化石ショップ「ふぉっしる」店長の日常 -220ページ目

カンブリアモンスターの足跡

今日のニュース第2弾

約5億年前の捕食者の足跡化石が発見されました。

こちらもどうぞ↓
今日のニュース第1弾

バージェス頁岩から足跡化石が発見されました。
この足跡は,大きさや肢の数から,
節足動物テゴペルテによってつけられたと考えられています。

テゴペルテは活発な捕食者だったと考えられています。
今回発見された足跡から,
テゴペルテは肢が海底にほんの一瞬だけ触れるように動かすことによって,
海底を素早く滑るように動くことができたと推測されています。
活発な捕食者だったというイメージとあっていますね。

と,ここで疑問が。
「あれ,バージェス頁岩て足跡残り得る(?_?)」

というのも,バージェス頁岩は乱流によって
生物や堆積物が一気に流されてできたと考えられているからです。

バージェス頁岩の動物たちはもともと
光合成が可能な浅い水深の海底に棲息していたと考えられています。

$化石ショップ「ふぉっしる」店長の日常-生きているバージェス頁岩動物たち

それが乱流によって堆積物と一緒に一気に流され

$化石ショップ「ふぉっしる」店長の日常-乱流に巻き込まれる

水深の深いところに堆積する

$化石ショップ「ふぉっしる」店長の日常-埋められたバージェス頁岩動物たち

こんな状況では足跡が残りようもありませんし,
もともとバージェス頁岩動物たちが生きていた海底も
削られてしまっています。


$化石ショップ「ふぉっしる」店長の日常-乱流が去った後

「これでどうやって足跡が保存されているんだ(-"-)ウーン・・・」
と思っていたら,ちゃんと書いてありました(;^_^A。
足跡が発見されたのはバージェス頁岩の下の方の地層。
乱流でたまった層の下側にある,もともと深海で堆積した地層です。
ゆっくりと堆積物が降り積もるような静かな環境だったと考えられています。

バージェス頁岩については,この本がお勧めです↓

バージェス頁岩 化石図譜

バージェス頁岩の生物が80種以上載っているほか,
バージェス頁岩の堆積環境などについても書かれています。

クモの背中に乗るダニ

今日のニュース第1弾

クモの背にダニが乗っている化石が発見されました。

バルト海から採集された琥珀の中に,
クモの背中に乗ったダニが入っているのが発見されました。
ダニの大きさは176μm。
非常に小さいですが,CTでスキャンされ,3D画像が作られました。

マンチェスター大学のページに動画もあります↓
Hi-tech scans catch prehistoric mite hitching ride on spider

このダニはクモの背中に乗って移動していたと考えられています。
このような行動は現生でも見られます。

三葉虫の世界

今日は三葉虫についてのお話を

三葉虫は,カンブリア紀からペルム紀まで,
古生代を通じて繁栄していた節足動物です。
種類は古生物の中で群を抜いて多く,その数数万種!
形も多様で,この三葉虫の世界にどっぷりはまる人も数多くいます。

なぜ「三葉虫」というかというと,
体が中葉と左右の側葉の3つに分かれているからです。
こんな風に↓

化石ショップ「ふぉっしる」店長の日常-三葉虫の体1

ちなみに,頭部,胸部,尾部(尾板)の3つにも分けられます。
こんな風に↓
化石ショップ「ふぉっしる」店長の日常-三葉虫の体2

某博物館で,係りのお姉さんが,団体のお客さん相手に,
「頭部,胸部,尾部の3つに分かれているから『三葉虫』という」
という説明をしていて,「違うのになー」と思いながら聞いていた記憶があります(^^;)。

ギャラリーに来てくれた人が一番驚くのも,三葉虫。
「化石は平べったいものというイメージがあったのに,
立体的でこんなにいろいろな形のものがいたなんて!」
と,熱心に見ていかれます。

そういう風に化石に興味を持ってもらえると,うれしいですねー(*^o^*)。

いろいろな三葉虫を見てみたい!という人は,
webギャラリーふぉっしるの三葉虫コーナーがお勧めです。
もちろん,リアル・ギャラリーにお越しいただくのも,大歓迎です(^-^)。