東京の高級アンティーク家具店パンカーダのブログ -70ページ目

ステンドグラス特集・Vol.5 ナイチンゲールがつなぐふたつの国

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Stained Glass
~Kaleidoscope of time~

時の万華鏡・ステンドグラス

Vol.5 ナイチンゲールがつなぐふたつの国

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今日は貴重なエナメル絵付けのステンドグラスをご紹介いたします。




中央にはブラウンのグラデーションで小鳥が描かれ、
その周囲には可愛らしい花々の絵付けがみてとれます。



実は、この花々は、単なる装飾ではありません。
よくみると、花は2種類。


こちらは薔薇。言うまでもなく、イングランドの国花。




そして、もうひとつはアザミが描かれています。



アザミはスコットランドの国花。


その由来は、イングランドとスコットランドが争っていた頃、
夜の闇にまぎれてスコットランドを攻撃しようと
裸足で身を潜めていたイングランド兵たちが、アザミのとげを踏み、
その痛さに思わず声をあげたことによって、
スコットランドの人々が敵襲を察知したという言い伝えから。


スコットランドは1707年以降は「グレートブリテン」の一部となっておりますが、
それ以前にはイングランドとの長くつらい争いがありました。



一方で中央の小鳥。
これはきっと「つぐみ(THRUSH)」か「ナイチンゲール(NIGHTINGALE)」。






ナイチンゲール(小夜啼鳥サヨナキドリ)は

ヨーロッパで繁殖するスズメ目ヒタキ科の鳥。


日本では西洋のウグイスともよばれ、和名のとおり

夕暮れ後や夜明け前によくとおる声で鳴きます。


いっぽうでつぐみはスズメ目ツグミ科。
厳密にいえば違うのですが、とても見た目が見ているため、
かつては同じ鳥と考えられていました。


1851年発刊のBritish Bird には、このような挿絵があります。




キャプションは「THRUSH NIGHTINGALE」。
まさにこのステンドグラスの小鳥とそっくり。


このステンドグラスの推定製造年は1890年代。
既にスコットランドはイングランドと同じ国となっておりましたが、
その歴史はまだまだ浅いもの。





きっとこの1枚に、両国の友好を祈って薔薇とアザミを交互に、
中央には美しい歌声を聴かせるナイチンゲールを

配したのではないでしょうか。




ゆらめく硝子のむこうから、良く通る鳴き声が聞こえてきそうな

アンティーク・ステンドグラス。


いつまでも、いつまでも色褪せない色ガラスに込めた

当時の人々の想いとともに、ご鑑賞ください。




by N



7月は皇帝の月

今日から7月。
7月の英語表記は「July」ですね。


Julyは、ユリウス暦を制定したJulius Caesarユリウス・カエサル
(ジュリアス・シーザー)が、誕生月に自分の名をつけたことが

由来となっています。



カエサルは、言うまでもなく、古代ローマ(共和制ローマ)の独裁官。


彼の力があまりにも強く、独裁的であったことから、

「皇帝」の概念が生まれたとも言われています。






「カエサル」の名はローマ皇帝を指す語として使われてきたため、
ヨーロッパ各国では皇帝を意味する語として

「カエサル」に由来する単語が使用されてきました。




代表的なものとして、ドイツ語のカイザー (Kaiser) や

ロシア語のツァーリ (Царь, Tsar) があります。


ヨーロッパでは、7月は日が長くとても過ごしやすい天国のよう。
古代ローマでも、きっと素晴らしい季節だったに違いありません。


皇帝の月、7月。



日本はまだ少し梅雨が残りますが、
古代ローマ人のように午後はゆっくりお風呂に入って
夜は宴会、といきたいものです・・・。


by N




自由が丘のレイアウトがかわりました

まだまだ梅雨。

不安定なお天気が続いていて、なかなか外出も思うようにいきませんね。


おうちでゆったりとネットを眺めて過ごすのもよいかもしれません。




そんななか、パンカーダ自由が丘では店内のレイアウトを少し変えました。




ステージには見事なインレイをもつ家具達をあつめて。

キドニーシェイプ のオケージョナルテーブルは

サイドテーブルとしても素敵です。





日々の暮らしになじむオークのドローリーフテーブル

バーリーシュガーツイストのチェア をあわせて。

ブックケース は食器棚代わりにいかがでしょうか。





バルーンバックのサロンチェア はエレガントなダイニングルームを演出します。





中央にはエナメル絵付けのステンドグラス



キャラック船が描かれた19世紀の逸品は

深い海の色が夏の暑さを忘れさせてくれそう。



赤いすぐりの実がアンティークランプによく映えて。





少しでもお店にいらしていただいた気分のお裾分け。




気になるものがございましたら

どうぞお気軽にお電話ください。



もちろんご来店も、心よりお待ちしております。


by N

ステンドグラス特集:Vol.4 ウィンドウ・トリートメントにいかが

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Stained Glass
~Kaleidoscope of time~

時の万華鏡・ステンドグラス

Vol.4 ウィンドウ・トリートメントにいかが

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アンティークのステンドグラスは、もともと外の窓についていたもの。



でも100年近い年数が経っているため、外回りにそのままご使用になることは
正直、あまりおすすめが出来ません。





でもやっぱり窓に飾りたい。

ただ、大工さんや内装屋さんに頼むほどおおげさなのはちょっと・・・。


そんな方におすすめなのが、

窓枠よりひとまわり小さいステンドグラスを吊って飾ること。




例えばこちらの窓。

東京の閑静な住宅街にお住いのI様。


西側に面した窓で、あまり開閉はなさらないとのこと。
でも年に一度、大掃除の時くらいには開けてお掃除したい、
とのリクエストがありました。



窓枠の上下にチェーンを張り、そこにステンドグラスを引っかけるような構造に。

これなら、大きな工事などせずにステンドグラスを外すことができます。



西日の赤い色に合わせて選ばれたエナメル絵付けのステンドグラスと
ウィリアム・モリスのプリント・ドレープが最高に美しい窓辺を演出しています。




例えばこちらの窓。

英国のアンティークショップ&カフェの1コーナー。




古い窓枠に、ステンドグラスがそのまま吊られています。

木枠は古いオリジナルのアンティーク枠。
これなら、木枠の雰囲気もまるごと楽しめます。



おうちの中でも、それほど開け閉めしない窓だったら、
こんなふうに楽しめます。



カーテンやブラインドとはまた違ったウィンドウ・トリートメントとして
考えてみてはいかがでしょうか。




by N

花屋さんで見つけるレディのマント

よく行く近所のお花屋さん。


ちょっと珍しい花をみつけました。



アルケミラ・モーリス。

別名、レディース・マントル。



葉っぱの形がまるで聖女マリアのマントのようだ、ということで

この名前がついたとか。



そう見えますか?

葉っぱには細かい毛が生えていて、ふわふわです。



黄緑色のカスミ草のような、繊細な花。



6月から7月が開花時期。



お店の前で育てているアイビーと合わせて。



トルコ桔梗との組み合わせもよくあいます。




キドニーテーブル、ディスプレイがきまりやすい

フォルムだということを実感。




ずっと変わらない家具と、季節で移り変わる花々。

一緒にしてあげると、お互いがたのしそう。






その間にいる私たちにも、喜びをわけてくれそうです。






by N






ステンドグラス特集:Vol.3 光の道しるべ

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Stained Glass
~Kaleidoscope of time~

時の万華鏡・ステンドグラス

Vol.3 光の道しるべ

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アンティークのステンドグラス、今回からその愉しみ方をご紹介いたします。

まずはしっかりと、計画的に建材としておうちに組み込む場合。


例えばキッチンとダイニングの間の窓。
本格的に建具を作ってはめ込めば、こんな風に。
閉めた時にはまったくキッチンが見えなくなります。





こちらは階段の吹き抜けと化粧室の間の壁にはめ込んで。




吹き抜けの天窓からの光が、化粧室にステンドグラスをとおして入り込み
きっと表情豊かな光彩を描き出していることでしょう。




小さな、小さなステンドグラスをドアにはめ込んで。




トイレのドアなら、中の灯りがついていると
誰かいるのがわかる、おしゃれな「使用中サイン」となります。




こんな和風のおうちにも、ステンドグラスは良く合います。



渋い色味の引き戸に組み込んで。




左右対称のデザインは、2枚重なった時の見え方も計算されている
クレバーなあしらい。





室内に2重窓のような仕掛けをつくってしまう方法もあります。
こちらはカーテンの手前に、開閉式の仕切りをつくってはめ込んだ力作。



カーテンを開けた時、閉めた時。
いろいろな光の演出がたのしめます。


リビングのドアに、少し大きめのステンドグラスをはめ込んで。




丁度良い位置に、壁面照明が透けて見える、細かい気遣いが。

帰ってきたら、真っ先に開けたくなるドアとなりそうです。



おうちにしっかりと組み込まれたステンドグラス。
その向こうにあるのは、お日様、そして家族が集う明かり。


いつも自分の居場所へと導いてくれる光の道しるべです。



by N


京都府 H様 キャビネット・ショーケース・アームチェア納品

当店のサイトを見てお電話をくださったH様。

遠方のため、ご来店は難しく、お電話で

ご紹介をさせていただいております。



ネット上で商品の画像をみながら、

詳細はお電話でご説明したり、

サイトに出ていないものはご希望をうかがってお写真をお送りしたり。


そんなお付き合いをさせていただきながら、

パンカーダからいろいろお求めいただきました。


そして、先日、素敵なお部屋のお写真と、

嬉しいコメントをいただきましたのでご紹介いたします。




「本日届けて頂いたキャビネットは、ずっと以前から

あったかの様にすっかり馴染んで居ります。

どの家具も、素敵な御縁で出会う事が出来て、大変嬉しく思います。

これからも素晴らしいアンテイーク達に出会える事を楽しみにしています。」




背の高い窓の左右におかれたマホガニーのキャビネット。

若干左右の幅が違う壁面は、上手にフレームでバランスをとり、

とても落ち着いた雰囲気でまとめていらっしゃいます。

左のインレイが綺麗なアームチェアも、パンカーダからのお品物。



ここにお座りになって、キャビネットに納められたコレクションを眺める優

雅なH様のお姿が目に浮かぶようです。


H様、本当に有難うございました。

そして、今後とも当店を何卒宜しくお願い申し上げます。


by N

ステンドグラス特集:Vol.2 木枠に残されたストーリー

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Stained Glass
~Kaleidoscope of time~

時の万華鏡・ステンドグラス


Vol.2 木枠に残されたストーリー


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アンティークのステンドグラス。
ガラス部分を取り囲む木枠には大きく分けて2種類のものがあります。


ひとつはアンティーク枠(オリジナル枠ともいいます)。




もうひとつは仮枠(かりわく)。




アンティークステンドグラスが市場にでてくるのには、
やはり昔の家の改築や取り壊しによるもの。


英国では、100年経っても家自体はまだまだ現役ですが、
やはり窓周りは改修をおこなうことがしばしばあります。





残念ながら取り壊される家もあり、
そんななかでもステンドグラスの嵌った窓は、
そのまま保存され、アンティーク市場へと登場するのです。


なので、アンティーク枠はステンドグラスと同じくらい古いもの。
蝶番がついていたり、窓の取っ手や指示金具がついたままのものもあります。




木枠の損傷が大きい場合には一度木枠をすべて外し、
仮枠と呼ばれる簡易的な枠につけて流通させます。




ステンドグラスの金属枠は、とても柔らかい金属でできていて、
周囲の木枠がないと、とても傷つきやすいからです。


仮枠の場合は、比較的簡単に外すことができます。
インテリアの一部として、壁やドアにはめ込むときは
かえって仮枠の方が便利な時も。



一方でアンティーク枠は雰囲気たっぷり。


このまま飾るには剥げたペンキや古い蝶番が絵になります。





ただ、木枠が太くて重く、何度も塗り重ねられたペンキと
年月を経たパテが金属枠にがっちりと食い込んでいたりするので
建材としての仕様は難易度が高くなります。




どうしても外したい場合は、パンカーダの修復士が
まるで掘り出すようにして木枠から外させていただきます。


ガラス部分だけに目をとめがちですが、
木枠もよく見るとそのステンドグラスがたどってきた歴史が見えるよう。





アンティーク・ステンドグラスの愉しみのひとつです。


by N




ステンドグラス特集:Vol.1 長い長い歴史とともに

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Stained Glass
~Kaleidoscope of time~

時の万華鏡・ステンドグラス


Vol.1 長い長い歴史とともに

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ステンドグラスで一番古い資料は9世紀といわれています。



1932年にドイツのロルシュ修道院跡で発掘されたもので、
9世紀頃のキリストの頭部と思われるガラス片。


その後、フランス・イタリア・ドイツ・英国などを中心に
多くのステンドグラスがつくられてきました。




ただ、それらはほとんどが修道院や教会等の宗教施設。





その後、徐々に力のある貴族や特権層の邸宅にも取り入れられるようになり、
宗教とは関係のない紋章や花鳥風月などの絵柄もうまれてきたと言われています。




ステンドグラスがより多くの人のものとなったのは英国・ヴィクトリア時代。


まさに大英帝国が繁栄をきわめた時代、多くの富裕層が生まれました。

中産階級の生活レベルもあがり、日本でいう「アパート」である
「フラット」ばかりではなく、各戸に前庭、裏庭がついた長屋のような
「テラスハウス」が数多く造られました。



もちろんそのなかでもレベルの差はありましたが、多くの人々が好んだのは
道にむかっての「我が家」を最大限に演出できる「窓」の装飾でした。




そこにうってつけだったのが、ステンドグラス。



緯度の高い英国では、真冬には16時にはうす暗く、
朝は10時を過ぎないと陽の光を望めません。


必然的に家の中の明かりが外に漏れる時間の方が長くなります。



ステンドグラスはそんな環境で、「温かみのある素敵な我が家」を
外部にむけて演出する格好のツールとなったのです。





by N

時の万華鏡・ステンドグラス

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Stained Glass
~Kaleidoscope of time~


パンカーダ特別企画  時の万華鏡・ステンドグラス

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梅雨から夏へ、陽光がめまぐるしく移り変わるこの時期。






ステンドグラスはひかりにより、表情をがらりと変えます。






くもり空には、アンティーク・グラスの微妙なニュアンスのある色味が

不思議と浮き出て。


からりとした陽光には、細かい表情が手に取るように鮮やかに。




その様は、まるで万華鏡のよう。




気泡や歪み、そして時間までも閉じ込めてしまっているような

アンティーク・ステンドグラス。





その輝きを手元で愉しむことは、

時の万華鏡を覗き込んでいるような気分にさせてくれます。





パンカーダの今回の特集では、アンティーク・ステンドグラスの

様々な楽しみ方をご提案しつつ、新しいお品物もご紹介させていただきます。




蒸し暑いこの時期、ステンドグラスのひんやりとした質感と

シャーベットのような色あい、そして時を経てまろやかになった硝子を

どうぞご堪能ください。



Vol.1 長い長い歴史とともに  

ステンドグラスの歴史、ご紹介しております。


Vol.2 木枠に残されたストーリー  

アンティークステンドグラスについての豆知識


Vol.3 光の道しるべ   

毎日を楽しく過ごせる光の演出


Vol.4 ウィンドウ・トリートメントにいかが   

窓周りはカーテンだけとは限りません


Vol.5 ナイチンゲールがつなぐ二つの国

19世紀のステンドグラスに秘められた想い


Vol.6 雑貨感覚で楽しんで

気軽に置くだけで絵になる演出お教えします



by N