12月の後半に入ってから冬型の天候が続き、強風と波浪、低温で釣りが難しい。まあ何れも風裏を選ぶなど場所の選択と、雨霰や低温は我慢しようと思えばできないことはない。

が、この冬型の天候に付随するのが雷だ。どう考えても釣れそうな海況では、雷注意報が出ていても雲さえなければ浜に立つことは極まれにある(勿論雲が出てくれば即撤収)。が、荒天に雷注意報が出ている時にだだっ広い浜をカーボンロッドという避雷針を持ってウロチョロする勇気はない。

雷注意報も出てないのに曇天でロッドから手元に火花が飛んだことを過去経験しており、雷には特に敏感にならざるを得ない。

 

年末までの天気予報を見るとあと1-2回出れればいい方だと思うが、それもかなりの気温低下で結構きつそうだ。既に海表面温度の低下がここ数年より顕著で年末までで浜のスズキも終わるだろう。ま、こればかりはどうしようもない。

 

で、トレブルフックの話。

 

浜で使うルアーは比較的大型のフローティングミノーが中心になるので、フックも#1-#4と中大型になる。今のルアーは大概オーナーのST-46、パワークラスでいうとミディアムヘビー(MH)のフックが標準で付いている。一部、#2はハード(H)クラスのST-56がある程度。

フックに拘る人は標準フックを使用せず最初から自分の好みのフックに交換して使うらしいが、私はさすがにそんなことはしない。(貧乏なのでできない。)

だが、自身としては標準フックのST-46の評価は現状入手できるMHクラスのフックの中では最低の評価と言わざるを得ない。

 

私がフックに求めるものは、

 

1.伸びないこと

2.ボトムや砂浜に擦っても鈍になりにくいこと

3.入手が容易で安価なこと

 

だ。

あとは刺さりがいい、折れない、錆びにくい、などあるのだろうが、現在のフックでは浜で使う限りにおいては刺さりの差はさほど感じない。勿論多数のデータで比較すれば差は出るのだろうが、特に浜で大型のスズキを獲りたい場合ではサンプル数が少ないのもあり余り差を感じない。

「がまかつ」は折れる、「オーナー」は「伸びる」、だからそれぞれ一長一短だ、と言われてるようだが、#1-#4ならスズキ程度ならがまのフックを折られてバラしたことはないが、オーナーのST-46は何度も伸ばされてバラしたことがある。だからST-46のように伸ばされる心配はあっても、がまフックに関しては折られる心配はまずない。

フックによって錆びやすい、錆びにくいはあるのかもしれないが、釣行後は1時間以内に必ず水洗いするし、多少の錆なら性能に差を感じない。よってこれも余り考慮する必要はない。

 

だから現状では上記1-3が最も重要だ。

理想に最も近いのは、

がまかつ RB-MH。

価格を度外視すれば全部これにしたいくらいだ。同じがまかつでもベンド形状が異なるSP-MHがあるが、RBの方がシャンクが少し長いのとラウンドベンド形状でフック保持位置がシャンクに近くフックが開きにくくバレにくい。まあ、ロングシャンクのフックはルアーのキャスト、着水時に若干エビりやすいのでフェザリングが必須になるが、掛ける、魚をバラさない、というフックそのものの性能としては理想的だと云える。

 

ただ散々言われてることだが、「高い」んだよな。RBだけでなくがまのフックはSPも同価格。オーナーのST-46、STX-45も同じくらいなのでがまに限った話ではないが、がま、オーナーとも価格は最高クラスだ。

 

だが、コスパでいうと評価は変わる。例え価格が他のフックの倍であっても倍の期間使用できれば問題はないわけだ。がまのRB、SPは材質が固く鈍になりにくい。サーフでは底を叩かないにしても、どんなに注意していても波打ち際でルアーを砂浜で引きずることがどうしても避けられない。だからフックは80アップのスズキ相手に折れない範囲で固ければ固い程いい。

これは私が昔からフックを研いで再利用するからでもある。鈍になったフックはシャープナで研ぎ直し、新品から0.5-1mm弱ほど短くなるまでは使う。鈍になりにくいがまのフックは研磨する程度が少なくて済み、何度研いでも短くなりにくく長く使える。

 

ST-46を最低評価にしているのは、柔い材質のせいで油断すると伸びて魚をバラしやすいし、フックも鈍になりやすい。研いで再利用するにしてもみるみる先端が短くなる。結果、フックを長くは使えない。ただし、実質的にST-46の後継フックとして発売されたSTX-45の材質特性はがまに近く、がまにはわずかに及ばないが固く、何度も研いで再利用できる。これはいいフックだと思う。

 

だが、がま、オーナーは純粋にフックの単価が高いことは事実だ。

 

ということで、現状これらを順次投入中だ。

TRIPLE CLAW FALKEN R 、BKK Fangs 62-UA、fimo MH

最も安価なのはタカミヤ(ポイント釣具)ブランドのTRIPLE CLAWだが、細かい価格は忘れたが何れもがま、オーナーより明確に安い。fimoフックは村岡正憲氏が言っていたがBKK製だ。タカミヤのフックは買う時迷ったが、形状、外観を見る限りこれもBKKではなかろうか。BKKはST-46とがまの中間くらいの固さ、という情報もあるのである程度有望なスペックではないかと思うのだが。

最近、土肥富という老舗釣り針メーカーのマルトというトレブルフックが高品質で安い(だいたいがまの半値)、というので一部の人に評価されているようだが、

ちょっと種類が多すぎるのと、フックの重量は公表されているもののルアー標準装着フックであるST-46との互換性が今一つ分かりにくい。今後検討してみたいのだが、互換性についての大体の目安がほしい。

 

私は新品フック(ルアー装着フック含む)であっても鈍なものは研ぐ。なので安価なフックであっても品質のバラツキが許容範囲なら余り気にしない。「研いだフックは表面が粗くなり刺さりが悪い」、「最近の科学研磨されたフックは研いでも無意味」、「フックを研ぐのは現場の応急処置に過ぎない」とはよく聞くが、実釣で有意な差があるのか分からないし、浜で使う限りは明確な差を余り感じていない。バチ抜けなどで弱いバイトが多いときなどは差があるのかもしれないが、違うシチュエーションで差が生じるならその時判断すればいいことだ。

 

上記で最安値のTRIPLE CLAWがどんなものか、とても気になるのだが、検証は来年以降かな。

一周廻ってRB-MHに戻ってきそうな気もするが....