奈良国立博物館で開催中の、特別展「空海 KUKAI - 密教のルーツとマンダラ世界
」のレポートの続きです。
第一章のレポートはこちら
今回は、第二章ですよ〜
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240430/20/osapon-ok/d6/8f/j/o1080081015432623480.jpg?caw=800)
第二章 密教の源流―陸と海のシルクロード
の、2件です。
第二章では、"密教"がいかにして唐にもたらされたのか……を紐解く展示になっています。
密教は仏教発祥の地・インドにおいて誕生しました。そのインドのお経とはどんなものだったのでしょうか?
それを詳らかにするために、ひとつの国宝を見ていきましょう。
園城寺(三井寺)所有の国宝。中国 唐時代(9世紀)の作。
会場では「国宝 梵夾」とだけしか書いていませんが、正確には、「国宝 智証大師関係文書典籍」からの出展です。
国宝 智証大師関係文書典籍は、昨年ユネスコの"世界の記憶"に選ばれた
ことが記憶に新しいですね(^_^)
後に天台宗延暦寺の座主にもなった、智証大師 円珍が唐から持ち帰った、貴重な文書類です。
これらは、7つのカテゴリーに分けられるのですが、その中に「五、請来経典等 8種」があります。その中の1種に"梵夾(ぼんきょう)"があるので、展示の品はこれですね~
古代インドでは、経典をヤシ類の植物の葉🌿に写し取っていたそうで、それを再現しています。
横長の紙で、スマホをひと回り大きくした位の大きさ。
全部で19枚(葉)あるようですが、展示されているのは、"大日経真言・十二天真言"が書かれた12枚(葉)のうち4枚(葉)でした。※つまり残りの7枚(葉)は"大日経真言・十二天真言"以外の何か。
目録には"展示替えあり"と書かれているので、期間中に残りの9枚(葉)も展示されるようです。
葉っぱ🌿を模した紙に沢山の"真言"が書かれています。サンスクリット語で書かれているので、横書きです。そこに注釈で「不動明尊真言」とか「降三世真言」「」と、漢字が付されています。
こんな感じ。よく見ると、中央左寄りに、小さな穴が開いてるのわかりますか?展示されている4枚(葉)ともに、穴が開いてるんですけど、これ、綴じ穴です。ここに紐を通して何枚か閉じておくためのものなんです。なんとも、中途半端な位置ですね~
こりゃ、珍しいものを見ました(^o^)
では、次に"密教"の根本経典とされるのが「大日経」と「金剛頂経」を見ていきましょう。
まずは「大日経」。
「大日経」は、陸路を通って唐に入ったインドの僧"善無畏(ぜんむい)"により漢訳され、唐にもたらされました。
※真言八祖の一人ですね
西大寺所有の国宝。奈良時代 天平神護2年(766年)の作。
巻第一は、巻末から70cmほどを展示していました。
ベージュの料紙に薄い"界線(かいせん)"が引かれ、楷書でダイナミックな書体で書かれています。
※"界線"は、字を真っ直ぐ書くためのガイドライン本文中に朱・白で訓点がたくさん書き込まれています。
実はこれ、称徳天皇の後宮に仕えた"吉備由利(きびのゆり)"が発願した一切経です。※吉備真備の娘?妹?
巻第三と巻第四は、巻かれた状態で展示されていました。
こちらの画像、手前で開かれているのが、巻第一。その奥に巻物が2巻あるのが見えますか?これが、巻第三と巻第四です。巻物の肩のところに「三」「四」の記載があります(^_^)
以上です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240503/11/osapon-ok/ba/19/j/o1080081015433671577.jpg?caw=800)
次回は、第三章です(^_^)/~~