おすばんは大学時代から10年以上バンドを続けている。今でも月に一回のライブはかかさない。
プロを目指しているとか、みんな東京だしたまに集まってやろうよ。とか、まあそんな感じでやることはあろう。
周りのバンドをみると、大学時代人気を博したバンドや、かなりの実力を持ったバンドも社会人になってそこそこに解散した。
趣味とも金稼ぎでもない状態で、これだけ活動的なバンドもなかろう。そして、ここまで幸せなバンドもなかろう。いまだに合宿して熱い議論を交わしている。
みんなもこれだけの仲間を見つけて欲しいし、人生が彩られるのは間違いない。仕事と趣味を往復してる場合ではない。今は仕事と趣味の中間を作る時代だ。お金を稼ぐのでなく、遊びでもなく本気でなにかをやるのだ。
おすばんがここまでこれたのは理由がある。
その理由の一つはおすばんの結成エピソードにヒントがある。
大学のサークル、特にバンドやアカペラなどのバンド結成が必要なサークルは得てして、バンド結成ができない人が出てくる。
おすばんはそのバンド組めない人で集まったバンドだ。要は音楽知識もなく、ただ歌好きが集まっている。
この「ど素人集団」であることが継続の最大のポイント。
ど素人集団はバンド活動が学びの連続になる。なにも知らないからみんなでうまくいかない時に話し合い、原因に気づきそこに音楽知識がついてくる。実践形式の音楽理論学習になる。
学びと同時に上手くなる。
スピード感はないが、そのワンステップの幸福度が天才集団の比でない。「こうすれば上手く行くよ」と簡単にいう奴がいれば、「そうなんだねぇ」で終わるが。
誰もわからないからクソ悩んだ末、やっとわかった!という嬉しさがバンド全体にこみ上げる。
これがおすばんをやめられない一つの理由である。
情報過多の現代だが、敢えて全く知らない状態から「好き」の一択でなにかを始めてもいいのではないだろうか。