ある日、給湯室で彼女とばったり会った。タバコを吸ってきたばかりだったので咳が出た。彼女は「どうしたの?」と訊いてきたので、「タバコ。 吸いすぎかな。」と答えた。
「1日何本吸うの?」
「1箱くらいかな。」
「吸いすぎー!そんなのやめなさいよ!」
「それがなかなかね~。」
「じゃあ全く止めるのもかわいそうだから、せめて減らせば? そうね、1日4本かな、朝と10時と3時と仕事が終わったら。どう?」
1日4本なんて奇跡に近い。それに突然の話だからそんな話に乗る気は全くなかったし、無理だと思った。
「じゃあ指切りね!」
ということで僕たちは2人きりの給湯室で指切りをした。
自分からしてみれば、これは特別な指切りだった。もちろん彼女とするからだ。
なんか全身にじわぁ~とこみ上げるものがきた。
いいムードだったがほかの人が入ってきたので、退散した。
机に戻って考えた。そうだなぁ、彼女の言うとおりここは1日4本で行くのもいいかもしれない。指切りもしたし。。。 自分がもし彼女のことが本当に好きならできるはずだ!どうた!おまえ!彼女のことがどれだけ好きなのか証明してみろ! わかったよ、よしやってやる!
こんな自問自答をしてやることを決意した。
会社の帰りに彼女からメールが来た。
「がんばってね~!もし1ヶ月続いたらご褒美上げるよ~。」
うわぁ~、うれしい~! なにくれるんだろう、ご褒美って? なんて子供のように心の中ではしゃいだ。
単純だねー僕も。
最初はもちろんつらかった10分ごとに吸いたい、吸いたいと思った。しかしそのたびに彼女の顔を、指切りした2人を思い出し、こらえた。 僕はがんばった。 証明するために!
そして1ヶ月が過ぎた。やったー!1日4本で生活ができるなんて!夢のような話だ!まさに、「愛は力なり!」だ。 こういうことなのかー!と自分で勝手に納得した。ありがとう、本当に心から彼女に感謝した。
そして、彼女にあったときに、1ヶ月過ぎたからご褒美ちょうだい!と言ったら、何のこと?って感じでキョトンとしていた。 「・・・・・・いや、なんでもない。」と言ってその場を去った。
なんだよぅ、くれるって言ったじゃん!と心の中でブツブツ・・・
ただそのときの思いつきで言ったもんだから完全に忘れてるんだな、ということでがっかりした。
でも本当に感謝、感謝!!!