アンティークで旅するヨーロッパ:ランカスター郊外に佇むギロー家の居城
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アンティークで旅するヨーロッパ
~ランカスター郊外に佇むギロー家の居城~
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今日は有名なキャビネットメーカー、「Gillow & Co」の
オーナー一族であるギロー家がもつマナーハウスをご案内しましょう。
ランカスターより少し北に、カーンフォース/Carnforthという小さな町があります。
町の郊外、緑のなかに悠然とたたずむのは、レイトンホール/Leighton Hall。
1246年から知られているその建物の歴史のなかで、
ギロー家が登場するのは1822年。
創始者、ロバート・ギローの孫であるリチャード・ギローが
このマナーハウスを手に入れました。
その後、改築やリペアを繰り返し、今なお美しい姿を見せてくれています。
もちろん、家具は素晴らしいもの揃い。
広大な敷地と、沢山の豪華な内装が施されたこのマナーハウスは、
現在一般公開されており、結婚式やシェークスピア劇の上演、
数々のイベントなど、地域の人々を中心に
世界中からの観光客を受け入れています。
現在、この建物の所有はリチャード・ギロー・レイノルズ。
脈々と続くギロー家の血筋が、広大なマナーハウスを維持しています。
ロンドンからはかなりな道のりではありますが、
アンティーク・ファンとしてはぜひ脚を運び、
「Discover the secrets of the Gillow family/ギロー家の秘密」をみつけられる
ハウス・ツアー(6.95ポンド/一人)に参加したいところです・・。
英国旅行の機会があれば、ぜひ、どうぞ。
Leighton Hall Carnforth Lancashire LA5 9ST
レイトンホールオフィシャルサイトはこちら(英語版)
http://www.leightonhall.co.uk/
by N
アンティークで旅するヨーロッパ:世界最高級キャビネットメーカーのおひざ元・ランカスター
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アンティークで旅するヨーロッパ
~世界最高級キャビネットメーカーのおひざ元・ランカスター~
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アンティーク家具業界で、「ランカスター」といえば
1730年頃にロバート・ギロー(1704-1772)によって創設された
「ギロー社/Gillow&Co」がまずあげられるでしょう。
後にワーリング社と合併し、ワーリング&ギロー社として、イングランドの富裕層から絶大な支持を得て、
豪華客船の内装家具や、英国王室、美術館で使用される数々の調度品を手掛けた世界最高級のキャビネットメーカーの本拠地は、どんな街だったのでしょうか。
ランカスターは北部イングランドを代表する都市。
マンチェスターの北、約55マイルのところにあり、属する州はランカシャーです。
ここを所領とするランカスター家は、英国の伝統的な植物紋
「チューダーローズ/Tudor rose」の源のひとつ。
ランカスター家(1399-1461・1470-1471のイングランド王家)の紋章が赤薔薇。
そしてヨーク家(1461-1485年のイングランド王家)の紋章が白薔薇。
ヘンリー7世が2家間の争いを収めた時に、二つの薔薇があわさった
チューダーローズが生まれたと言います。
ちなみに現在のランカスターの紋章には、やはり赤薔薇が。
チューダーローズは、現代の英国の20ペンス硬貨にもみることができます。
(この図案は2008年までのもの)
そんな古い歴史をもつランカスターは、ルーン川に面した町。
18-19世紀にはイングランドでも有数な港町として大変な発展をとげました。
この「港町」ということが、ギロー社の創設にもつながっています。
もともと船大工だったロバートは、船大工として西インド諸島へ航海する貿易船に乗った際に、良質なマホガニーの輸入ルートを獲得したといいます。
ただ、繁栄は長く続かず、やがて港は泥で浅くなってしまい、
港町としては衰退を迎えてしまいます。
現在も町に多く見られる大きく立派な建造物は、
ほとんどが港町として繁栄していた19世紀からのもの。
ヴィクトリア時代には既にギロー社は創始者の孫の代となり
ますます繁栄をとげて、郊外にマナーハウスを構えるまでとなっていました。
ロンドンからはるか遠いランカシャー、
そして現代からはるか昔の19世紀。
そこから届けられるワーリング・ギロー社の家具は
堅牢なマホガニーの中に、確かに人々の想いと歴史が込められています。
by N
アンティークタイムズ 9月24日号発刊されました。
パンカーダでは不定期にアンティークについてや季節の話題、
英国を中心としたヨーロッパのお話、そしてパンカーダのご紹介などを
新聞形式にまとめた「アンティークタイムズ」を発刊しております。
今回も、見て楽しく、読んで興味がそそられる・・・
そんな内容になったのではないかな、と思っております。
今までお名前をいただいたお客様のお手元には、
順次届いているころかと思いますが、店頭でもお配りしておりますので、
是非ご来店ください。
過去のアンティークタイムズはこちら
からご覧いただけます。
定期購読のお申し込みも承りますので、お気軽にご連絡ください。
秋の夜長、ふとあいた時間のおともに・・・
いかがでしょうか。
by N
旅するポストカード
絵ハガキ・ポストカード。
どなたでも、ご自分でだしたり、もらったことがありますよね。
(ひょっとして、今まで縁がなかった方もいらっしゃるかもしれませんが・・!?)
世界中を行き交うポストカードですが、
英国では一時期、とてもとても流行った時代がありました。
ヴィクトリア時代の英国。
郵便システムが非常に発達しており、
都市部では一日に5-6回もの配達があったそうです。
電話が広く普及する前、多くの人々にとってちょっとした用事を伝えるために
ポストカードを使うことはごく当り前だったことでしょう。
ヴィクトリア時代の終わり頃、1900年前後がその最盛期。
"Postcard Craze(ポストカード狂い?)"後年、そう名付けられたほど!
どこのお店でもポストカードが売られていて、
当然そうなれば用事のみならず、自分用のコレクションに購入したり、
旅先からは知人にその土地ならではのポストカードを送ることが
大切なコミュニケーションツールでした。
イラストを始め、当時一般的になりつつあった白黒写真、
そして白黒写真に手で色をつけた"Hand Tinted"のポストカードもありました。
パンカーダにも、古いアルバムに挟まった
沢山のポストカードがございます。
これらは売り物ではなく、ディスプレイや撮影の小道具として活躍中。
家具の撮影時にそっとデスクの上に置いてみたりしておりますが、
お気づきでしょうか?
家具と同じくらい昔のポストカードには、
人の想いが込められて、新しいものにはない魅力で溢れています。
たまには、手書きのポストカードを誰かにだしてみましょうか・・・。
by N
アンティークで旅するヨーロッパ
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Travel Europe with Antiques
~アンティークで旅するヨーロッパ~
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秋の訪れ。
空がどんどん高くなって、空気が澄んでくるのが感じられます。
季節の移ろいが目に見えて早くなり、
旅をするのには一年で一番良い時期かもしれません。
この秋、パンカーダの特別企画は
「アンティークで旅するヨーロッパ」。
アンティークが生まれた街、モチーフゆかりの場所などを
アンティーク・アイテムとともにご紹介いたします。
パンカーダのアンティーク達が生まれた19世紀のヨーロッパ。
その時、街はどんな人々が暮らし、どんな声で、
どんな香りで溢れていたのでしょうか。
そしてその場所の成り立ちは・・?
そこに直接行くことは不可能でも、
想像を広げて、イマジネーションのなかで訪れることはできるはず。
アンティークは、もちろん人の手で生み出されたもの達ではありますが、
背景にはその街、場所の空気が色濃く反映されていることでしょう。
生い立ちを探れば、また新しいアンティークの顔が見えてくるかもしれません。
さあ、地図を広げて、ご一緒に。
アンティークを育んだ街の風景、ストリートの空気を
追体験してみませんか?
アンティークで旅するヨーロッパの記事はこちら からどうぞ。
by N
唯一無二のギャラリー:"Hasu no hana" at 鵜の木
パンカーダ田園調布、東急多摩川線の最寄駅、鵜の木。
小さな駅のまわりには、大きなお店や立派な商店街はないのですが、
実は、ぽつぽつとこだわりの場所が点在しています。
そのひとつ、ギャラリー Hasu no hana (ハスの花)。
古民家を再生した小さな建物は、不思議な佇まい。
知らない方は 「いったいここはなんだろう・・?」 と思われることでしょう。
勇気をだして、昭和の香りのする、まん丸いドアノブを回し、中に入ってみると・・・。
古材をいかしたカウンターが迎えてくれます。
ここはちょっとした喫茶スペース。
奥がギャラリーとなっており、見るためには入場料がかかります。
ギャラリーは思いがけず天井が高く、狭いながらもなぜかゆったり感じられる空間。
吹き抜けになった二階の一部には「小屋」が。ここは事務スペースだそうです。
私がお邪魔した時には
「モダン藝術写真展 REINCARNATION vol2 」が開催中。
「写真」の意味を改めて考えたくなるような、美しい作品たちに出逢えました。
人懐っこい笑顔が魅力的な、作家の人見将 氏。
作品についてから始まり、写真とは・・・という話から、私から「昔ながらのプリントしたものが”写真”で、データでやりとりするものは”画像”という気がして、言葉にこだわってしまうんです」と相談したところ、「はじめは写真のことを”光画/こうが”とよぼうか、という話もあったみたいですよ。その時々で呼び方は変わるし、難しく考えなくても、大丈夫なんじゃないですかね」・・・というようなことをお話しいただきました。
「光画」って、素敵なひびきですね。
・・・ここHasu no hanaはオープンして約5年。
雰囲気ある空間を活かした企画展で、「作家さんのお客様」ばかりでなく、「ギャラリーのお客様」も増えてこられたとか。
独自の方針で、きちんと続けることの大切さを、心から感じました・・・。
パンカーダ田園調布に鵜の木方面からいらっしゃる方は、是非お立ち寄りください。
by N
Hasu no hana
URL : http://hasucafe.petit.cc/
大田区鵜の木1-11-7
Open:月・火・土・日 12:00-18:00
水・金 15:00-22:00
Close:木曜日
*展示をみるには入場料が必要です。
初秋に味わう極上の一編。アンティーク家具を添えて。
いつのまにか9月も半ば。
暑い暑い夏が遠ざかり、秋の気配が漂ってきました。
「読書の秋」。
・・・スマホやタブレット全盛の時代、
このフレーズがいつまで有効かちょっと不安ではありますが、
上質の読み物をゆっくり楽しみたい、という気持ちは変わりません。
「泊り客の枕もとに、オー・ヘンリー、あるいはサキ、
あるいはその両方をおいていなければ、女主人として完璧とはいえない」
・・・とは、イングランドのエッセイスト、
エドワード・バロール・ルーカス/Edward Verrall Lucasの言葉。
オー・ヘンリー、サキ、どちらも短編の名手ですが
オー・ヘンリーは庶民的で心温まる作品が多く、
サキは貴族的で冷笑的、そして残酷といわれています。
サキ/Sakiの本名はヘクター・ヒュー・マンロー/Hector Hugh Munro。
1870年にインド警察に勤務していたスコットランド系の父のもと、
ミャンマーで生まれました。
やがてロンドンに腰を据えて執筆活動に専念するまで、
様々な土地を放浪し、警察勤めやジャーナリストも経験しています。
有名な作品としては「開いた窓/The Open Window」でしょうか。
神経を病んだ男性が田舎に引っ込み、心配した姉に
ほぼ無理やり持たされた紹介状をもって、あるお宅を訪ねたところから始まるストーリー。
エドワーディアンの英国の人々の生活習慣や考え方などがよくわかる作品。
いえ、わからないと楽しめない作品も多いと言えます。
第一次大戦中、45歳で亡くなるまでに長編・戯曲・短編などの作品を残したサキ。
多くが日本語にも翻訳されていますので、ぜひ探してみてください。
眠りにつく前に、ライティングデスク で一篇のサキを読む。
奇しくも、サキが生きたその時代にうまれた端正なデスクは
彼の貴族的な鋭さにも似たフォルムを今の時代に伝えています。
極上の一編でしめくくる秋の日は、とてもよいもののように思えますが、
・・・いかがでしょうか。
by N
パンカーダ・ライブラリーへご来館ください。
パンカーダ・ライブラリー、ご存知ですか?
パンカーダのサイトには、それぞれのアイテムページに
画像やご説明を記載しておりますが、
アンティークにはそれだけではとても伝えきれない魅力や
秘めたストーリーが沢山あります。
モチーフのもつ意味、家具の時代背景、スタイリングのアイデアや
英国にまつわる話、当時の様子がわかる小説、などなど・・・。
沢山のことをブログでご紹介しておりますが、
ブログは更新されるたびに以前の記事がどうしても
読みづらくなってきてしまいます。
もうちょっと、アンティークのことが知りたいな。
パンカーダって、どんなお店なのかしら。
そんなふうに思っていただいたら、ぜひパンカーダ・ライブラリーにご来館ください。
過去の特集を分かり易く、本の表紙を眺めるようにご覧いただけます。
本当の図書館に来たような気持ちになっていただけたら、こんな嬉しいことはございません。そして、当店がどんな想いでアンティークと向き合っているのか、それもお伝えできたら、とてもとても光栄です。
パンカーダ・ライブラリーにはこちら のバナーからどうぞ。
ちなみに、パンカーダ・ウェブサイト
、左側にはこのバナーが常時ございますので
そちらから、いつでもいらしていただけます。
ご来館、お待ちしております。
by N
ロンドンで輝く東洋の真珠
南アフリカのダイアモンド、ミャンマーのルビー、コロンビアのエメラルド。
宝石の産地は世界中いろいろですが、日本で宝石といえば・・・
真珠/Pearl。
鉱物と言うよりは、「生体鉱物」という分類ですが、そのまろやかで清らかな美しさはジュエリーとして愛されてきました。
ロイヤルトラストコレクションより19世紀フランス マーメイド・ペンダント
さて、日本の有名宝飾店といえば真珠のミキモト。
いわずとしれた1899年創業の老舗は、早くから海外に目を向け、世界各国で開かれる博覧会へ出品し、1913年にはロンドンに卸売支店を開設しています。
1995年、ロンドン・ニューボンドストリートにミキモト・ロンドン店がオープンしたときは、スペンサーハウスでオープニングパーティが開かれました。
スペンサーハウスとは故ダイアナ妃の実家、スペンサー伯爵家所有のロンドンのタウンハウス。
ロンドンの一等地、ホテルリッツの裏手、グリーンパークに面した場所にあり、建造が始まったのはなんと1756年。ネオクラシカル様式の建物は、現在では日曜日のガイドつきツアーのみに公開されています。
最高の調度品で整えられた邸宅は、圧巻の美しさ。
そんな場所でオープニングパーティを行ったのはさすがミキモト、とただ溜息が出るばかりでした。そして、出席者にはもれなく美しい真珠の本が配られたのです。
さて、アンティーク家具の象嵌細工には、しばしばマザー・オブ・パール(真珠貝)が使われています。
マホガニーやローズウッドの杢目の中に、きらりと光る遊色とよばれる虹のような多色がみられ、思いがけない美しさ。
東洋と西洋、樹木と貝。
いろいろな出逢いの重なりが生み出す本物の輝きはひとつの奇跡のよう。
100年を経てきたヴィクトリアンのビジュトゥリーショーケース
に
貴女のジュエリーを飾れば、それもまた小さな奇跡の出逢い。
ゆらめく硝子の向こう側を、いつまでも眺めていたくなるひとときです。
by N
スペンサーハウス オフィシャルサイト(英語)はこちら。
http://www.spencerhouse.co.uk/
ライオンハートの誕生
今日、9月8日はイングランド王リチャード一世(1157-1199)の誕生日。
12世紀の伝説的イングランド王である彼は
その勇猛さから獅子心王(Richard the Lionheart)と呼ばれました。
在位はわずか10年、英語もしゃべれずイングランドにはわずか6か月しかおらず、
ほとんど戦いにあけくれていたにもかかわらず、現在でもとても人気が高い王様。
一説にはとても背が高く(2m近いとか?)赤毛混じりの金髪、灰色の眼をして堂々たる風格をもち情熱的、美食家で好奇心旺盛、勇猛果敢で、戦った敵ですらその存在を讃えたといわれています。
今のロンドンでは、ウェストミンスター寺院にて
彼のブロンズ像が威風堂々とあたりを睥睨中。・・・強そうです。
さて、そんな獅子心王が活躍していた12世紀。
家具はどんなものが使われていたのでしょうか。
さすがに1000年近い昔のこと、現存する家具はそれほど多くありません。
こちらはヴィクトリア&アルバート美術館所有
1200年から1300年頃製作、イングランド・ハンプシャーの教会から来たチェスト。
「チェスト」はもともとはこのような形。
収納として使いつつも、持ち運びができるようにそれほど大きくはありません。
服やリネン、書類やお金など貴重品もいれました。
多くは鍵がかかるようになっていました。
パンカーダにもこのようなチェスト
がございます。
時代はだいぶ経っており、推定製造年代は1760年頃。
(それでも、今から250年前なのですが・・・!)
素材は、やはりオーク。
歳月で畝のようになったオークの杢目は、触るほどに
言葉には出来ないような想いにとらわれます。
今日は、少しのあいだこのチェストに触れながら、
獅子心王・リチャード一世のことを考えることにしましょうか。
by N













































































