クジラの左右非対称な頭
今日のニュース第2弾
クジラ類は水中で音の方向を識別するために左右非対称の頭骨を進化させたらしいということがわかりました。
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今日のニュース第1弾
歯クジラ類の頭骨は
左右非対称になっています。
これに対してヒゲクジラ類の頭骨は
左右対称。
また高周波の音を出して反響定位を行うのは
歯クジラ類だけで
ヒゲクジラ類は反響定位を行いません。
このことから,これまで
左右非対称の頭骨は反響定位ととも
に歯クジラ類で発達したと考えられてきました。
しかし今回,原始的なクジラである
原鯨類の頭骨が調べられ,
原鯨類の頭骨も左右非対称であるということが
わかったそうです。
このことから反響定位に関係なく,
歯クジラ類とヒゲクジラ類が出現する以前から
頭骨は左右非対称であったことが示唆されます。
初期のヒゲクジラ類も左右非対称の頭骨をもっていたものの,
後に左右対称になったと研究者は考えています。
ではなぜクジラ類の頭骨は
左右非対称になったのか?
それは水中で音の方向がわかるようにするためだと
研究者は考えています。
現生のフクロウでも耳の位置が左右で異なっており,
音の方向を認識することができます。
この研究はもともと,
クジラ類の頭骨の左右非対称性を調べるために
行っていたものではないそうです。
クジラ類の食性の変化を調べるために
バシロサウルスの頭骨を調べていたら,
偶然左右非対称であることを発見したとか。
それまでは,
原鯨類の頭骨が左右非対称になっているのは,
化石化の過程で変形したためと考えられていました。
約34億年前の微生物
今日のニュース第1弾
オーストラリアの約34億年前の地層から,
微生物の化石が発見されました。
その形や産状などから,
これが生物の化石であることは
ほぼ間違いないそう。
2002年には,同じ研究チームが
それまで生物の化石と考えられていたものが
実は生物起源ではないと結論付けています。
今回化石で発見された微生物は
硫黄をエネルギー源にしていた硫黄細菌だと
考えられています
軟体部が残った三葉虫Triarthrus
三葉虫で通常化石として残るのは,
方解石でできた殻の部分。
有機物でできていた触角や肢は
なかなか化石としては残りません。
それでも,軟組織が黄鉄鉱に置換されて
化石として残ることがあります。
軟組織が黄鉄鉱化して残るのは,
非常にまれな条件がそろったときのみ。
世界でもほんの一握りの場所でしか見られません。
(軟組織の黄鉄鉱化について詳しくは
世界の化石遺産―化石生態系の進化の
フンスリュックプレートのところで
書かれています。)
今回は,そんな軟体部が黄鉄鉱に置換されて残った
貴重な標本を紹介します。
- トリアルトルスT06
- T05では三葉虫の肢の構造がよくわかります。
T06は珍しい横向きのもの。
この2つの標本を見ていると,
三葉虫が生きていた時の姿が眼に浮かびます。