あの頃って頃は
その多くが夏ばかりだったけれど
昨今
その夏が鬱陶しくも思えるほど
暑さは増して
時が過ぎた頃
あの頃って頃は
もう夏ではないのかもしれない
その晩
バイトで貰った
わずかな小遣いを握りしめて
仲間たちと
サーフボードを抱え
竹芝桟橋から
満席の東海汽船に乗り込んだけれど
前の晩の船が台風で欠航となり
倍もの乗客を乗せたからか
僕らの居場所はなく
仕方なく甲板で横になっていた
波はまだ荒く
時折 甲板にまで掛かる波で
身体はビッショリ
そんなこと
今ではきっとダメなはずが
あの頃は
そんな時代だったのだろう
目的地は 新島で
白い砂の海岸と
若い娘たち
なのに
僕らモテないくんたちは
どーせ! なんて呟いて
目的は
波乗りさ! と見栄を張る
真っ黒に日焼けした顔は
お前 誰だっけ? なんてほど
区別が付かなくもなって
おまけに
髪もまた
まだらな茶色のような
汚らしい姿
短パンに
着古したTシャツに
ビーサンだから
これで
モテようなんて
最初から無理な…
宿は
安宿の民宿で
そこへと戻ると
メシを食って寝るだけな
そこへ
3日目に
若い女性たちが来て
なんだか
ウキウキし始めた心
でも
きっとそれだけで
何も起こるはずはないと
半分は諦め顔
齢は
きっと僕らよりも上な
社会人
あの〜 なんて
あいつが声を掛けて
その〜 なんて
僕がその言葉に続く
すると
良いわよ
海
一緒に なんて戻り
ちょうど
3対3
なんとなく
それぞれが
それぞれと意気投合したけれど
本当は
下心だらけの若さ
あ〜んなことや
こ〜んなこと
したいんだけど
それはね…
そんなこと
とうに分かっている
お姉さま方
じゃあさ なんて
そんな夏…
浮かれた時間は
すぐに過ぎて
後ろ髪引かれながら
お先にって
戻る船に乗り込んで
またね! なんて
都会での約束までしたはずが
夏には夏の
街では街の顔をする
彼女たち
秋を待たずして
終えた
あの頃って頃だったけれど…































