無し無し ナシーク
あれだけ外に出たくなかったのに、またやってしまった。
しかし私は学ぶ人間です。
放浪は辛いんです。
インドで家の外はだいたいつらい。
もうとっくに知っている。
だから今回は日帰りにした。
家に帰れる、今日中に家に帰れる、と思えばまだ救いがある。
日帰りで行けるおもしろそうな場所なんてもう知らない。
地球の歩き方には無い。
なのでもうとうとうグーグルマップを取り出した。
グーグルマップで200km以内にある、何となく大きい文字で書かれている土地。
そこを適当に選んで、足があるか調べて、
バスで5時間、とある。
Nashik
聞いたこともない。
地球の歩き方には載っていない。
ネットで調べると、12年に一度大きなお祭りの開催地になる、
バラナシに次ぐ聖地だとか。
そしてちゃんと石窟がある様だ。
と言うことでほとんど調べずに、何とかなるかと自分を騙し騙し、
週末の明け方、
家のゲートをこっそり開いて、家出をした。

凍える様なACバスの中から、朝市が見える。
ひたすら何をするでもなく、ぼんやりとバスに揺られること5時間。

マハラーシュトラの田舎町、ナシークに到着。
早速携帯は電波を失っている。
ここがどこか見当もつかない。
地図も持っていない。
もうアホなんです。
私。
そうなんです。
空気が良い。
石窟があるのでひとまず向かう。
ムンバイを出た瞬間メーター制じゃなくなるオートにイライラする。

あの丘の上。

ほとんど人もいない。
山賊とか出たらどうすんの。
最悪は身ぐるみはがされて名もないインドの丘で野生化するしか無い。

階段をひたすら登る。
暑いしすでに後悔しかない。
この時点でもう帰りたい。
恐る恐るダメ元で出したインドのIDが何と今回は機能を果たす。
入場料、5ルピー。
普段250ルピー払わされるのが5ルピー。
逆にいつも50倍払ってますよ。

あーもうこうゆうのばっか見てるし知ってるしー。

でも来ちゃうのこれ何でなん。

若干他より仏教色が濃い。
あー本当に仏教、インドから来たんやなぁと思う。
私は石窟に手は合わせない。
だって何か違うから。
おっぱいボインの像とか象さんライオンさんみんな仲良し、
みたいのとか何か滑稽で全然そんな気にならない。
インドの仏教と日本の仏教が違うって思ってしまうし、
更に言えば信仰みたいなもんそのものが最近はよくわからない。
しかし結局のところ、自分がなんまんだ、って日本のお寺では手を合わせるのは、
おおもとはここかよって思うと本当によくわからん。

丘の上からのまあまあの景色。
絶景とまでは言わない。
2時間ほど隅々まで似たり寄ったりの石像を見て、
下にあった丸い建物に入ってみると、
金ピカの仏像の前で、お坊さんがめっちゃ音痴な読経中で、
ドームの中で声が不思議な響き方をする。

ここが意外と良かった。
一応仏教徒なので、静かに瞑想。
祈ることは最近しなくなった。
あまりにも色んな宗教に最近触れすぎて、
ああ何か祈るって、何だかな。ってなってしまった。
私の願いなんて日本に帰りたい、ぐらいなもんだし。
そしてまだお昼なのに早速行くところが無い。
どこに行けばいいかわからない。
誰や、こんなとこに下調べもせんと行こう言うたんは。
辛うじて持ちあわせていた知識で、川があると言う。
クンブメーラと言うヒンドゥーで最も大きなお祭りの時に、
サドゥが集まる川があると。
距離感もどこにあるかも東西南北も全くわからないけれど、
とりあえずガートに行ってくれ、とオートに乗り込んだ。

そしてそこにはバラナシのしょぼい版みたいなのがあった。



やることが無いのでひたすら水辺の寺院を周りながら、川辺を歩く。
洗濯ものを親の仇の様に叩きつける女性、
ってゆうかもうおっぱい出ちゃってますよ、のおばあちゃん、
パンいちで脱法ハーブ吸ったんですか?ぐらいのテンションで水遊びする少年、
日本人はおろか白人すら一人もいないので、
慣れているはずの奇特なものを見る視線が半端ない。
バイクの青年に写真撮ってくれ、と言われて、どれでだよ、って聞いたら、
俺は携帯持ってないからお前のカメラで一緒に撮ってくれ、と言われた。
それを撮ってどうしたかったの。
何なの。
何でなん。

呪いに使うための脱法ハーブを売っている。
ひと休みしていた公園で、裸足で遊んでいた子どもが何かを踏んだらしく、
ぎゃん泣きしている。
目の前であまりに泣くもんでちょっと怖くなって、私が日本でも持ち歩いている、
ご飯を食べる前に手を拭くためのアルコールと、絆創膏をあげると、
一瞬で笑顔になってついでに2ルピーくれ、と言われた。
えええええええええ
びっくりした。
なにそれ。
新しい愛のカタチ?
親切は必ずしも感謝と言う形で戻ってこない。
どれだけ尽くしたところで、相手に同じものを求めては、
傷つくばかりなのだから。
いよいよ川べりにも飽きてきて、
しかもここどこだかわかんないしどこがメインかもわかんないし、
何て言う川かもわかんないし、
時間はまだあるしで、適当に歩く。
わざと迷子。
これももう美味しいものもないし目新しいものも無いしで
すぐに疲れてしまって、結局帰りのバス乗り場近くのレストランに入る。

何と今回持ってきたのは、おもろないフランスの本ではない。

プラナリア/山本文緒
直木賞作品。
おもしろかったしこの人の本は、
周りでオートがクラクション鳴らしまくろうが、
頼んだトマトオムレツなるものが辛いだけで全然おいしくなかろうが、
そのオムレツが半分も食べていないところでハエの餌食になって食べることを諦めようが、
仕方なく頼んだマンゴースムージーに苦手なイチゴアイスを勝手に入れられようが、
ここがインドだろうがしかも名もないガイドブックにも無いわけわからん場所だろうが、
なんだろうが、
全力で本の中の日本に連れて行ってくれる。
甘えちゃだめなのか。
言い訳しちゃだめなのか。
逃げちゃだめなのかシンジ。
人の顔色うかがわなあかんのか。
もう全部どーんって叩きつけて、ぐちゃぐちゃにして、
知らん!って、
それじゃだめなのか?
バスまで時間がたっぷりあって、結局1冊読み終えてしまった。
ベンツのマークを全面に押し出した凍えるバスで、
ムンバイに戻るともう夜だった。
ナシークで一番おもしろかったのは山本文緒の小説だ。
そして私は決めました。
来週末、一歩も家を出ません。
しかし私は学ぶ人間です。
放浪は辛いんです。
インドで家の外はだいたいつらい。
もうとっくに知っている。
だから今回は日帰りにした。
家に帰れる、今日中に家に帰れる、と思えばまだ救いがある。
日帰りで行けるおもしろそうな場所なんてもう知らない。
地球の歩き方には無い。
なのでもうとうとうグーグルマップを取り出した。
グーグルマップで200km以内にある、何となく大きい文字で書かれている土地。
そこを適当に選んで、足があるか調べて、
バスで5時間、とある。
Nashik
聞いたこともない。
地球の歩き方には載っていない。
ネットで調べると、12年に一度大きなお祭りの開催地になる、
バラナシに次ぐ聖地だとか。
そしてちゃんと石窟がある様だ。
と言うことでほとんど調べずに、何とかなるかと自分を騙し騙し、
週末の明け方、
家のゲートをこっそり開いて、家出をした。

凍える様なACバスの中から、朝市が見える。
ひたすら何をするでもなく、ぼんやりとバスに揺られること5時間。

マハラーシュトラの田舎町、ナシークに到着。
早速携帯は電波を失っている。
ここがどこか見当もつかない。
地図も持っていない。
もうアホなんです。
私。
そうなんです。
空気が良い。
石窟があるのでひとまず向かう。
ムンバイを出た瞬間メーター制じゃなくなるオートにイライラする。

あの丘の上。

ほとんど人もいない。
山賊とか出たらどうすんの。
最悪は身ぐるみはがされて名もないインドの丘で野生化するしか無い。

階段をひたすら登る。
暑いしすでに後悔しかない。
この時点でもう帰りたい。
恐る恐るダメ元で出したインドのIDが何と今回は機能を果たす。
入場料、5ルピー。
普段250ルピー払わされるのが5ルピー。
逆にいつも50倍払ってますよ。

あーもうこうゆうのばっか見てるし知ってるしー。

でも来ちゃうのこれ何でなん。

若干他より仏教色が濃い。
あー本当に仏教、インドから来たんやなぁと思う。
私は石窟に手は合わせない。
だって何か違うから。
おっぱいボインの像とか象さんライオンさんみんな仲良し、
みたいのとか何か滑稽で全然そんな気にならない。
インドの仏教と日本の仏教が違うって思ってしまうし、
更に言えば信仰みたいなもんそのものが最近はよくわからない。
しかし結局のところ、自分がなんまんだ、って日本のお寺では手を合わせるのは、
おおもとはここかよって思うと本当によくわからん。

丘の上からのまあまあの景色。
絶景とまでは言わない。
2時間ほど隅々まで似たり寄ったりの石像を見て、
下にあった丸い建物に入ってみると、
金ピカの仏像の前で、お坊さんがめっちゃ音痴な読経中で、
ドームの中で声が不思議な響き方をする。

ここが意外と良かった。
一応仏教徒なので、静かに瞑想。
祈ることは最近しなくなった。
あまりにも色んな宗教に最近触れすぎて、
ああ何か祈るって、何だかな。ってなってしまった。
私の願いなんて日本に帰りたい、ぐらいなもんだし。
そしてまだお昼なのに早速行くところが無い。
どこに行けばいいかわからない。
誰や、こんなとこに下調べもせんと行こう言うたんは。
辛うじて持ちあわせていた知識で、川があると言う。
クンブメーラと言うヒンドゥーで最も大きなお祭りの時に、
サドゥが集まる川があると。
距離感もどこにあるかも東西南北も全くわからないけれど、
とりあえずガートに行ってくれ、とオートに乗り込んだ。

そしてそこにはバラナシのしょぼい版みたいなのがあった。



やることが無いのでひたすら水辺の寺院を周りながら、川辺を歩く。
洗濯ものを親の仇の様に叩きつける女性、
ってゆうかもうおっぱい出ちゃってますよ、のおばあちゃん、
パンいちで脱法ハーブ吸ったんですか?ぐらいのテンションで水遊びする少年、
日本人はおろか白人すら一人もいないので、
慣れているはずの奇特なものを見る視線が半端ない。
バイクの青年に写真撮ってくれ、と言われて、どれでだよ、って聞いたら、
俺は携帯持ってないからお前のカメラで一緒に撮ってくれ、と言われた。
それを撮ってどうしたかったの。
何なの。
何でなん。

呪いに使うための脱法ハーブを売っている。
ひと休みしていた公園で、裸足で遊んでいた子どもが何かを踏んだらしく、
ぎゃん泣きしている。
目の前であまりに泣くもんでちょっと怖くなって、私が日本でも持ち歩いている、
ご飯を食べる前に手を拭くためのアルコールと、絆創膏をあげると、
一瞬で笑顔になってついでに2ルピーくれ、と言われた。
えええええええええ
びっくりした。
なにそれ。
新しい愛のカタチ?
親切は必ずしも感謝と言う形で戻ってこない。
どれだけ尽くしたところで、相手に同じものを求めては、
傷つくばかりなのだから。
いよいよ川べりにも飽きてきて、
しかもここどこだかわかんないしどこがメインかもわかんないし、
何て言う川かもわかんないし、
時間はまだあるしで、適当に歩く。
わざと迷子。
これももう美味しいものもないし目新しいものも無いしで
すぐに疲れてしまって、結局帰りのバス乗り場近くのレストランに入る。

何と今回持ってきたのは、おもろないフランスの本ではない。

プラナリア/山本文緒
直木賞作品。
おもしろかったしこの人の本は、
周りでオートがクラクション鳴らしまくろうが、
頼んだトマトオムレツなるものが辛いだけで全然おいしくなかろうが、
そのオムレツが半分も食べていないところでハエの餌食になって食べることを諦めようが、
仕方なく頼んだマンゴースムージーに苦手なイチゴアイスを勝手に入れられようが、
ここがインドだろうがしかも名もないガイドブックにも無いわけわからん場所だろうが、
なんだろうが、
全力で本の中の日本に連れて行ってくれる。
甘えちゃだめなのか。
言い訳しちゃだめなのか。
逃げちゃだめなのかシンジ。
人の顔色うかがわなあかんのか。
もう全部どーんって叩きつけて、ぐちゃぐちゃにして、
知らん!って、
それじゃだめなのか?
バスまで時間がたっぷりあって、結局1冊読み終えてしまった。
ベンツのマークを全面に押し出した凍えるバスで、
ムンバイに戻るともう夜だった。
ナシークで一番おもしろかったのは山本文緒の小説だ。
そして私は決めました。
来週末、一歩も家を出ません。
エキゾチック・ジャパン
うわあああああああああああああん
・゚・(つД`)・゚・
来た。
やっと来た。
おかあたま。
母上。
ご尊母さま。

ありがとうございます。
やっと届いた酔い止めとダシ類とお菓子。
2kgを超えるとべらぼうにクーリエ料金が上がるらしく、
さらに関税やなんかが非常に厳しくなるとかで、
毎回小分けに2kg以内にして送ってくれる。
先月日本に帰ったばかりなのに、
その時持ち帰ったものはとっくに全部食べてしまっていた。
私はインドご飯をあまり食べないので、
好き嫌いではなく体のためにね、
ってゆうか吐いちゃうからね、カレー。
なのですぐに和食材は使い果たしてしまう。
日本にいた時もよく仕送りダンボールを送ってもらったが、
こんなに嬉しいと感じてはいなかった。
むしろ何で靴下毎回入れんねん!と思っていた。
むしろ現金にしてくれよマイマザーって思ってすらいた。
でも今、円を送られてもどうしようもない。
この、日本産の食材が何より嬉しい。
いつまで経っても甘えてばかりでごめんなさい。
ママ、ありがとう。
これを買うためのお金を稼いでくれたパパ、ありがとう。
これだけでどれほど心が豊かになることか。
和食は世界一だ。
ワールドカップで敗退しようと日本が世界一だ。
日本とつながればつながるほど寂しくなってしまう。
そんなことわかってるけどやっぱりつながっていたい。
そして恐怖の週末がやって来た。
おとなしく家にいられるのか、私。
引きこもっていられるのか、私。
後悔したくないんだろ?
もうお外に出て辛い思いなんかしたくないんだろ。
汗だくで迷子になって全員に見られて騙されてふらふらになりたくないんだろ。
スタバで本を読んで、フォーエバーでお洋服を覗いて、
おそうめんでも食べながらお部屋でDVDを見て、ってしたいんだろ。
わかってるだろ。
わかってるだろうな。
おい。
わかってんのか。
おまえ。
おい。
横道世之介/吉田修一

おもしろかった!
あと吉田、と言う苗字が私は大好き。
吉田に悪いやつは居ないんだ。
芥川賞の人でわけがわかったのは、
今まで蛇にピアスと川上未映子だけだったけれども、
全然おもしろかった。
あまりにも普通の若者の、
あまりにも普通の毎日をこんな風に切り取ると、
それはそれでこんなにおもしろいのか。
大学生活ってそう言えば私の人生の中でもかなりどうでもいいところに入る。
友だちもほとんど残っていない。
ってゆうかゼロ。携帯の中に一人も居ない。
高校の友だちと社会に出てからの友だちは今でも大切なのに、
大学で出会った知り合いは本当に残っていない。
薄い薄い人間関係の中で何も考える必要なんかなかった。
社会に出る前、最後の余白みたいなもんだった。
多くの大学生がそうである様に。
もっとたくさん色んなことができたはずなのに、
だけどあの余白が大事だったんじゃないかとも思うわけ。
こじつけか。
・゚・(つД`)・゚・
来た。
やっと来た。
おかあたま。
母上。
ご尊母さま。

ありがとうございます。
やっと届いた酔い止めとダシ類とお菓子。
2kgを超えるとべらぼうにクーリエ料金が上がるらしく、
さらに関税やなんかが非常に厳しくなるとかで、
毎回小分けに2kg以内にして送ってくれる。
先月日本に帰ったばかりなのに、
その時持ち帰ったものはとっくに全部食べてしまっていた。
私はインドご飯をあまり食べないので、
好き嫌いではなく体のためにね、
ってゆうか吐いちゃうからね、カレー。
なのですぐに和食材は使い果たしてしまう。
日本にいた時もよく仕送りダンボールを送ってもらったが、
こんなに嬉しいと感じてはいなかった。
むしろ何で靴下毎回入れんねん!と思っていた。
むしろ現金にしてくれよマイマザーって思ってすらいた。
でも今、円を送られてもどうしようもない。
この、日本産の食材が何より嬉しい。
いつまで経っても甘えてばかりでごめんなさい。
ママ、ありがとう。
これを買うためのお金を稼いでくれたパパ、ありがとう。
これだけでどれほど心が豊かになることか。
和食は世界一だ。
ワールドカップで敗退しようと日本が世界一だ。
日本とつながればつながるほど寂しくなってしまう。
そんなことわかってるけどやっぱりつながっていたい。
そして恐怖の週末がやって来た。
おとなしく家にいられるのか、私。
引きこもっていられるのか、私。
後悔したくないんだろ?
もうお外に出て辛い思いなんかしたくないんだろ。
汗だくで迷子になって全員に見られて騙されてふらふらになりたくないんだろ。
スタバで本を読んで、フォーエバーでお洋服を覗いて、
おそうめんでも食べながらお部屋でDVDを見て、ってしたいんだろ。
わかってるだろ。
わかってるだろうな。
おい。
わかってんのか。
おまえ。
おい。
横道世之介/吉田修一

おもしろかった!
あと吉田、と言う苗字が私は大好き。
吉田に悪いやつは居ないんだ。
芥川賞の人でわけがわかったのは、
今まで蛇にピアスと川上未映子だけだったけれども、
全然おもしろかった。
あまりにも普通の若者の、
あまりにも普通の毎日をこんな風に切り取ると、
それはそれでこんなにおもしろいのか。
大学生活ってそう言えば私の人生の中でもかなりどうでもいいところに入る。
友だちもほとんど残っていない。
ってゆうかゼロ。携帯の中に一人も居ない。
高校の友だちと社会に出てからの友だちは今でも大切なのに、
大学で出会った知り合いは本当に残っていない。
薄い薄い人間関係の中で何も考える必要なんかなかった。
社会に出る前、最後の余白みたいなもんだった。
多くの大学生がそうである様に。
もっとたくさん色んなことができたはずなのに、
だけどあの余白が大事だったんじゃないかとも思うわけ。
こじつけか。
自傷癖が止まらない。アーメダバード旅行⑤
いろんな事に絶望しながら朝を迎える。
週末を家でゆっくり過ごしたいのになぜかまた放浪している自分、
お部屋の外から聞こえる謎の怒号、
繋がらない携帯のネット、
ウェイティングリストのままの復路の電車。
辛い。
生きていくのはこんなにも辛いのか。
外に出たくない。
チェックアウトしたくない。
おうちに帰りたい。
夜、乗れるかもわからない電車の時間までたっぷり1日ある。
チェックアウトぎりぎりまで
やだよーやだよーお外出たくないよー
とゴネながら渋々外へ出る。
今年は雨が少ないらしく、外は晴れていた。
日本でもエルニーニョだかで異常気象がニュースになっているみたいですが、
インドでも異様に雨の少ないこの雨季、
断水だけはご勘弁。
まずは駅近くの、揺れるミナレットがあると言う、
スィディ・バシールモスクへ。

ミナレットは揺れていなかった。
地球の歩き方のあほ!
嘘つき!

そしてモスクに飽きる。
もういいよ、モスクは。
飽和状態だよ。
モスクの供給過多だよ。
次に、キャリコという更紗の織物を展示した、
キャリコ博物館へ向かう。
これはガイドツアーで、中の撮影は禁止。

待合室にいるのは、これでもかと言うくらい悪人顔の、
お金さえ渡せばきっと人だって殺す様な、
強いものには弱く、弱いものにはとことん厳しいって顔に書いた様な、
そんな警備員。
入場料もガイド料も無料と言う、これは多分だまされている。
私たぶんだまされてる。
おかしい。
博物館でガイドツアーがあって無料ってもうこれはおかしい。
終わったと同時に追い剥ぎられるのか、
飲み物に何か混ぜられて東南アジアに売られるか、
フライデーに撮られて意気消沈ゴリラになるか、
4-1で負けるかどれか。
こわいこわいこわいこわい
インドで無料こわい。
お願いお金払わせて。
こわいからマジで。
このガイドツアーが意外とめちゃくちゃ良かった。
インド伝統の織物で物語を紡いだり、
彫刻類や像の類も、統一感があって見応えがあって、
集団で回るガイドツアーが英語なのでおもしろい。
豪華な更紗を、200年前に紡がれた糸のくすまない輝きを、
「ドントタッチ!」って何回も怒られながら堪能。
緑の美しい庭園には孔雀。
羽を広げた孔雀をあんな近くで見たのは、
越谷市蒲生にある鹿公園で見た以来です。
越谷市蒲生には鹿と孔雀のいる小さな鹿公園があった。
都島区高倉町にはてっちゃんと言う駄菓子屋のあるてっちゃん公園。
実家は鹿県。
そして私は今グジャラート州アーメダバードで迷子。
2時間近くのツアーを満足で終えて、いよいよ行くところが無い。
まだ電車まではたっぷりある。
本当に行くところが無い。
携帯の電波も無い。
Wi-Fiが使えそうなお店も無い。
スタバも無い。
マクドも無い。
昨日からずっとぐるぐるしている旧市街は川の東側なので、
地球の歩き方には何ひとつ掲載のない新市街つまり西側、
そこならもしかしたらスタバがあるかも知れない、と思い立ち、
祈る様な気持ちで川を渡ってみました。
英語の一切通じないオートのドライバーにいざなわれて。
そしてあったのはフリマっぽいマーケット。
ただし欲しいものは相変わらず1つも無い。
変なデザインのインド服や変なデザインのインドかばん。
本当に要らない。
暑くて若干あっち側の世界が見え始めて、アイス屋さんで涼をとる。
何をしたらいいんだ。
どこに行けばいいんだ。
もう一度階段井戸、というのも頭をかすめないでもない。
しかし少し距離があるのと暑いのとで足が向かない。
よし、ひきこもろう。
そうだ、私、お部屋で引きこもっておもろないフランスの本読む。

その辺にあったホテルの門をたたく。
たのもー!
夜までしか居ないのに、1泊分を払わされて、
それでもスタバ3回分ほどなので私もうここで良いです。
外で行くところもわからないまま、
全員の視線を浴びながら灼熱地獄を彷徨うぐらいなら、
私ひきこもります。
そこで6時間ほどただ後悔をしながら、
また旅に出た自分を呪いながら、
おもろないフランスの本しか持ってこなかったことに絶望しながら、
ひたすら自分を責め続け、
少し余裕を持って乗れるかわからない電車の時間に駅へ向かう。

チャートを祈る様な気持ちで探し、
自分の名前を見つけた時の私の気持ちは、
大学受験に受かった時の2億分の1ほどにも大きな感動だった。
あー帰れるー!
ムンバイ帰るー!
往路と同じ、凍える様な1等車の中で、
ただ早く帰りたい気持ちを胸に眠る。
そして無事何もなくムンバイへ朝到着、やっと終えた。
何やかんや言いながら本当は結構楽しかったんです。
やっと見れた階段井戸は美しかったし、
初めて入ったジャイナ教のお寺は感動ものだったし、
何もかも無料で全然騙してこないしみんないい人ばっかだったし、
それなりに楽しかったんです。
だけどもう行きたくない。
できることなら本当に週末は誰とも会わずに誰ともしゃべらずに、
インターネットをしていたい。
なのにまた多分すぐ行ってしまうんだ。
お願い、誰か私を止めて。
週末を家でゆっくり過ごしたいのになぜかまた放浪している自分、
お部屋の外から聞こえる謎の怒号、
繋がらない携帯のネット、
ウェイティングリストのままの復路の電車。
辛い。
生きていくのはこんなにも辛いのか。
外に出たくない。
チェックアウトしたくない。
おうちに帰りたい。
夜、乗れるかもわからない電車の時間までたっぷり1日ある。
チェックアウトぎりぎりまで
やだよーやだよーお外出たくないよー
とゴネながら渋々外へ出る。
今年は雨が少ないらしく、外は晴れていた。
日本でもエルニーニョだかで異常気象がニュースになっているみたいですが、
インドでも異様に雨の少ないこの雨季、
断水だけはご勘弁。
まずは駅近くの、揺れるミナレットがあると言う、
スィディ・バシールモスクへ。

ミナレットは揺れていなかった。
地球の歩き方のあほ!
嘘つき!

そしてモスクに飽きる。
もういいよ、モスクは。
飽和状態だよ。
モスクの供給過多だよ。
次に、キャリコという更紗の織物を展示した、
キャリコ博物館へ向かう。
これはガイドツアーで、中の撮影は禁止。

待合室にいるのは、これでもかと言うくらい悪人顔の、
お金さえ渡せばきっと人だって殺す様な、
強いものには弱く、弱いものにはとことん厳しいって顔に書いた様な、
そんな警備員。
入場料もガイド料も無料と言う、これは多分だまされている。
私たぶんだまされてる。
おかしい。
博物館でガイドツアーがあって無料ってもうこれはおかしい。
終わったと同時に追い剥ぎられるのか、
飲み物に何か混ぜられて東南アジアに売られるか、
フライデーに撮られて意気消沈ゴリラになるか、
4-1で負けるかどれか。
こわいこわいこわいこわい
インドで無料こわい。
お願いお金払わせて。
こわいからマジで。
このガイドツアーが意外とめちゃくちゃ良かった。
インド伝統の織物で物語を紡いだり、
彫刻類や像の類も、統一感があって見応えがあって、
集団で回るガイドツアーが英語なのでおもしろい。
豪華な更紗を、200年前に紡がれた糸のくすまない輝きを、
「ドントタッチ!」って何回も怒られながら堪能。
緑の美しい庭園には孔雀。
羽を広げた孔雀をあんな近くで見たのは、
越谷市蒲生にある鹿公園で見た以来です。
越谷市蒲生には鹿と孔雀のいる小さな鹿公園があった。
都島区高倉町にはてっちゃんと言う駄菓子屋のあるてっちゃん公園。
実家は鹿県。
そして私は今グジャラート州アーメダバードで迷子。
2時間近くのツアーを満足で終えて、いよいよ行くところが無い。
まだ電車まではたっぷりある。
本当に行くところが無い。
携帯の電波も無い。
Wi-Fiが使えそうなお店も無い。
スタバも無い。
マクドも無い。
昨日からずっとぐるぐるしている旧市街は川の東側なので、
地球の歩き方には何ひとつ掲載のない新市街つまり西側、
そこならもしかしたらスタバがあるかも知れない、と思い立ち、
祈る様な気持ちで川を渡ってみました。
英語の一切通じないオートのドライバーにいざなわれて。
そしてあったのはフリマっぽいマーケット。
ただし欲しいものは相変わらず1つも無い。
変なデザインのインド服や変なデザインのインドかばん。
本当に要らない。
暑くて若干あっち側の世界が見え始めて、アイス屋さんで涼をとる。
何をしたらいいんだ。
どこに行けばいいんだ。
もう一度階段井戸、というのも頭をかすめないでもない。
しかし少し距離があるのと暑いのとで足が向かない。
よし、ひきこもろう。
そうだ、私、お部屋で引きこもっておもろないフランスの本読む。

その辺にあったホテルの門をたたく。
たのもー!
夜までしか居ないのに、1泊分を払わされて、
それでもスタバ3回分ほどなので私もうここで良いです。
外で行くところもわからないまま、
全員の視線を浴びながら灼熱地獄を彷徨うぐらいなら、
私ひきこもります。
そこで6時間ほどただ後悔をしながら、
また旅に出た自分を呪いながら、
おもろないフランスの本しか持ってこなかったことに絶望しながら、
ひたすら自分を責め続け、
少し余裕を持って乗れるかわからない電車の時間に駅へ向かう。

チャートを祈る様な気持ちで探し、
自分の名前を見つけた時の私の気持ちは、
大学受験に受かった時の2億分の1ほどにも大きな感動だった。
あー帰れるー!
ムンバイ帰るー!
往路と同じ、凍える様な1等車の中で、
ただ早く帰りたい気持ちを胸に眠る。
そして無事何もなくムンバイへ朝到着、やっと終えた。
何やかんや言いながら本当は結構楽しかったんです。
やっと見れた階段井戸は美しかったし、
初めて入ったジャイナ教のお寺は感動ものだったし、
何もかも無料で全然騙してこないしみんないい人ばっかだったし、
それなりに楽しかったんです。
だけどもう行きたくない。
できることなら本当に週末は誰とも会わずに誰ともしゃべらずに、
インターネットをしていたい。
なのにまた多分すぐ行ってしまうんだ。
お願い、誰か私を止めて。