藤田美術館で国宝 深窓秘抄を見る | 死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

2023年12月現在の国宝の総数1,137件。そのうち、美術工芸品906件。これをすべて肉眼で見ようという計画です。関西中心の情報をお届けします。

最近は寒いですね~❄

寒さにかまけて、活動が鈍ってます(^_^;)

さて、今回は藤田美術館 


へ行ってきました(^_^)/
2/1〜4/3まで、Exhibition「筆」と題し、展示が追加されました。
国宝は、1件のみですが展示されていますので、レポートします。




・国宝 深窓秘抄(しんそうひしょう)

平安時代(11世紀)の作。

光る君へでイケメンぶりを発揮してる、あの藤原公任 


(ふじわらのきんとう)が編纂した和歌集です。
和漢朗詠集の撰者としても有名ですね。

さて、「深窓秘抄」という不思議な名前ですが、同じく公任が撰した「後拾遺和歌集」の序に、
「わが心にかなえる歌一巻を集め」た「深き窓にかくす集」
として、"深窓秘抄"を紹介しています。
"深窓秘抄"は全101首が選ばれており、春・夏・秋・冬・恋・雑の6つのカテゴリーに分けられています。展示は2mほどで、「春」のカテゴリーのすべての歌を展示しています。(どうせなら全巻展示して欲しいところです)

それでは、見ていきましょう(^_^)/
↑タイトルの「深窓秘抄」に続き、「春」の歌が並びます。
↑第一首目は、山部赤人です。
「きのふこそ
年は暮れしか 春がすみ
かすがの山に はや立ちにけり」
(昨日"年が暮れた"と思ったら、(元日の今日)春日山には早くも春霞が立っているよ)
まず、作者名が入り、次にその人が詠んだ歌が入ります。このフォーマットで最後まで続きます。
↑所々にパン🍞に生える青カビみたいのがありますよね。
↑これ、カビじゃなくて、"飛雲(とびくも)"という、料紙装飾です。紙を漉く際に、紺と紫の繊維を混ぜ込み、瑞雲がたなびくような装飾を施しているんです。
そして、歌は連綿(れんめん/ひらがなの続け字)で書かれています。
これが、美しくもあり、読みづらい原因でもあります。
ここいらで、有名どころを一首見ときますか?(^_^)
↑「世の中に 絶えてさくらの 
咲かざらば
春のこゝろは のどけからまし」
(もし、世の中にまったく桜がなかったら、春を過ごす人の心は、どれだけ"のどか"なことでしょうね)
プレイボーイの代名詞"在原業平(ありわらのなりひら)の歌です。伊勢物語から選出されています。連綿がキレイですね
ところで、詠み手の名前ですが、出てくるたびに書き方をあえて変えています。
「春」のカテゴリー最多の4首が選出されている、"紀貫之(きのつらゆき)"を例に見てみましょう。
↑"津らゆき"
↑"津ら遊?き"
↑"津らゆ起"
どうして、こんな面倒くさい事してるんだろ?変化が欲しかったのかな?
↑最後は、「夏」のカテゴリーの始まるところで見切れてます。


そうだ、光る君へつながりで、もう一人……
本郷奏多くんが怪演している花山天皇 


の歌もありました(^o^)
↑「木(こ)のもとを
すみかとすれば おのづから
花見る人に なりにけるかな」
((桜の)木の元で暮らしていると、自ずから花を愛でられる人になってゆくよ)
「華山」となっているので、譲位し出家した後に、詠んだ歌ですね。出家のエピソードは、ドラマで出るでしょー(^_^;)
今年は、光る君へ効果で藤田美術館所有の、国宝 紫式部日記絵詞出展して欲しいですね~(^o^)
藤原道長の顔が描かれている国宝は、国宝 紫式部日記絵詞だけですからね〜