北陸新幹線に乗って行ってきたのは、
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240425/10/osapon-ok/d8/24/j/o1080081015430225053.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240425/10/osapon-ok/87/e5/j/o1080081015430225056.jpg?caw=800)
加賀百万石 前田家(現在では前田育徳会)が所有する天下五剣の1つ。"大典太(おおてんた/おおでんた)"が里帰り展示されるとのことで、訪問した次第です。
あ、先に、現在 石川県立美術館で現在見ることのできる国宝を、紹介していきましょう。
・国宝 色絵雉香炉(野々村仁清作)
・国宝 太刀 銘 光世作(名物大典太)
・国宝 刀 無銘義弘(名物富田江)
・国宝 剣 銘吉光(白山吉光)
以上、4件です。
このうち、国宝 色絵雉香炉は常設展示されているので、今回は割愛します。
件の"大典太"は、"前田尊経閣文庫"展示室で、展示されています。
レポートの前に、ちょっとだけ解説しておきます。
加賀百万石と云われる"前田家"は、皆さんご存知ですね。
その"前田家"が所有していた宝物を、所有しているのが"前田育徳会"。
それを維持管理・広く公開するなどの、文化活動を行っているのが、"前田尊経閣文庫"です。
いずれも、法人としては東京所在なのですが、加賀百万石 石川の地「石川県立美術館」内に、専用の展示室を設置し、ほぼ常設で前田家の至宝を公開しているんですね~
の、2件です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240425/10/osapon-ok/a4/15/j/o0810108015430225058.jpg?caw=800)
例によって今回も、オンラインゲーム「刀剣乱舞」とのコラボ。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240426/12/osapon-ok/9b/6c/j/o1080081015430646171.jpg?caw=800)
↑左が、"大典太"です。
線の細い、美男子の多い"刀剣男士"の中にあって、
なんだか黒くて怪しい刀剣です……
(照明の加減で私には黒く見えました)
"太刀"なので、本来は"刃"を下にして展示するのですが、地震を考慮し作品保護のため、"刃"は上にしての展示でした。
身幅が広く、力強く逞しい印象。珍しい黒い"鎺(はばき)"をつけていたので、妖しさマシマシ(^_^;)
"棒樋"というのは、太めの"樋(ひ)"のことを云います。
"樋"は、刀の"峰(みね)側※(棟/むね)とも云う、つまり"刃"のついてない方に彫られた"溝(みぞ)"のことです。
別の刀ですけど、刀絵図の方が分かりやすいかな?
黒塗りのところが"棒樋"です。
さらに、
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240427/13/osapon-ok/d7/ff/j/o0277017815431049026.jpg?caw=800)
↑刃元の"鎬(しのぎ)"部分に、細くて短い"樋"があります。わかりにくいですか?
"棒樋"に対して、"添樋(そえひ)"と呼ばれます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240427/23/osapon-ok/0b/22/j/o0238029915431312624.jpg?caw=800)
↑"茎(なかご)"には、目釘孔が2つ。その下に"光世作"の銘が切ってあります。刀工 三池典太光世の作です。
刃文は直刃調…かな?…暗くてよく見えなかったです(^_^;)
なんだか、ダース・ベイダーのような、太刀でした。
ついでに「天下五剣」のうち国宝があと2件あるので、そちらも紹介しときます。
これで、「天下五剣」のうち国宝3件のはすべて見ることができましたパチパチ👏👏
・国宝 刀 無銘義弘(名物富田江)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240428/09/osapon-ok/70/f2/j/o0693017615431416199.jpg?caw=800)
前田育徳会所有の国宝。鎌倉〜南北朝時代(14世紀)の作。
こっちのシュッとした方の刀剣男士ですね。
"刀"なので、刃を上に向けての展示です。
刀工 相州正宗の弟子、郷(ごう)義弘の作と極められており「富田江(とみたごう)」の名を持ちます。
この郷義弘は名工として名高いのですが、作品数が少ないため、
「江とお化けは、見たことが無い」
と、評されます。
豊臣秀吉の家臣であった、富田一白が所有していたことから"富田江"の名が付いたそうです。
反りの少ない刀で、直線的な印象。
稲葉江と比べると、少し短めの刀身。切っ先まで、太い"樋(ひ)"を一本とおしています。樋が茎(なかご)にまで伸びてきていることから、元はもっと長剣であったものを、すりあげて短くしたのだとわかります。
戦国時代、白兵戦が多くなると、長い刀は取り回しが難しくなったため、短く詰めるようになるのです。
刃文はゆるく"のたれ"直刃調ですが、刃先に行くにしたがって、乱れてきます。
"茎"は少し短いですね。目釘孔は2つ。銘は刻まれていません。なので"無銘"。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231106/07/osapon-ok/c5/0d/j/o1080035515360775594.jpg?caw=800)
↑Wikipedia より
白山比咩神社所有の国宝で、鎌倉時代(13世紀)の作。
徳川家光の養女 大姫が、加賀藩4代の前田光高へ嫁いだときの持参品。
その大姫が亡くなった際、息子の5代前田網紀がその菩提を弔うため、白山比咩神社に奉納したものです。
粟田口(藤四郎)吉光の作刀。
”剣”なので、両刃。両刃の小刀です。
両面の"鎬(しのぎ)"の上に、細い樋が入っています。刃文は直刃。
日本刀剣史上、著名な「剣」だそうですよ(^_^)
石川県立美術館に寄託されているようで、わりと頻繁に展示されます。
以上です。
北陸新幹線が延長されたのは、いいんですが、大阪からだと敦賀で乗り換えが必要になって、実質チョット不便になった印象です。
あと、新幹線必須なので電車賃も実質値上げされた感覚……
とはいえ、前田育徳会の国宝は、まだまだ見てないものが多いので、今後何度も訪問しますよ(^_^)/~~