今年の夏から鮎の投網漁を始め、やはり釣りとは勝手が違うことを感じてきた。

 

オカッパリの釣りの場合、ルアー釣りでは殆どリリースなので、移動しながらの釣りであっても釣れた魚は写真を撮るなりしてリリースした後は魚の取り扱いに注意する必要はなかった。浜のキスや汽水域のハゼ釣りは基本キープだが、移動するにしても大した距離ではない。釣れた魚はクーラーに放り込んで氷締めというパターンだから、釣り場とクーラーボックスを行ったり来たりすることはなかった。

これまでの川の鮎取りはヤス突きで、同じところでやってると魚が散ってしまうのと、余り長時間体を水中に浸けると冷えてくるので比較的短時間の漁になっていた。獲れた鮎はみかんが売られているようなネットに入れ、紐を伸ばして腰ベルトに結んで移動していた。

鮎の投網漁の場合、最初は、投網とクーラーボックスを持って移動していた。岸辺や浅いところにクーラーボックスを置いて、その周囲で投網を打つ。獲れた鮎はその都度クーラーボックスに入れるのだが、クーラーボックスは10-20cm以上水深があると流されるので、投網を打っている場所とは離れたところに置いておかねばならないケースが多い。あらかた投網を打ったら、投網とクーラーボックスを持って200-300m上流へ移動し、またクーラーボックスを置いて投網を打つ、その繰り返しだ。

 

一般的な投網漁のイメージとは違い、鮎漁のように大小の石がゴロゴロした川底で投網を打つと、網に頭を突っ込んだり、投網端部の袋に入った鮎以外に、石の陰に隠れたり、石の隙間から逃げる鮎も居て、網に入っているのに逃げられることがかなりある。なので、網の中に入った鮎は一匹ずつ捕らえてクーラーボックスに入れなければならない。鮎の回収が済んでから初めて投網を回収する、という手順になる。

となると、離れたところにあるクーラーボックスの間を何往復もしなければならなくなり、これがかなりのタイムロスになっていた。勿論、これまでヤス突きで使っていたみかん袋にまとめて入れておいて、ある程度溜まってからクーラーボックスに入れてもいいのだが、ヤス突きとは違い、投網で捕らえた状態では鮎は生きている訳で、みかん袋に入れてしまえばせっかく生きていた鮎も死にやすい。

投網の場合はかなり河川を遡上するので、もともと生きていた鮎はクーラーボックスに入れるまではある程度まとめて生かしたまま携行したい。特に、鮎はハラワタを食べる魚だから、野締め(魚が徐々に弱って死ぬ状態)はなるべく避けたい。

 

参考にしたのが鮎の友釣りだ。鮎の友釣りでは釣った鮎はオトリに使うので元気なまま生かしておかねばならない。釣れた鮎は引き舟という小型の舟状の箱に入れ、紐を伸ばして腰ベルトに付けておく。投網の場合は獲れた鮎を生かしておく必要はないが、鮮度を保ったまま手元に置いておくには生かしておくのが一番いいので、引き舟はやはり有用だろうと考えた。

 

地元の河川は鮎のサイズは大きくなく、都度クーラーボックスに移すだけの数量が入ればいい。となると引き舟は出来るだけ軽量コンパクトなものが携行の面で望ましいし、小さいものは価格も安い。

 

有名なのは、

ダイワ 友バッグ2。普通のプラスチックの引き舟とは違い収納部分が袋になっている。これはバッグなので軽く、直接腰ベルトに付ければ浅いところでも使いやすい。鮎のみならず渓流釣りでも魚が生かせた状態にできる魚籠代わりに使う人が居るようだ。

 

選んだのは、

ダイワ 友舟 GX-420W、楽天で6,560円。友バッグより安かった。

 

容量4.2Lで引き舟としては最小クラス。友バッグに比べるとさすがに重いが、それでも単体重量は900g程度。流しておいてもそんなに引き抵抗はないし、思ったほどは投網の邪魔にはならない。これを使い始めてから44匹、34匹と比較的多く鮎が獲れ、そこそこの数を入れたが、投網から外すときに目立ったダメージがなければ殆ど鮎は死ぬことはなかった。流石、友釣り用に考えられた道具だな、と感心した。

クーラーボックスを持って大きく移動するときに活かした状態の鮎をクーラーボックスに入れれば、それで氷締めができる。

 

かなり理想に近い道具といえるが、問題がないわけでもない。

移動するときは腰ベルトに引っ掛けておけばいいのだが、それでもそれなりの容量のものと腰ベルトが増えるわけで、携行性は落ちる。引き舟を流している状態で投網を打っても思いの他邪魔にはならないが、魚を回収するときは広げた投網の上に流れてくることがあり少々鬱陶しく感じることがある。

浅場、大きな石があるところではどうしても底にガツガツと石に当たることが避けられず傷がつく。

2回しか使ってないのにこんなに傷が。そもそも引き舟はそういうもので、使ってれば傷だらけになるものらしい。少しでも傷を防ごうとするなら、浅いところではある程度水を抜き腰にぶら下げるておくなど手間はかかる。

 

最も大きい問題は、この舟に生きたまま鮎を入れれば長時間元気なままキープしておけることだ。そのために購入したのにそれが問題点になるのも妙な話だが、元気なまま網から外して入れようとすると鮎に逃げられるケースがあることだ。以前は逃げられないように、網の中で魚のエラに指を突っ込んで弱らせてから回収していた。最後の力を振り絞って逃げる魚も偶に居るのだが、遠くには逃げられず川底で弱って沈むことが多い。なので取り逃がす、ということは少なかった。

鮎は頭が小さくて細長く、ドジョウほどではないがヌルヌルしてるので、特に小さいものほど指の間をすり抜けやすい。回収するときは「絶対に逃がさないぞ」と指の間に頭を出さないようにしっかり掴むことを意識する必要がある。

 

ま、いろいろあるが、特にこの小型の引き舟は投網漁であっても使い勝手はよい。今年は禁漁が近いが、来年からはこのパターンでいけそうだ。

鮎漁の禁漁も近いということで、週末は投網打ち。

水量もちょうどよく、一投数尾鮎が掛かりなかなか調子がいい。先日44匹獲ったときよりややペースが速い。

 

のだが、、なんだか網が鎖に引っ掛かるな、と思ってよく見ると。

鉛の鎖が切れたのか。。で、終了。とはいえ、1時間ちょっとで34匹獲れたし十分。

これまで鮎の塩焼きはガスコンロを使っていたが、たまには炭火で焼いてみよう、と面倒くさいが火起こしし、串を打って焼いてみる。

串の打ち方や焼き方がイイカゲン、というのはまあ素人だから仕方ない。女房、息子も鮎好きなのでなんだかんだで、炭焼きの方が美味い、と言う。確かにそんな気もする。

今年はこれで終わりかもな。

鳥取県内水面(河川、湖沼)における鮎漁については条例で以下の規則が定められている。

 

採捕禁止期間及び体長制限(鳥取県漁業調整規則第36条、第40条)

2月1日から5月31日まで及び9月26日から10月31日まで(鮎の体長に制限なし)

 

漁法については、漁具漁法の制限及び禁止(第37条)にて明確に規定されている。

 

規則外の漁には個別に県の許可が必要だが、私が県に直接問い合わせた返答によると、「水産資源研究などの公的利益に付する理由がなければ許可されることはない。」とのことだった。条例で許可されてない漁は、漁業、及び遊漁(趣味)で許可されることは原則的にない。即ち、私のように趣味で魚の捕獲をする者らにとっては、どこの河川であろうが県の条例が絶対の規則だということだ。

 

漁期としては鳥取県内河川で鮎を獲っていいのは、6月1日から9月25日、11月1日から翌1月31日まで、ということになる。

私の地元の川など組合の管理下にない二級河川などでも、6月1日で鮎が解禁になることを知る人は多く居て、当日の早朝は平日でも地元の鮎好きが川に繰り出すちょっとしたイベントでもあった。

だが、禁漁期間、及び11月1日からの再解禁期間を正確に知っている人は殆ど居ない。それでも密漁沙汰が起きないのは、組合のない河川では警察しか取り締まりをしていないことと、河川規模が小さく、オトリ鮎の入手が困難で友釣りなど本格的な釣りをする人が居ないからだろう。

こういう河川では6月1日の解禁からはオトリ鮎の要らない毛バリ釣り(ドブ釣り)しかやられておらず、鮎が水生昆虫を食わなくなる2週間ほどしか実質的な釣りが出来ない。鮎が川の石に生える珪藻などの藻類を食むようになると、もう毛バリを追う鮎は殆ど居なくなる。なので毛バリ釣りしかしない人らは自然とアユ釣りを止めてしまい、9月26日の禁漁を気にすることもない。

 

釣り好き鮎好きの父親の影響で、私も子供の頃毛バリ釣りを始め、当時の悩みは小遣いがなく毛バリのバリエーションが少ないことくらいだった。それでもアタリの毛バリは知っていて隣の大人に負けないくらいは何時も釣っていた。

だが、毛バリで釣れる鮎は小さく鮎特有のスイカのような芳香もイマイチ。水生昆虫を食っているハラワタも大して美味しいとは思えなかった。一級河川の千代川河畔に住む叔父の影響でヤス付きを覚えてからは毛バリ釣りには興味を失い、8月ごろの大型の鮎をヤスで突くことしかやらなくなっていた。

 

紆余曲折あったものの投網を始めたので、今年は当然落ち鮎のころまで狙える。そうなると禁漁の時期も気にする必要が出てきた。一旦の禁漁は9月26日なので、もう2週間もない。抱卵、産卵が済むと思われる11月1日から再解禁されるが、ヤス突きをしているツレによると、近年は11月でも落ちてない鮎がかなり居るらしい。そうはいっても11月の水温はかなり低いだろうし、どれだけ出られるのかは分からない。

 

夏は週末ごとに地元の行事が入って居たりで結構忙しく、今週末久しぶりに出ることができた。連日の雨により増水気味で流れが速くて網が流されやすく、魚の目視もできない状況だった。それでも鮎が付きそうな瀬は大体分かっている訳で、メクラ打ちに不安はあったが、

44匹。若干濁りが入っていて鮎の警戒心が薄かったのだろう。今期最大数で最大サイズも20cmほどとまあまあ。もともと非放流河川だから平均サイズは小ぶりだが、今年は梅雨明けが異常に早くて渇水期間が長く、余り鮎も育っていない。本来なら盆頃でも20cmを越えるものが多く居るのだが。

 

投網を始めたこの夏、いい運動になるし週末は時間があれば鮎取りに出て、総数は200匹を超えた。まあ、放流河川などでは200匹など投網なら1日で獲れる数なのかもしれないが、地元の河川でこれほど鮎を獲った年はない。鮎好きな義母に何度かおすそ分けも出来たし、何より自身が晩酌のアテを楽しめた。

 

今後再解禁で鮎取りに出るかどうかはわからないが、投網を通じて地元河川の鮎の生態を改めてよく知ることができた。投網は初心者だが、これまで何年も川で遊んできた経験が投網漁の助けになっていたと思う。

 

気になるのは、投網以外にも漁の為にいろいろ必要なものを買い込んで、どれくらい使ったのかあまり考えたくないことだ。

この夏、7月に入ってからは投網で鮎取りをする週末を送っている。

漁場は子供の頃から親しんだ至近の小規模二級河川で、最初の頃は投網のやり方や場所の選択に苦心していたものの、8月に入ってからは網も大体広がるようになったし、投網で獲れる魚の居場所も大体わかってきた。投網の上手な人なら何てことない数だが、最近では初心者ながら出れば20匹くらいは獲れるようになってきた。その日に家族で食べる分と鮎好きな義母に配るにはもう十分だ。欲をいえばもう少し大きいものを狙って獲りたいが、天然遡上の鮎しか居ない小規模の非放流河川では難しいだろう。

 

先週末の漁果は15匹。

渇水後、少しまとまった雨が降ったこともありコンディションはいい。15cm程度と少し大きいものも獲れた。なんだかんだで7月からの捕獲総数は100匹を超えた。投網を購入したことで河原歩きなど負荷の高い運動もでき、毎週末満足できる量の鮎の塩焼きが食べられている。川に出れば涼しくて気持ちいいし、それなりに楽しい夏の週末を過ごしている。

 

先週末の15匹というのは理由がある。

この日は雨後で水量が少し多く、投網の他にも深場の鮎を獲るべくウェットスーツを着込みヤスも持って行った。投網の時は偏光サングラスを使うのだが、ヤスのときは水中メガネを使うのでサングラスは外す。どうやら外したときに紛失してしまったようで、その後投網が打てなくなったのだ。

 

河川により状況は違うのだろうが、私が鮎取りをする河川は漁業権がなく、漁業を想定した川床の管理はされていない。河原だから川底には大小の石や角のある石がゴロゴロしているし、護岸コンクリートの残骸や不法投棄されて朽ち果てた車のホイールや針金などゴミがあったりする。ゴミ類はさほど多くはないが、投網の破損をにとって問題になるのは大きめの石、角のある石、そして最も危険なのがコンクリートの残骸だ。

コンクリート自体に角があるし、骨材に細かく鋭い石を多く含んでいて、網をそれらに掛けたまま引っ張るとビリビリと大規模に破れてしまう。引っ掛かった状態で網を外すにしても既に擦れた状態では網のナイロン糸はかなり摩耗し、それが蓄積していくと小規模な網の破れになる。特に何かに引っ掛けた覚えがなくても漁の度に2-3か所小規模に破れるのは、こういった摩耗の蓄積に依るのものだろう。

なので、管理されていない河川で投網漁をする際、最も重要なのは鮎取り以前にまず網を破らないことだ。川底の状態は必ず目視で確認し、破損の危険性がないところでしか投網は打てない。

 

偏光サングラスはこれまで船、オカッパリを問わず日中の釣りに使ってきたが、サイトフィッシングをしてるわけではなく、物理的、及び紫外線からの眼の保護が主たる目的だった。サングラスがないからといって釣果に劇的な差が生じるわけではないし、偏光性能の必要性は低かった。

だが、川底の状態把握が絶対条件であり、かつ魚影の薄い非放流河川で闇雲に網を打っても漁果は期待できない。釣りでいうサイトフィッシングの要素が必要で、これは偏光サングラスなしでは成立しない。

 

もともと投網に使っていた偏光サングラスは車の運転に使用していたもので、現場で落として傷を付けたりと痛みやすく、車用とは別に用意しなければと思っていたところだった。

仕方ないので車用も含め2つを新調することに....

一つはこれまで使っていたのと同じメーカーのスワンズ(山本光学)、フリマで中古を購入。もう一つはアックス、これは新品だ。

何れも3,000円以下のものだが、これらは昔からスキーのゴーグルなども販売してる日本のメーカーだし品質には何も心配していない。勿論フィッティングなど個人差の問題は避けられないが。

 

最近はタレックスなど数万以上の偏光サングラスもあり、こういうのは傷が付きにくい、視野が湾曲しにくい、高級感がある、など勿論価格なりにいいものなのだろう。

だが、屋外で使うもの、特に自然下でルアー釣りや投網など激しい運動を伴う道具はどうしても落下など傷や痛みが蓄積し、使用頻度に依り何れは買い替えなければならない消耗品だ。その代表的なアイウェアなんかに何万円も出してはいられない。安物だって偏光度は90%以上はある訳だし、少しでも多く魚を獲る必要があるプロの釣り師や漁師でもない限り高い道具は要らない、というのが私の考えだ。

 

これまで魚取りは釣りが主だった。工夫して魚に口を使わせ針に掛ける、それに比べて魚の機嫌がどうあろうが網で一網打尽にしてしまう網漁というのを釣りに比べて工夫の余地が少ないつまらないもの、という意識があったことは確かだ。

だが、どんな魚取りの手段でも、数なり型、即ちいい結果を求めていけば色々考えなければいけないことが多くある。今年から思い切って始めた投網は、何歳になってもやってみなければ分からないことが多くある、まさにそんな当たり前のことを改めて教えてくれたような気がする。

折角投網を買ったのだから、と、この夏は鮎取りで川に出る週末になっている。

距離にすればせいぜい片道1km弱ほどを遡上し、また元のところに戻ってくるだけだが、投網を打ちながらなので結構な運動量になる。普通に歩くなら1kmの往復なんて運動にもならないが、足元のおぼつかない滑りやすい河原の石底を流れに逆らって歩くわけだし、錘のついた総重量4-5kgの投網を抱えながら魚を入れるクーラーと行ったり来たりとなると距離に対して何倍もの全身運動になる。最初の頃はヘトヘトで、家に帰ると体中が攣って悲鳴を上げていた。

ただ歩くだけならモチベーションに乏しいが、そもそも目的は歩くことではなくて鮎取りなのでもう少し、もう少しと歩数も増える。鮎の塩焼きも食べれて結構な運動も出来るし、なかなかいい夏の趣味って感じだ。鮎好きの義母がおすそ分けを喜んでくれるのもよかった。

 

最初は上手く打てなかった投網だが、今ではそこそこ狙ったところにある程度の広さで打てるようになってきた。最近では出れば20-30匹くらい獲っている。

今期は総数で80-90匹くらい獲ったのだろうか。投網は普通の人が思うほど効率的なものではないが、それでもヤスではこの数は無理だ。

 

石がゴロゴロした川底で投網を使うと、どんなに注意していても網の外周に近いところのナイロン糸が石に擦れて弱くなる。網を無理に引っ張ったりはしないのでビリビリと広範囲に破れることはないが、糸の摩耗が蓄積し毎回2-3か所は小さい穴が開く。こういった河原では、投網を打った後に掛かった鮎を一匹ずつ網から外して回収し、最後は引っ張らずに周囲の錘を少しずつ集める感じで網を収納するほうがいいのだろう。

穴が開いたままだとそこに力が集中して更に穴が大きくなりやすいので、都度修理する。

網針、通称アバリと言うようだ。最初はこんなもの必要ないと思っていたが、これがあるのとないのでは修理の能率が全く違う。というかこれなしでは実質的に網の修理は無理だろう。

漁の後は網の掃除もしないといけないし、魚取りも道具が大きくなってくればそれなりに後始末も大変だ。

 

ヤスでは敵わないほどの数の鮎が投網で獲れるのは事実だが、どうしても取れる鮎に違いがある。

投網の場合は、単独で縄張りを占有している比較的大型の鮎は打ち損じが多く基本狙いにくい。効率を考えるとどうしても群れの鮎を狙う訳だが、こういう群れは縄張りからあぶれた魚でサイズが小さく、いいコケを食ってないので特にハラワタの食味が劣る。

これは縄張りを持っている鮎との比較だから、それでもまあ美味しいのだが。

 

ヤスを構え、大型を選んで突く方が結局いい鮎が獲れる。川を知り尽くした叔父がヤス漁に拘っていたのはやはり理由があったのだろう。今となっては他界した叔父にその真意を聞くことも出来ないが。

どちらもできるように投網に加えてヤス、水中メガネも持っていけばいいのかもしれないが、機動性が落ちるのでこれも考えどころだ。

 

たかが趣味の鮎取り。なんだけど、どんな趣味も追及していけば難しい。だから面白いのだろうな。

子供のころから夏は水遊びが好きだった。

 

海も自転車で20分もかからない距離だったし、なにより近くの二級河川は徒歩でも5分ほどの距離にあった。当然、夏休みは藪漕ぎをして茨で足に引っかき傷を作りながらも川で魚と戯れる日々を過ごしていた。海と違って、川は水が乾いたときにベタベタしないのがいい。暑い日であっても川の水は冷たくて気持ちよかった。

獲物の中でも鮎は最上のもので、塩焼きでハラワタごと食べるのが好きだった。

自転車でヤスをを担いで川へ行き、水中メガネで半身を水に沈め草むらの川底を行き交う鮎を突く。鮎はそのうちどこかへ行ってしまうのだが、それでも10匹くらい獲れて、昼飯や晩飯の塩焼きに舌鼓を打つ、そんな夏を過ごしていた。勿論、大学生、社会人になるにつれ頻度は減っていたが、田舎住まいのこのパターンは今も変わらない。

鮎は淡水魚の中でもダントツに遊泳力が高く素早しっこい魚で、そんな魚がヤスで突けるのか? と思う人も居るだろう。当初自分自身もそう思っていた。

実は私の母の弟(叔父、現在は他界)は鳥取県の一級河川千代川のごく近くに住んでいて、川漁師より川のことを知っている、ということで特例的に鑑札なしでの鮎取りを認められていた。当然、鮎は取り放題で、3分以上息を止めて漁師も入れないような堰堤の裏側に潜り込んで大型の鮎を何匹もヤスで突いていた。叔父は現地の漁師が一目置くほどの名手だった。

盆に母親の実家に行くたびに叔父さんにその話を聞かされ、地元の河川で試したところ、ヤスでもそこそこ取れることが分かってきた。当時、この川でヤス漁をしていたのは自分だけだったが、教えてやった近所のツレもやるようになり、夏休みは2人で鮎突きに出かけることが多かった。彼は毎年のように川に出ていて、今となっては敵わないほどの腕前だ。

 

で、なぜ泳ぎ回ってる鮎がヤスで突けるのか? それは鮎の習性に起因する。

鮎の稚魚は、3-5月ごろに掛けて海から川を遡上する。鮎の解禁になる6月ごろにかけては水生昆虫を食べているのだが、魚体が大きくなるにつれ、川底の石に生えるヌルヌルした珪藻などコケばかりを食べるようになる。いいコケが生える石は大きく強い鮎が独占する傾向にあり、そこを縄張りにしてあまり離れようとしない。友釣りはその習性を利用した釣りだ。

人間が川にずかずか入っていけば当然鮎は逃げていくが、縄張り意識の強い鮎はその近くに居て同じところを行ったり来たりする。なので鮎の通り道が把握できれば、そこでヤスを構えて鮎を突ける。

勿論、ずっと同じところでやっていれば鮎は散ってしまうので、10匹以上突けることはそうそうない。それでも縄張りを持った大きめの鮎を選んで突けるのでその日に食べる分には十分すぎる。

 

とはいえ、もうちょっと効率的に鮎を捕獲する方法はないものか、と考え、今年からこれを使っている。

投網だ。

鮎の捕獲には例えそれが漁業権のない河川であっても定めらた法律、河川ごとに定められた条令を遵守する必要がある。鮎、渓流魚に係る規則は結構厳しく、特に資源価値の高い鮎(要するに高価で取引される高級魚ってこと)は監視、罰則もとりわけ厳しい。投網など網関係は大概規則があるし、上記のヤスについてもゴムなどの発射装置の有無が規定されているケースもあったりと細かい決まりがある。

 

で、投網なのだが、、、、網を使えば一網打尽に獲れる、というのやはり甘い。数回出て、投網もそこそこ開くようになってはいるが、なかなか群れを的確に打てないし、網に入ってもゴロゴロした石の隙間から逃げられたりと、効率的にはイマイチだ。

そもそも群れの鮎は縄張りからあぶれた個体群でサイズも余り大きくはない。鮎は1年で寿命を終える魚だが、盛夏の時期になると縄張りを持って十分にエサを喰えた個体と、群れ鮎とではかなりの体格差になる。大げさではなく同じ時期なのに全長が倍くらい違ってくる。

慣れてくればそれでも20匹くらいは獲れるのだが、やはり大きいものが見えているのにそれを狙って獲れないのは少々不満もある。

 

結局素潜りで大きいものをヤスで突く方がいいのかもしれない。

ま、魚とりにそんなに入れ込む必要はないのだが、いい歳をしてこんなことを毎日考えているなんて、いつまで経っても精神年齢は成長してないな、と思う夏の日々だ。

今年の秋冬はの釣りは11月初めごろから浜に出始め、12月中頃までだった。

結果、

60-83cm 11匹

手尺で80cmを越えなければメジャーを当てないので余り正確ではないのだが、今期は余り釣れてないとは云える。一因としては案外出れる日が少なかったのと、60未満の魚が少なかったことがあるのかもしれない。

ま、大体浜のスズキはこんなもの。荒天の時は条件がいいのだが、荒れすぎて出れないことが多くなるのもまた仕方ない。

 

最近は寄る年波を感じる。いつまでこんな釣りができるかな、と毎年思うようになった。

海表面温度は15℃を割ってしまったし、年明けに出るにしてもシャロー帯は難しいと思うんだよな。

2025年初は4000番のリール目当てに久しぶりに釣具屋の初売りに出てみてもいいが、現状の年末特価とは大差ないだろうし、多分また何も買わないだろうな。

浜のスズキは今期はもう終わりなんだろう。

12月の前半はカタクチイワシと思われるベイトの接岸が収まったのち、コノシロに付く大型を期待したが、荒天続きで10日ほど浜に出れなかったのが痛かった。間をみて2-3度出てるが全くのノーバイト。それでも年初に掛けて釣りに出れば大型が拾えるのかもしれないがこれはもう運だろう。

 

で、浜のスズキ釣りで使うリールの話。

 

30年ほど前から始めたこの釣り。当初釣り仲間が使っていたのはシマノのバイオマスターかツインパワーだった。ツインパワーは当時の私には高価で買えなかったし、初心者だったので仲間の勧めでバイオマスターの4000番に3-4号のナイロンラインを巻いて使っていた。

バイオマスターでも自分には安い買い物ではなかったので、当然ダイワのリール、同クラスだとエンブレム辺りも検討はしていた。が、ダイワのこのクラスのリールはローターの回転バランスが悪く、言い方は悪いがワゴンリールのような感触だった。私が使ったわけではないがドラグの作動も不安定だと言われていて海のルアー釣りではシマノしか選択の余地はなかった。

一旦こういう固定観念が根付いてしまうと、安いとは云えないリールの買い替えに冒険はできない、アルテグラ、バイオマスター、或いはその価格帯のリールを買い替えていき現在へと至った。当然ダイワのリールが良くなっているということは情報として分かっていたのだが、どうしても身銭を切る立場だと替えスプールの互換性も含めてリールメーカーは変更しにくかった。

 

で、結局現在は、

20ツインパワー4000MHGと4000。他に予備としてストラディックや汽水湖用にツインパワー3000MHGなども所有しているが、浜で使うメインはこの2台だ。

サーフのルアーフィッシングはハイギア、或いはエクストラハイギアが当然、という風潮であるが、私の釣りではマズメ、夜間のミノーイング主体でありルアーの操作に限っては速く巻く必要がないし、波の押し引きでリトリーブ速度は断続的に調整する必要がある。スローリトリーブ主体で、巻き、止めといった操作を伴う釣りでは、巻きが重い高ギア比リールはストレスが予想され、浜で使う4000番のリールはずっとノーマルギアばかりを選択してきた。

それでも実際にハイギアの有用性を確かめたくて初めて購入したリールがツインパワー4000MHGだった。確かに巻きは重かったが、狙ったポイントをルアーが通過した後の回収、及び魚がヒットした後のやりとりでは僅か10%程度の巻き速度の速さだったが、それはそれで有用だったこともまたわかった。

 

どちらのリールであっても両方のケースに対応できなくはないが、デイゲームをやらない条件でどちらか1台しか持てないならやはりノーマルギアだろう。そしてハイギアの巻きの重さ、特に初動、止めといった操作の重さは気になるところだ。だが、どうせハイギアリールを併用するなら別のリールでこれを改善したいと思っていた。

 

まともに考えるならシマノのクイックレスポンスシリーズ、

21ツインパワーXD 4000HG、これだろう。ボディー構成はノーマルツインパワーと同じ、どう考えてもプラのマグナムライトローターがアルミのノーマルツインパワーに比べて耐久性に勝るとは思えないが、傷のつきにくいバリアコートスプールリングの採用だけでeXtream Durability(過剰な耐久性)を謳う、ちょっと意味が分からないモデルだ。単にノーマルツインパワーのライトモデルというのがこのXDの実態だろう。

売り文句は疑問しかないが、ハイギアであってもツインパワーのノーマルギアに匹敵する巻きの軽さが期待できるXDはシマノでは有力なモデルだ。クイックレスポンスシリーズとしてはハイブリッドマグネシウムボディーの19ヴァンキッシュ、21エクスセンスがある(22ステラ以降の密巻きモデルは購入対象外)が、10ft前後のロッドには軽量すぎ、この無用な軽さのためにXD以上のコストを払う必要などないだろう。

 

ということで、中古も含め価格を調べたりしていたのだが、そうなると気になるのがこれだ。

24セルテートLT4000-CXH。

ダイワ機のスピニングリールを使ったことはないが、このクラスのダイワ機の優位性はもう疑う余地はないだろう。シマノの4000番より大口径のマスターギア(シマノφ30-32、ダイワφ35)を搭載するにも関わらず、フルアルミモノコックボディー(シマノはCi4プラ+アルミ)、Ci4より高硬度なザイオンローター。にもかかわらずノーマルツインパやXDよりわずかに軽量なのだ。

スペックに限らず実釣の評価も19セルテートからすこぶる高く、個人的にはイケてないデザインではあるが、スズキを釣る道具として隙が無い。勿論、セルテートにすれば手持ちの替えスプールは活かせなくなり、従来のスプールの整理売却やダイワの替えスプール購入など余分な出費も必要になる。セルテ―ト自体も最新モデルだしXDより高価で財布にも厳しい。

 

長年シマノのリールで満足はしていた。だが、今となってはモノコックボディー、ザイオン樹脂といった優れた技術、突き詰められた道具としての利便性の追及といった現状のダイワの姿勢には共感する部分がやはりある。

片やシマノは22ステラから過去ライントラブル多発で修正を余儀なくされた超スローのスプールオシレーションで密巻きを復活させ、少なからず従来の非密巻きモデルよりトラブルが発生しているユーザーが居る、という事実に公の見解を示さずにいる。契約テスターらは「あなたが下手だから」、「使い方の問題だ」などユーザー側の問題だという態度を変えていない。

 

個人的にはこれまでリールメーカーを変更する、という冒険を冒したくないからシマノを使ってきたが、彼らの企業理念に共感してる訳でもない。実際に今のシマノではスピニングリールの技術特性や、ユーザーに向き合う態度はダイワに及んでいないと判断せざるを得ない。

当然のことだが、どちらを選択するにしてもコストは考慮しなければならない。XDはローター、巻上力が弱い、少々重い、といったところでそれはセルテート比較すればの話であって80アップのスズキの釣りくらいで実質的な問題がある訳ではないし、単体でのコストの安さや現有の替えスプール資産の活用を考えればトータルでやはりXD、という判断になるかもしれない。将来性の乏しいシマノのスピニングリールからは抜けたい、という気持ちはあるが。。。

 

更に引いて考えると、少々の不満があるだけで現在のリールで釣りが出来ない訳ではない。趣味や贅沢に使う金には労働所得を充てない、というのが自分の方針だ。投資で十分に支払える額が儲かれば新しいリールを買うかもしれないが、そうでなければ我慢するだろう。なるべくこれは守っていきたい。

12月の後半に入ってから冬型の天候が続き、強風と波浪、低温で釣りが難しい。まあ何れも風裏を選ぶなど場所の選択と、雨霰や低温は我慢しようと思えばできないことはない。

が、この冬型の天候に付随するのが雷だ。どう考えても釣れそうな海況では、雷注意報が出ていても雲さえなければ浜に立つことは極まれにある(勿論雲が出てくれば即撤収)。が、荒天に雷注意報が出ている時にだだっ広い浜をカーボンロッドという避雷針を持ってウロチョロする勇気はない。

雷注意報も出てないのに曇天でロッドから手元に火花が飛んだことを過去経験しており、雷には特に敏感にならざるを得ない。

 

年末までの天気予報を見るとあと1-2回出れればいい方だと思うが、それもかなりの気温低下で結構きつそうだ。既に海表面温度の低下がここ数年より顕著で年末までで浜のスズキも終わるだろう。ま、こればかりはどうしようもない。

 

で、トレブルフックの話。

 

浜で使うルアーは比較的大型のフローティングミノーが中心になるので、フックも#1-#4と中大型になる。今のルアーは大概オーナーのST-46、パワークラスでいうとミディアムヘビー(MH)のフックが標準で付いている。一部、#2はハード(H)クラスのST-56がある程度。

フックに拘る人は標準フックを使用せず最初から自分の好みのフックに交換して使うらしいが、私はさすがにそんなことはしない。(貧乏なのでできない。)

だが、自身としては標準フックのST-46の評価は現状入手できるMHクラスのフックの中では最低の評価と言わざるを得ない。

 

私がフックに求めるものは、

 

1.伸びないこと

2.ボトムや砂浜に擦っても鈍になりにくいこと

3.入手が容易で安価なこと

 

だ。

あとは刺さりがいい、折れない、錆びにくい、などあるのだろうが、現在のフックでは浜で使う限りにおいては刺さりの差はさほど感じない。勿論多数のデータで比較すれば差は出るのだろうが、特に浜で大型のスズキを獲りたい場合ではサンプル数が少ないのもあり余り差を感じない。

「がまかつ」は折れる、「オーナー」は「伸びる」、だからそれぞれ一長一短だ、と言われてるようだが、#1-#4ならスズキ程度ならがまのフックを折られてバラしたことはないが、オーナーのST-46は何度も伸ばされてバラしたことがある。だからST-46のように伸ばされる心配はあっても、がまフックに関しては折られる心配はまずない。

フックによって錆びやすい、錆びにくいはあるのかもしれないが、釣行後は1時間以内に必ず水洗いするし、多少の錆なら性能に差を感じない。よってこれも余り考慮する必要はない。

 

だから現状では上記1-3が最も重要だ。

理想に最も近いのは、

がまかつ RB-MH。

価格を度外視すれば全部これにしたいくらいだ。同じがまかつでもベンド形状が異なるSP-MHがあるが、RBの方がシャンクが少し長いのとラウンドベンド形状でフック保持位置がシャンクに近くフックが開きにくくバレにくい。まあ、ロングシャンクのフックはルアーのキャスト、着水時に若干エビりやすいのでフェザリングが必須になるが、掛ける、魚をバラさない、というフックそのものの性能としては理想的だと云える。

 

ただ散々言われてることだが、「高い」んだよな。RBだけでなくがまのフックはSPも同価格。オーナーのST-46、STX-45も同じくらいなのでがまに限った話ではないが、がま、オーナーとも価格は最高クラスだ。

 

だが、コスパでいうと評価は変わる。例え価格が他のフックの倍であっても倍の期間使用できれば問題はないわけだ。がまのRB、SPは材質が固く鈍になりにくい。サーフでは底を叩かないにしても、どんなに注意していても波打ち際でルアーを砂浜で引きずることがどうしても避けられない。だからフックは80アップのスズキ相手に折れない範囲で固ければ固い程いい。

これは私が昔からフックを研いで再利用するからでもある。鈍になったフックはシャープナで研ぎ直し、新品から0.5-1mm弱ほど短くなるまでは使う。鈍になりにくいがまのフックは研磨する程度が少なくて済み、何度研いでも短くなりにくく長く使える。

 

ST-46を最低評価にしているのは、柔い材質のせいで油断すると伸びて魚をバラしやすいし、フックも鈍になりやすい。研いで再利用するにしてもみるみる先端が短くなる。結果、フックを長くは使えない。ただし、実質的にST-46の後継フックとして発売されたSTX-45の材質特性はがまに近く、がまにはわずかに及ばないが固く、何度も研いで再利用できる。これはいいフックだと思う。

 

だが、がま、オーナーは純粋にフックの単価が高いことは事実だ。

 

ということで、現状これらを順次投入中だ。

TRIPLE CLAW FALKEN R 、BKK Fangs 62-UA、fimo MH

最も安価なのはタカミヤ(ポイント釣具)ブランドのTRIPLE CLAWだが、細かい価格は忘れたが何れもがま、オーナーより明確に安い。fimoフックは村岡正憲氏が言っていたがBKK製だ。タカミヤのフックは買う時迷ったが、形状、外観を見る限りこれもBKKではなかろうか。BKKはST-46とがまの中間くらいの固さ、という情報もあるのである程度有望なスペックではないかと思うのだが。

最近、土肥富という老舗釣り針メーカーのマルトというトレブルフックが高品質で安い(だいたいがまの半値)、というので一部の人に評価されているようだが、

ちょっと種類が多すぎるのと、フックの重量は公表されているもののルアー標準装着フックであるST-46との互換性が今一つ分かりにくい。今後検討してみたいのだが、互換性についての大体の目安がほしい。

 

私は新品フック(ルアー装着フック含む)であっても鈍なものは研ぐ。なので安価なフックであっても品質のバラツキが許容範囲なら余り気にしない。「研いだフックは表面が粗くなり刺さりが悪い」、「最近の科学研磨されたフックは研いでも無意味」、「フックを研ぐのは現場の応急処置に過ぎない」とはよく聞くが、実釣で有意な差があるのか分からないし、浜で使う限りは明確な差を余り感じていない。バチ抜けなどで弱いバイトが多いときなどは差があるのかもしれないが、違うシチュエーションで差が生じるならその時判断すればいいことだ。

 

上記で最安値のTRIPLE CLAWがどんなものか、とても気になるのだが、検証は来年以降かな。

一周廻ってRB-MHに戻ってきそうな気もするが....

浜でルアーのスズキ釣りを始めた30年くらい前、リーダーとルアーの結束はフリーノットだった。

これは結び直しが必要なので、ルアー交換の度にリーダーが数センチずつ短くなるのだが、当時は所謂シャローミノーというものが少なく、あっても波のある浜で飛び出さずに泳ぐものが少なかった。一般的なリップ付きのフローティングミノー(タックルハウスBKF115、BKF140など)やトップ(同BKRP115、BKRP140)が中心でルアー交換の頻度も少なかったのでフリーノットでも特に問題はなかった。

 

それでも浜で使えるシャローレンジのフローティングミノーが増え、状況によりルアー交換の頻度が増えてきたので、リーダーが短くなりがちになり、あまり使いたくはないがスナップを使うようになった。

この種の金属ワイヤーパーツにはイマイチ信頼感がなかったのもあり、それでも強度があると言われていたクロスロックスナップを使い始め、確かに強度的に問題はなかった。が、やはりクロスロックスナップの付け外しが面倒だ。老眼の症状も出始め、目視せずに手探りでスナップの開閉操作をすると変な曲がり方になったりで少々ストレスを感じるようになり、店頭で目についたマリアの「ファイターズスナップ」を2シーズン程使ってみた。

開閉も簡単でとても使いやすかったのだが、結果80アップのスズキを掛けたときに2度同じパターンで変形を経験した。

左が変形したもの。これでルアーが外れたりバラしたりはしなかったが、この#1は公称の40kgの強度があるはずなのにどうしてこうなるのか原因不明だった。何れにせよこういう現象が発生するスナップは使えない。

 

それで暫くクロスロックスナップを使っていたのだが、メディアでよく見る釣り具メーカーのテスターの人らも磯のヒラスズキなんかでも普通にクイックスナップを使っているのを見て、「やはり一度使ってみるか」と、有名どころのウォーターランド「スーパースナップストロング」を使うことにした。

 

これを10シーズンくらい使ったのだろうか。強度も問題なく当然ルアー外れでバラすことなどなかった。

のだが、今シーズン2度変形があった。

上が変形したもの。

これは魚を掛けてこうなったものではない。新品を使ってノーバイトの時にも発生したのでルアー交換の開閉時、多分開くときにこうなったのだろう。自分の使い方の問題なので都度確認が必要だな....

 

代替品がないわけではない。

左からウォーターランド「スーパースナップストロング#2」、アクティブ「ルアースナップストロング#1」、同「#2」。

アクティブのスナップ#1も時々使っていて問題はなかったし、#1でも公称強度はスズキ程度なら十分なのだが、大きいほうが開閉がやりやすいので#2にしようか、と思っていたところ気になったのはその重量差によるルアーの潜航深度の差だ。

ルアーの潜航深度の差は実際に確認するのは難しいが、ちょっと実験をしてみることに。

よく使うシマノレスポンダー149Fのアイにスナップをぶら下げて水に浮かべ、頭がどれくらい沈むか見てみる。

アクティブの#1。喫水線が背中のWの文字から少し離れている。

#2。喫水線はW文字に掛かりそうなところまできている。

 

レスポンダーはよく飛ぶし、荒天時の飛距離ダウン率が他のルアーより少ない。浜ではとても頼りになるルアーなんだが、潜航深度がタイドミノーサーフやウインドストームより5-10cmくらい深く、超シャロー域で底を叩くケースがままある。

この程度の喫水線の差に影響あるのかないのか分からないが、現状でこれ以上深く潜らせたくないのでやっぱり#1にするかな。

 

水深が50cm以上あるところならどうでもいい話ではあるんだけど、まあ、それだけ浅いところを狙ってやってるからこういう細かいことにも留意しなきゃならんのよな。