設計者だけが怒っていること 引戸錠の埋込式サムターン
引き戸は引き戸でも3枚引き戸の場合、カギのつけ方が難しくなります。
通常の鎌錠タイプの引き戸錠ですと、サムターン及びシリンダーが出っ張るので扉を全開にしたい場合は、
扉に出っ張りが当たってしまいます。
そこで埋込式サムターンタイプを選んだのですが、付けた後に気づいたのが、サムターンのつまみが変な角度でカギがかかるのです。(下右画像)
原因は構造上の理由で、カギ部分とサムターンの位置は離れています。そこで中間に1つ歯車を設けてあるのですが、原理的にカギ部分を90度回転しても、中間の歯車は構造上61度しか回転しません。
そこでサムターンも61度までしか回転しないのです。(下図(A)~(B)~(C))
腑に落ちなかったものの、施工者は当然としてもオーナーは全く気にしなかった為この話は騒ぎにもなりませんでした・・・・
寛大なオーナーだったようで。
全て同じ側に設置された避難ハッチ
縦方向に避難する時の設備や機器類を避難器具といいます。
火災時はまず二方向避難が原則で、居室等から玄関や隣戸への平面的な避難ができるようにしなければなりません。
しかし、その二方向避難が困難な場合、補完的に使う目的で避難器具を設置します。
これにより、上下方向(下階)への避難が可能となるわけですね。
避難器具にははしご、緩降機、救助袋、滑り台、タラップ、避難ロープ、滑り棒などがあります。
写真は避難ハッチがバルコニーについています。
が、よくみるとハッチが各階同じ位置にあります。(バルコニーを見て右側に全て設置)
これでは、避難時に下階へ下りた時ハッチが空いていると更に下階へ落下する恐れがあり危険です。
位置はずらすことが常識です。
参考)
総務省消防庁 避難器具の設置及び維持に関する技術上の基準の細目
第三 避難器具の設置方法等
(二)ニ 各階の避難器具用ハッチの降下口は、直下階の降下口と同一垂直線上にない位置であること。
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役に立たない誘導用ブロック
正しくは視覚障害者誘導用ブロックといいます。
文字通り、視覚障害者を安全に誘導するためのブロックなのですが、「デザイン」優先のものが多いのです。
しかも公共施設で見かけるのだから設計する側も頼む側も理解していないのでは思ってしまいます。
視覚障害者という場合、盲目の人だけでなく弱視の人も含まれます。
ですから単に凹凸があればいい訳ではなく、色も実は重要なのです。
下は床がグレーなのでコントラストのきいた黄色のブロックとなっています。
下は床と同色なのでコントラストがなく、色が埋没しています。
「デザイン」的にはこの方が、色が目立たなく「調和」しているのですが、本来の意味からすると誘導用ブロックは目立たなくては意味がありません。
また誘導用ブロックそのものの規格が多数存在しているので、最悪の場合同じ建物で異なる誘導用ブロックが敷設されている場合があります。これでは混乱してしまい、事故につながるかもしれません。
一般的にも無理解・無頓着な人が多く、そもそも公共施設ですら上のような誘導用ブロックを設置しても誰もおかしいと指摘がないのですから、もっと社会的な問題として考えなければならないと思います。


