国宝 赤韋威鎧@岡山県立博物館 | 死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

2023年12月現在の国宝の総数1,137件。そのうち、美術工芸品906件。これをすべて肉眼で見ようという計画です。関西中心の情報をお届けします。

🐶イヌ🐵サル🦜キジで🍑桃太郎
と、云うことで岡山に行ってきました(^_^)/
目的地は、岡山県立博物館。

現在、こちらでは、


と、銘打って、当館所有の、国宝 赤韋威鎧が5/6(月)まで公開されています。
しかも、今回、写真撮影📷🆗可能です。
一部、撮影不可🆖の箇所もありますが、国宝 赤韋威鎧は撮影可能です〜
では、レポートします。





・国宝 赤韋威鎧(あかがわおどしよろい) 兜・大袖付


岡山県立博物館所有の国宝。平安時代の作。

スゴいですね。これ、平安時代からそのまま残ってるんですよ!

"大鎧(おおよろい)"と呼ばれるタイプの古い甲冑で、武者が馬に乗って、弓を射て戦う時代のものです。
源平合戦の頃のものですね~
しかも、残存する国宝の甲冑のほとんどが、神社への奉納品が多い中、この甲冑は実戦で使われたものが、残存している点で貴重なんですって!
(車でいうと、ブガッティとGT-Rくらいの差)

"兜・大袖付"とあるとおり、"兜"と"大袖(おおそで)"を備えています。
↑"兜"は、わかりますよね(^_^)
↑"大袖(おおそで)"は、肩部分の板状のアーマーです。
↑ザクは、右肩にしかシールドはありませんが、"大鎧(おおよろい)"は、左右に備えています。
↑ちなみに腰部分のアーマーは、"草摺(くさずり)"と呼ばれ、前後左右に四分割され、馬に乗りやすいようにできています。

次に、名称の"赤韋威鎧"を解説していきます。
まず、鎧を作るには、"小札(こざね)"と呼ばれる穴の開いた金属片に、紐を通して並べていきます。
↑金属片に紐を通してるの、わかりますね。
この紐、編み上げた扁平の紐であることが多いです。その紐の"色"をもって、「""糸縅」とか「""絲威」とかって云う名称が付くんですね。
こちらの場合「赤韋威(あかがわおどし)」なので、赤く染めた鹿革🦌を通しています。

"威(おど)し"は、「紐(お)を通す」から「おをとおす」→「おどおし」→「おどし」→「威し」と変化したようです(^_^;)
紐のことを"お"と呼ぶのは、童謡「春よ来い」の「赤い鼻緒(はなお)のじょじょ履いて……」でも良く知られてるでしょ。

それを段々に積み上げて、大まかなパーツとしていきます。

↑この"草摺"の場合、前面は四段、サイドは五段重ねています。
でっかい1枚板の鉄板より、可動域が格段に上がります⤴

この鎧、古いので着用はすこぶる不便です。
真上から見ると「C」の字になっていて、着用者の右脇部分だけが開いています。
んです。
↑左脇部分は、小札がビッシリ取り回っているでしょ。
↑右脇は、ガバっと開いています。
↑これは、敵に矢を射る時、左脇を見せることになるから。その防御のためなんですね~
さらに細かいところを見ていくと、
↑"鳩尾(きゅうび)板"と"栴檀板(せんだんいた)"があります。
これは、弓を引くとき両脇ががら空きになるのを防御するものと、云われています。(実際どの程度役立つのか?わかりません(^_^;)
"鳩尾板"は鉄板の一枚板。"栴檀板"は小札で三段に作られています。右手は細かい操作が必要になるから、可動域を確保してるのでしょう。
↑親切なことに、背面はパネル展示されていました。
なかなか、カッコいい甲冑でしたよ(^o^)
国宝の鎧で写真撮影可能なものは少ないので、ありがたかったです。

国宝 小桜韋威鎧 兜・大袖付のレポート


も貼っときますね。



↑次回は、これに乗って行ってきたよ(^_^)/~~