財務省の正体

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第二次安倍政権では、国の予算は内閣府の経済財政諮問会議によって大枠の方針が決められていました。各省庁から要求してくる予算については、財務省主計局が審査をしています。この主計局の審査を通らなければ、予算として計上されません。そのため、同じ官僚でも各省庁は財務省に頭が上がりません。

 

内閣府の経済財政諮問会議を取り仕切っているのは財務官僚です。そういった諮問機関を構成する有識者の選別を財務官僚が行っていますから、財務省の傀儡と化しています。こうして国の予算を握ることによって、財務省は大きな力を持つことになっています。

 

 

また、財務省の傘下には国税庁があります。国税庁は税務調査のためにお金の出入りや資産の詳細を調べることができます。財務省はこの権限を使って、国会議員などの権力者を操ることができます。

 

民主党政権発足前には、鳩山由紀夫氏が「脱官僚」を掲げて官僚政治を打破すると息巻いていましたが、母親からの選挙資金贈与で財務省に弱みを握られていたので、「脱官僚」は見事なまでに消えてなくなりました。

 

鳩山氏の場合は言い訳が全くできないことでしたが、うっかり納税期限を過ぎてしまったり、所得申告で曖昧な部分によって申告漏れとなったりということは、実はよくあることです。納付期限を過ぎても、その後にしっかり納税したり、申告のやり直しをすれば、犯罪ではないので問題はありません。

 

しかし、政治家や企業であれば、そういうことがあったということが表沙汰になること自体が、社会的に非常にマイナスとなってしまいます。「脱税疑惑」などとマスコミで報じられてしまえば、大きな痛手になります。

 

こういった情報を国税庁から財務省が入手し、政治家や企業などに圧力をかけ、財務省の意向に沿わないことを防ぐことが可能となります。つまり、財務省の傘下に国税庁があるということは、財務省にとって非常に大きな意味があります。

 

話は少しそれますが、国税庁が年金機構と統合されて歳入庁ができると社会保険料などの徴収漏れがなくなり、収入が約10兆円増えると言われています。収入がしっかりと捕捉されますので、生活保護のなど不正受給も防止することができ、各種事務処理負担も軽減されます。

 

歳入庁を設立するメリットは多くありますが、デメリットはほとんどありません。しかし、財務省にとっては大問題です。国税庁は財務省の管轄、年金機構は厚生労働省の管轄なので、歳入庁が設立されると、どちらの管轄にもならずに内閣府の傘下になるからです。

 

国税庁が財務省の管轄でなくなってしまえば、税金がらみのことで政治家や企業への圧力を与えることができなくなり、財務省の権力は半減してしまいます。だから、財務省は歳入庁設立に大反対をしています。

 

 

話を元に戻します。財務省など権力を監視する役割を持っているマスコミが、ジャーナリズム精神にのっとり経済政策についても的確に分析ができれば、財務省の暴走を抑えることはできます。

 

しかし、テレビや新聞などのマスコミの多くは、ジャーナリズム精神の欠片もなく、経済政策を分析できる能力も持ち合わせていません(「日経新聞の記者は経済学を知らない?」 )。

 

マスコミ側が経済について無知なのをいいことに、財務官僚はいい加減な説明でマスコミを納得させようとしています。

 

ある新聞社に、消費税増税について財務官僚が説明にきたときに時の話をします。

 

財務官僚が持参した資料には、増税すればそのまま税収が増えるというようなデータが載っていました。そして5%の消費税率を2倍の10%にしたら税収も2倍になります」という説明をしました。

 

消費税率を上げれば、デフレに向かわせ景気も減速させます。そうなれば企業の利益が減少し、所得や雇用も縮小していきますので、法人税や所得税が減少して法人税や所得税が減ってしまいます。その状態が続くと、消費自体も減っていきますので、消費税収も減少してしまうことになります。

 

それを指摘すると、財務官僚は「経済学者やエコノミストなどの高名な先生方は、そんなことは言っていない。」と、論理的に反論するのではなく、権威や肩書を持ちだして言い逃れをするようになります。

 

そして、こういうときに名前を出す経済学者やエコノミストは、財務省の息がかかった御用学者や御用エコノミストです(「これは売国奴リスト?」 「インチキなエコノミスト」 )。

 

しかし、1990年代終わりからの日本の財政収支の悪化はデフレが原因だが、どう思うのか?」と財務官僚に質問すると、「そのとおりです。」と渋々認めたようです。

 

 

また、平成244月の参議院予算委員会で、自民党の西田昌司議員と財務省主税局局長の古谷一之氏との質疑で以下のようなものがありました。

 

西田氏「デフレ下で増税したら税収は増えますか?」

古谷氏「減ります」

 

現在のようにデフレから脱却できていない状態で増税をすれば、税収が減ることを財務省は認めています。つまり、財務省が主張していることは間違っているということを、財務官僚は知っているのです。

 

消費税増税については財務省の主張が間違っているのに、財務省が増税しようとするのは、それによって財務省の天下りポストを増やすことに繋がるからです(「なぜ財務省は消費税増税をしたいのか?」 )。

 

日本の国益を損なうことを知っていながら、省益のために嘘をついて消費税増税を主張する行為は、まさに「売国行為」ではないでしょうか。

 

 

財務省について批判的なことばかり書いていますが、財務省の中にも懸命に働いている人はいます。2030代の若手など多くの官僚は、長時間労働など劣悪な労働状況にも係わらず真面目に働いています。

 

しかし、入省時や若い時期には日本の国益のために身を粉にして働こうと思っていても、年齢が上がり役職に就くようになると、国益よりも省益を優先してしまう官僚が大勢を占めてしまうことです。

 

問題は、国益よりも省益を優先する行動を取っている人間が評価されてしまうことです。人事権が財務省内にある限りは、この問題は解消されないでしょう。


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