軟体部が残った三葉虫Triarthrus
三葉虫で通常化石として残るのは,
方解石でできた殻の部分。
有機物でできていた触角や肢は
なかなか化石としては残りません。
それでも,軟組織が黄鉄鉱に置換されて
化石として残ることがあります。
軟組織が黄鉄鉱化して残るのは,
非常にまれな条件がそろったときのみ。
世界でもほんの一握りの場所でしか見られません。
(軟組織の黄鉄鉱化について詳しくは
世界の化石遺産―化石生態系の進化の
フンスリュックプレートのところで
書かれています。)
今回は,そんな軟体部が黄鉄鉱に置換されて残った
貴重な標本を紹介します。
- トリアルトルスT06
- T05では三葉虫の肢の構造がよくわかります。
T06は珍しい横向きのもの。
この2つの標本を見ていると,
三葉虫が生きていた時の姿が眼に浮かびます。