ご覧いただきありがとうございます。
一級建築士である私自ら設計&デザインした物件について書いてます。
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「思っていたとおりの家が完成して大満足です!」
住宅完成後のお客さんがよく口にする言葉。
これは一見、とても良いことのように聞こえますが
本当にそうでしょうか??
最近こんなことがありました。
私の友人(30代)が家を建てることとなり、地域で有名なローコストメーカーで話を進めてました。
先日その友人から図面を見せてもらったのですが・・・
ざっくりこんな間取りでした。(ほんとざっくりです;)
「お、畳スペースじゃなくて和室がある!珍しい。」
若い世代には珍しい独立型の和室を計画するなんて余程の理由があるんだな、と思い友人にその理由を聞いてみると
「いやあ、お客さんが来た時や将来的に親と同居した時のためにさあ・・・」
ん?
ええっ?!
そんな不確定要素を理由に・・・和室を・・・?
予算や間取りに余裕がない限り
「もしもの時の客間」は作らないことが鉄則です。
年に何回あなたの家に知り合いが宿泊するのか考えてみましょう。
そのためだけにわざわざリビングを狭くして、客間を作りますか?
LDKも特別に広いわけでもないのに、客間に予算や床面積を費やすことはモッタイナイ…
そして私が
「営業担当者(設計はまた別にいるらしい)はなんて言ってた?」
と、聞いたところ。
「いや、特に何も・・・こちらの要望通りに図面を描いてくれたよ」
そう。
これは友人(施主)の思い通りの家なんです。
友人の意見を営業(と設計)が、そのまま反映した
思い通りの間取りなんです。
私なら(おそらく多くの建築士も)もっと違う間取りを提案します。
しかしそのハウスメーカーの営業は
何一つ意見を言わず、お客さんの要望通りのプランを作ったのです。
いや、その営業も素人ではないのでこの間取りがベストだとは思っていないはず。
ではなぜ他の間取りを提案をしなかったか分かりますか?
楽だからです。
お客さんに言われたままの図面を、作るのはとても楽なんです。
お客さんの意見を否定して、新たに提案しお客さんを説得するのははっきり言って大変です。
その労力を考えると、お客さんから言われるがままに図面を描きたい気持ちも理解できます(笑)
もしお客さんがその間取りに後悔しても
「あなたのご希望通りの間取りですよね?」
と言えちゃいますし・・・
言うまでもありませんが、それはプロの仕事ではないです。
もし、あなたの希望の間取りに必死に反対意見を述べる建築士がいたら、嫌な顔をせずその話に耳を傾けてみてください。
逆にあなたの希望を何でもすんなり受け入れてくれる営業や建築士だったら、ちょっと立ち止まってもう一度よく考えてみてくださいね。。
そして、その後の展開がこちら…
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