↓ AFP(2012.10.26) より
アメリカ大陸では初めてとなる羽毛恐竜の化石がカナダで発掘されたという論文
が25日、米科学誌サイエンス(Science)に発表された。
ダチョウに似た獣脚類「オルニトミムス」の成体2体と幼体1体の化石で、カナダ・
アルバータ(Alberta)州のバッドランド(Badlands)という地域にある7500万年前
の地層から発掘された。
これまで見つかった羽毛恐竜のほとんどは中国やドイツで発掘されていた。
研究論文の主執筆者、カナダ・カルガリー大学(University of Calgary)のダーラ・
ゼレニツキー(Darla Zelenitsky)氏は「非常に胸躍る発見。西半球で初めての
羽毛恐竜化石というだけでなく、オルニトミムスも他の幾つかの獣脚類グループ
と同じく羽毛で覆われていたことを示す初めての標本となった。オルニトミムスの
仲間は全て羽毛を持っていたと考えられる」と話している。
↓ 王立ティレル古生物学博物館蔵・オルニトミムス成体の全身骨格の化石。
腕に風切り羽の痕が残っています。
オルニトミムスの仲間は映画『ジュラシック・パーク(Jurassic Park)』の1作目にも
登場し、肉食恐竜ティラノサウルス・レックス(Tyrannosaurus rex)に追われる
シーンが描かれている。
映画では羽毛ではなくウロコに覆われた姿で再現されたが、これは正しい姿では
なかったと現在の研究者らはみている。
論文を共同執筆したアルバータ州ドラムへラー(Drumheller)にあるロイヤル・
ティレル古生物学博物館(Royal Tyrrell Museum of Palaeontology)のフラン
ソワ・テリエン(Francois Therrien)研究員によると、この化石には興味深い点が
もう1つあるという。
オルニトミムスの体は空を飛ぶには大きすぎるのだ。
「成熟が進んだ個体に翼のように発達した前肢が見られることから、(羽毛は)
成長後にしか使われなかったと推測できる。恐らく求愛や抱卵といった繁殖行動
に使われたのでしょう」
オルニトミムス・・・爬虫綱竜盤目オルニトミムス科オルニトミムス属
別名:ダチョウ型恐竜
中生代白亜紀後期(約7,500万~6,550万年前)の現在の北米
大陸に生息。
全長:約3.5~6.0m(尾の長さが半分以上)、体重:約160㎏
50㎞/h程で走ることが出来たと考えられています。
歯の無いクチバシを持ち、昆虫や小動物を丸呑みしたと云わ
れていますが、クチバシには多数のスリットが有る事から、植物
を濾しとって食べた、という説も有ります。
オルニトミムスは、1889年に発見され、古い恐竜図鑑にも必ず載っていましたが、
これも羽毛恐竜だったとは! Σ(゚д゚)
ここ数年で、羽毛恐竜の発見は目を見張るものがありますが、どうして長年、
見過ごされてきたのでしょうね?
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