東京の高級アンティーク家具店パンカーダのブログ -22ページ目

リージェンツ・パークでお花見を

 

ニューヨークやパリなど、世界的に有名な大都市は大きな公園を備えています。

ロンドンももちろんそう。

 

 

過密な賑やかさと、広々とした緑があってこそ、人々が集える場所ということなのかもしれません。

 


ロンドンの「王立公園/ROYAL PARK」は以下の8つ。

 


バッキンガム宮殿のお膝元、セント・ジェームズ・パークとグリーンパーク。

中心部では一番大きいハイド・パークとケンジントン・ガーデンズ。

グリニッジ天文台(現在は史跡)があるグリニッジ・パーク。

南の高級住宅街に接する広大なリッチモンド・パーク。

旧王宮ハンプトンコートに接するブッシー・パーク。

 

そして最後にリージェンツ・パーク。

 



LONDON. Garden, Regent's Park, antique print, 1863

 

 

中世の時代、修道院が所有していた荘園をヘンリー8世(1491-1547)が取り上げ、王のものとしたことがこの王立公園の始まり。


ジョージ4世が摂政(リージェント)の時代に、ジョン・ナッシュがロンドン北部の再都市計画の一環としてリージェント・ストリート等と共に計画。完成はジョージ4世亡き後の1845年となります。

 

 

野外劇場、動物園、運河にローズガーデンなど、様々な顔をもつリージェンツ・パークはまさにロンドン市民の憩いの場として、170年以上に渡り愛され続けています。

 

 

お天気の良い日は芝生の上でピクニック・・・。

さぞ気持ちが良いのではないでしょうか。

 


スピンドルバックフォールディングチェア
1870年代 英国

https://pancada-brisa.net/?pid=124059682

 

 


また、2019年、日英友好の象徴として、約6500本の桜が日本から英国に寄贈されることになりました。
11月27日にはリチャード王子(エリザベス女王の従弟)も参列し、リージェンツパークにて記念式典が行われました。


2020年には、リージェンツパークをはじめ、英国各地で来春には日本からきた桜の花を愉しむことができそうです。

 

 

 

 

 


もしジョージ4世の時代に桜のお花見が出来たなら。


お酒や美味しいものが大好きで、陽気だったといわれるジョージ4世は、さぞ喜んだことでしょう。

 

 

 

 

彼の名を冠したリージェンツ・パークでお花見、いかがでしょうか。

 


リージェンツパークとプリムローズヒル オフィシャルサイト(英語版)
https://www.royalparks.org.uk/parks/the-regents-park


by N

 

ジョージアンの建築に囲まれてアイススケートはいかが

今日も引き続きジョージアンにまつわるお話です。

 

 

ロンドン中心部、ストランド(通り)とテムズ川に挟まれて建つ「Somerset House/サマセットハウス」。

 

 


1817年のサマセットハウス・すぐ近くをテムズ川が流れていました
Somerset House in 1817,
 showing how the Thames originally flowed directly past the building.

 

 


16世紀からの歴史をもちますが、今の状態に整えられたのは18世紀後期ジョージアンの頃、建築家ウィリアム・チェンバーズによるものです。その後の増改築もございますが、基本的にはジョージアンの代表的な建造物といってよいでしょう。

 



1722年の頃のサマセットハウス
Old Somerset House, in a drawing by Jan Kip published in 1722,
was a sprawling and irregular complex with wings from different periods in a mixture of styles.
The buildings behind all four square gardens belong to Somerset House.

 

 

 

 

その歴史ある巨大な建造物はまさにロンドンの代表的ランドスケープのひとつですが、そこの中庭で、年末年始にスケートリンクが開かれること、ご存知でしょうか?

 

 

 


「SKATE AT SOMERSET HOUSE」オフィシャルサイトより

 

 

 

 

はじめられたのは2000年。
今年でちょうど20年となり、すっかり冬のロンドンの風物詩として定着したようです。

 

 

 

 

アイススケートは英国で昔から親しまれてきた冬のお楽しみ。

 

 


 

 


ジョージアンの新古典主義の建造物に囲まれてのスケーティングは、まさにロンドンならでは。訪れる機会があれば、是非脚を運んでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

なお、こちらのスケートリンクは年末年始のみの特別なイベントです。
ちなみに、2019年~2020年は11月13日から1月12日までの開催でした。


2020年末もまた11月からの開催が予告されております。

サマセットハウス・オフィシャルサイト
https://www.somersethouse.org.uk/whats-on/skate-somerset-house


by N

 

ジョージアンの紳士淑女がそぞろ歩く リージェント・ストリート


ロンドンを代表するストリートは幾つかありますが、その中でも世界的に有名なのが「リージェント・ストリート」なのではないでしょうか。

 


この通りはその名のとおり、ジョージ4世が摂政(リージェント)の時に計画され、王になった後に完成した通り。設計は顧問であり建築家であったジョン・ナッシュです。

 


John Nash /1752-1835
(painer unknown)

 

 

ロンドン北部にある公園 (後の「リージェンツ・パーク」)から当時摂政が住んでいたザ・マル沿いのCarlton Houseまでを繋ぐことを発案し、1813年の議会承認を経て、1814年から1825年までの11年間の工事の末、リージェント・ストリートは完成しました。

 

 


ジョン・ナッシュによる設計では、歩道と馬車道とを分けるために、列柱歩廊が設けられていました。
後年、列柱が犯罪の温床になったこと、歩道の屋根部分が店舗を暗くすることなどの理由で、取り払われてしまいます。

 

 



The Quadrant, Regent Street, since rebuilt
Engraved by John Woods from a picture by John Francis Salmon (1808-1886)
Published in 1837 in The History of London: Illustrated by Views in London and Westminster

 

 

 

 

ジョン・ナッシュによる新古典主義の建造物もテナントの関係などでほとんどが取り壊され、現存するのはAll Souls教会のみ。

 


写真すらない時代だったので、様子は絵で見るしかないのですが、新古典主義の建物とカーブを描くアーチはとても美しく、このまま残っていたらどんなに素敵だったろう、と思わずにはいられません。

 

 

 


エロスの像がそびえるピカデリーサーカスから、徐々に坂を上り、緩やかなカーブをたどるリージェントストリートは、昔も今もまさにロンドンの顔。

 

 

Photograph of Regent Street in 1942, facing Piccadilly Circus

 

 

 

 

多種多様の人々が行き交う国際的なストリートは、初めてロンドンを訪れる方には是非歩いて頂きたい場所でもあります。


ジョージアンの人々がその場で感じたであろう、賑やかな通りをそぞろ歩く楽しさを、是非貴方も味わってください。

 

そんな時にぴったりのステッキ、ご紹介しておきます。

 

 

テーパードグリップウォーキングステッキ

c.1890年代英国

http://pancada.net/item/subcategory_a/post_1685.html

 


by N

 

 

久が原のちょっとお洒落な西洋食堂 ”ビストロ・キャトル”

久が原駅からわずか100m弱、パンカーダ田園調布からは約500m。

 

小さな五差路のコーナーにあるこじんまりしたレストランが「ビストロ・キャトル」です。

 

 

 

 

週末の夜、お邪魔してみました。

小さな店内はほぼ満席、お子様連れの家族が多く、シェフとのおしゃべりも楽しそう。地域に愛されている感じが伝わって参ります。

 

 

 

まずは前菜5品盛り合わせ。

 

 

 

 

次は安定の美味しさ、ボンゴレ・ビアンコ。

 

「ビストロ」といいつつも、パスタやピザのメニューが充実していて、いつでも気軽に入れるカジュアルさがいい感じです。パスタはフルサイズとハーフサイズがあり、フルサイズは3-4人で数品とってシェアするのにちょうど良いボリューム。

 

 

 

 

ピザは半分づつ違う味がオーダーできて愉しみが倍増。

アンチョビと生ハムで半分づつにしてみました。

 

 

 

 

 

そして今回一番美味しかったのが、ピリ辛トマトソースのスパゲッティグラタン!それほど辛くはなく、チーズとトマトソースが絡んだスパゲッティは美味しさも食べ応えも満点でございました。

 

 

 

 

オーダー時におなかがすいていたせいか、気が付けば注文したものはほぼ炭水化物。満腹のあまり、デザートまでは行きつけませんでした・・・。

 

 

 

 

今回お邪魔したのはディナータイムでしたが、ランチもやっているそうなので、是非脚をのばしてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

ビストロ・キャトル

大田区久が原 3-36-1

TEL:03-3754-4787

*ご来訪の際は営業時間をご確認下さい。

 

 

by N

 

 

 

 

 

四人のジョージ

大英帝国の全盛期、ヴィクトリア女王の治世「ヴィクトリアン(1837-1901)」については皆様ご存知かと思います。

 

ただ、その前の「ジョージアン」については、詳しい方は少ないのではないでしょうか。

 

 

 

今日はそのジョージアンについて少しご紹介いたしましょう。

 

ジョージアンと呼ばれる時代、グレート・ブリテン王国の統治者は4人いました。


ジョージ1世(在位1714-1727)
ジョージ2世(在位1727-1760)
ジョージ3世(在位1760-1820)
ジョージ4世(在位1820-1830)


その後はウィリアム4世(在位1830-1837)、そしてヴィクトリア女王となります。


華やかな印象が強いヴィクトリアンの家具に比べ、ジョージアンの家具は比較的地味で渋好み。それは、1世から3世までのジョージが、押しなべて「控えめ」「倹約」などという言葉で表現される性格の持ち主だったからかもしれません。

 

 

 

http://pancada.net/item/desk/post_1671.html
ジョージ三世 アーチニーホール サイドデスク
1810年代

 

 


ドイツ出身、慎重で真面目、控えめで穏やかな性格だったとされるジョージ1世。


閣僚と妻に支配されていたといわれつつも、裏表がなく倹約家であったといわれるジョージ2世。


晩年は疾病による精神錯乱をおこすも、倹約家で道徳心を大切にしたジョージ3世。

 

 

 

Temperance Enjoying a Frugal meal by James Gillray 1792
from British museum

「質素な食事を愉しむ節制(吝嗇)」
絵のない額縁を壁に掛け、布を掛けたままの椅子に座り、ゆで卵を食べる王。
倹約ぶりをからかうカートゥーン

 

 


そして最後のジョージ4世は、それまでのジョージ達に反するように、華美で贅沢好みの王でした。

 

 

彼は父親のジョージ3世の病気により、早くから摂政(リージェント)として過ごしました。そのため、ジョージアンのなかでも彼の時代だけ「リージェンシー」と呼ばれます。

 

ジョージ4世が正式に摂政となったのは1811年ですが、実質的には1800年代の初頭からジョージ3世は病が重くなりジョージ4世が摂政のような役目をになっていたため、大きく1800-1830年をリージェンシーととらえる場合もあるようです。

 


リージェンシーの特徴は一口で言えば新古典主義(ネオクラシカル)。


18世紀半ばから始まるトーマス・チッペンデール、ロバート・アダム、ヘップルホワイト、シェラトンと続く英国家具デザイナーの流れ。その意匠はチッペンデールが得意としたブリティッシュ・ロココやシノワズリから、徐々にすっきりとしたものになってゆきます。

 

 

Regency Period cabinet and bookcase

designed by Thomas Sheraton

 

 

 


更に、ジョージ4世が摂政であった1815年、フランスにワーテルローの戦いで勝利した英国は、フランスから古代エジプト時代の戦勝品を手に入れます。そこから古代エジプトや古代ギリシアのブームがおこり、更に新古典主義の要素が強いものが多く生まれたといわれています。

 

 


Oil painting "Battle of Waterloo. 18th of June 1815
by Clément-Auguste Andrieux (1829–1880)

 

 

 

 


ジョージアンの中でも、特徴的な意匠をもつリージェント様式の家具。

 

 


その由来や歴史を知ることは、より深くアンティーク家具との暮らしを堪能する、ひとつの有効な手段だと思うのですが、いかがでしょうか。

 

 

by N

 

特別企画 ジョージアンとリージェンシー

今からちょうど200年前の1月。

 

1820年1月29日、ジョージ・オーガスタス・フレデリックがジョージ4世としてグレート・ブリテン王国の王となりました。

 


King George IV depicted wearing coronation robes

and four collars of chivalric orders the Golden Fleece,

Royal Guelphic, Bath and Garter

 

 

真面目で勤勉、倹約家であった父のジョージ3世が晩年疾病により統治が困難となって以来、実質的にはジョージ4世が「摂政/regent/リージェント」として王の役割を務めており、57歳にしてやっとの即位でありました。

 


ジョージ4世は「イングランド一のジェントルマン」と呼ばれた洒落者。


建築家ジョージ・ナッシュを起用して大胆にロンドンの街並みを整え、多くの芸術作品を蒐集し、バッキンガム宮殿(当初はバッキンガムハウス)の大規模改修にも取り組んだセンス溢れる人物。

 

 

 

Buckingham House, c. 1710, was designed by William Winde

for the 1st Duke of Buckingham and Normanby

 

 

 

 

一方で多くの愛人をもち、わがままで無責任、度重なる浪費によって国庫にダメージを与え、政治と説教より女性とお酒を愛し、国民からは怒りをかっていたといわれています。

 

 

 


ジョージアンのなかでも、彼の時代はそこだけが「リージェンシー様式」とよばれ確立された意匠をもっています。
そのことも、良しにつけ悪しきにつけ、彼の強い存在感が伝わってくるようです。

 

 

 

 

 

Morning Dress from Ackermann's Repository
(ルドルフ・アッカーマンによって1809年から1829年に発行された英国のイラスト入りの定期刊行物)

 

 


パンカーダでは、ジョージ4世の即位200周年を記念して、特別企画「ジョージアンとリージェンシー」特集をお送りいたします。

 

 

 

 

 

 

華やかなヴィクトリアンよりもさらに前、英国が大英帝国へと歩みだす夜明けの時代。


その時代の意匠を受け継ぐ家具達は、200年の時を超え、今なお珠玉の輝きをもって私たちの前に在ります。

 

 

 

http://pancada.net/item/table/cat45/post_1681.html

ジョージアン ゲームテーブル
1820年代 英国

 

 

 


リージェンシーとジョージアンにまつわる豆知識をブログでご紹介しつつ、その時代を深く考察してゆきます。

どうぞお愉しみに。

 

by N

 

2020年の営業を開始いたしました。

東京は良く晴れた日が続き、青空のもと、新年を迎えました。

 

 

明治通りより見た渋谷スクランブルスクエア

 

 

今年は、年末年始の商業施設のお休みが増えたような気がいたします。

働き方改革?人手不足?

 

それもありますが、「もう少しゆっくりのんびり、お休みを過ごそうよ・・」という心のゆとりの表れでもあってほしい、と思います。

 

 

 

Dolce far Niente/なにもしない喜び
by John William Waterhouse 1880

 

 

 

パンカーダは本日より、2020年の営業を開始いたしました。

 

心にゆとりを持ちつつも、お客様へは誠心誠意、真心をこめて対応させていただきたいと思っております。

 

本年もどうかよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

by N

 

 

年の瀬に思うこと

また1年が過ぎようとしています。

 

 

毎日、毎時間、確実に時は過ぎてゆくのに、年末だけ感慨深くなるのもおかしなものですが。

 

 

 

 

 

 

それでも、区切りの時に厳粛な気持ちとなって1年を振り返り、これからの1年を思うことは、やめられそうにありません。

 

 

 

 

 

2019年、沢山のお客様やご協力いただいている方々に本当にお世話になりました。

 

心よりお礼を申し上げます。

 

 

 

パンカーダは28日土曜日にて2019年の営業を終了し、1月4日土曜日から2020年の営業を開始致します。

 

 

どうか今後とも宜しくお願い申し上げます。

 

そして、皆様の年末年始が穏やかで心癒されるひとときでありますように、お祈り申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

by N

 

and

 

アンティークファニチャー パンカーダ

スタッフ一同

 

 

 

 

 

 

十二夜に食べる美味しいもの

英国においてクリスマスの伝統的スィーツといえば、クリスマスプディングとミンスパイ。

 


クリスマス・イブの今日は、そのミンスパイのお話しです。

 

 

起源はなんと13世紀の十字軍。中東から持ち帰ったレシピから、果物とスパイスを使った肉を組み合わせた物だったそうです。伝統的な13世紀の成分はこま切れ肉、脂身、様々なドライフルーツやナツメグ、シナモン、クローブなどのスパイスの混合物だったとか。


ミンスパイの名前はこのこま切れ肉(ミンスミート)からきています。やがて肉はヴィクトリア時代の頃には取り除かれ、パイとスパイスを効かせたフルーツだけのお菓子に変化し、手軽に楽しめる様になりました。

 

 


Victorian Postcard

 

 

クリスマスの定番お菓子として愛されており、例えばディケンズの「クリスマス・キャロル」第三章 第二の精霊(現在)が登場する時、素晴らしい数々の御馳走が床に積みあげられている描写の中で、七面鳥や猪の肉、リンゴやオレンジなどに混じって、ミンスパイもそのなかに入っており、いかにも「クリスマスの御馳走」を表すものであったことがわかります。

 



 Charles Dickens' "Ghost of Christmas Present" character,
 by John Leech in 1843.

 

 

 

小型のパイの形は、イエス・キリストが眠るゆりかごを表し、12月25日のクリスマスから1月6日の最終日 顕現日の夜、「十二夜」の間毎日1個ずつ食べると新年に幸運が訪れるという風習があります。

 

 

 

さて、そんな歴史あるミンスパイ。

 


英国の老舗メーカー、ウォーカーズのミニミンスパイを手に入れましたので、試食です!

 

 

 

 

クリスマスバージョンのきらきらしたパッケージ。取り出せば、9個セットのミニミンスパイが現れます。

 

 

 


1個の大きさは直径5-6cm程度でアルミのカップに入っています。

 

 

 

 


外側はサクサクなので、割るとほろほろと崩れてきます。
中のミンスミートはスパイシーでかなり甘め。

 

 

 


「ミニ」ではありますが、これ1個で十分ミンスパイを堪能できます。
(・・・というか、これ以上は1回で食べられません・・・)


日本でも、今の季節でしたら通販や輸入お菓子ショップで手に入れやすいかと思います。


素朴な味わいと甘さが魅力のミンスパイ。
クリスマスを愉しむアイテムとしていかがでしょうか。

 

 


by N

 

 

ミッドヴィクトリアン・1850年頃 あるうら若い女性へのインタビュー

今年もクリスマスがやってきます。
私がこの家で過ごす最後のクリスマス。

 

 

Boar Lane, Leeds 2
Atkinson Grimshaw(1836-1893)

 

 

 

思い起こせば、ここロンドンでのクリスマスはずいぶん変わりました。


小さい頃はクリスマスにツリーなんてなかったし、カードを送ることもなかったんです。せいぜいプディングを食べるくらいで、それすらしなくなっていく人達が増えていく感じ。


でも、1843年にディケンズの「クリスマス・キャロル」が発売されてから、本当に色々なことが起きました。

 

 

Charles Dickens: A Christmas Carol.
In Prose. Being a Ghost Story of Christmas.
With Illustrations by John Leech. London:
Chapman & Hall, 1843. First edition. Title page.

 

 

 

「クリスマス・キャロル」は大ブームで、お金持ちのスクルージみたいな資産家たちはこぞって寄付をするようになったし、人付き合いが悪いことで有名だったトーマス・カーライルはクリスマス・ ディナーを一度ならず二度も開催することにしたそうです。

 

 

そして、みんなを夢中にさせたのは、憧れのヴィクトリア女王陛下がご家族とツリーを囲んでいる様子。1848年のイラストレーテッド・ロンドン・ニュースにそのイラストが掲載されてからすっかりツリーはクリスマスの定番となり、我が家にも大きなツリーが飾られるようになりました。

 

 

 Lithograph in The Illustrated London News in the winter of 1848

 

 

 

同じころに始まったクリスマスカード、そしてクリスマスクラッカーも、クリスマスだけに登場する大好きな物たち。

 


毎年カードを書くのは大変だけど、郵便ですぐに届くし、沢山のカードをもらうのは、なんて嬉しいことなんでしょう。

 

 

Yes or No? by Charles West Cope, 1872.
 (Walker Art Gallery, Liverpool)

 

 

24日には教会のミサに行き、25日は家族でクリスマス・ディナーをいただきます。

 

来年にはお父様が決めてくれた男性との結婚が待っています。
私も女王陛下のように素敵な家庭をつくりたい、と心から思うんです。

 

 

The Christmas tree by Winslow Homer, 1858

 

 


最後になりましたが、貴方にも、メリークリスマス。

 


by N

 

*クリスマスに纏わる史実をもとに創作いたしました。こんな女性もいたのかもしれません・・。