どうも、はちごろうです。



映画「アントマン&ワスプ」の感想。続きです。





主人公の能力を最大限生かしたアクション



ここでちょっと話は変わるのですが、
俳優の伊東四朗さんがまだ「てんぷくトリオ」という
お笑いグループのメンバーだった頃の話。
当時大人気だったコント番組「てなもんや三度笠」に出演することになった伊東さん。
当日、大阪のテレビ局のスタジオでその日の放送のセットを見せられ、
番組プロデューサーから開口一番言われたことが

「伊東さん、このセットのどこでボケましょうか?」

ってことだったそうで。
つまり、このセットのどこを使って笑いを取ろうか?って相談で。
その段階でかっちりした台本がないことに驚いたって話なんですけどね。

閑話休題。
本作のアクションシーンも主人公の特徴、
つまり「自分の身長や物の大きさを自在に変化させることが出来る」という、
その主人公の設定で何が出来て、どう面白いシーンに反映できるか?ということを
かなり考え抜いて作ってるんですね。そこが今回もすごくよく出来てて。
例えば予告編にも出てくるホープ対マフィアの手下のバトル。
キッチンという狭い空間だけど包丁などの武器もあって、
それに対して小さくなったホープがどう対処するか?とか、
また物質のサイズを変化させる能力を使って調味料の瓶を大きくして
逃げるマフィアの足止めに使ってみたりとか。
その縮小拡大の能力を最大限生かしたカーチェイスのシーンなんか
ホントに上手いなぁと感心してしまいます。
その一方、例えばスコットは羽アリの背中に乗って移動するわけですが、
飛んでるアリが他の動物に補食される危険性ってあるわけで、
そこを上手く利用してコメディシーンにしていたりとか、
今回も知能指数が高いアクションシーンが堪能できます。



90年代を代表するセクシーな名優、初共演



それと、本作も最新鋭のCG技術がふんだんに盛り込まれてるんですが、
中でも個人的に驚いたのが冒頭の回想シーン。
それはホープがまだ小さかった頃、両親が彼女を置いて出かけるシーンなんだけど、
結局ホープが母親と出会った最後の日になるんですね。
もちろん両親の顔は最新の技術で当時の若い頃の顔になってるんですよ。
近年、登場人物の若い頃のエピソードを語る際、
現在の顔をCGで若返らせるという手法を使うことが結構増えました。
一番わかりやすいところだと「トロン:レガシー」のジェフ・ブリッジスとか、
「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」でのロバート・ダウニーJrもやってる。
で、今回はホープの両親を演じた二人の名優の顔を若返らせてる。

ひとりは父親ハンクを演じたマイケル・ダグラス。
戦後すぐの頃から活躍した名優カーク・ダグラスの息子で、
本人も80年代に「ウォール街」の悪徳投資家を演じてオスカーを受賞してます。
でもこの人、例えば87年の大ヒットサスペンス「危険な情事」で
グレン・クローズ演じる不倫相手に殺されそうになったり、
92年の「氷の微笑」でシャロン・ストーン演じる悪女に振り回されたり、
94年の「ディスクロージャー」ではデミ・ムーア扮する、
自分の上司になった元交際相手からセクハラ被害で訴えられる男を演じたりと、
ひどい目に遭うエロ親父の役が多いイメージがあって。
日本でいうと一時期の津川雅彦みたいなw
(ま、マイケル本人も一時期セックス依存症で治療受けたりもしてますけど)

一方、ホープの母親ジャネットを演じてるのがミシェル・ファイファー。
ミシェル・ファイファーといえばティム・バートン監督版「バットマン」の2作目、
「バットマン リターンズ」でキャットウーマンを演じたり、
「恋のゆくえ ファビュラス・ベーカー・ボーイズ」ではラウンジ歌手を演じ、
この作品でこの年のゴールデングローブ賞を受賞してます。
グランドピアノの上で歌うシーンが当時話題になった
80年代後半から90年代を代表する女優さんのひとりで。
当時一度くらいは共演してたと思ったんですが実は初共演。

で、そんな二人がクライマックスで再会するんですけど、
お互いそれなりに年を取って、その時代が刻まれた顔で登場するんですが、
それでも二人とも美男美女で思わずうっとりしちゃいますね。
それにしても、マイケル・ダグラスとミシェル・ファイファーの両親の間から
エヴァンジェリン・リリーが生まれるって、どんだけ美形家族なんだよ!とw



(さらに続く)






※とりあえず名優二人の過去作を