8月4日(金)


朝のジョギングの途中で管理オフィスに立ち寄り、昨夜のウェイティングリストの結果を尋ねましたが、今晩もこのキャンプサイトに泊まれるかどうかは11時半にならないとわからないと言われました。しつこく、「リストの何番目なの。」「見込みとしてはどう?」「万が一だめだった場合に泊まれる近辺のキャンプサイトの連絡先ご存知?」と問い詰めると、「今日は連休の初日ではっきり言ってすごく難しいと思う。」と言いながら、近隣のキャンプサイトのリストをくれました。我々の名前はリストの2枚目に入っていて確かに望み薄です。そこで、キャンプサイトリストに片っ端から電話をかけましたが、なんとどこもいっぱい。すごいことになっているようです。予約を受け付けていない、つまりfirst-come, first-inの近隣のprov. parkにトライすることも考えましたが、今からでは遅すぎる・・・。最後の手段に、40マイルほど離れた、やはりShuswap Lake湖畔にあるKOA Sicamousに電話すると、漸く今夜のキャンプサイトが確保できました。


Shuswap LAke Prov. Parkは湖水も透明で美しく、公園もきれいに整備されていて気持ちのいいところなので、一日中ゆっくり滞在し、夕方Sicamousに移ることにしました。少し冷え込んだので、朝も薪を燃やし、炉のそばでのんびり朝食。その後、ぷらぷら散歩し、湖畔の芝生のフィールドでかくれんぼやフリスビーで遊び、サンドイッチのお昼を済ませた後、湖でボート遊びを楽しみました。


SicamousのKOAはフルフックアップではありましたが、最後の最後に飛び込んだようで、普段は使われていない外れのひっそりとしたサイトがあてがわれ、かえってラッキーでした。隣のアルバータ州(カナディアンロッキーのある州)エドモントンから来たんだというおじさんに会いましたが、彼は今回は3週間RVで旅していてそのうち5日間はこのKOAのサイトに居るんだと言うので驚きました。大体、エドモントンのようなよい所に住んでいて、それでもキャンプに出かけるのにも驚きますし、これだけ素晴らしいPrv. ParkやNational Parkがたくさんまわりにあるのに、何の変哲もない団地のようなKOAのキャンプサイトに5日間も居るなんて、って、すごく不思議です。きっと、我々がまだ知らないキャンプの楽しみ方があるのでしょう。


寒いので、朝から火をたきました。


仕事はたくさんあります。


トイレです。ここは、トイレの中にも電灯がなかったので懐中電灯が必要でした。


お昼ごはんは簡単に・・・。


湖水は冷たく澄んでいました。太郎君も花子ちゃんも、本心は一人でボートに乗りたいのです・・・。


今日の夕食。

 



8月3日(木)


今日は、ウィスラーからBC州のど真ん中、Shuswap Lake畔のShuswap Lake Prov. Park へ移動します。ルート99号から97号に入り、Kamloopsという町でハイウェイ1に入ります。さらに30マイルほど西に進んでSquilaxという町でShuswap Lakeを渡り対岸の公園に入るのです。全部で250マイル、距離の割にはKOAの”Plan a Trip"で5時間以上と推測されている険しい道のりです。


まずは、Whistlerの町をのんびりお散歩、そして食料の買出しです。


Whistlerのゲレンデ。夏の間は、マウンテンバイクのメッカのようです。


Whistlerを出てしばらくルート99はCoast Mountainsを登り、そして下ります。去年の夏に行ったカナディアンロッキーに勝るとも劣らない絶景が続きますが、道はとても厳しく、運転するパパも大変ですが、RVの後部に座っているのもかなり辛いものでした。カーブのたびにお知りが大きくぶれて、ちゃんとしまったはずのものが飛び出したり、棚の扉が耐えられなくなって開いてしまって、中のお皿が飛び出しそうになったり。カナディアンロッキーの良さは、美しい景色が箱庭のように狭い地域におさまっていていい道路が通っているところにあるのだなぁ、と、実感しました。パパ曰く「去年の僕だったらこの道でRVの運転はできない。」。



  


坂を下りきるとCache Creekの町の辺りから風景が一転し、乾燥した大地が荒涼と広がります。


今日の道のりは遠いです。なかなか、目的地に着きません。時間もともかく、がたごとゆれるRVに座り続けるのに皆ぐったりしてしまいました。Kamloopsの町に着いたときにはもう5時を回っていて、もうあと一息だったのですが、禁断のMacでとうとう夕食となりました。


夕食後気を取り直して最後の一走りです。漸く、Shuswap Lakeが見えてきました。Shuswap lake Prov. Parkは、州立公園の中でも人気の高い公園だそうで、予約を取るのも一苦労。随分webではって、漸く一晩だけ確保しました。次の晩からは、到着後予約を入れればいいと思っていたのが大間違い。明日から、BCでは3連休。キャンプ好きの州民がこぞって押し寄せるため、キャンプサイトはどこも大混雑で、Shuswap Lakeも我々が到着した夜7時前には、翌日からのキャンプサイトの予約のための長いウェイティングリストができていました。


何はともあれ、キャンプサイトに到着して、まずは火をおこします。昔、幌馬車で旅をした開拓民たちのようです。


長い一日の終わり、静かに穏やかに夜は更けていきます。

  


8月2日(水)


何日も同じキャンプサイトに逗留するアメリカ人やカナダ人たちを尻目に、我が家は今朝早々にキャンプサイトを出発です。今日は、バンクーバーの港Richmondからkiller whale watichingのクルージングに参加するのです。クルージングは午前9時出港ですが8時半に来るように言われています。キャンプサイトから距離にして50マイルほどですが、キャンプ場のおじさんたちの、バンクーバーの朝の交通渋滞はすごいから1時間半は見ておくように、というアドバイスを受け、さらに余裕をみて朝6時過ぎに子供たちを寝かせたままキャンプサイトを出発しました。


キャンプサイトのおじさんは州道7号でいけ、と言ったのですが、途中で、タクシーの運転手さんにdirectionを確認すると、ハイウェイ1に入ってバンクーバーの手前のウェストミンスターという町から橋を渡ってリッチモンドに入った方がいい、と、言われ予定変更。順調にウェストミンスターまではたどり着いたのですが、そこからが苦しかった~。なかなか、リッチモンドへ渡る橋にたどり着かないのです。うろうろうろうろ、走り回って、コーヒースタンドのお兄さんにも道を尋ねて、漸く橋を渡ったのが8時半。とりあえずここでクルージングのオフィスに電話をすると、「まだ時間があるから大丈夫。」と港までの最短ルートを教えてくれました。ところが、ここからもなかなかうまくいかないのです。ほんの10マイルのところまで来ているのに、交通事故による渋滞。これにこらえきれず回り道をしようと道を脇に外れてしまって結局迷う羽目に。9時5分前にもう一度オフィスに電話をして、電話をつないだままナビをしてもらって漸くオフィスにたどり着いたのは9時を15分も回っていました。でも、ボート、待っていてくれたんです!オフィスの人も、我々が今朝RVでGolden Earsからやって来たと聞いて驚いていました。「バンクーバーの渋滞を知らないんだね。」って。ボートの他のお客さんたちに、何度も、「ごめんね。」とか「待っててくれてありがとう。」って声をかけながら着席し、漸く出発です。


ボートは25人乗り程度の小さなもの。すごいスピードで、バンクーバー島とメインランドの間の内海を進んでいきます。内海と言ってもかなり波もあり、船は波を乗り越えるたびにガタンガタンとバウンドします。花子ちゃんは大喜びですが、太郎君はしばらく寝た振りです。太郎君はいつも始めてのちょっと怖い環境に出会うと寝たふりでしのぐのです。


ボートに乗ること1時間半。静かな海に、いくつものボートが固まって止まっているところにやって来ました。夏の間、子育てにやってくるシャチの群れに遭遇したのです。我々が会ったグループは全部で50頭ほどのシャチがいてそのうち雄は6頭なのだそうです。シャチをおびき寄せるための超音波装置を船の横に沈めると、たちまち群れが我々の船の方へ向けて泳ぎ始めてすごい迫力でした。全部で4時間ほどのクルージングでしたが、子供たちも飽きることなく楽しみました。我々の到着を辛抱強く待ってくれたのは、Stevestons Seabreeze Adventures というところ。感謝です。


子供たちの寝ている間に、サニタリーダンプまでRVを運び、上水の補給、下水の放出を済ませて出発です。


漸くたどり着いたリッチモンドの港。


花子ちゃんはジェットコースターのようなボートに大喜びです。


仲間の船を取り囲むシャチ。


デジカメのバッテリーが切れてしまうという致命的なハプニングにも見舞われました。


船から戻って、港の端に止めたRVの中で冷やしうどんを作って食べました。ほっと一息、の瞬間です。


この日は、この後、バンクーバーの街中を通り抜けてWhistlerに向かいました。バンクーバーの町の美しさといったら。湖や小さな湾が数々点在し、滴るような緑の中に高層ビルディングが聳え立っています。こんなところに住んだら、わざわざ遠くまでアウトドアを楽しみにいく必要もないでしょう。バンクーバーの町を抜けてしばらくルート99は太平洋岸を走り、そのうち細長い湾に沿って内陸に向かいます。あっという間に、周りには鋭く険しい山々が迫り始め、氷河が手に取れるような近さに見えてきました。バンクーバーの中心から2時間強で、スキーリゾートとして有名なウィスラーに到着です。ウィスラーは、どことなくヨーロッパ的で、砂糖菓子のようにかわいい建物が並ぶこじんまりとした町でした。


前回のRVの旅での反省点のひとつは、RVの旅といってもずっとRVばかりで生活すると気持ちが(特にpamamの)すさぶ、ということだったので、ウィスラーでは、パパが中休みにウェスティンホテルのスイートを奮発してくれました。スィートと言っても200ドルいかないのですが、モーテル専門の我々にとっては久しぶりの素敵なホテル。室内は1ベッドルームダイニングキッチン・暖炉付。もう少し年をとったらこういうところに1週間滞在するのもいいなぁ、と、思いました。


バンクーバーの町は車窓からのみ。また来るからいいもん。


かわいいウィスラーの町並み。


今日は外食。おいしいイタリアンレストランの店を見つけました。


ホテル室内のキッチン。


今日は、のびのび睡眠です。

8月1日(火)


さあ、今日はいよいよ国境越えです。

Burlingtonから州道9号を北上しHuntingdonという町で簡単な通関手続きを経てカナダ側の町Abbotsfordに入りました。ここからは、カナダの州道11号及び7号でMaple Ridgeという町まで行き、そこからGolden Ears Prov. Park に入ります。距離的にはたいしたことはないのに、州道はそれほど広くもなくくねくね山道も続いて、改めて昨日はあきらめて途中で泊まってよかったと思いました。


国境です。


さて、Golden Earsは期待通り、素敵なキャンプ場でした。うっそうとした温帯樹林の中に、丸く木を切り倒しただけのキャンプサイトがひっそりと散らばっています。もちろんノーフックアップなので、下水タンクがいっぱいにならないようトイレやシャワーは公共の施設を利用します。夜は懐中電灯を持って行かないと帰ってこれません。キャンプ慣れしたグループばかりで、キャンプサイトにバスのうようなRVを止め、さらにその脇にテントをはり、洗濯物を張り巡らし、子供たちは家からもってきたmy bikeをキャンプ場を自由自在に乗り回し、何日も何日もここに留まって生活しているようです。我々もその仲間にほんのちょっとだけ入れてもらえたような気がして大満足でした。


Golden Ears Prov. Park入り口


キャンプサイトは広々。マイナスイオンいっぱいです。


木立の中の緩やかな坂を下っていくと美しい湖に出て思い思いに日光浴や湖水浴を楽しんでいました。

  


散歩の帰り道、管理オフィスによってfirewoodsを2束購入し、家族でよいしょよいしょと運びました。本当は、RVで入ってきたときに買っておけばよかったんですけどね。パパは、薪でお肉を焼くのをとても楽しみにしていたので、喜色満面。もちろん、家族も大満足です。



この後、RVの中に戻って眠るのが我々の軟弱なところ。

7月31日(月)


朝、7時のアラスカ航空でサンノゼからシアトルへ。

シアトルの北、50kmほどにあるEverettという街のCruise America で、キャンピングカーをレンタルします。このCruise America、USAとカナダの全域にレンタルオフィスを持っています。1年目の春、San Diegoへの旅行中に交差点で横に止まったキャンピングカーにこの名前を見つけて早速webで調べ、去年の夏のカナディアンロッキーもCruise Canadaにお世話になりました。pamamにはめずらしく他社との価格・サービス比較していません。ひょっとするとこの手抜きが今回の旅の最初の躓きの遠因かも・・・。

尚、キャンピングカーは、こちらではMoterhouseとかRVとか言います。ここからは省略してRVを使います。


レンタルの予約はwebで行ったのですが、web上ではRVのピックアップは1時となっていて、今日のうちにバンクーバーの郊外のキャンプサイトに入ってしまいたい我々にとってはちょっと遅すぎる。そこで、交渉すべく先週から何度もEverettのオフィスに電話してもいつもvoice mail、たまに繋がってもあとからかけ直すというだけで、なしのつぶて。それなのに、シアトルの空港からまた電話してみると、なんとピックアップは2時半というので驚きです。こんなとき強く文句を言えないパパに代わって、pamamが「いったいどういうことなの。先週から散々電話してるのに。少なくとも、そちらからcall backすべきだったでしょう。お宅にはRVは1台しかないのっ。何とかして頂戴。」と必死に交渉したのですが、暖簾に腕押し、なんともなりません。


そこで、気を取り直し、空港でレンタカーを借りて、RVをpick upする前にシアトルの観光&買出しを済ませてしまうことにしました。


シアトルはpamamの思い出の町。1979年の夏、円高に気を良くした親が、ハワイに続いてpamamを夏休みのホームステイに送り込んだのです。Tomiという女の子の家にステイして、その後もしばらく文通していたのに、何時の間にか音信不通になってしまってとても残念ですが、楽しい思い出がたくさんあります。今回は、Tomiの家族が日曜日につれて行ってくれたSeattle Centerに行くことができました。1965年の博覧会会場跡に作られた遊園地で、30年前の思い出はピカピカなのですが、久しぶりに見たSpace Needleは当時の迫力もなく、少し寂しく感じました。でも、Everettへ行く途中の車窓から見るシアトルの街は、緑と水にあふれて美しく、中でも、Green Lakeは、「ここで絶対泳いだことがある。」と確信をもって眺めました。


シアトルのシンボル、スペースニードルです。


パパの背後には「51」番のあの人が。


さて、RVでの生活に必要な生活用品ととりあえず1,2日分の食料を買い込んでEverettのCruise Americaに到着したのは、少々遅れて3:00ごろ。ところが、行ってみて漸く状況がわかりました。夫婦二人で切り回しているこのオフィス、次から次にレンタルのお客さんがやってきて長い列ができています。何故かお客さんにはドイツ人が多くて、RVの使い方のビデオもドイツ語と英語が交代で流されます。これを見ないと出発できないのです。ビデオを見て、質問をして、RVのチェックをして、と、やっていると一組に1時間弱はかかっています。結局、我々が何もかも済ませて出発できたのは5時過ぎになっていました。全く不手際この上ありません。しかも、RVの状態もあまりよくありません。古いし、掃除も完璧ではないし、レンタルしたタオルも洗濯はしてあるものの使い古されていてごわごわでした。去年の夏、カルガリーのCruise Canadaでレンタルしたときのことを考えると雲泥の差でした。


そうはいっても、不自由を常とするのがキャンプ生活と気を取り直して出発です。今日の宿泊予定地は、バンクーバーの西50マイルにある、Golden Ears Prov. Parkのキャンプサイトです。この旅行中何とか2泊連泊で予約が取れている唯一の州立公園。写真ではうっそうとした樹木に囲まれたサイトが紹介されており、期待が高まります。しかし、Everettからは約130マイル、普通なら2時間強の道のりですが、途中で国境越えがあり、ハイウェイではない道も通らなくてはいけません。子供たちは朝早いフライトで出発したのでもうぐったり、限界。そこで、あくまでも目的地まで行くんだ、と言い張るパパを説得し、Everettから50マイルほどのBurlingtonという町にあるKOAのキャンプサイトを電話で予約してチェックインしました。


KOA はUSAとカナダに広がるRV用キャンプサイトのフランチャイズで、フルフックアップ標準が売りです。フルフックアップとは、各キャンプサイトに電源、上水、下水が整備されていて、RVからコードやチューブをつなげば、電気も水も使いたい放題、下水もワンタッチ操作で流せるので非常に快適です。去年は、RVの生活が初めてでしたから、フルフックアップでないと生きていけないような気がしていましたが、去年の旅の最後に、Jasperのキャンプサイトでノーフックアップを体験してその良さを知ってしまったので、今年はなるべくノーフックアップで行こうと思っていたのに、最初の夜からこれでは、トホホです。


でも、兎にも角にもキャンプサイトに到着したのは夜8時過ぎ、快適がこういう場合は一番です。手早くパスタを作って食べ、明日に備えて就寝しました。