二日目編です
～４戦目～東京大学さん～
２日目最初の相手は東京大学さん。言わずと知れた日本の最高学府、そして大学将棋界屈指の強豪校です。しかしここ数年では富士通杯の代表を逃すなど、激戦区の関東地区において苦しい戦いを強いられていることも少なくないようです。とはいえ選手のレベルは一人一人が強くここも僕と主将、あわよくばだれかもう一人勝って２－５か３－４負けで勝ち星を稼ぎたいと思っていました。オーダーの方は前日に決めていたのですが、当たりの方はこうなりました。
石井ー榎原 (かなり不利）
藤吉ー石井（やや不利）
藤井ー萩原（やや有利）
佐々木ー北出 （不利）
羽仁ー田中 （やや有利）
水口ー野依 （不利）
外間ー嶋村 （かなり不利）
（ ）の部分は戦力的に有利か不利かを僕主観で示したものです。かなり厳しい当たりとなりました。自分の相手は田中さん。対局中に何度かひふみんアイをされてかなりびっくりした記憶があります（笑）戦型はこちらの先手中飛車で相穴熊に。
現在は手前の中飛車側の手番。ここで２６歩と突いてビッグ４に組もうとしたのですがこれがどうも疑問手のようでした。代わりに待つなら９８香車、積極的なのは２６銀として端攻めをどこかで狙うとかでしょうか。本譜は２６歩に９３角と引かれなるほどと思いました。９３角の意味は、６６歩と居飛車が突いたときに振り飛車側は４８角と応じたいのですがそこで堂々と６７歩成りとするために角に紐をつけたということです。８４に角がいるままだと６６歩、４８角、６７歩成りに８４角と角をタダ取られされちゃいます。９３角に９５歩の端攻めは３９角成の筋もありうまくいかないと思い、７７桂馬と辛抱しました。そこで相手の８６歩の突き捨てが疑問手。以下同歩、７３桂馬に９５歩と指しました。さっきと違い一歩あるので同歩に９４歩と打てるようになり形勢はまた互角に。本譜は９５歩に６６歩、９４歩、６７歩成り！９３歩成り、７７とと進行。激しい攻め合いになりました。
更に進んで上図。ここでは手番も握っておりさせる感触を持っていました。しかしここで５４歩と４５歩の突き捨てを入れたのがやりすぎでまたも形勢を互角に戻してしまいました。５５角と合わせる手が攻防手になり４６歩と伸ばす手が６６と金と連動して早い攻めになりやすいためです。ここではじっと６１飛車と打つほうがよかったです。
金銀の剥がし合いが進んで上図、現在８２竜と指されたところ。ここでは再びこちらに形勢が傾いてます。ここで３２桂成は味消し。３１銀打ちと攻めたのが自分らしい一手。相穴熊戦は先に王手がかかるように攻めたほうが勝ちやすいです。しかし今見ると３１銀打ちに４１歩と安い駒で受ける手があるので、浮かむ瀬推奨の３１金打ちのほうがよかったですね。それなら４１歩の受けも利きませんしね（３１金、４１歩には３２桂馬成りと攻めれる。）。本譜は３１銀に対して４１香車だったので４２歩と打つ手が厳しく一気に勝勢に。４１の駒が香車なので駒を取りながらの攻めが可能になりました。本譜はZを生かして攻めまくり勝ちに。熱戦を制することができました。チームはどうなったのか・・・？
×石井ー榎原◯
×藤吉ー石井◯
○藤井ー萩原×
×佐々木ー北出◯
◯羽仁ー田中×
×水口ー野依◯
×外間ー嶋村◯
２－５負け・・・
当初の狙い通りではありますが悲しいものがありますね。初登板の石井先輩は格上相手に善戦されていたようなので惜しかったです。同じく初登板の外間先輩もいきなり強敵と当たり負けとなりました。
～５戦目～福岡大学さん～
５戦目の相手は福岡大学さん。九州地区を代表するチームで戦力層はかなり厚いと感じました。なんとかチームが勝てるように考え、その結果として主将と佐々木先輩、僕、水口君勝ちの４－３狙いを期待してのオーダーを組みました。当たりの方はこんな感じに。
石井ー大里（かなり不利）
藤吉ー後藤（かなり不利）
藤井ー楢崎（有利）
本池ー金子（かなり不利）
佐々木ー中崎（やや有利）
羽仁ー佐伯（やや有利）
水口ー岡部（不利）
（ ）の部分は戦力的に有利か不利かを僕主観で示したものです。苦しい当たりではありますが水口君次第という勝負形にはなったと思いました。僕の相手は佐伯さん。本人から実は高校生の時当たっていたという話を聞いて驚きました。また、今回の打ち上げの際の時の印象も強く残っておりインパクトの大きい方です。戦型はこちらの先手中飛車に対して飯島流引き角戦法。去年の福岡大学戦では自分が相手の方に飯島流を指したなーなどと思いながら序盤の戦略を練っていました。
現在６８銀と上がったところ。居飛車側が８５歩ついてないのは工夫だなと思いました。（６６角～５５飛車～８５飛車といった筋を防いでいる。）本譜は５４歩、４６角、６３金、８６歩！と進行。とはいえ手順に角を好位置に設置して８６歩と突け、こちらに不満のない序盤にできたと思いました。
少し進んで上図。８筋逆襲か６筋逆襲のどちらか迷ったのですが本譜は６筋を選択。３３桂馬に対して、６５歩、同歩、６４歩、同金、６５銀、同金、同桂馬、８６角、６３歩、４５歩、５７角と進行。
ここで６８角成がありがたい一手でした。代わりに５１銀と引いて、７５角に６８角成、同金なら６８の金がハナレ駒なのでまだ難しいところもありそうでした。本譜は６８角成に同角と味よく取れて６３銀に５３桂馬成りとできてはっきり優勢に。以下は丁寧に押し切っての勝ちとなりました。チームの方は石井先輩が瞬殺されてたり、横で水口君が序盤でやらかしてたり、藤井君が中盤かなり不利だったりと不安でしたが結果は果たして・・・
×石井ー大里◯
×藤吉ー後藤◯
◯藤井ー楢崎×
×本池ー金子◯
◯佐々木ー中崎×
◯羽仁ー佐伯×
◯水口ー岡部×
４－３勝ち！
なんとか藤井君も水口君も劣勢を跳ね返しての勝利に！本池君はここまで強敵とばかり指してますがなかなかいい将棋を指しているようですごいなと思っていました。また佐々木先輩の安定した勝利もチームとして心強かったです。
～６戦目～日本大学さん～
６戦目は日本大学さん。富士通杯に続いての全国の舞台への参加ということで前回と異なり、主力の選手のデータがあるためオーダーを組み立てやすいと思いました。とはいえチーム全体として強いためこちらのチーム勝利は難しいと読んでいました。今回の大会では関西＆関東＆中部のチームにはチーム勝利より勝ち星をいかに稼げるかを考えていました。悔しいですが今の岡大のチーム力ではこちらのほうが現実的だと思っています。さて今回はこんな風になりました。
藤吉ー地田（やや不利）
藤井ー中谷（互角）
安井政ー國井（かなり不利）
佐々木ー金井（やや不利）
羽仁ー大井手（やや有利）
水口ー奥村（不利）
安井将ー生駒（かなり不利）
（ ）の部分は戦力的に有利か不利かを僕主観で示したものです。なかなか厳しい勝負となりました。僕の相手は大井手さん。振り飛車党ということはわかっていたので対抗形か相振りにするかを考えながら対局に臨みました。結局、戦型は相手の石田流にこちらの右４間飛車からの速攻に。
（便宜上手前が先手となっています。）
今こちらが４５飛車と指した局面。ここでは４２銀と上がる手が多いのですが本譜は３３桂馬、４８飛車に４２飛車！と飛車をぶつけられ同飛車成りに同金でした。
実はこの局面では既にこちらが優勢となっています。４２飛車ぶつけでは４２銀と辛抱すれば互角、４２飛車成りに同銀なら少しこちらがいい程度でまだ難しいと思っていました。上図以下２１飛車、２２角に５６角が狙いの一手！当然２３に成られないために３２金と指しますが、そこで６５角の揺さぶりが狙いの一手第二弾！。３２金に単に８３角成では８５飛車と打たれて８７飛車成りを狙われますが、６５角と途中下車して４２玉や４１玉と指してくれれば８３角成がハナレ駒の６１金に当たる、というのが狙いの意味です。また、６５角に４５飛車なら３２角成でこちらが優勢です。本譜は６５角に４３歩と受けられ、４４歩の合わせにそこで４５飛車、４３歩成、同金に３８角と受けました。依然として８３の地点に角を成る筋や４５の飛車をいじめる手などが残りこちらがさせる局面です。ただ実は６５角では４４歩、４２歩を先に利かせるのが正着だったようです。流石に浮かむ瀬は強いですね・・・
少し進んで上図。今９９角成となった局面。ここで７７桂馬が決め手となりました。取られそうな桂馬を逃がして、攻めては４４桂馬を狙う味の良い一手。７７桂馬以下、３３銀、７８銀、５４香車、６６角、２４歩に４４桂馬と打ち、３１玉に、５２桂馬成り！同金に７１飛車として勝勢に。以下数手での勝ちになりました。チームの方は佐々木先輩が勝ちそう、水口君も互角、藤井君も細い攻めをつなげそう。これはいけるでは！？と思っていましたが果たして・・・
×藤吉ー地田◯
◯藤井ー中谷×
×安井政ー國井◯
×佐々木ー金井◯
◯羽仁ー大井手×
×水口ー奥村◯
×安井将ー生駒◯
２－５負け。藤吉先輩、佐々木先輩は逆転負け。水口君は無理攻めを受け止められての負けとなりました。安井政先輩は優勢な局面もあったようですが勝ち切れず・・・初登板の安井将君は相手が強いということもあり負けとなりました。安井君には一番厳しい相手と当てて申し訳なさを感じました。また、悔しさのあまりつい口の悪いことを先輩方に言ってしまい反省しました。思えば前の富士通杯のときも日大戦の時の水口君の将棋に色々言ってしまってたので全く成長してませんね。なんだか日大戦によからぬ縁を感じますね・・・（笑）
～二日目も１－２で終えチームとしては２－４とまずまずの調子。自分自身は主将ともども５－１と好成績ですが三日目も勝つことはできるのでしょうか？またまた次回に続きます。
羽仁＠近鉄四日市駅の近くのパスタとピザの店、おいしくて好きですね～