アンモナイトの世界その2
その1に続き,今回はアンモナイトの進化についてのお話を。
アンモナイト類は古生代シルル紀後期(約4億2000万年前~約4億1600万年前)に
真っ直ぐな殻をもつ直角貝から進化したと考えられています。
アンモナイトは平面らせん状に巻いた殻が特徴ですが,
初期のアンモナイト類の殻は巻いていませんでした。
(アンモナイトとアンモナイト類の違いについては
後で述べます。)
時代を経るごとに殻がだんだん巻いていき,
デボン紀(約4億1600万年前~約3億5900万年前)に
平面らせん状の殻をもつゴニアタイト類(目)が出現しました。
その後アンモナイト類は古生代の海で繁栄しましたが,
ペルム紀末(約2億5100万年前)にほとんどが絶滅してしまいました。
この大量絶滅を生き残ったセラタイト類(目)から,
狭義のアンモナイト類(目)が進化していきました。
このブログではアンモナイト目のことを
「アンモナイト」と呼んでいます。
初期のアンモナイトの殻は皆平面らせん状に巻いていましたが,
白亜紀中期(約1億年前)になると,
いろいろな巻き方をした異常巻きアンモナイトが出現しました。
「異常巻き」といっても奇形というわけではなく,
一定のルールに沿った規則正しい形をしています。
※いぼや肋などの殻表面の装飾は省略しています。
それぞれの時代の幅は,時代の長さとは関係ありません。
ちなみに,直角貝はオウムガイ類ですが,
オウムガイは直角貝とは別の仲間から進化していったと考えられています。
対してイカやタコは,アンモナイト類が直角貝から分岐した直後に,
アンモナイト類から進化していったと考えられています。
このため,姿の似ているオウムガイよりもイカやタコの方が
アンモナイトに近いと考えられています。
このお話は,以下の本を参考に書きました。
CDのような翅の色
今日のニュース第2弾
こちらもどうぞ↓
今日のニュース第1弾
生物のもつ色に,構造色というものがあります。
構造色は貝殻の裏側やタマムシなどの甲虫,クジャクの羽根,
生物以外ではCDやシャボン玉などに見られます。
構造色をもつ生物の中でも,ガやチョウは
さまざまな色の構造色をもっています。
今回,構造色を発生させる翅の微細構造が残った
ガの化石が発見されました。
発見されたのは,
イーダが発見されたことで有名なドイツのグルーベ・メッセル。
約5000万年前の地層です。
翅の大部分を占めるのは黄色から緑色。
この色には,葉の上にいるときに保護色になる役割と,
自分には毒性があると捕食者に警告する役割があったと
考えられています。
グルーベ・メッセルのことを知りたいならこの2冊。
「イーダ」とは?↓

世界的に有名な化石産地がいくつも載っています↓
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ウミヘビではなかったモササウルス
今日のニュース第1弾
アメリカ合衆国カンザス州の
中生代白亜紀後期(約8580万年前~約8350万年前)の地層から,
軟組織が保存されたモササウルス類の化石が発見されました。
この化石にはうろこや皮膚が保存されていたそうです。
このうろこや皮膚の特徴から,
モササウルス類が従来考えられていたのとは違う泳ぎ方を
していたらしいということがわかりました。
今日のニュース第2弾はまた後ほど