クジラの左右非対称な頭 | 化石ショップ「ふぉっしる」店長の日常

クジラの左右非対称な頭

今日のニュース第2弾

クジラ類は水中で音の方向を識別するために左右非対称の頭骨を進化させたらしいということがわかりました。

こちらもどうぞ↓
今日のニュース第1弾

歯クジラ類の頭骨は
左右非対称になっています。
これに対してヒゲクジラ類の頭骨は
左右対称。
また高周波の音を出して反響定位を行うのは
歯クジラ類だけで
ヒゲクジラ類は反響定位を行いません。
このことから,これまで
左右非対称の頭骨は反響定位ととも
に歯クジラ類で発達したと考えられてきました。

しかし今回,原始的なクジラである
原鯨類の頭骨が調べられ,
原鯨類の頭骨も左右非対称であるということが
わかったそうです。

このことから反響定位に関係なく,
歯クジラ類とヒゲクジラ類が出現する以前から
頭骨は左右非対称であったことが示唆されます。
初期のヒゲクジラ類も左右非対称の頭骨をもっていたものの,
後に左右対称になったと研究者は考えています。

ではなぜクジラ類の頭骨は
左右非対称になったのか?
それは水中で音の方向がわかるようにするためだと
研究者は考えています。
現生のフクロウでも耳の位置が左右で異なっており,
音の方向を認識することができます。

この研究はもともと,
クジラ類の頭骨の左右非対称性を調べるために
行っていたものではないそうです。
クジラ類の食性の変化を調べるために
バシロサウルスの頭骨を調べていたら,
偶然左右非対称であることを発見したとか。
それまでは,
原鯨類の頭骨が左右非対称になっているのは,
化石化の過程で変形したためと考えられていました。