海外製Android LTEタブレットを選ぶ
【Androidタブレットをスマホ化②】
■シリーズ目次
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①Apple端末のデータをAndroidで共有
②海外製Android LTEタブレットを選ぶ (本記事)
③AppleカレンダーをAndroidで共有する
④AppleメモをAndroidで共有する
⑤LINEアカウントを複数端末で共有する
⑥050Plusを利用する
⑦AndroidでAirDropの代用は?
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前回は「① データ共有の検証」というテーマで、8インチAndroidタブレットをスマホ化する際に気になる、複数端末での基本的なデータ共有や同期の可否を検証しました。
次いで今回は、海外製・格安タブレットを購入する際にチェックしたい内容や、使い始めるにあたって注意すべき点について書きたいと思います。
ただし、私の場合、最近数年間は iijmioのSIM(docomo回線)しか使用していないため、auやSoftbank回線SIMの状況については書けません。あしからずご容赦お願いします。
格安タブレットの一般的な選び方については、以下リンク先をご参照ください。
また、検索したらたくさん出てくるので参考にされたら良いと思います。以下は一例です。
1万円前後で買えるタブレットのおすすめ13選。安さ重視の方へ
ただ、スマホ化する前提であれば、まず機種はLTEモデルを。そして格安SIMで使うのであればSIMフリーと書いた機種を選びましょう。検索するとAmazon等でたくさん見つかります。
こうして格安LTEタブレットの中から候補を絞ったら、最終的に購入機種を決めるため、以下の点をご確認ください。
■確認1:SIMカードのサイズ、SIMカードトレイの形状
・まず、機種により装填できるSIMカードの大きさが異なり、マイクロSIMとナノSIMがあるので、これを確認します。
もし使用予定の手持ちのSIMカードがマイクロSIMで、タブレットに装填できるのがナノSIMであった場合。現在の格安SIMのほとんどがマルチサイズなので簡単にカットしてナノSIMに変更できますが、少し古いSIMカードはそうでない場合があり、最悪はSIMを発行した携帯会社に変更してもらう必要があります。
逆に手持ちのSIMカードがナノSIMで、タブレットに装填できるのがマイクロSIMだった場合。SIMサイズを変換するアダプターを用意する必要があります。
・そして、8インチLTEタブレットの場合、装填できるSIMカードが1枚の機種と2枚の機種があります。SIMカードを2枚装填して使用する予定であれば、元々2枚装填できる機種を選ぶ必要があります。
ただし、8インチタブレットのSIMカードトレイは、マイクロSDカードとのコンビネーショントレイが多いので、同時にマイクロSDカードを使用する場合はSIMカードが2枚装填できない機種があります。
ところが、OSがAndroidのタブレットは、新しいバージョン(Android 12等)ではシステムやアプリの一部をSDカードに逃して使用する、つまりストレージをマイクロSDで拡張するのが普通なため、マイクロSDカードは基本的に使用する前提と言えるでしょう。
従って、よほど2SIMでの通話を重視しない限り、SIMカードは1枚のみ使用すると割り切って機種選定しても良いと思います。
■確認2:対応SIMカード周波数帯域
これの確認は必ずしないと危険です。もし自分のSIMカードが使用する周波数帯域に対してタブレット本体が対応していなければ、SIMカードが本来通信で使用する予定の周波数帯を全て使うことができません。
つまり、せっかくタブレット本体を購入しSIMカードを入れてもSIM通話ができなかったり、通話可能エリアが狭い、遅い、などの問題が発生する可能性があります。
これは、SIMが使用する回線選択にも直結します。
海外製の格安タブレットは、殆どの機種がdocomoが使用するバンドには対応していますが、auが使用するバンドに対応する機種はほとんどありません。従って、通話を伴う格安SIMを購入する場合は、docomo回線対応のものを購入するのが無難です。
→このような理由から、格安SIMを購入する際は docomo回線のものを選択しましょう!
それでは、タブレット本体を選択する際に「対応SIM通信周波数帯域」をどのように確認するかについてご紹介します。
話が細かくなりますが・・・・
例えば、docomoの携帯回線は、どのような周波数(バンド)を使用するかdocomoがルールを決めて使用しています。また様々な経緯によって、たくさんのバンドを使い分けています。この後の「各社が使用している周波数帯域」をご覧頂くと分かる通り、使用しているバンドには、それぞれ意味があります。
そして、世界各国の携帯事情は様々なので、各国の携帯キャリアが同じバンドを使用している訳ではありません。また、海外製タブレットを製造している主として中国のメーカーは、本体が対応する周波数帯域を、全ての世界各国のバンドに合わせている訳ではなく、タブレットを購入する主力の国々にターゲットを絞ったり、余裕があればカバーする国を広げる対応をして製造しています。これはメーカーが製造するタブレットのコストと関係するので、製造メーカーによってカバーする周波数帯が少しずつ異なっています。
日本でdocomoやauなどが直接販売するタブレットについては、ある程度自社の携帯回線に適合した機種を販売していますが、これは世界では大変数が少なく、従って選択できる機種が少なく、一般的には値段も高いです。
当然、同一機種を世界中で同時に販売できない(日本では日本向けの機種)ので割高になるからです。
一般論として日本はこうした状況ですが、日本で昔からタブレットを販売してきた海外メーカーは、ある程度日本の回線事情に合わせた周波数帯域をカバーしています。このあたりを判断する基準が必要ですね。
というわけで・・
まず、買おうとするタブレットが対応する周波数帯域を、Webカタログ等で確認します。
この時、対応バンドという表現で記載されていることがほとんどなので、以下の表と照らし合わせて対応バンドを確認します。もちろん、タブレットが対応しているバンドが携帯キャリアの通信バンドを全てカバーしていればOKですが、なかなかそうはいかないので下記の表を見て判断することになります。
以下は、各社が使用している周波数帯域です。
< 4G >
< 3G >
*実例:対応バンドの比較
この表をもとに、実際に対応バンドがどのように違うか実例で確認してみましょう。
下は、UAUUというメーカーのT30と、Huaweiというメーカーの M5 Lite 8を比較したものです。
(例1)UAUU T30 (8インチ LTEタブレット)
(例2)Huawei MediaPad M5 Lite 8 (8インチ LTEタブレット)
Huawei MediaPad M5 Lite をUAUU T-30と比較して
・Huawei MediaPad M5 Lite は 4Gで Band 5, 7, 20 を余分にカバーしているが、docomo回線に限れば大差ない。
どちらもBand 1, 3, 19をカバーしているので実用的であると想像できる。
・一方、3GではUAUU T-30はBand 1, 2, 5, 8のみカバー。Band 6がカバーできていないので山間部等では繋がりにくい。 Huawei MediaPadの方はBand 6が使えるので、山間部等でとても有利ではないかと想像される。
・ただし、どちらの機種も 4G Band 21がカバーできていません。Band 21は地方都市では広域をカバーする目的で、都市部ではBand 3と併用してトラフィックの混雑を緩和させる目的で使われているので、これが使えないマイナスが発生する可能性があります。
このように、選択する機種によって、実際に音声通話に大きな差が出るので、ぜひ事前に確認しておきましょう。
■確認3:Wi-Fiの対応周波数
一般的にWi-Fiに使用する周波数には2.4GHzと5GHzがありますが、海外製・格安タブレットの中には2.4GHzにしか対応していないものも多いです。
5GHzでの接続が必要な場合は、事前に確認しておきましょう。
上の例では、実際にUAUU T-30のWi-Fiは2.4GHzだけで、5GHzには対応していませんでした。
・・
このように、タブレットの機種選びには"対応バンド"が大きな要素となるので、事前に確認して頂ければと思います。
今回はちょっと話が難しくなりましたが、スマホ化に向けてぜひ頑張りましょう!
ありがとうございました!