アニメ『BLEACH』の「千年血戦篇」の放送が始まりましたね。
でもあたし、そこまでのイッキ見が間に合わなかったんで。新シリーズは見ないで耐えてる。ここはちゃんと「死神代行消失篇」まで見てから次に行くのが礼儀だよね。
ということで、あたしはあたしのペースで行く
でも、ちょっとギアを上げようかな。
『チェンソーマン』も始まってて、なんか忙しいんだけど、なぁ助的には、今からまさに 空座血戦の山場 だから。
集中、集中!!

アニメ『BLEACH』の「千年血戦篇」の放送が始まりましたね。
でもあたし、そこまでのイッキ見が間に合わなかったんで。新シリーズは見ないで耐えてる。ここはちゃんと「死神代行消失篇」まで見てから次に行くのが礼儀だよね。
ということで、あたしはあたしのペースで行く
でも、ちょっとギアを上げようかな。
『チェンソーマン』も始まってて、なんか忙しいんだけど、なぁ助的には、今からまさに 空座血戦の山場 だから。
集中、集中!!
そうなの。これがあったのよ。空座決戦の始まりと並行してウェコムンドの最終的な山場が進んでいくっていうね。始まりと終わり。こういう重ね方もおもしろいね。前哨戦は、メインキャラじゃないから、じっくり描いてると間延びしちゃうじゃん。でも、そこにウェコムンドのほうの最大の山場が割り込んでくるから、なんか飽きずに見続けられる効果がある。
ていうか、ずいぶん主人公が出てきてないことに気づいたわよ。まあ、なんというか、この作品は主人公以外のキャラが個性豊かでどれも大事にされてるから、どっちかって言うと群像劇だな、って思ってる。一本の筋として主人公の一護がいるけど、それだけを描くのが目的じゃないっていうかね、主人公をとりまく人々のお話っていうの? そういう意味で成功してるよね。
で、満を持してウルキオラ。
ウルキオラは最初にフィーチャーされたアランカルだし、キャラデザインも群を抜いて整ってるから、これはもう作者に愛されたキャラだろうなとは思ってたよ。アランカルなのに、妙に人間ぽいところがあって、なのに、本人がいちばん人間でないことを意識していて、かつ人間に興味がある。なんかちょっと、人間になりたいロボットとか、お話でよくあるじゃないですか? あれを思い出す感じ。ウルキオラ自身は「人間になりたい」っていうより「人間てどんなの?」っていう好奇心が強い感じなんだけど、でも潜在的にはちょっとした憧れが隠れているような印象だった。
織姫と深く関わらせたのもそういうところでしょうね。織姫を連れてきたのもウルキオラだし、ウェコムンドでの見張りもウルキオラ。織姫に興味というか、なんか特別な感情があるような、ないような。
これは私の想像でしかないんだけど、多分、本当は織姫とのコミュニケーションを通して、織姫にちょっと特殊な、ちょっと恋愛っぽい感情を抱いていって、「心」とは何かを知るっていう感じに描きたかったのかな、って。でも、このセンセ。人物描写は激烈にうまいのに、恋愛描写は壊滅的だよね。御本人が恋愛に興味ないか、縁遠いか、そんな感じなんじゃないかなって思っちゃうくらい(失礼)。
だって、他の心理描写とか、人間関係の見せ方とかは、めっちゃリアルで自然なのに。女子っぽいのがホントダメダメ。それは織姫を見れば一目瞭然だから。もう設定ブレブレで彼女だけは一貫してリアリティがないんだよね。まあ、それも特徴かぁ、とは思うけど。特に、このアランカル篇の織姫はビジュアルも大人っぽくって、不思議ちゃん要素皆無。表情もいつもつらそうな寂しそうな感じで「黒崎くん……。」しか言ってないような……。しかも、感情が乗ってないのよね。そんなだからウルキオラとの会話もちょっと取ってつけたみたいになってて、なんか思惑通りになってないんだろうなぁ、って感じだった。
一方で、一護との戦いはめっちゃ良かったね。
ウルキオラがアランカルの中でも特殊能力もってるから、4番でも超強敵。一護が1番だと誤解したくらいだから。まず、身体再生能力。普通のアランカルは、体の一部を再生させるくらいだけど、ウルキオラは体のほとんどの部分を超最速で再生できるんだよね。もう不死身のレベル。それから2段階のレスレクシオン。これもウルキオラだけらしい。どんだけ特別扱いなの?
最初は戦う価値もないと思っていた一護が、ものすごい勢いで力をつけているのに気づいて、本気で潰そうと考えてレスレクシオンするわけだけど、そうすると圧倒的にウルキオラのほうが強いのよ。にもかかわらず、なぜか一護はぜんぜん諦めない。相手が圧倒的に強いからといって諦めるわけにはいかない、「勝てるから」じゃなく「勝たなくちゃならないから」戦うんだ、という一護の論理に驚愕するウルキオラ。それで、一護に引導をわたしてやろうと第二段階のレスレクシオンですよ。さらにさらに圧倒的な強さで一護の胸に穴を空け、一護はあっけなく死亡。
えええっ! 死んじゃったよ
カクジツに死んじゃった。主人公がこんなところで死んでどうする? って感じよね。
ただ、まあ、胸にウルキオラとおそろいの穴が空いた、っていうのがね、ちょっと示唆的ではあったよね。
まあ、とにかく。死んだことは死んだわけだ。で、織姫の力じゃもう間に合わなくってね。織姫が「どうしよう、どうしよう」って、おろおろするシーンをすっごく引っ張るから、さすがにヒロインらしいことするのかな、って思って期待して見てたら、出てきた言葉が「助けて、黒崎くん!」だった。
え。耳を疑うあたし。
もう、ホント、力抜けました。死んだ一護を助けたい一心で、あろうことか死んだその張本人に助けを求めるとか、どうなってるの? っていう。これ、織姫は相当嫌われたと思うんだけど?
ただまあ、確かに、これが一護にはいちばん響く言葉なんだよね。「みんなを助ける」が、一護の最大の原動力だからね。おかげで一護は完全ホロウ化の状態で復活を遂げるわけだ。その段違いの強さであっさりウルキオラに圧勝ですよ。結果的に、もっともヒロインにあるまじき言葉によって、もっともヒロインらしい功績を挙げたわけだね、織姫は。なんかもやもやするけど、結果オーライなんだろうね。
でね、ウルキオラのビジュアルは、なんかどこかで見たような気がする、ってずっと思ってたんだけど、レスレクシオンの姿でわかったよ。デビルマン! 顔の模様とか、翼の感じとか、なによりいつも悲しそうな感じとか、とにかく持ってる雰囲気が、似てる気がする。
哀しい終わり方もね。完全ホロウ化した一護は圧倒的な強さでウルキオラを攻撃。再生不可能な部分を破壊されたことで、敗北が決定的となっちゃった。静かに消えていくウルキオラ。消えかかっている本当の最期のときに織姫に手を伸ばしてね、織姫に「怖いか」って聞くの。それに対して織姫が「怖くない」って答えるんだよね。それで気づくの。この手の上にあるのが……心か。って。
それがさ、「この手の上にあるのが……」って言ってるうちに、体が全部消えていって、すっかり消えた瞬間に「……心か。」って声だけが響くんだよね。もう心の声を残して逝く余韻がすごい。織姫とのやり取りは、幽閉していたときの会話を踏まえているっぽいのはわかったんだけど、残念ながらあたし、よく意味がわからなかった。今もわかってないのよ。ちょっと言葉足らずだった気がする。でもね、会話の内容がわからなくても、めっちゃ感動的なシーンだったよ。ウルキオラのラスボス感ハンパなかった。
しかも、この心のありようって、なんか海燕隊長の言葉と重なりませんか? ルキアに言ってたじゃん。心はどこにあると思う?って。心は人と人の間にあるんだ、って。ウルキオラもさ、織姫に伸ばした手のひらに心があるって気づいたんだよ。つまり、自分と織姫の間に生まれたもの、ってことでしょ?
あー、まじか! ここに繋がってたのか!
たしかに、あの前フリで視聴者は1回「そういうもんかね、やっぱ海燕パイセンかっこええこと言うなぁ」っていう経験してるからね。ウルキオラの言葉が自然に入ってくるような土壌が作られてたんだよね。いや、センセ、策士だわ。
でね、ウルキオラが死んでさ、ああ、これでウェコムンド篇も終わりかぁ、とか思ってたら、そうだった、ヤツが残ってたわ。
えー、なんで最後に10番の雑魚が残ってるわけ? って思ったら、なんと! レスレクシオンで巨大化するときに1が消えて0になったああああっ。
いや、これは!
これはこれはっ!
やられたわ。
めちゃめちゃ少年マンガっぽい仕掛け
そういえば、最初にウルキオラと一緒に空座町に来たの、ヤミーだったね。
そしてアランカルはなんで解放するとみんなデカくてキモくなるんですかね。例外はあるけど、ほとんどが化け物化する。そして、パワーファイター。ヤミーもさ、あの足はなんなの。ムカデ? あれ、必要ある? マユリさまの卍解とちょっと被ってる?
で、キモくなって饒舌になると死ぬフラグ。ルキアとかは苦戦してたけど、結局、白哉兄さんや剣八が合流してやられちゃうんだよね。最後、ペットのワンちゃんが寄り添うのが物悲しかった。悪いやつじゃなかったからね、ヤミー。
ま、とにかく、これで、ウェコムンド篇は終了!
ここからは、空座決戦に集中だ!!
柱を守りきったところで、残りのフラシオンとの戦いね。微妙にエスパーダも絡んでるけど、基本的には、No2のバラガンのフラシオンと、No3のハリベルのフラシオンとの戦い。
ここは、これまでほとんど出てこなかった大前田のステージ。
2番隊副隊長にして隠密機動総司令官 兼 第一分隊刑軍総括軍団長。見た目によらず、肩書多すぎてなんかちょっと偉そう しかも本名も「大前田日光太郎右衛門美菖蒲介希千代」と長い。無駄に偉そう過ぎる
さて、ここまでほとんど存在すら無視されていた大前田。空座決戦篇が始まった途端、いきなり饒舌になったから、来るかなー、と思ってたけど、なかなかいいキャラ見せてました。一角たちが戦ってるときは、キャラ見せをしつつ、できるだけ自然な形で視聴者に人物や状況の説明をする役割に徹してて(というか、そういう役割として作者に使われてて)、実際に自分たちの戦闘が開まると、徹頭徹尾お笑い担当でした。
まず成金ボンボンという設定。体格がまさにそんな感じ。本人に言わせると、「ふくよか」で「富の象徴」らしいんだが。あれでさすが隠密機動だなっていう素早い動きするんだから、そこはまあ、すごい。あと、髪型が江戸時代の商人っぽいのがけっこうツボ。
打算的で、すぐ逃げるし、うるさいんだけど、隊長のソイフォンが大好きなんだよね。ブサイクだのキモいだの、ずーっと言われ続けてるのに、ここぞというときは体を張ってソイフォンを守ってる。でも、どんなにナイスプレーしても、ソイフォンにはキモい、くっつくなと言い続けるわけ。でもね、ソイフォンはソイフォンで本当にヤバくなったら大前田に逃げろって言って体張って救おうとしてるんだから、なんだかんだ言っていいコンビだよ。ま、この2人。さすがに隊長&副隊長だからね、フラシオンはわりと速攻撃退しましたね。
そして山本総隊長がピンポイントでヘルプに入りました。やっぱり納得の圧倒的強さ。やばい。
山本総隊長が出張った理由は、ハリベルのフラシオンである愉快な3人の女たちが、「ペット」と称するアヨンというバケモノ。3人の左手を合成して作ったらしいが、どうやったらあんなもんができるの? そもそも暴走を止められない生き物を「ペット」と言っていいの?って感じよ。ただただ本能のままに暴れるヤツってこんなに怖い存在なのね。乱菊なんて一発で脇腹ざっくりもってかれちゃった。それでも死なない乱菊の生命力もバケモノだけど。
雛森、檜佐木、鉄左衛門さんも全く歯がたたない中、さっそうと登場した山本総隊長。あっさりアヨンの腹に穴を空け、怒り狂ったアヨンを一刀両断ってやつ。ほらね、やっぱり総隊長が出てくれば楽勝じゃん?
さて。
この時点で、あっちこっち、かなりの箇所で戦闘が並行して行われているわけなんだけど。バラガン&フラシオン vs ソイフォン&大前田、ハリベル vs 日番谷 、ハリベルフラシオン3人娘 withアヨン vs 乱菊、さらにウェコムンドでは、ウルキオラ vs 一護、ヤミー vs ルキアたちも待機中。これらをうまい具合に場面転換しつつ、平行して描いているのがすごいなぁって思ったよ。めっちゃ難しい技術だよね。1場面長すぎると他を忘れちゃうし、細切れだと視聴者が没入できない。その塩梅が絶妙。まあ敢えていうと、ウェコムンドが若干放置気味かな アニメ制作者の手腕なのか、原作者の才能なのか。あたし、原作読んでないからわからなくてさ、あたしの師匠にきいたら、原作もこんな感じだったよ。って。マジか。天才だな作者。
空座決戦始まったよ!
死神軍の登場がかっこよすぎる。
山本総隊長を中心に、
「死神、アッセンブル!」 って感じ❤
死神側としては、空座町の住民を守るために空座町のレプリカを作ってそこで戦うという作戦だったんだけど、最初から偽物だって愛染にバレててね。しかも、4本の柱を使ってニセ空座町を出現させてるから、それを壊せばソウルソサイエティに送ってあるホンモノが戻ってきちゃうっていうカラクリもバレてた。最初から、残念なスタートですわ。
じゃあ、愛染はそれわかってて、なんでホンモノを狙いに行かないのよ、って話よね。その疑問を払拭するために、偽物のほうに来た理由を愛染がなんか語ってたけど、あんまり覚えてない。それほど説得力はなかった気がするけど、まあ、あたしはそういうところはあんまり気にしないんで、全然平気
相手の手の内わかったうえで、完膚なきまでに叩きのめしたかったんでしょ? っていう理解
だって、そんなこと言ってたらさぁ、あっちもこっちも辻褄合わないところってあるもんじゃないですか? これだけの大所帯で、ストリーまでかっちりきっちりは、さすがに無理でしょう?
たとえば、空座決戦の初めの初めね。まず最初に山本総隊長がおっそろしい勢いで出ていったのよ。「え、いきなり総隊長?」ってビビるじゃないですか。そしたら、愛染とギンと東仙を火の中に閉じ込めたあと、さっさと引っ込んじゃうの これだってリアルに考えると結構不自然だよ? まあ、本来指揮官は前線に出ちゃダメということで戻ったのかな、とは思うけど。でも、総隊長も一緒に戦えば、相手が上位エスパーダだって楽勝なんじゃないですかね?
逆に、愛染はなんで最初にワンダーワイスを連れて行かなかったんですか?って話にもなるじゃん。山本総隊長が出ばってくる可能性大アリなんだからさ。そこで連れて来ないって、何のためのワンダーワイスだよ、って感じでしょう?
もう、挙げたらキリがないけど、そういう諸々はね、なんというかお約束? 「戦う」ことに意義がある的な。(自分が興味ないところは、けっこうご都合主義のあたしです)
ああ、これ、プロレス論争に似てる。あたし、実はちっさいころプロレス大好きで。ウソです。高校生になっても追っかけしてました。アントニオ猪木とか、藤波辰爾と2ショット取ってもらったのが自慢なんだけど、ああ、そうでした、アントニオ猪木さん亡くなられましたね。1つの時代が終わった感。最後まで病気と闘ってた姿、かっこよかった。ご冥福をお祈りします。
で、話を戻すと、あたしは、馬場や猪木が活躍していたころの、ショーとしてのプロレスが好きだったのよ。ショーって言っても、命がけのショーね。あれ、もちろんオトナの事情での試合内容に若干の配慮もあったりするかもだけど、よくさ、「なんでよけないんだよ。イカサマかよ」みたいな意見があるじゃないですか。あれって、あたしの理解ではね。相手の技をどれだけ受けられるか、っていうところで勝負してるのよ。相手の力を最大限引き出す。そうしたら、試合を見ている側もめっちゃ楽しめる。その上で倒す。ただし、それやると、自分へのダメージが大きいから本気で鍛えるわけ。だって、下手したら死んじゃうから。それができないと、どんなに強くてもダメなのね。ロード・ウォリアーズとか(古すぎて知ってる人いるのか?)、めっちゃ強くて相手を秒殺してたけど、イマイチ人気がなかったのは、悪役だったからという理由だけじゃないと思うのよ。だって、面白くないんだもん、試合。
ただ、やっぱりそういうのは本当の闘いじゃないっていう動きもあったりしてね。前田日明とか高田延彦とか。そこから格闘技という方向に流れていった感じなんだけど、あたしは格闘技はそれほど好みじゃなくって、見なくなっちゃった。
で、こんな年齢バレする古い話を持ち出して何が言いたかったかって言うと、『BLEACH』もある意味、見せる真剣勝負なんだと思うんですよ。みんな、戦いの途中で割と相手に「卍解しろよ」とか「レスレクシオンとかいうの、見せてよ?」的なこと言ってるじゃないですか。本当に潰すためだけなら、相手が奥の手出す前にこっちが先に変身してぶちのめしたほうが有利でしょ? でも、それやったらもう物語として終わってる。ってか、それをしないところに戦闘モノの魅力があったりするのよ。戦いに持ち込む流れに若干の不自然があったとしても、そこで戦う人物が生き生きとリアルで説得力あるんだからさ、そこはまあ、戦いを楽しんでいる御本人たちのメンタリティを尊重する、みたいな感じで見守りたいかな、とあたしは思うわけですよ。(作者さんにも、苦手なところで帳尻あわせるためにヒーヒーいうんだったら、むしろ得意なところでのびのび描いてほしい、みたいな。)
さてさて、前置きが長くなっちゃったけど、まあ、一応死神側としては、余計な手出しをされないように(言い換えると、直接対決を最後にもってくるために)、反逆者3名を炎の内に封じたうえで、アランカルとの対戦、はじまりはじまり~!
いや待て。「柱の戦い」っていうと、なんか別のお話を思い出しちゃうな。鬼がでてきそうだ
ま、とにかく、ホンモノの空座町を守るために、4本の柱を守りきらなくちゃいけないわけで、それぞれの柱を守るために配置されたのが、一角、弓親、吉良、檜佐木の4名。
前哨戦的な位置づけかな。敵は全部第2エスパーダのバラガンのフラシオン。
いちばんインパクトがあったのは、やっぱりシャルロッテ vs 弓親 だね。
ナルシストにはナルシストを、というブレないマッチング。シャルロッテがやばすぎる。まず必殺技の名前のセンス。「ひっさーつ、ビィユゥーーティフル、シャルロッテ・クールホーンズ……………………」長すぎて覚えられんかった。しかも技を出すときのアニメーションが、技名の長さを強調するお間抜けな感じでね。そのうえ、どの技の名前も長くて、どの技も省略しないで技名をフルで読み上げるからおかしみが深まる。で、途中で噛むと威力が半減するらしい。天才的に愉快。
だけど、マジ「必殺」。ほんっっとうに強い。そこはごつい見た目どおり。
必殺技に輪をかけてレスレクシオンがヤバい。変身後の格好もホント目を覆うばかりの惨状なんだけど、変身するときのあれはなに? プリキュア? セーラームーン? ごっつい体躯とのギャップがハンパない。見ているこっちが恥ずかしくなるほどのカンペキな作り込み。ほんと最高!!
でも、弓親に負けちゃったんだよね。シャルロッテはさ、強いんだからあのまま力で押したら勝てたのに不運だったよね。彼の最大の技が、弓親の斬魄刀の解放を可能にしちゃったんだから。外界から完全に遮断された空間を作るロサ・ブランカは、シャルロットらしからぬ、めっちゃ美しい技だったのに。外から察知されないとわかって、弓親は「瑠璃色孔雀」の解放ができちゃった。相手の霊圧を吸い取って百合の花を咲かせる鬼道系の斬魄刀。薔薇vs百合の戦いは百合が勝利ってことかな。うん、たしかに、薔薇はゴージャスだけど王道まっすぐな感じ。百合は形も独特だし、何よりあの強烈な香りが妖艶な感じで、相手を絡め取るような鬼道系の技にピッタリのイメージ。良い戦いでした。
ただ、ですね。1つ問題提起をしたいんですよ。瑠璃色孔雀ね、相手の霊圧吸い取るとか、無敵じゃないですか? それを、鬼道系の斬魄刀だからって、11番隊のみんなに知られたくないからって使わないのはどうかと思いますよ? 今回は、相手との技の相性のおかげで勝てたからいいものの、そうじゃなかったらどうするんですか? 結果オーライとは言わせない。仲間に嫌われたくないから本気出さない、って、個人戦なら自己責任だけど、今は団体戦なんだよ? みんなが命をかけて本気で戦っているときにそれは納得できん!
一角も同類。あいつ、卍解できることがバレたら隊長にさせられちゃうかもしれないって思って卍解できること隠してるから!
しかも隊長になりたくない理由が、剣八の下で戦えなくなるからって! 個人的な理由すぎる。恋する少女か、お前は!!! いや、いいのよ。それくらい惚れ込んでるっていうのはわかった。てか、それに値する男だよ。剣八は。でもね、それで相手に負けてんじゃん! そのせいで柱が壊れてホンモノの空座町がこっちに来始めちゃったじゃんんっ!!! そんでもって、狛村隊長が戦う羽目になってさぁ。どんだけ周りに迷惑かけてると思ってんの! 鉄左衛門さんにそれを指摘されたら、なんか逆ギレしてるし。いや、一角、お前が間違ってる。鉄左衛門さん、めっちゃいいこと言ってるから! 「命令は守れ。」「お前の意地のために隊に迷惑をかけるな。」もう、ど正論でしょう? で、鉄左衛門さんやさしいから、最後は一角の思いを汲んで「意地を通すなら強くなれ。負けたら意味がない」って言ってたけど、それが許されるのは剣八並に強くならないと。どうなんですか、一角さん! できるんですか? 「剣八の下で」とか言ってるような甘ったれには無理だと思いますよ、あたしっ!
弓親といい、一角といい、「自分はどうなってもいい」とかいいつつ、結局「自己保身」だからね。自己中の子どもだよ? これ、現実社会でもあるあるなんだよね。いるでしょ。自分のこだわりで周りを振り回して迷惑かけるやつ! 武士道がなんか間違った形で伝播したなれの果ての精神論、ホント何とかして欲しい。美学はわかるけど、ギリギリのところで「隊のため」の選択をしてほしかった。その方がずっとかっこいいのに。
そういう意味では狛村隊長はかっこよいですな。
上司にしたい隊長、ダントツNo1だよね。声がいい、人格もいい、卍解もいい。異形っていうだけでね、それ以外はどれも王道正統派。いや、卍解の黒縄天譴明王なんて武士ですよ? まっすぐに正統に戦いに挑んでますよ? ま、脳筋っちゃ脳筋ですけど、正統派ゆえの潔い感じ。しかも、背後の巨大な黒縄天譴明王が、本体の狛村隊長の動きと連動してるのがめっちゃ絵になる。今回は巨大化したチーノン・ポウをあっさり撃退。一角の尻をぬぐった形になりました。
あれ? 結局、デカさにはデカさを、という戦いになってるような……
あとは、吉良と檜佐木ね。お相手の名前覚えてないわ。ちょっと調べてくる。
↓
アビラマ・レッダー vs 吉良
フィンドール・キャリアス vs 檜佐木
ですって。
吉良は、相手が真っ向勝負なのが良かったよね。アビラマがレスレクシオンで鳥人になったから、近接戦に持ち込みにくくてちょっと手こずったけど、うまいことひきつけて翼を斬ることができた。切ったものを倍の重さにする能力ってすごいよね。よくもまあ、思いつくもんだ。で、地にひれ伏したところで首を狩る。ゆえに侘助、ね?
檜佐木はなんか、あたしの中ではなぜか印象がうすいのよ。顔はね、覚えてるの。イケメンだし、「69」って入れてるの印象的だし。だけど、なんか東仙さんに捨てられた可哀相な副隊長っていうね、そういう印象しかないのよ。あれ、待って。吉良もそうだね。ギンに捨てられてる。悲しみのダブル副隊長戦だったか。
檜佐木は自分の剣が好きじゃないんだね。知らなかった。「命を狩る形」って。でも、あなた死神でしょうが、と突っ込みたくなったけど
個人的には、ああいう投げる系の剣はちょっとヒヤヒヤする。あたしが投げるの苦手だからかもしれないけど、投げ方失敗したら自分も巻き沿いじゃん? 檜佐木の「風死」は鎖の両側にでっかい竹とんぼ状のカマががついてる感じだから、特に投げたりキャッチしたりのレベルが高そう。でもさ、解放した瞬間、御本人のおっしゃるとおり、あっという間に討ち取っちゃったね。影薄いのに強いじゃん!
というわけで、前哨戦は、まあ、一角が卍解を隠したせいで3勝1敗のところ、狛村隊長のフォローで結果的に死神軍の全勝ということで。
思ったほど視聴が進まん。
それにしても、すごいね。どんどん人が死ぬね。ってか、殺されていくね。連続殺人事件並みに
頼家はやっぱり暗殺されちゃったね。最後まで徹底的に「二代目」らしさを貫いた感じ。激高する姿も、静かに語る様子も、とにかくもう、どれもこれもかわいそうで見てられなかった。
妻子が殺されたことを知ったとき。「鎌倉を離れるもんか」と駄々をこねたとき。酒に溺れて「自分が鎌倉殿だ」と喚いているとき。三浦を味方につけようとしてにべもなく断られたとき。「どうせいつかは殺されるんだから、徹底的に抗戦してやる」と太郎に宣言したとき。そして、暗殺のとき。
本当につらいだけの晩年。晩年っていっても、享年23歳だよ。いくらなんでも人生短すぎる。
ところで、あたし、善児があんなフィーチャーされてドラマチックに死ぬとは思わんかった。ただの刺客だよ? まあ、千鶴丸から始まって、殺しに殺してるからね。腕がいいからね。ってか、梶原善だしね? サンシャインボーイズの方々は大切にされる的な?😆
この人もけっこう役を選ぶ役者さんっていう気がするんだけど、善児はハマリ役だった。伊東祐親の下にいたころは、ちょっと人間離れした怖さがあって「やり過ぎでは?」って思ったりしたけど、要所要所で出てくるうちになじんだよね。中村獅童とか、市原隼人とかとちがって、何気に表情豊かだったでしょ? ちょっとやり過ぎ感はあったけど。でも、それも含めて梶原善っぽいから、まあいいのかな、って思ってる。さすが、その辺はよくわかって書いてるよね、三谷センセ!
で、やっぱり、「いい人」演出は退場フラグなんだねぇ。感情があるとは思えないキャラのくせに、愛之助お兄ちゃんが身につけていたものを形見みたいに大事に持ってるから、あら、意外、なんて思ってたら、初の命令拒否ですよ。どんなに理不尽な殺しでも命じられれば「へえ。」って迷わず実行していた善児が、一幡暗殺の命令を「できねぇ。」って拒んだよね。おや、善児も歳を重ねて丸くなったのかねぇ。と思ったよ。まあ、結局殺したんだけど。でも、その一幡への思いが精神的な脆さになって、頼家暗殺に失敗。深手を負ってしまって。で、結局弱ってるところを弟子のトウに切られて死んだんだよね。トウは両親を善児に殺されたっぽいけど、だれだろう、今までに出てきた人じゃないよね? どこかに繋がってるのかな。何かにつながりそうな、ちょっと意味ありげなシーンだったよね。一応、チェックしておこう。メモメモ。
っていうか、善児もずいぶん耄碌したもんだよ。そもそも、太郎に見破られるような変装はダメでしょ。そこはちゃんとホンモノの笛を吹いとかないと。太郎が「あれ? あいつ笛吹いてないじゃん。」みたいに気付く趣向は、個人的には小技が効いてて好きなんだけど、まあ、なんでそこで刀吹いてるの?とは思ったよね
ところで、ここで善児を死なせたのはなんでなのかなぁ、というのが気になっちゃっていろいろ考えたのよ。オリジナルキャラは自由に使えるはずだから、何か意味があるんじゃないかと思って。まさか、梶原善のスケジュール問題ってわけじゃないでしょう?
それで、あたしが勝手に思いついたのが、
【小四郎=(太郎+善児)÷2】説
愛之助お兄ちゃんを殺したのが善児だということがわかったときに、小四郎は「私が善児を責められようか。」って言ってたよね。たしかに、あのときは祐親が善児に命じて宗時を殺させたわけだけど、今では小四郎が同じように善児に汚れ仕事させてるわけでしょ。善児の罪=小四郎の罪ってことじゃん。そのあたりのことを、善児の死を描く中で明らかにしようとしたのかな、って。
一方で、ちょうどこの善児のシーンの直前。太郎が頼家暗殺に反対して小四郎と口論した挙げ句、飛び出ていった場面があったよね。あそこで、小四郎は「太郎は私だ」って言ってた。たしかに、今の太郎はあのころの小四郎そっくり。で、今の小四郎はあのころの頼朝と同じ。小四郎は今でも本心ではあのころの気持ちを持っていて、それを太郎が代弁してくれていることが一種の救いになってる。本編では「希望」って表現されてたね。だから、小四郎は太郎の行動を力ずくで止めることはしない。で、止めない小四郎を見せることで、小四郎の良心を視聴者に見せてるんじゃないかな。うーん、やっぱりうまいよね。
そう考えていくと、善児の小屋の中でのシーンで、時房が言ってた言葉にも意味がありそう。「太郎が兄上の『希望』なら、私はその反対になりましょう。兄上がお命じになったことなら私はなんでも……」っていうようなこと言ってなかった? 小四郎にスルーされて「聞いてないんかい!」みたいなツッコミで終わってたけど、やっぱり、太郎と善児を意識した対比が、サブリミナル的に差し込まれてる気がする。
このところ小四郎がかなり冷酷非道になってきてるからね。ああいうことが続くと、本当に小四郎が悪人になっちゃったのかな、って思っちゃうじゃん。だから、このあたりで小四郎の心の内の苦しさも見せておこう、ってことなんじゃないかな。これから身内を殺していく段階に入っていくから、その前にいったん小四郎の中にはまだ良心があって、実は苦悩しているんですよ!っていうのを見せる。それが、頼家暗殺のエピソードの裏テーマ。というのがあたしの勝手な見解。
で、頼家暗殺後、小四郎が和田家で飲んでるシーン。あれがそのテーマの総まとめ的な位置づけになってるんだと思うのよ。あそこで運慶使ったのがね。もう、すばらしすぎて絶句レベルだよ。仕込みがしぶすぎる。ここで、あのキャラが活きるわけね。常識はずれで、無礼なんだけど、天才肌で、しかも仏の前では酒は飲まないっていうね、見かけによらず神仏を深く敬う気持ちのある人。だから、この人の言うことは率直でウソがなく、しかも鋭いんだよね。
そんな人に15年ぶりに会ったっていう設定。さっきまで太郎を通して過去の小四郎を見せられてたあたしたちからしたら、あのときと今が容易につながるわけよ。運慶の「悪い顔になったな。」って言葉がすんなり入ってくるわけ。「でも救いがある」「悩みが見える」「その悩みが救い」。だから「悪いけどいい顔」。この一連の言葉、いきなり言われたら「は?」って感じになるけど、今さっきまで、太郎と善児を通して、「善」と「悪」の間で揺れる小四郎を見せられてきたわけですよ、あたしたちは。それを、運慶さんがうまいこと言語化してくれて、視聴者がもろもろ腑に落ちたところで終わるっていう。もー、なんて美しいんだこの構成。ただただ感服でございます。
しかも、運慶さんが「あんたのために仏を彫ってやりたい」って言ってたじゃん。もうその時点で視聴者は、運慶さんに共感しちゃってるから。「うんうん、そうだよね。小四郎を苦悩から救ってあげたいよね」っていう方向に流れるわけよ、視聴者も。見事な誘導作戦。あんなえげつないことしてる小四郎を、いたわりたい気持ちすら湧いてきちゃったよ。なんなの、まったく。ほんと脚本が神すぎる。
「難しいことを考えずに飲みたい」と思って和田の館に来たのに、運慶さんに痛いところをつかれた小四郎はちょっとかわいそうだけど、でも、最初の和田との会話では、久々にちょっと緩んだ表情の小四郎が見られたから、まあよしとしよう。
そして、あたしの個人的には大事件。ティモンディ高岸、とうとう死んじゃったね。あんな、いい死にシーンまでもらえて、まっじでラッキーボーイ。だって、大河だよ? ふつうの連ドラとは格が違う。そこで、結構な時間フィーチャーしてもらうなんて、もう、めっちゃ特別待遇。
原田泰造のドラマ進出時に比べると、ちょっとインパクトが足りないけど(多分常識的でいい人すぎる)、あたしとしては、なんとか俳優としても育ってほしいなぁ、と切に思う御仁。まだ芝居に遠慮がある感じなんだよね、オーラが足りない。っていうか、回を追うごとに「立ってるだけでおもしろい」っていうオーラがきえてきちゃった。残念だよねぇ。誰か「あんた、そのまんまでいいから」って言ってあげて! あの遠慮がなくなると、きっとおもしろいはずだから。引き続き、どなたか、どこかでキャスティングしてあげてください。あ、もしかして、今回の感触によっては、今後三谷センセのお芝居とかドラマとかで使われるかも。芝居で直接三谷センセに演出されてください、って思う。きっと真面目な人のハズだから(単なる勝手な思い込み)、磨けば光る、きっと!!!
頼朝が死んだところで視聴が止まっておりました。ちょうど6ヶ月のところ。折り返し地点。そうか、ぴったり半年で次のフェーズに入るんだね。この律儀な感じが三谷先生っぽい
録画がたまりすぎてこのまま放置すると、追いつけなくなると思い、ちょっと、気軽な感じでまとめ見をしようということになりました。5回分まとめてのレビューなのでちょっと長いですが。早速GO!
二代目鎌倉殿が笑っちゃうぐらい「二代目」っぽくて、見ていてハラハラするね。
ちやほや育てられて尊大だし、生まれたときから刷り込まれてきたトップとしての義務感ハンパないくせに、偉大な1代目に対する卑屈な思いがあって、そこに若さと繊細さと孤独のスパイスをふりかけてハイ出来上がり、みたいな。
ちょっと振る舞いが乱暴すぎる感じがしないでもないけれど、強気と危うさをいい感じに演じてる。どこを切っても「若さゆえの過ち」が出てくる感じ。個人的には、危うすぎて見てられないんですが、それって頼家的にはうまく演じてるってことなんだと思う。もうがんばらなくていいから、って言ってあげたくなる。「わしはそんなに頼りないか」とか、ところどころで本音が漏れちゃう感じが切なすぎる。そんな孤独な心を、ギュギュッとつかんだ せつ の正直で真っ直ぐな心。株が上がりましたよ。ただの嫌味な側室じゃなかったのね。でもまあ、株をあげたときが退場時、っていうのが、この物語のデフォルトなんだよねぇ
ところで、言ってもいいでしょうか?
タイトルが『鎌倉殿の13人』なのに、「13人」が一瞬すぎない? 本来5人で行うはずだった訴訟の取次が、権力争いであれよあれよと言う間に13人に膨れ上がって、どうすんのよって思った瞬間には、もう減り始めてた。補充されるのかなと思ったけど、減る一方なんですが?
ええー、この一瞬のためだけのタイトル???
前半は、13人が選ばれる土壌生成の物語で、折り返し地点で初めて13人がそろったと思ったら、速攻減っていく物語なのね。ネーミングのセンスよ!!!
梶原景時の脱落は、まあ、仕方ないね。どう考えても御家人たちに嫌われるように描かれてたし。最後、ちらっと上総介の名前が出たのが個人的にはちょっとうれしかった。それにしても中村獅童はいつ見ても同じ顔してる。お面かよってレベル。それはそれですごいんだけど、なんだかなぁ。いつももったいないなぁ、って思っちゃう。市原隼人もそうなんだけど、強面のイメージだからこそ、もっといい感じに意外性のあるお芝居してもいいと思うんだよね。ぜったいそのほうが魅力的なのになぁ、って。その方が結果的に「強面」が際立つと思うんだけど。
で、今回見た中で、ピカイチだったのはやっぱり全成&実衣夫妻でしょう。
全成の最後は、もう圧巻と言うしかないね。それまでの全成が、一貫して穏やかで のほほんとした感じだっただけに落差がすごかった。呪文を唱えて風雨を呼び、雷鳴を引き出す。力ずくで天から嵐を「引き出した」って感じだったよね。雷は、もともと「神鳴り」だからね。斬首の瞬間に落雷して太刀筋が逸れたのは、100%神の意志だと思ったよ。誠実な人を不当に扱う人間の愚かさへの怒り。そして、背中を切られながらも、実衣のために九字を切る全成の姿。鬼気迫るものがあった。これも実衣への想いの強さかと思うとそれも切なかった。やりきれないよ。
その全成の迫真の演技を受けた、実衣のシーンが、もう全成を上回る迫力だった。全成が「動」の迫力なら、実衣は「静」の迫力。全成の最期の一部始終を小四郎から聴くところ。もうね。あの涙を流しながら笑う表情。鳥肌が立った。「私は知ってましたよ」ってね、静かに言うの。生前いちばん全成を茶化していた実衣がね、最後の最後で言うんだよね。本当にわかり合っていたんだな、って思えてもう、泣けて泣けて仕方なかった。
ちなみに、全成がずーっと実衣は赤が似合う、って言ってたじゃん。流刑の直前=最後の2人の場面でも、わざわざ赤い髪飾りのことを言ってたからなんだろうと思ってたら、全成が背中を切られたときに、自分の赤い血を見て「実衣ぃぃ~っ!!!」って叫ぶんだよね。ちょっと怖かった。このために、「赤」を仕込んでたの? 最初から計算してたのか。三谷先生、やっぱりすごすぎる。
全成の死に関連するシーンでもう1つ好きなのは、尼御台と実衣のシーン。実衣は尼御台に対して嫉妬というかね、不公平だと思ってるから、姉妹仲が悪化してたじゃないですか。昔はあんなに仲良かったのに。でも、全成が囚われたときに、実衣に向って「あなたは私が守ります」っていい切ったエイコ、めっちゃかっこよかった。そこで実衣も安心したんだろうね。いきなり尼頭巾を指して「中はどうなってるの?」って! もう質問が実衣っぽい。しかも、おそらく視聴者みんなが思っていたヤツ! お姉ちゃんもお姉ちゃんで「尼削ぎ。」ってしれっと答えて、髪を引っ張り出して見せてるし。これ、テレビ初映像じゃないの? 尼が隠すべき髪を出して見せてるなんて、愉快すぎる(笑) 実衣が「蒸れないの?」って聞くと、「だれも見ていないときに、こうやって。」とちょっと扇ぐような仕草をして見せる。
あぁ。これですよ。この姉妹は、これです。ほっこりしたわぁ。
本筋がとにかく救いがないからね。合間合間に挟まれるほっこりシーンが貴重。そして、みなさん、お気づきかもしれませんが、あんなに残酷でえげつない本編の中に、すごく自然にほっこりシーンやら、お笑いシーンやらを挟み込む手腕。これ、ホントすごいです。下手なことしたら、そこだけ浮いちゃってコントになるからね。ごくごく当たり前な感じで入れ込んでくるあたり、やっぱり三谷先生天才だな、って、毎回思っちゃう。
ああ、そしてとうとう二朗さんも退場。くーーっ。寂しい。時政パパとの2大老害っぷりが安心のお約束だったのに。しっかし、何度見ても、この役の二朗さんは最高によい。こういう嫌味な感じの役がぴったりだよね。
いや、ほんと、あたし、二朗さんのコミカルキャラはちょっと苦手だったのよ。正視に耐えない。だって目が笑ってないんだもん。でも比企能員は安心して見てられた。いやむしろ好ましいぐらい。小四郎が最後通牒的に、能員に提案したじゃない? 西半分を千幡さま、東半分を一幡さまで分けて治めようって。そのときの顔芸が!!! いやらしいほどの笑顔からの激怒。たっぷり時間をとって見せたよねぇ。よかった
二朗さん、この大河で顔芸がワンランクアップしたんじゃないかな、っていうくらい、見せ場が多かったよ。最後討ち取られるところも、笑いと、怒りと、焦りと、恐怖と。微妙に混ざり合って移り変わっていくのが、もう顔芸マイスター。どういう心情の作り方をすると、あんな微妙な顔ができるんだろう。これも見納めか、と思うと寂しい限りです。
そして、やっぱり中に鎧を着てたね。思い出す。あのとき。ウソです。どのときだったか忘れちゃったんだけど、前も1人だけ中に鎧着てて、恥ずかしい思いしてたよね、頼朝の前で。もう、ホント小技が効いてる。あのときは、周りは全員が平装だったのに、1人だけ中に鎧を着てたんだった。今回は、周りは全部本気の鎧だったのが、なんというか、比企の命運尽きたんだなって感じがしたよ。それにしても最後の最後まで小物すぎる。あんな偉そうに大口叩いてたのに。
それに引き換え、妻の道はかっこよかったね。能員がだましうちにあったと知るやいなや、応戦を命じて。せつと一幡をかばって逃して。いつも強気で権力に固執して夫をたきつけるところは、りくと同類なんだけど、やっぱり武士の家柄なんだなって感じ。堀内敬子も好きだから、もう見られないの寂しいなぁ。
これで、北条の天下だね。
小四郎が尼御台に比企の討伐が終わったことを報告したあとに、廊下を歩いて行くシーンがすっごく印象的だった。映画のような贅沢なショット。大股に歩く小四郎を、暗い室内から庭が見えるようなアングルで横から追っていく。室内の暗さと、外の明るさ。ちょっと影を帯びた小四郎横顔。なぜか不安を感じさせるような、そんなシーン。そこで愛之助兄さんの回想シーンですよ。満面の笑みで「坂東武者の世を作る。そしてその頂点に北条が立つ」。長年の兄の夢を、まさに今、成し遂げたというのに、なんだろうこの物寂しいショットは。そして正面に回り込んだカメラに向かって、顔を上げた小四郎の目は少し血走っていて、苦悩と決意に満ちてた。それもそうだよね。一幡さまを殺しちゃってるし。
比企を滅ぼしたことに対して、尼御台が「これでよかったのですよね。」と訊いたとき、「わかりません。でもこれしかなかったのです。」って答えた小四郎。胸の内、察して余りある。
もう悲惨な未来しか想像できない
そしてさあ、あたし、わかっちゃったんだよね。なんで前半たっぷりかけて頼朝の物語を描いてきたか。これ、主人公の義時を守るためだよ。義時は、すでにえげつない手腕をふるってるじゃない? ともに手をたずさえて頑張っているはずの尼御台もあっさり裏切って、迷いなく一幡を殺しちゃうんだよ。ってか、そもそも守る気ないのに誓ったよね、命は救うって。もう悪魔のよう。息子の太郎もおののいてるし。でもさ、ちょいちょい言うのよ。「頼朝さまならこうする」とか「これが頼朝さまの教えだ」とか。あんなほっこりいいヤツだった小四郎が、盤石な世の中を作るためには、初代鎌倉殿の頼朝を真似るしかなかった、っていう見せ方ね。そうするとさ、「やむにやまれず」感が出て、なんか小四郎も被害者っぽい感じになるじゃん。確かに悪魔に魂売ったかもしれないけど、それはそもそもの気質じゃないっていうことを示す。そうじゃないと、残酷すぎて、視聴者が主人公に反発しちゃうでしょ? そうすると番組そのものの人気が落ちちゃうから。あれね、松山ケンイチの『平清盛』は、多分それだったんだと思うのよ。すごくいい話だったし、芝居もめっちゃよかったのに、松山ケンイチが迫真の演技をすればするほど視聴率が落ちるっていうね。難しいところだよね。そういう事態を避けるために、前半で人を信じない、情け容赦のない鎌倉殿のやり方を見せて、そのやり方に巻き込まれていく小四郎を見せておく必要があったんだよ。
それにしても、ティモンディ高岸は相変わらず、おいしいところもらってるね。今回、比企討伐でも能員を先導する役割を任されてて、逃げようとする能員の前に立ちふさがるっていうね。しかも、最後にとどめを刺したのも仁田だったよね。存在アピールできてるよ。ガンバレ、ガンバレ!!!
それから、ちょいちょい出てくる松也上皇が毎回ちょっとした楽しみになってます。やっぱりやんごとない重鎮となると、歌舞伎役者さんなんですかね。なんか、この方、時代劇に出てくるときはいつも立鳥帽子で蹴鞠してる気がする。尾上松也か猿之助か、って感じ? 貴族の装束が似合いすぎてて、現代の服着てる方が違和感なんだよね
ちなみに、全然関係ないけど、劇団☆新感線のお芝居を見に行ったときに尾上松也主演でね、演出で舞台から乗り出したもんだから、幸運にも一番前の真ん中の席だったあたしは、手を伸ばせば届くくらいでしたよ。現代劇でも存在感はすごかった。近くで見たってだけでなんか親近感わいちゃうあたし、軽いな。
さてさて、次は頼家復活&殺害のようですね。死線をさまよってやっとこの世に戻ってきたのに、あっさりあちらに送り返されるとか、哀れを誘う。でも、もう最愛のせつも一幡もいないしね。
あと、意味深に放心気味の比奈の様子も気になる。
過去篇がよかった
めっちゃよかった
まずはとにかく、平子がかっこええ。
マジで平子がイケメンすぎる。あたしの中で株が爆上がりなんですけど?
十二番隊隊長になった若かりしころの喜助さんが、副隊長のひよ里とうまくいかなくって、もの思いモードだったときに、平子がふらっとやってきて、
「上に立つ者は下の者の気持ちは汲んでも、顔色は窺ったらあかん」
って!
もう何?
名言すぎる。
で、「好きにやればいいんだ」と言ってふわっと去ってくの。隊長の白い羽織とさらっさらのストレート金髪ヘアが、もう、かっこよすぎなんですけど。全然、好みじゃないのに惚れそう。
普段は、ひよ里と子供みたいな喧嘩してちょっと愉快な感じなのに、ホロウ化した九番隊隊長の六車拳西と戦うときなんて、傷ついたひよ里を小脇に抱えて、片手で応戦。劣勢になってひよ里に「放せ」と言われても、「そんなことできるか」と抱え続けるところ、もう男気がすごい。そのせいで、ひよ里に切られてホロウ化しちゃうんだけどね。
でも、耐えてたよね。急にホロウ化しちゃって正気を失ってもおかしくない中、必死に正気を保って、しかも愛染の「興奮するとホロウ化が早まる」という言葉をちゃんと聞いていて、なんとか自分を落ち着かせようとするところとか、もう、できる男じゃん。
これからの、空座決戦がめっちゃ楽しみになっちゃった。あー、でも、今はおかっぱなんだよね。髪、長いほうがいいなぁ。
過去篇のメインは、やっぱり浦原喜助さんだよね。いや、若い。なんか、感情表現が豊かで、すっごく新鮮だったわ。ひよ里を助けたい一心で、総隊長に「オレに行かせてください!」って談判しちゃうとか、若いよねぇ。そっか、喜助さんも、いろいろ歴史を重ねたうえで、あんなふうに常に動じないしれっとした感じになったわけね、ってわかると、キャラの人間味が増して、親近感深まるわ。
若いと言えば、白哉兄さんがまだこじれてなくってかわいかった。夜一さんにいいようにやられている少年って感じで、あれもキャラの好感度UPに貢献してるシーンだよね。こっちからすると、話には聞いて知ってた二人の関係を、ナマで見られたのでめっちゃお得感がある。
お得感といえば、喜助さんがマユリさまを口説く場面もよかったねぇ。マユリさまのクセが強すぎて、喜助さんの影が薄くなっちゃってるけど
思想的に危ない人間がたくさん閉じ込められている中で、特に危険だからって独居房に入れられてるとか、どーかしてるよね。何もしてないのに「危ない」って捕まったうえに、さらに独居房って、それもう人格そのものが危険ってことじゃん。お陰さまで納得いたしました。そりゃもう人間性を感じさせないマッドサイエンティストで当然ですよね。本来独居房レベルのやつを引っ張り出しちゃったんだから。でも、過去篇のマユリさまは、まだ歯も白いし、奇妙な髪型にもなってないから、少し、すこぉーしノーマルさがあったね。隊員と一緒に研究してる姿とか、平子やひよ里と愉快なやり取りしてる様子とかが、なんか微笑ましくて、好感度上がったよ。喜助さんが引っ張り出してるんだってことがわかったから、喜助さんのあとを継いで第2代技術開発局局長になったのも納得ができた。これも有意義なエピソードだった。
そうそう、あのマユリさまを口説きに行く場面ね。なんでわざわざひよ里を連れてったのかなぁ、って思ったんだけど、あれは、二番隊の位置づけとか隠密機動のこととかを説明する仕掛けだったんだろうね。なかなか心を開いてくれないひよ里に喜助さんの実力を見せるという体で、視聴者にもバックグラウンドの説明を聞かせるっていうヤツ。それが自然な流れになってて、こういうところ、うまいなぁ、って思ったわ。
自然な流れといえば、鉄裁さんが浦原商店にいる理由もすごく自然に流れができてたねぇ。ってか、鉄裁さん、めっちゃ偉い人でびっくり。大鬼道長!! そしてハッチとつながってたんだ。なんか、人が登場するたびに、ああ、この人か。え、この人がこんなふうにつながってるのか。って、人と人とがつながっていくのが過去篇の醍醐味だね。今まで謎だったところが少しずつ解明されていくの、ワクワクする。
危険な状況の九番隊のところに派遣される隊長が選ばれるシーン。あれは、一種の謎解きシーンだよね。呼び上げられるメンツがみんな、のちのヴァイザードじゃん。ああ、そうか、このメンツ。じゃあ、これからなにかあるんですね、ってね、先を考えながら見ていく感じ。九番隊の拳西とましろはもうやられちゃってるし、ひよ里も向かってるし。あれ、でもリサちゃんいないなぁ、と思ってたら、京楽さんのご指名で平子たちと一緒に行くことになってね。そんなふうに少しずつ人員がそろっていくのを見ながら、ああ、だめだよ、行ったらみんなホロウになっちゃうよ、ってドキドキしたりして、めっちゃ楽しかった。
結局、愛染の思惑通りみんなホロウになっちゃって。平子は、愛染が怪しいと感づいていてわざわざ手元において警戒していたのに、結局陥れられてちゃったんだから、それはそれは無念だっただろうよ。しかも、自分が警戒して愛染と距離を取っていたがゆえに異変に気づけず、結果的に愛染を成功に導いちゃったとか。忸怩たる思いってヤツだね。
それから、愛染にはめられた喜助さんが犯人に仕立て上げられて四十六室に査問されるところ。あれもハラハラしたよ。四十六室が、査問の場でも顔出ししないのが、もう胡散臭いよね。ほら、匿名ってさ、愚者っぽいじゃん。権力あるけど地位をかさに責任取らない感じ。でもって、見事に愛染に手玉に取られちゃってさ、ハナっから喜助さんを犯人って決めつけてて、愛染の思うツボ。もうあれ、帝国陸軍の軍法会議みたいなもんよね。で、喜助さんもまだ若いから必死で言い返しちゃったりして、いやいや、喜助さん、そんなふうに言い返したら逆に立場悪くなりますよ、っていうこっちの心配通り最悪の判決が即座に下りちゃって、絶体絶命みたいなところで、あの方ですよ。来ましたよ、姉御。四楓院夜一さま。風のように現れて、並み居る護衛をなぎ倒し、喜助さんと鉄裁さんを救出。しかも、ホロウ化した8人と、開発中の義骸も運び出し済みっていう手際の良さ。天才。惚れます。これで、喜助さんと鉄裁さんが仲良く現世にいることとか、夜一さんが猫の姿でいることとか、あとヴァイザードが現世にいて、なんかホロウ化しそうな一護を助けようとしていることとか、ぜーんぶすっきり片付きましたよ!
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逆にちょっと心配になったのが、市丸ギン。めっちゃ優秀なのがわかったのはいいんだけど、入隊時の少年のときから愛染に目をつけられてたってこと。ある意味子飼いじゃないですか? ってか、命じられたからって3席殺しちゃったの? しれっとエグい場面が流れてた気がするんだけど、えっと、それ大丈夫? ギンはいいヤツだと思ってたんだけど、違うのかな、という一抹の不安が……。
あとね、喜助さんは愛染にはめられて永久追放になっちゃったけど、真相を知ってるわけじゃん? ホロウ化の研究とか、ギンや東仙を部下にしてることとか。なんで喜助さんはそれ、黙ってるのかね? 確かにソウルソサエティには戻れないかもしれないけど、こっちに来た死神とかにいろいろ便宜図ったりしてるみたいだから、瀞霊廷に伝えようと思えば伝えられるわけじゃん。少しでも情報があれば、愛染の離反があそこまで見事に劇的に成功するはずないのに。うーん、そのあたりこれから見ていけばわかるのかなぁ。気になる。
あたしね。アニメが楽しくても原作読みたいな、ってめったに思わないんだけど、『BLEACH』は原作読んでみたいかも。って最近思ってます。まあ、巻数多いからね。金銭的にも時間的にもどうかと思ってとりあえず耐えてる😆 まずは、アニメだよ。これを最後まで突破しないと。
とにかく、満を持して空座決戦だよ。喜助さんと夜一さん、あと、株がバク上がりの平子くんに注目したい
ウェコムンドの戦い①では、
・グリムジョー vs 一護
・アーロニーロ vs ルキア
・ノイトラ vs 剣八
をレビューしたので、その続き
ウェコムンドでの戦いは、どれも並行して進んでたんだけど、最後まで長引いたのがザエルアポロ戦。
前哨戦は恋次と雨竜の凸凹タッグなんだけど、なぜかマジの戦闘中に、ちょろちょろ存在をアピールするペッシェとドンドチャッカのゆるさが秀逸。ペッシェはなんか馬の頭みたいな仮面、ドンドチャッカは南国の原住民の神様みたいなどでかいカラフルな仮面のヤツね。とにかく、本筋が実力伯仲で緊迫してて救いのない感じだから、それに対する配慮だと思うんだけど、ネル、ペッシェ、ドンドチャッカの3人がめっちゃいい味出してる。緩急が絶妙。あたし、実はバトルシーンにそれほど興味がないらしく、バトルシーンが長いと眠くなっちゃうんだよね。(自分でも何だそりゃ、って思うんだけど仕方ない)。だから、いい塩梅にお笑いシーンがはさまってくれて、飽きずに見ることができてます。
一護とネルの組み合わせは想定できたけど、恋次とドンドチャッカ、雨竜とペッシェの組み合わせは意外性があって愉快すぎる。いやもう、大好き。ドンドチャッカのボケが突き抜けてるし、それに対する恋次のつっこみスキルがだんだん上がっていく感じが、二人の距離が近くなってくのと比例してて好感度上がる。ペッシェはもう、人格的に破綻気味なのがよい。それを、一見四角四面の真面目人間に見えて実は天然でズレてる雨竜と組ませるあたり、センス抜群。ここまでお膳立てできてれば、あとはもう勝手にキャラが動いて楽しくしてくれるっていう感じがする。
あたしは、特にペッシェとドンドチャッカが決めポーズしながらバラバラに決めゼリフ言ってるヤツ。あれが好き。あれは何度見ても笑える。会話のテンポも絶妙。特にペッシェの声優さん。戦いの緊迫した場面で、最初の一音目から気の抜けた声なんだよね。張りはあるのに。一瞬にして場の雰囲気をゆるめる一声。すんばらしい。
あー、二人が好きすぎて脱線した。ザエルアポロでしたね。食虫花みたいに花がパクっと人を食べちゃうのかと思いきや、もぐもぐペッ、って吐き出されて、助かった~とか思ってると、その人のかわゆーいマスコット人形がポンッ!って出てくる。なんか液にまみれてるのがキモい。で、人形の胴の中にカラフルなジェリービーンズみたいなのが入ってて、それを1つずつひねり潰していくの! その1つ1つが体内の臓器を表していて、それが本人の臓器と連動してる。つまり、それを潰すと本人の臓器が潰れるってやつ。恋次も雨竜も完全に餌食になって弄ばれてしまって。
残酷すぎ。
あ、でも、この残酷さを楽しむ感じ。加えて研究者といえば、あの人でしょう?
そう! こちらにはマユリさまがいらっしゃいます。満を持しての登場ですよ。
なんだろうね、ウェコムンドの戦いは、無鉄砲には無鉄砲を(一護vsグリムジョー)、戦闘狂には戦闘狂を(剣八vsノイトラ)、マッドサイエンティストにはマッドサイエンティストを(マユリvsザエルアポロ)、というイスラム教の教えのような対戦カードになってる
で、このえげつないマッドサイエンスの仕込み合戦ですけどね。混迷を深めます。マユリさまの金色疋殺地蔵は、相変わらずキモいし。毒薬は仲間も巻き込むし。もうシッチャカメッチャカ。いったんは勝利したかのように見えたのに、ザエルアポロもさすがのマッドサイエンティストぶりで、なんと、自分が捕まえている人物(=ネム)に自分を産み付け、ネムの霊力を栄養にして再誕生するという。はっきり言ってキモい。死なないのではなく、無限に誕生し直すことで永遠の命を可能にするという新しい発想。『動的平衡』(福岡伸一)を思い出したんですが。
毎回思うんだが、この作者さんのアイディアが計り知れなくて驚く。死すらも自分の生の一過程にしてしまうという、輪廻転生的ループを人工的に生み出すみたいな感じなのかなぁ。
死んでも何度でも生まれ変わるって、もう最強じゃない? これ、どうするの?って思ったら、なんと、マユリさま。常時ネムの体に毒薬を仕込んでるらしいっす。ネムが食われたり乗っ取られたりしたときのためにね。いや、倫理観のない科学者は悪魔だね、ホント。
この薬ってのが、また素っ頓狂で、その名も「超人薬」。時間をゆっくり感じさせる薬。剣が止まって見えるとか、そういう達人の域を人工的に体感できる薬だそうで、え、それって、相手に有利になっちゃうじゃん、と、混乱してたら、なんと、本来25万倍に希釈して使う薬を原液で仕込んでおいたと。なので、ザエルアポロにとっては、1秒が100年に感じるようになってしまってるらしい。ちょうど最近、『Witch Watch』でそれに似たギャクを読んだばっかりだったので、ちょっと笑っちゃったんですが、まあ、1秒が100年は笑いにもならないね。刃を向けられてからそれが自分に到達するまでに何百年もかかる。ほぼ静止しているようにしか見えない刃を見つめたままただただ数百年をすごすって、それはもうメンタル崩壊しますよね。案の定、ザエルアポロも「早く貫いてくれ」と懇願し、半ば喜びの中で貫かれるって最後でした。あのメンタルじゃ再誕生なんて考えられなくなってるよね。いやほんと、うまく出来てる。
てなわけでね、全戦闘において、からくも死神側が勝利したわけなんですが、なんと、この戦い、空座町に攻め込む準備ができるまでの、ただの時間稼ぎ。ウェコムンドに足止めさせて戦力分断させる作戦。そういえば確かに、今回の戦いで出てきたエスパーダは5番以下だね。死神側はけっこう戦闘能力高いのが来てるのに。まんまと愛染の策略にはまってしまって、ウェコムンド遠征組の死神たちは、ウェコムンドに閉じ込められちゃったんです。
空座町決戦は、どうやら主人公もヒロインもいない状態でスタートするってことね。さすがBLEACHです。それでもね、死神側もそれなりのキャラクターが残ってるし、バイザードも出張るのかな? ウェコムンドには一護と因縁のあるウルキオラもいるしね。
どうなっていくのか、楽しみだ~
ラス・ノーチェスの青空が監視システムっていうのが、まず怖い。愛染の悪魔っぷりがえげつなくっていっそ気持ちいいくらいです。ラス・ノーチェスに入った時点で袋のネズミじゃんね。それでも進むしかないんだけどさ。
あたし、グリムジョーが好きなんだよね。
ほんとおばかさんなんだけど、絵に描いたようなチンピラっていうんですか。オレ樣で、人のことなんて全然考えてないのに、変なところで義理堅くて、ほら、織姫に手を復活させてもらったから、その借りは返したりとかね。なんかこだわるところがちょっとズレてて、そこが愛らしいっていうかね。ほんと憎めない。そもそもキャラデザインがかっこいいし。顔の横についてる仮面がかっこ良すぎでしょう? 最初に見たときに、アランカルの中でピカイチでかっこいいと思いましたよ? でも、なにげに6番。微妙な位置 発展途上の一護の相手としては、中間目標としてちょうどいいってことかね。一護ぼろぼろになりながらも、見事にクリアしたよね。いや成長曲線の右肩上がりっぷりがすごいです。最初、空座町襲来で戦ったときは、全く太刀打ちできなかったのに!!!
ただ、確かに素晴らしい死闘だったはずなんだけど、その他の対戦がエグすぎて、ウェコムンド編が終わったときには、一護とグリムジョーの戦いの記憶はほとんどなくなってた💦
だってまずルキアとアーロニーロとの戦いが、メンタル的にキツすぎる。
なんであんなひどいこと思いついちゃうんですか?
ルキア自身が手にかけた、大好きだった海燕がアランカルとして出てきたときは、絶望的な気持ちになったよね。
ずっと海燕の最期に責任を感じ続けていたルキアにとって、仮に幻術だとしても、刃を向けるのは辛いだろうに、戦えば戦うほど本物である証拠が出てくるっていうね。ルキアと海燕の2人だけしか知らないようなことまで見せられると、もうどうにも「ホンモノ」を打ち消せなくなるじゃん。見てるあたしも、実際のところどうなのよ?ってのが気になって全然戦いに集中できなかったよ。で、半分は本物っていう理解でいいかな? 少なくとも記憶は本物なんだよね。海燕はホロウの中に取り込まれて、そのホロウが海燕の記憶ごとアーロニーロに取り込まれたから。その本物の記憶をトレースしてるということなんだから、やっぱ半分は本物でしょう? とすると、これは残酷すぎる。だって、ここでアーロニーロを倒したら、ルキアは海燕を2回殺すことになっちゃうじゃん!
そんなルキアを救ったのが、まさにその海燕の生きざまだったんだよね。昔、ホロウ化してしまったところをルキアに刺されたとき、「心だけはここに置いていける」と言って感謝した海燕。そして「心」は、人と人との間にあるんだと説いていた記憶。この考え方はめっちゃかっこよかった。相手がいてこそ心が生まれる。だから1人でいたのでは「心」はないんだ、と。なんでこんなこと思いつくんだ? ホントすごいな、作者。
で、これほど人とのつながりを大切にしている海燕が、「オレを殺した償いのために仲間を差し出せ」なんて言うはずがない! コイツは海燕さまではない!と確信できたルキア。だから、ギリギリのところでやり返せた。これほど明確な価値観を持っている海燕もすごいけど、こんなメンタルきつい状況で、気持ちを奮い立たせることができるルキアもすごい。ほんと、心から尊敬する。
メンタルメインの戦いだったルキアに対して、剣八は徹底的に肉体オンリーな戦いでしたわね。これも、まあ、ブレない。
グリムジョーとの戦いでもう全身ズタボロのところに、さらに1つ上の5番のエスパーダ・ノイトラが登場して再びピンチな一護。
ネルの記憶回復という思いがけないイベントがあって、大人の姿に戻ったネルは、元エスパーダだと判明。
おお、これで勝てそうだな、と思ってたら、せっかく復活したネルが突然元の子供に戻って気を失っちゃうんだよね。万事休す。いや、これはさすがに「どうすんのよ、秘密兵器もダメだったじゃん!」とあたしまで追い詰められた気分になってたときに、あの声が聞こえてねぇ。「よぉ、ずいぶんなやられようだなぁ。」くらいのかる~い感じで。姿は見えなかったけど、一瞬にして「勝ったわ!」と思ったね。いや、なんだろう、あの声を聞いた瞬間の感情。安堵と興奮? うまく言い表せなくてもどかしいんだけど、まさか!と思う反面、ちょっと無意識に来てくれるかもって期待していたっぽい自分に気づくというか、「意外」と「やっぱり」が同時に押し寄せてきて、ああ、でもこの人なら大丈夫って思った。そしたら、あのしゃがれた声がめっちゃセクシーに聞こえちゃった感じ? まあ、とにかく、あれ、こんないい声だったっけ、って思ったわ。姿より前に、声だけ聞こえた演出がドンピシャだった。
しっかし、戦闘狂どうしの戦いっていうのはなんかもう、どうかしてるよね。剣八、相変わらず切られて喜ぶし。なんなんだろ、あれ、痛さは感じてるんだよね? 普通に血が出てるもんね。このまま切られ続けたら死ぬな。死にたくねぇなぁ。って、積極的に切られにいっといて、どんな感慨だよ。で、突然、仕方ねぇから「剣道」でもやるか、と言い出す。なんと、剣八ったら、総隊長のじいさんから直接剣道の稽古つけてもらってたらしい。でも、性に合わないから普段はやらないんだって。え、まって「剣道やる」ってどういうこと?と「?」だらけになってたら、剣八さま、こうのたまった。
「知ってるか? 剣ていうのはよ、片手より両手で振ったほうがつええんだとよ。」
って、え、待って。言われてみれば、剣八、今までずっと片手で剣を振り回してたわ、と改めて気づく。頭に鈴付けて、眼帯で霊圧抑えて、おまけに片手か。そこまでして、切り合いを楽しみたいのか、と。もう呆れるレベル。
無事勝利です。これで始解もしてないとか。バケモノっす。
そんでもって、とどめは刺さないんだよね。「戦えない相手にとどめを刺してやる義理はない」ってね。多分、剣八的には、文字通り、負けた相手が生き恥を晒そうが、自分の知ったことではないということなんだろうけど、なんか、無駄に命を取らないところが、非戦闘者のあたしから見ると、やっぱりかっこいいんだよね。
ところで。
とどめを刺さないで思い出したんだけど、ちょっと前に一護も同じようなことしてなかった? グリムジョー。そういえば、全然映ってないけど、すぐそばで倒れてるはずだよね。瀕死の状態で、しかも正気で。どんな気持ちで見てたんだろ。ってか、巻き込まれなくてよかったね。え、巻き込まれてないよね? 無事だよね?
この戦いの巻き込み事故で死んでたら笑えない
あっという間に日曜日。
もう何度こんな日曜日を過ごしているんだろう。
『鎌倉殿の13人』。大事に見たいからって予約録画して見ようと思ってたら、後回しになっちゃって、溜まる前に見ないとヤバいなって思ってるうちに2ヶ月半たっちゃったよ。
ちょっと追いつける気がしない
アニメは比較的気軽に見始められるから、結果的にアニメ優先になっちゃってるんだよね。
いやー、まいったね、どうも。