、まわりをキョロキョロ見ていたら、来たー!彼女が向こうから来たー!とうとう実現するんだー!やったー!神様、ありがとうございます!

僕は、そのよろこびを表には出さないようにして、彼女と店に向かった。


こうして、彼女といるとなんかとても新鮮な気持ちになる。二人とも、酒が入ると緊張が解けて、恋人同士モードに入っていった。とにかく見つめ合っているだけでも体中に幸せな気分が充満する。もう回りは何も見えない、気にもならない。まるで、二人だけの特別な場所のようだ。 彼女から目をそらすのがもったいない。時に真剣に、時にじゃれあい、はたから見ればアツアツのカップルに見えるに違いない!

何を話したのかはよく覚えていないが、とにかく幸せなときが続いていたのは覚えている。

店の人が「ラストオーダーです」と言いに来てはっと、われに帰った感じだ。

二人とも、オーダーを断った。そして、彼女が「写真を撮ろうよ」と言って、カメラを取り出した。お店の人にカメラを渡すと、僕は彼女のとなりに行って、お互いにピッタリとくっつき、彼女は腕をまわして、二人でピース!カシャ!これは一生の思い出になるに違いない。そう、今でも大切にしていろ写真だ!

それからはもうピッタリくっついたまま、テーブルの下で手をつなぎあったまま。。。

もうどうにでもなれ、って感じ、このままずっと、こうしていたい。。。


閉店になり、店を出た。

自然に手をつないで歩いた。わぁお、もう言うことはない、自分の願いはこれでかなった!最高の幸せ!

歩いたまま、僕は自分で、告白ムードになっていた。

「実はね、僕は、君に会いたくて、あのサークルに行っているんだ。」と本音を言った。そうしたら彼女は。

「私もあなたに会いたくて、あのサークルに行っているの。」

そう言われた瞬間、もう気持ちは最高調!どちらともなくもう手をつないでる場合ではなくなって、その場で立ち止まって、向かい合った。


そしてキスをした。


もうなにがなんだか、自分たちがどこにいるんだか、地球にいるのか、宇宙をさまよっているのだか、とにかくもう立っていられないくらいのキスだった。そして、僕は彼女を抱きしめた。ちからの限り、抱きしめた。

あとで思ったが、抱きしめる時の力はその人をどれだけ思って’いるか、どれだけ好きかということに比例するものだ。

気がつくとそこは往来の多い国道の上の歩道橋だった。いままでの自分ならそんなことは絶対無かったはずだ。絶対まわりを気にしていたはずだ。しかし、いまは全くそんなこと気にならない。まわりは全く関係なかった。


脳みそが、体が溶けてしまうようなキスだった。


二人とも我に返ってまた歩き出した。まだ自分は告白ムードだった。 我慢できずに、僕は言った。


「君が好きなんだ、とても。」


また、たまらずに、どちらからともなくその場に立ち止まって、そして、キスをして、抱き合った。気がつくと道行く人たちが見えた。見られていようが、そんなことはどうでもいい。。。


もう自分がどうにかなってしまいそうだ。 ここまですごいキスは初めてかもしれない、と思った。


最後に、お別れのキス&ハグをして、彼女と別れた。周りをみると、気を使って、通らずに見守ってくれている高校生達が見えた。「ありがとう、君たち、気を使ってくれて」 感謝した。


もしかすると、僕の人生の中で、最高のキスかもしれない。もうこれ以上はないだろう、と思った。

人生最高の夜だ。そして、彼女にメイルした。


「生涯 忘れられない夜だ!」



節煙して浮いた分をせっせと貯めることにした。

やっぱりこの貯まった分は彼女に還元しなければならないだろう、ということである日僕は決心した。

彼女を飲みに誘おう!しかも2人だけで!

グループで何回か飲みに行ったことはあったが、2人きりというのはまだない。結婚してからというもの女性と2人きりで飲むということ自体なかったのだ。


思い切って彼女にメールした。

「キミのおかげで節煙ができたよ。だからそのお礼がしくって。ご馳走するから、飲みに行こうよ!」

ここではいきなり2人でと書くのがなんか怖くて、2人でとは書かなかった、いや、書けなかった。

返事が来た「いいわよ、楽しそうね、他に誰が来るの?」

うわっ!やっぱり訊いてきた。あたりまえだけど・・・ 

そして、僕は思い切って書いた。

「もちろん2人でだよ!」 

しばらく間があって返事が来た。


「いいよ。」


やったーーー! 2人で飲みにいくんだー! 夢のようだー!!!

わくわく、どきどき、わくわく、どきどき。


当日がやってきた。もう心ははちきれんばかり!

もうすぐ仕事も終わりーという時間になって彼女からメールが来た。


「彼が具合が悪くなっちゃって、今日は行けなくなっちゃった。本当にごめんなさい、また誘ってね。」


ガーン!!! ガーン!!! ものすごいショック!!!

しばらくの間動くことも何かを考えることもできなかった。全身の力がみごとに抜けてしまっていた。

おー神様!なんということを!私はなにか悪いことをしたのですか?

こんなのって!

しばらくなにもする気が起きなかった。

もしかして、彼女は2人っきりで飲みにいくほど僕のことを思ってないのか?

そりゃそうかー、彼がちゃんといるんだもんなー。 ガクン!


ある日、給湯室で彼女とばったり会った。タバコを吸ってきたばかりだったので咳が出た。彼女は「どうしたの?」と訊いてきたので、「タバコ。 吸いすぎかな。」と答えた。

「1日何本吸うの?」

「1箱くらいかな。」

「吸いすぎー!そんなのやめなさいよ!」

「それがなかなかね~。」

「じゃあ全く止めるのもかわいそうだから、せめて減らせば? そうね、1日4本かな、朝と10時と3時と仕事が終わったら。どう?」

1日4本なんて奇跡に近い。それに突然の話だからそんな話に乗る気は全くなかったし、無理だと思った。

「じゃあ指切りね!」

ということで僕たちは2人きりの給湯室で指切りをした。

自分からしてみれば、これは特別な指切りだった。もちろん彼女とするからだ。

なんか全身にじわぁ~とこみ上げるものがきた。

いいムードだったがほかの人が入ってきたので、退散した。

机に戻って考えた。そうだなぁ、彼女の言うとおりここは1日4本で行くのもいいかもしれない。指切りもしたし。。。 自分がもし彼女のことが本当に好きならできるはずだ!どうた!おまえ!彼女のことがどれだけ好きなのか証明してみろ! わかったよ、よしやってやる!

こんな自問自答をしてやることを決意した。

会社の帰りに彼女からメールが来た。

「がんばってね~!もし1ヶ月続いたらご褒美上げるよ~。」

うわぁ~、うれしい~! なにくれるんだろう、ご褒美って? なんて子供のように心の中ではしゃいだ。

単純だねー僕も。


最初はもちろんつらかった10分ごとに吸いたい、吸いたいと思った。しかしそのたびに彼女の顔を、指切りした2人を思い出し、こらえた。 僕はがんばった。 証明するために!


そして1ヶ月が過ぎた。やったー!1日4本で生活ができるなんて!夢のような話だ!まさに、「愛は力なり!」だ。 こういうことなのかー!と自分で勝手に納得した。ありがとう、本当に心から彼女に感謝した。


そして、彼女にあったときに、1ヶ月過ぎたからご褒美ちょうだい!と言ったら、何のこと?って感じでキョトンとしていた。 「・・・・・・いや、なんでもない。」と言ってその場を去った。

なんだよぅ、くれるって言ったじゃん!と心の中でブツブツ・・・

ただそのときの思いつきで言ったもんだから完全に忘れてるんだな、ということでがっかりした。

でも本当に感謝、感謝!!!

ある日、友達と知り合いのライブに行った。もちろん彼女も一緒だった。

幸運なことに2人掛のソファーに僕の隣の座ったのは彼女だった。

ライブを見ながら話したり、上半身だけで軽く踊ってみたりしているうちに僕と彼女はピッタリとくっついて座っていた。

うわっ!ピッタリくっついてる!彼女の体と僕の体があちこち触れ合ってる!いい年をしてこんなことで喜んでしまっている自分が、なんて思わない、なぜなら相手が彼女だから。 どんな些細なことでもうれしい、楽しい。

神様、どうかこのひと時が永遠に続きますように、なんて祈っちゃったりした。


らいぶが終わって、友達が車で送ってくれることになり、同じ方面の彼女とまた幸運なことに、後ろの席に2人で乗ることになった。

乗るとすぐに、彼女が「もっとこっちに来て!」と言って、僕の腕を手繰り寄せた。ピッタリくっつくなり腕にしがみついて頭を僕の肩にあずけた。ああ、酔っ払っちゃってんだな、とおもいつつも、彼女が少しでも楽によっかかれるように、気を使った。でも僕の腕に押し付けられた胸の感触がとてもよかったなぁ。。。

彼女といると楽しい、いないと寂しい、彼女にいつでもどこでも会いたい、会いたくて会いたくてしょうがない!今も毎日僕の事務所に寄っていってくれる。一緒にいるときのドキドキ感、そして去ったあとのせつなさ、週末なんかは会えないから非常に苦痛だ、心が張り裂けそう!土曜、日曜と2日休みだから、せめて金曜の午後は顔を見ないと気がすまなかった、多分そうしないと、発狂してしまうだろう。

基本的に、いいおとうさんだから、もちろん、週末は家族と過ごす。

そう、どんなすごい恋でも、離婚して、子供たちをかわいそうな目に合わせては絶対にならない!これだけは守らねば!と心に固く誓った。結局これは自分を縛るからとてもつらい。彼女は彼女で彼がいるから、メイルや電話なんかもできない。

あの日以来事務所でも 彼女は毎日僕のオフィスに顔を出すようになり、くだらないことをしゃぺりまるで学生のようにはしゃいで、そして、毎週サークルで顔を合わせ、帰りは彼女の家まで送っていくようになった。とにかく彼女と一緒にいると楽しい! いろんなことを話して、わかったが、彼女は一緒に住んでいる彼がいるのだ。僕は、あんまりのめりこんで彼女のことを邪魔しちゃいけないなと思った。

とは思いつつも僕はどんどん彼女にはまっていった。え、もしかして僕は恋をしているの?この年になって!奥さんも子供もいるのに!

僕は奥さんがいて息子と娘の2人の子供がいる、ごく普通の家庭を持っている。そして、普通に会社に勤め平凡ながら「まあ、人生ってこんなものでいいんじゃないかなぁ」なんて思っている普通の男だ。


そんな生活に彼女が入ってきた。


僕と彼女は課は違うけど同じフロアーで働いている。特に気にはしていなかった、というより彼女は若くてどちらかというとキャッ、キャッしていた。はっきりいって、あまり近くに来て欲しくないって思っていた。

あるとき、僕が入っているテニスサークルに彼女が入ってきた。彼女はなかなかセンスがあり、そしてなにより気が利いて、礼儀正しく自分の印象とは違っていた。

その日は途中から雨が降り帰りが同じ方向だった彼女と2人で駅へ向かうことになった。なぜかわからないが彼女は傘を持っていたけど差すチャンスがなかったのか僕の傘に入りアイアイ傘という形になった。若い子とアイアイ傘なんて、ちょっとワクワク&緊張気味、この感覚はなんていうのだろう、恋愛エンドルフィンとでもいうのだろうか、異性となにかあったときに体中を流れるものというのだろうかなにか気持ちよくて温かい何か、それがちょっと体を流れ出した。

駅に入るときにお互いに逆に行こうとしていた僕と彼女の肩同士が押し合う形になり、しばらく(そう感じた)ぴったりくっついたままになった。僕の体にあの恋愛エンドルフィンがガンガン流れ出した。でも、彼女もいやそうではなく、お互いになんかこの感触を楽しんでいるかのようだった。そして自然にお互いに離れた(このままもっといたいと一瞬思った)。

電車の中で話してみると、うるさいだけの若い子と思っていた彼女は、そうではなくとても感じのいい子だなと思えてきた。ちゃんと話はできるし、人をちゃんと立てるし、僕は思わず言った「キミは思ったよりいい子だね!」 すると彼女は僕の顔を覗き込み、「私のことわかってくれました?」だって!!!


僕が先に電車を降りた。彼女のことをホームから見えなくなるまで見送った。そして彼女も僕のことを、見えなくなるまで見ていた。

なんか、遠い昔に味わったウキウキ感覚で足取りはとても軽く、我が家まで歩いて帰った。もちろん奥さんにはそのことは言わなかった。