現在、東博本館で展示されている国宝は、以下のとおり。
・国宝 興福寺金堂鎮壇具
・国宝 線刻蔵王権現像
・国宝 太刀 名物童子切安綱
・国宝 群書治要 巻二十六
・国宝 海賦蒔絵袈裟箱
の5件です。
ほぼ常設の、国宝 興福寺金堂鎮壇具と線刻蔵王権現像のレポートは、過去に何度かレポートしていますので、今回割愛します(^_^;)
と、いうことで、残りの3件をレポートしま〜す。
本館13室 『刀剣』
・国宝 太刀 名物童子切安綱
国宝指定名称は「太刀〈銘安綱(名物童子切安綱)/〉」。
足利将軍家→徳川将軍家〜津山松平家と伝わった、天下五剣の名刀です。
"天下五剣"は"名刀"といわれる、五振りの"名物"のこと。(その内国宝は、三日月宗近・大典太、そしてこの童子切安綱の三振りです。)
"太刀"なので、刃を下にして展示しています。
緑のラインマーカーを引いたところを見てください。刀身の中央にすーっとラインが入ってるでしょ。"鎬(しのぎ)造り"です。断面が♢の様になってるんです。
作者の"安綱(やすつな)"は、伯耆国(ほうきのくに)、今の鳥取県で活躍した刀工だそうです。
ところで、"童子切(どうじぎり)"の名は、源頼光(みなもとのらいこう/よりみつ)が、大江山で酒呑童子を退治したことからつけられています。
お姫様をさらったり、都で悪い事をする鬼👹の親玉 酒呑童子(しゅてんどうじ)。その首を切り取った刀こそが"童子切"なんです!
〜5/26までの展示です。
本館2室 (国宝室)
・国宝 群書治要 巻二十六
東京国立博物館所有の国宝。平安時代(11世紀)の作。
「ぐんしょちよう」と読みます。
"群書治要"とは、何でしょうか?
漢字を、ブロックごとに見ていくと、わかりやすいです(^-^)
"群書"は、本などから言葉を集めたもの。言葉のスクラップブックですね。何の言葉を集めたかというと、
"治要"世の中を治めるためのもの。統治のために有用な情報を書物などから集めてまとめたもの。という意味ですねー
中国ではすでに失われてしまっていて、日本に残るのみだとか。そうゆうの、良くありますよね。曜変天目とか(^_^)
平安時代中頃に書写され、九条家に伝わりました。
"界線"は、文字を真っ直ぐ書くためのガイドライン、縦の罫線のことです。
。4/7までの展示です。
本館12室 『漆工』
・国宝 海賦蒔絵袈裟箱(かいふまきえけさばこ)
東寺(教王護国寺)所有の国宝。平安時代(10世紀)の作。
残念ながら、こちらは写真撮影禁止🚫です(^_^;)
空海が、唐での師匠である恵果和上から授かって、唐から持ち帰った、国宝 犍陀穀糸袈裟(けんだこくしけさ)を入れるための箱。だから「袈裟箱(けさばこ)」。
黒漆塗りの箱に、金銀の研ぎ出し蒔絵で、波・海獣(マカラ)・鳥・魚・亀が描かれています。
波は銀の蒔絵で表されているので、海獣(マカラ)・鳥・魚・亀を見つけてみましょう(^o^)
鳥と魚はすぐに見つかります。海獣(マカラ)は「なんだこりゃ」という生き物をみつけたら、それが"海獣(マカラ)"。
亀が一番みつけにくいかな?(^_^;)
側面の金具の左下を見てください。そこに、首だけ出しているのが"亀"です。
写真が無いのがもどかしいでしょ(^_^)
まぁ、あの空海が唐から持ち帰った品ですからねぇ~
お寺の所有だし、"信仰"の対象なのでやむを得ませんね。
状態がとても良く、新品並みです。マットな黒漆地に、細かい金銀の蒔絵が、丁寧に施されているのを見ると、この中に納められていた"袈裟"が、どれほど大事にされていたのか、良くわかります(^_^)
6/2までの展示です。
東博のレポートは、以上で〜す(^o^)
次回は、三の丸尚蔵館のレポートをします。お楽しみに〜(^_^)/~~