奈良国立博物館で開催中の、特別展「空海 KUKAI - 密教のルーツとマンダラ世界
」へ行ってきました(^_^)/
先に結論言っとくと、この展覧会
イイ!👍
ですよ〜
まず、
①展示されている国宝の数が、多いっ!
前期だけでも、22件展示されています。
②博物館での、展示機会の少ないものが多い。
③空海……真言密教まわりの展示としてまとまっているので、密教のことが理解しやすい。
といった、特徴があります。
という訳で、私としては丁寧にレポートしたいので、今回は、展覧会の順路に従って、"章立て"でレポートしていきたいと思います。
ただ、残念ながら写真📷撮影禁止🚫のため、文字多めのレポートになる旨、ご了承ください。
第一章 密教とは―空海の伝えたマンダラの世界
・国宝 絹本著色十二天像 12幅【前期】(〜5/12まで)
・国宝 絹本著色五大尊像 5幅 より
第一章で展示されている国宝は、上記の3件です。
展覧会の始まり導入部分なので、観客をマンダラの中に没入させるよう、第一会場全体を、年始に東寺で行われる"後七日御修法(ごしちにちのみしほ)"の、道場をイメージした展示にしています。※天皇の健康を祈る密教の修法
その中心にあるのが、
安祥寺所有の国宝。平安時代(9世紀)の作。
日本で最も古い"五智如来"だそうです。
長く京博の1階で展示されていたので、私にとっては「よく見る顔ぶれ☺」だったのですが、今回は、金剛界曼荼羅の中心部分、"成身会"を再現するため、智拳印を結ぶ大日如来を中心に、十字状に展示されていました。
光背は外され、背中まで見えるように展示されていましたよ。
衣の着こなしが、それぞれ違うのがわかって、オモシロイですよ。
↑こちらが、大日如来。ニンニンのポーズを"智拳印"と云います。
ここでは、如来たちの髪型を見てください。
↑この大日如来だけ"髻(もとどり)"を結っていて、他の4体は"螺髪(らほつ)"なんです。
5体とも、一木造で彫られています。
・国宝 絹本著色十二天像 12幅【前期】(〜5/12まで)
西大寺所有の国宝。平安時代(9世紀)の作。
12幅揃って、一挙展示されていました!珍しい……初めて見ました。
この手の国宝は、コンプリートしようとすると、時間がかかるので有り難いですね。
1.5×1.5mほどのおお振りの掛け軸で、普段は、奈良博に6点、京博に3点、東博に3点寄託されているものが、今回の展覧会のために、全国から集結しました(^o^)
八方+天地+日天を合わせた、十二体の天部を描いています。
平安時代初期のものなので、いずれも絵の具の剥落が激しく、その上、赤茶っぽく変色もしていて、見えづらいのが残念です(>_<)
そして、天部はそれぞれ動物に乗った姿で描かれています。
帝釈天(東)→白象🐘
羅刹天(南西)→獅子🦁
水天(西)→蛇🐍
毘沙門天(北)→地天女👧
伊舎那天(北東)→水牛🐃
梵天(天)→ガチョウ
地天(地)→蓮華座
日天→馬🐴
月天→白馬𓃗
たぶんあってると思う……
・国宝 絹本著色五大尊像 5幅 より
教王護国寺(東寺)所有の国宝。平安時代 大治2年(1127年)の作。
こちらも「後七日御修法」にて掲げられる画像です。
鳥羽上皇の意を受け、作られたものです。
東西南北と中央、5体の明王が描かれています。画像も5幅あるのですが、展示は2幅だけ……後期に残りの3幅が出るかというと、それも無くなんとも中途半端な展示です💦
ただ、先の十二天像と比較すると、彩色が鮮やかで、ハッキリとしているので、絵としての迫力があります(^_^)
五大明王の中心に位置する、明王を統べる存在。
憤怒の形相が特徴的なのですが……顔部分が剥落していて、表情はまったく見えません。ザンネン
でも、それ以外はよく残っていて、右手に宝剣、左手に羂索(けんさく)を持っていることが伺えます。
真っ赤でグルングルンの火焔光背が、色鮮やかです。
また、この不動明王は"瑟瑟座(しつしつざ)"※に座しているのですが、ズボンにも注目。※ジェンガみたいに四角い木を組んだ台座
膝のところに、金箔を細く切って、貼り付けるデザイン、"截金(きりかね)"が良く残っています。こういったところも、注目してください。
"だいいとくみょうおう"と読みます。
水牛🐃に乗り、三面六臂で足は4本という異形。
つまり、顔が三つ、手は4本、足が4本もあるんですよ。ぜひ、数えてみてください。
さらに、水牛は悪魔から奪い取って、自分のものにしたのだとか……
マンダラの世界に没頭した後は、経典の世界へ進みます。
次回は、第二章です(^_^)/~~