O.S.D.さり オフィシャルブログ powered by Ameba -36ページ目

どうしてこうなった

いちいち忙しい。
日本にいる時の忙しい、ではなくて、
もっとこう、目に入ってくるものがいちいちうるさい。

例えば今日だって、
健康診断(会社でちゃんとやってくれる)の結果をもらいに言って、
検査結果は問題無かったんだけれども、
無かったのに、むしろ善玉コレステロールが多すぎて良い結果だったのに、
にも関わらず医者に1時間話をされて、
その中でsexually activeか?と聞かれて、
はっきり言ってそんな語彙私の中に無かったから、
わからんけどとりあえず「イエス!」って答えといたらすごい変な顔されて、
とんだアバズレ扱いを受けて、
さんざん食事や生活について聞かれた挙句、
最終的になぜか「毎週15分太陽を浴びなさい」って言われた。
それは断る。
30過ぎての日焼けは30過ぎてのピアスぐらいやってはならない。

で、帰りにコンタクト洗浄液を買おうと思って、
普段通らない道を通っただけで、
おばあさんに追い掛けられて、
入ったお店でコンタクト洗うやつくれって言ったらなぜかハンドソープが出てきて、
住んでいるフラットのエレベーターホールで目を閉じた少年に思い切り体当たりされて、
何事ですかと聞いたらそう言うゲームだと説明されて、
それがどう言うゲームで何が勝ちで何が負けかもさっぱりだし、
とにかく忙しい。

うるさいとか暑いとか文句ばっか言いながら自分で選んでここにいる、
そのパラドックスから逃げたくなって、
明日からちょっと旅行してきます。
で、多分そこでも遠いだのしんどいだの多分言っているって、
もうだいたい想像がついてしまっていて、
それでも行くであろう自分のさらなる矛盾。
もうどうしてこうなったんだ。


あのカルト教団の教祖そっくり。


天地明察/沖田丁

おもしろかったーーーー!!!
歴史物は苦手な自分が大笑いしながら読んだ。
気持ち良い小説。
すっきりする。
奈良の大和高田のさびれた書店でびびっと来たのは間違っていなかった。
登場する人物がみんなかっこ良くって、
おい、今どきの草食男子!しっかりしろ!
それに大好きな東京の地名がたくさん出てくる。
主人公が歩く道、訪れる神社。
これは東京に住んだ人が読む方が距離感なんかの想像が易い。
当時の江戸の風景を頭の中だけで作り上げて、
自転車でいつも迷子になったあの道のことだ、と現代に重ねて、
そうすると通り過ぎていった神社ひとつが、
本当に趣の深いものになったりする。
神社も御門も、ちゃんと意味がある。
通り過ぎるだけではもったいない。
つい最近まで刀を腰にさした先人たちが、
本気で国の未来を、私たちのことを思って、
短い命を削って奔走し、祈り、戦ってきた場所。
もっとたくさん行っておけばよかった。
とりあえず今は目についたヒンドゥー寺院に行くしかない。

キャンプだほい その2



テントどころかもう小屋になった。
洗濯物だって干している。

もう勝手にしてくれ。
勝手にしてくれていい。

勝手にしてくれていいから、だからせめて、
人が捨てたゴミを漁らないで。

ゴミ集積場ですごい親切そうに受け取ってくれるのは良いのだけれど、
それをお願いだから開けないで。
せめて私が見えなくなってからにして。
ほんとそこ良い物入ってないから。
マジで自分の捨てたゴミ目の前でひっくり返されるって嫌がらせありますか。

中世ヨーロッパで、火あぶり、アイアンメイデンこと鉄の処女、
この2つと並んで3大拷問の一つと民衆に恐れられた、
目の前でゴミをひっくり返される刑。
拷問です。

つらすぎる。

そしてもう暑さでちょっと死ぬんじゃないかって思ってる。
裸体でも暑いもんだから皮膚からめくってしまいたい。
血でも何でも流れてしまえば良い。
もう知らん。
温度計も無いしもう何度かもわからない。

ほんとにつらい。
暑い。

ホームシックですホームシック。


夜中に花火。
きれいだったけど理由が全然わからないし誰もわからないって言う。

あと暑い。


にょにょっ記/穂村弘

詩集とかエッセイは先述の通り範疇外なのでほとんど読まない。
のでこれは人に借りたやつ。
おっさんが書いたとは思えないふわふわした感じの、
人によっては日常を切り取ったらこんな風に見えるのか、
そうか。
花が咲いて季節が遷り変わって、
一緒にいる人が変わってって、
あまりにも毎日めまぐるしいものだから、
見過ごしてしまう様なことがたくさんあって、
でもこんな風に安らかに静かに色んなものを、
自分の周りのものを見つめられたら幸せだろうな、と思う。
静かな何も無い日常に溢れている幸せを、
ちゃんと気付けて愛でていかなあかんってわかってる。
そうなの。
わかってるの。
でもそんなふわふわした気持ちでいられるのなんて、
日本とかそう言う場所で、限定ですけどね。
汗だくで道端のハイビスカスがかわいいな♡って見上げてたら
汗だくで足下のフタの壊れたマンホールに落ちかけて、
汗だくでずっこけた所で、
後ろから来た車に思い切りクラクション鳴らされて、
汗だくで、
そんなだから。

キャンプだほい

とうとう家の前の動物園も、キャンプ場になったらしい。
今日は家族が飯ごう炊さんしていた。
路上生活者ってわけじゃない、と思う。
何かの工事が始まっていて、その作業一家。
何家族かの共同キャンピング。
子どもだっている。
ちょっとしたテントみたいなのだってある。

あらーアウトドア好きなご家族同士でキャンプですか?
ご主人、都会育ちなのににすごいわねー。
たくましいわー。
子どもたちも自然ともっと触れ合う機会をねー。
うち?うちなんて全然よーもう暑いだのだるいだのって、
休日は寝てばっか!
うらやましいわぁおほほほほ。

ってことかな。

ただしその空き地で何かを敷いて空の下で寝ている。
お兄さんたち、そんなとこで寝てたら、ヤギに踏まれますよ。
火の始末だけはよろしく頼みますよ。

私もあほほど父親にキャンプに連行されたものです。
小学生ぐらいまで。長野率が高かった様に思う。
一時期狂った様にキャンプに連れて行かれて、
しかもキャンプなのに片付けを面倒がって、
うちの親はキャンプでそうめんばっか作る。
そうめんだったら涼しい家で食べようよー。
肉にしようよせめてー。
トイレ怖いよー。
虫怖いよー。
もうキャンプやだよー・・・

ってことがあって私はアウトドア関係がものすごく苦手。
キャンプ嫌い。
バーベキューも嫌い。
キャンプファイヤーの存在意義って何。
もうそこから派生して、山登りもウィンタースポーツも海も全部いや。
アウトドア反対!
生産性の無いもの反対!
リスクマネジメントできない大人反対!
引きこもり最高!
インターネット最高!
家最高!

せっかく楽しませようとして色んなところに連れていってくれたのに、
お父さん、ごめんなさい。
でも、
私はアウトドアは嫌いだけど、
子どものころたくさん遊んでくれた思い出は、ちゃんと心の中で輝いているよ?
一生キャンプなんかしないけど、
誓ってスキーもスノボも一生やらないけど、
だけど思い出はずっと、心の中にじゅうぶん満たされているから、
だからこれからは海外で5つ星とかにしか泊まりたくないよ?



どうしてこれが信仰の対象になりうる。
人間の胴体をえぐっているライオンのお化け。
乙一の世界だ、乙一の。


箱庭図書館/乙一

乙一は最も好きな作家の一人で、
とにかくグロかったり痛かったりするんだけれど、
読みやすくてたまに泣けて、本当に大好きなのでこの人の作品はほとんど読んだ。

この短篇集は、読者からアイデアを集めてそれを乙一がリメイクするという、
堂々とパクリを宣言しているもので、
佐村なんとかにもちょっとは見習って欲しい。
おい!聞いているのか!なんとかごうち!
正直に生きればいいんだ。
ジェネリック医薬品だっていいんだ。
効きゃいいんだ効きゃ。

別々の人から集めたお話を、一つの線で結わって、
それを手繰っていくとちょっとだけほわってしたものにありつけて、
どうしようもない退屈な日常の中に、
多分どうしようもないぐらい奇妙なことがきっと埋まってて、
そうゆうのを探したくなる。
何気なく花を咲かせる道端の木の下に埋まっているかも知れない何かを想像したりする。
ハイビスカスの真っ赤な花に残酷さを見出したりする。