ウェコムンドの戦い③ ウルキオラ戦――『BLEACH』イッキ見09 | なぁ助の勝手にレビュー☆

なぁ助の勝手にレビュー☆

ミーハー気分に任せて好きなマンガ、アニメ(たまにお芝居)を勝手に愛で散らかすブログです。
自分のいいように解釈して、ただただ「いいなぁ~❤」「好きだなぁ~❤」を垂れ流すだけですが、
話の合う人がいないので、「それ、わかるわ~」という方を求めてます。

そうなの。これがあったのよ。空座決戦の始まりと並行してウェコムンドの最終的な山場が進んでいくっていうね。始まりと終わり。こういう重ね方もおもしろいね。前哨戦は、メインキャラじゃないから、じっくり描いてると間延びしちゃうじゃん。でも、そこにウェコムンドのほうの最大の山場が割り込んでくるから、なんか飽きずに見続けられる効果がある。

 

 

  ウルキオラ vs 一護

ていうか、ずいぶん主人公が出てきてないことに気づいたわよ。まあ、なんというか、この作品は主人公以外のキャラが個性豊かでどれも大事にされてるから、どっちかって言うと群像劇だな、って思ってる。一本の筋として主人公の一護がいるけど、それだけを描くのが目的じゃないっていうかね、主人公をとりまく人々のお話っていうの? そういう意味で成功してるよね。

 

で、満を持してウルキオラ。

 

BLEACH モノクロ版 22 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

ウルキオラは最初にフィーチャーされたアランカルだし、キャラデザインも群を抜いて整ってるから、これはもう作者に愛されたキャラだろうなとは思ってたよ。アランカルなのに、妙に人間ぽいところがあって、なのに、本人がいちばん人間でないことを意識していて、かつ人間に興味がある。なんかちょっと、人間になりたいロボットとか、お話でよくあるじゃないですか? あれを思い出す感じ。ウルキオラ自身は「人間になりたい」っていうより「人間てどんなの?」っていう好奇心が強い感じなんだけど、でも潜在的にはちょっとした憧れが隠れているような印象だった。

 

ウルキオラ vs 織姫

織姫と深く関わらせたのもそういうところでしょうね。織姫を連れてきたのもウルキオラだし、ウェコムンドでの見張りもウルキオラ。織姫に興味というか、なんか特別な感情があるような、ないような。

 

これは私の想像でしかないんだけど、多分、本当は織姫とのコミュニケーションを通して、織姫にちょっと特殊な、ちょっと恋愛っぽい感情を抱いていって、「心」とは何かを知るっていう感じに描きたかったのかな、って。でも、このセンセ。人物描写は激烈にうまいのに、恋愛描写は壊滅的だよね。御本人が恋愛に興味ないか、縁遠いか、そんな感じなんじゃないかなって思っちゃうくらい(失礼キョロキョロ)。

 

だって、他の心理描写とか、人間関係の見せ方とかは、めっちゃリアルで自然なのに。女子っぽいのがホントダメダメ。それは織姫を見れば一目瞭然だから。もう設定ブレブレで彼女だけは一貫してリアリティがないんだよね。まあ、それも特徴かぁ、とは思うけど。特に、このアランカル篇の織姫はビジュアルも大人っぽくって、不思議ちゃん要素皆無。表情もいつもつらそうな寂しそうな感じで「黒崎くん……。」しか言ってないような……。しかも、感情が乗ってないのよね。そんなだからウルキオラとの会話もちょっと取ってつけたみたいになってて、なんか思惑通りになってないんだろうなぁ、って感じだった。

 

一護死す。マジか!

一方で、一護との戦いはめっちゃ良かったね。

ウルキオラがアランカルの中でも特殊能力もってるから、4番でも超強敵。一護が1番だと誤解したくらいだから。まず、身体再生能力。普通のアランカルは、体の一部を再生させるくらいだけど、ウルキオラは体のほとんどの部分を超最速で再生できるんだよね。もう不死身のレベル。それから2段階のレスレクシオン。これもウルキオラだけらしい。どんだけ特別扱いなの?

 

最初は戦う価値もないと思っていた一護が、ものすごい勢いで力をつけているのに気づいて、本気で潰そうと考えてレスレクシオンするわけだけど、そうすると圧倒的にウルキオラのほうが強いのよ。にもかかわらず、なぜか一護はぜんぜん諦めない。相手が圧倒的に強いからといって諦めるわけにはいかない、「勝てるから」じゃなく「勝たなくちゃならないから」戦うんだ、という一護の論理に驚愕するウルキオラ。それで、一護に引導をわたしてやろうと第二段階のレスレクシオンですよ。さらにさらに圧倒的な強さで一護の胸に穴を空け、一護はあっけなく死亡。

 

えええっ! 死んじゃったよびっくり

カクジツに死んじゃった。主人公がこんなところで死んでどうする? って感じよね。

 

ただ、まあ、胸にウルキオラとおそろいの穴が空いた、っていうのがね、ちょっと示唆的ではあったよね。

 

まあ、とにかく。死んだことは死んだわけだ。で、織姫の力じゃもう間に合わなくってね。織姫が「どうしよう、どうしよう」って、おろおろするシーンをすっごく引っ張るから、さすがにヒロインらしいことするのかな、って思って期待して見てたら、出てきた言葉が「助けて、黒崎くん!」だった。

 

え。耳を疑うあたし。

 

もう、ホント、力抜けました。死んだ一護を助けたい一心で、あろうことか死んだその張本人に助けを求めるとか、どうなってるの? っていう。これ、織姫は相当嫌われたと思うんだけど? 

 

ただまあ、確かに、これが一護にはいちばん響く言葉なんだよね。「みんなを助ける」が、一護の最大の原動力だからね。おかげで一護は完全ホロウ化の状態で復活を遂げるわけだ。その段違いの強さであっさりウルキオラに圧勝ですよ。結果的に、もっともヒロインにあるまじき言葉によって、もっともヒロインらしい功績を挙げたわけだね、織姫は。なんかもやもやするけど、結果オーライなんだろうね。

 

ウルキオラの悲哀

でね、ウルキオラのビジュアルは、なんかどこかで見たような気がする、ってずっと思ってたんだけど、レスレクシオンの姿でわかったよ。デビルマン! 顔の模様とか、翼の感じとか、なによりいつも悲しそうな感じとか、とにかく持ってる雰囲気が、似てる気がする。

 

哀しい終わり方もね。完全ホロウ化した一護は圧倒的な強さでウルキオラを攻撃。再生不可能な部分を破壊されたことで、敗北が決定的となっちゃった。静かに消えていくウルキオラ。消えかかっている本当の最期のときに織姫に手を伸ばしてね、織姫に「怖いか」って聞くの。それに対して織姫が「怖くない」って答えるんだよね。それで気づくの。この手の上にあるのが……心か。って。

 

それがさ、「この手の上にあるのが……」って言ってるうちに、体が全部消えていって、すっかり消えた瞬間に「……心か。」って声だけが響くんだよね。もう心の声を残して逝く余韻がすごい。織姫とのやり取りは、幽閉していたときの会話を踏まえているっぽいのはわかったんだけど、残念ながらあたし、よく意味がわからなかった。今もわかってないのよ。ちょっと言葉足らずだった気がする。でもね、会話の内容がわからなくても、めっちゃ感動的なシーンだったよ。ウルキオラのラスボス感ハンパなかった。

 

しかも、この心のありようって、なんか海燕隊長の言葉と重なりませんか? ルキアに言ってたじゃん。心はどこにあると思う?って。心は人と人の間にあるんだ、って。ウルキオラもさ、織姫に伸ばした手のひらに心があるって気づいたんだよ。つまり、自分と織姫の間に生まれたもの、ってことでしょ?

 

あー、まじか! ここに繋がってたのか!

たしかに、あの前フリで視聴者は1回「そういうもんかね、やっぱ海燕パイセンかっこええこと言うなぁ」っていう経験してるからね。ウルキオラの言葉が自然に入ってくるような土壌が作られてたんだよね。いや、センセ、策士だわ。

 

 

  ラスボスはヤミー?

でね、ウルキオラが死んでさ、ああ、これでウェコムンド篇も終わりかぁ、とか思ってたら、そうだった、ヤツが残ってたわ。

 

BLEACH モノクロ版 41 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

えー、なんで最後に10番の雑魚が残ってるわけ? って思ったら、なんと! レスレクシオンで巨大化するときに1が消えて0になったああああっ。

 

いや、これは!

これはこれはっ!

やられたわ。

めちゃめちゃ少年マンガっぽい仕掛け爆  笑

そういえば、最初にウルキオラと一緒に空座町に来たの、ヤミーだったね。

 

そしてアランカルはなんで解放するとみんなデカくてキモくなるんですかね。例外はあるけど、ほとんどが化け物化する。そして、パワーファイター。ヤミーもさ、あの足はなんなの。ムカデ? あれ、必要ある? マユリさまの卍解とちょっと被ってる?

で、キモくなって饒舌になると死ぬフラグ。ルキアとかは苦戦してたけど、結局、白哉兄さんや剣八が合流してやられちゃうんだよね。最後、ペットのワンちゃんが寄り添うのが物悲しかった。悪いやつじゃなかったからね、ヤミー。

 

ま、とにかく、これで、ウェコムンド篇は終了!

ここからは、空座決戦に集中だ!!