鳥取県では9月26より鮎は禁漁になり、11月1日から翌1月31日まで再び解禁になる。漁業組合が管理する河川は組合の定める禁漁期間や漁業規則が更に加わるが、私が鮎漁に行く地元河川は県の条例のみが適用される。

 

9月26から10月31日の禁漁期は言うまでもなく天然鮎の産卵を阻害しないためのもので、11月1日に再解禁されたとしても、産卵後のガリガリで死に掛けの鮎しか獲れないとイメージしがちだ。だが、ヤス突きのツレは「再解禁後でもまだ落ち(産卵行動やその準備として群れる状態)に入っていない鮎がかなり居る」と10年くらい前から言っていた。

勿論産卵行動や、産卵後の鮎も居るのだろうが、近年の温暖化で鳥取県など日本海側も産卵期がだんだん遅れているのだろう。

 

となると、11月からの投網漁の再開も可能性がある。獲れればサイズは大きいし、好みは分かれるが貴重な抱卵鮎も食べられるかもしれない。

 

... なのだが、ちょっと心配も。

 

夏は今年始めた投網の前もヤス突きでかなり川を歩いているので、鮎の居所は大体把握しているし、水深、流れの強さなど各々の地形も分かっているから投網に適した場所も大体予想がついていた。なので投網初年でも250匹以上の鮎を獲れた。まあ、数も型も放流河川に比べれば大したことはないのだろうけど。

11月に川に行くことはなかったので、落ちを意識した鮎の捕獲もやったことがない。水量も夏に比べれば多いので網が打てないケースも多いし、危険度も上がるのでまず無理はできない。産卵に適した場所の目安は付けているが、それが本当に正しいのか確信があるわけでもない。

気温、水温も低くなるのでそちらも心配だ。ウェットスーツの上下は持っているが、夏用の2mm厚のものなのでそれで対応できるかどうかも分からない。

 

出てみるつもりでは居るが、正直やってみなければわからない。何れにせよ水量が多いときリスクは冒せない。

 

リスクという面では、最も危険なのはマムシだと思っている。生物ではスズメバチ、イノシシ、ツキノワグマも危険だが、堤防から草むらを川へ降りる時を含めてスズメバチは河原では見たことがない。木の根元などはオオスズメバチが営巣することがあるが、これも木や倒木があるところを避けていけば危険度は少ないだろう。何よりゆっくり行動してハチやその威嚇に気付ければ大事になることは避けれられる。

イノシシの足跡は時々見るが、基本的に彼らは夜行性で、夜の漁をしない限りはほぼ心配は要らない。クマは私の住む地域では山でも目撃、食害例はないし、それが昼間の川に出没する確率はかなり低い。

マムシは夜行性だが、昼だからといってどこかに行ってしまう訳ではない。河原の水辺の草むらなどは常識的に考えても最もマムシが多いところだし、蜷局を巻いているものや、増水の時に流されてくるマムシをこの夏だけでも2-3度目撃している。おそらく自分が気付かないだけで近距離でマムシに遭遇していたケースはかなりあるはずだ。

鮎タビにウェットスーツの下、踝と足首に砂流入防止用のネオプレンサポーターを巻くのはマムシ対策でもある。また、堤防斜面の上り下りでは手を突くことがあるので必ず厚手の皮手袋をする。昼間でも必ず手元足元は注視し、ゆっくり小股で歩く。

マムシに咬まれれば、たとえそれが軽傷であっても救急車の世話になる訳で、そんなことになれば今後は鮎取りばかりかスズキの夜釣りも含めて家族からの許しは得られない。ここらへんは自身の今後の趣味に影響が大きいのでそれなりに厳重に考えてはいるが、それで安全が保障されるわけではない。

 

投網のときは網に引っ掛かるようなものは極力身に付けたくない。なので最初の頃は連絡手段であるスマホも持って行かなかった。だが、マムシに限らず川はやはり危険が多いので少々鬱陶しいが携行せざるを得ない。

所持してるのは防水スマホだが水没すれば壊れる可能性はある。やはりこういう防水ケースが必要で、今はこれを首から下げている。

正直邪魔なんだがこればかりは仕方ない。

 

11月ともなればマムシも冬眠に入るのだろうからそれほど危険性はないのかもしれないが、これも温暖化の影響でどうなっているかわからない。

 

鮎の盛期も終わったんだしもういいじゃないか、とも思うんだけどな。