三日目編です。

 

~7戦目~北海道大学さん~

3日目最初の相手は北海道大学さん。北海道地区のザ・代表校といった印象があります。少しでも高い順位を狙うために何としても勝ちたい、また勝ち数を増やすために向こうのエースの大澤さんをかわしての5-2か6-1を狙えないかと思っていましたが・・・

石井ー大和(互角)
藤吉ー渡辺(有利)
藤井ー大澤(互角)
本池ー柴田(互角)
佐々木ー長田(互角)
羽仁ー飯田(有利)
水口ー田邊(互角)

( )の部分は戦力的に有利か不利かを僕主観で示したものです。正直な話相手の方々がどれくらいの強さなのかはっきり捉えることができず、これで合ってるのかイマイチ自信は持ててません。藤井主将と大澤さんが当たったことが誤算で、結果論ですが三番手に主将を持ってくるべきでした。ただその場合も大澤さんと当たる可能性があったり、別の問題もあったので何とも言えませんが・・・。僕の相手は飯田さん。駒を升目に丁寧にそろえたり、指し方が落ち着いていたことが記憶に残っています。戦型は相手の3手目66歩にこちらの32飛車で向かい飛車対三間飛車の相振り飛車となりました。

(便宜上手前が先手となっています。)

現在こちらが97桂馬と指したところ。ここで71玉ならありがたく、85桂馬から93桂馬成らず(成りよりならずのほうが勝る。絶対に手抜けないため。)が決まりやすくなります。ここで相手の方は71金!?と指されました。度肝を抜かれた気分ですがなるほどと思いました。85桂馬なら82金と受けるという意味で、どこかで61金とよって形も整えられるので柔軟性のある手だと思いました。ただこう受けるのならば初めから金無双を選ぶべきだったのかもしれませんね。本譜は71金に56歩と指しました。こう指した理由としては、相手が囲いに美濃を選択(72銀、73歩)→美濃の弱点の端を狙う(97桂馬)→相手が端を間接的に受ける(71金)→相手の囲いが壁金の悪形になったので今度は中央攻めを狙う(56歩)という流れのある将棋を指せば優位になれると思ったからです。実際に本譜はこちらも満足の序盤戦となりました。

序盤戦も終わりを迎えて、相手の方が72金と指したところ。ここでは好形に組めて自信もありました。72金以下45歩と突き同歩、同桂馬、44角に54歩と突いた手が決め手。54同金なら44角、同金、53飛車成り。54同銀なら44角、同金、53桂馬成り、同玉に31角。54同歩なら44角、同金、53角。いずれもこちらの勝勢です。本譜は54歩に対して88角成としましたが構わず53歩成りとして、73玉に、63と金、同玉に51飛車成りとしてやはり優勢に。以下は堅陣を生かして攻めまくる得意パターンで勝ちに。チームの方は佐々木先輩が強敵を倒して2-0の状況でした。藤吉先輩も優勢で、あともう一人が勝てばと思っていましたが・・・

×石井ー大和◯
◯藤吉ー渡辺×
×藤井ー大澤◯
×本池ー柴田◯
◯佐々木ー長田×
◯羽仁ー飯田×
×水口ー田邊◯
3-4負け・・・

石井先輩、藤井君、本池君、水口君全員、苦しい将棋を粘っていましたが負けに。正直ここは藤井君以外の誰かに絶対に勝ってもらいたかったです。特に水口君には対局前に相手の方の得意戦型をこっそり教えたのに・・・とちょっとツッコミたくなりました。(苦笑)

 

~8戦目~立命館大学さん~

8戦目は立命館大学さん。間違いなく全国最強の大学です。特に今年のチームは歴代の大学将棋のチームの中でもトップクラスの強さなんじゃないかと自分は思います。実際に、岡大は去年の富士通杯から0-5、0-7、0-5とすべてスイープ負けしています。更に事前に聞いた話だと岡大に立命館さんが7-0勝ちした瞬間に自力優勝を確定させてしまう(仮に7-0でなくても京大さんが福大さんに7-0勝ちしなければ他力優勝もある)、またチーム内に全勝者が二人(長森君、山本さん)もいるという状況を知り、なんとしてもその二つを阻止したいと思いました。勝手かもしれませんが選手としての意地を見せたいと思っていました。そのために主将を銭本君、長森君に当てない、僕を山本さんにぶつけるために、ここまでフル出場の水口君を切ることに。かなりの賭けでした。運命のオーダー表交換、そしてこうなりました。

石井ー川又(かなり不利)
藤吉ー宇城(やや不利)
宮本ー銭本(かなり不利)
藤井ー長森(やや不利)
佐々木ー星田(不利)
鎌苅ー新貝(かなり不利)
羽仁ー山本(やや不利)

( )の部分は戦力的に有利か不利かを僕主観で示したものです。見事僕と山本さんをぶつけることに成功しましたが、藤井君が長森君と当たることに。不満は残りましたが、藤吉先輩、佐々木先輩が勝つことも祈りながら対局に臨みました。戦型はこちらの後手角交換向かい飛車に向こうの居飛車という戦型に。

(便宜上手前が先手となっています。)

今73桂馬と跳ねられたところ。なんとこの時点で浮かむ瀬はこちらの+400~500と示していました。ここで55歩と突き、同銀、同銀、同角に51飛車とすれば捌けているそう。対局中もその手順を考えましたが51飛車に33角成から42銀打ちが気になりやめました。しかし今見ると42銀打ちに55角打ちが味よさそうですね。第一感を信じるべきでした。本譜は36歩から駒組を進展する手を選択。

現在35の地点で銀交換になった局面。ここでは36歩と打ち、26角に73馬!として同金に34桂馬と指す手がありました。これで優勢というわけではなく互角なのですが、攻めている分主張はある気はしました。本譜は27銀と補強しましたがやや消極的でした。

中盤戦も終わりかけて上図。47歩に39銀と引いたところ。ここではチャンスを何度か逃し、消極的な手が続いてこちらの不利な局面です。ここで相手の75歩が疑問手。66歩と突く手が味のいい手になってしまいました。66同歩なら83馬が56銀に当たります。また、66歩に76歩の取り込みは74歩と打つ手が意外に厳しいです。本譜は66歩に55角でしたがこれが敗着に。67金が味の良い決め手となりました。同銀成らずに55飛車と駒が捌け一気に優勢に。今回の金沢大学戦でもそうですが67金といった飛車側の金を活用する一手は大体好手になりやすいです。逆に言えば中飛車の左金が遊ぶようでは勝てないということにもなります。本譜は玉の固さの差も生き勝ちに。嬉しい勝利となりました。ただ、嬉しさのあまり感想戦で開口第一声で失礼なことを言ってしまい本当に申し訳なかったです。打ち上げの際に謝ったときに快く許してもらい、一人でかなり感動していました・・・(笑)チームはどうなったかというと・・・

×石井ー川又◯
×藤吉ー宇城◯
×宮本ー銭本◯
×藤井ー長森◯
×佐々木ー星田◯
×鎌苅ー新貝◯
◯羽仁ー山本×

1-6負けに・・・

宮本君は強豪との対戦でしたが及ばず。藤井君はエース対決でしたが致命的なうっかりがあったようで瞬殺されたようです。彼があんな早く負けるところは初めて見たので学生王将恐るべしと思いました。佐々木先輩も相手の研究範囲に入ってしまい瞬殺されてしまいました。鎌苅君は粘ってはいたものの相手の穴熊は固く、力尽きました。しかし京大さんが7-0したためになんとか立命館さんのこの時点での優勝を阻止できました。全勝者を一人止めることができ意地を見せれてかなと少し安心しました。

 

~最終戦~東北大学さん~

9戦目は東北大学さん。去年の王座戦でも最終戦でうちと当たっています。最終戦ということもありオーダーもだいぶお互いに読みやすくなっていますが少しでもいい当たりになればと思っていました。そして・・・

石井ー尾形(かなり不利)
藤吉ー白川(互角)
藤井ー小菅(有利)
本池ー阿部(かなり不利)
佐々木ー蛇口(やや有利)
羽仁ー平野(有利)
水口ー牟田口(不利)

( )の部分は戦力的に有利か不利かを僕主観で示したものです。当たりとしては最高のものとなりました。藤吉先輩と水口君が勝てるかどうかが勝負を握っていると思いました。自分の相手は平野さん。振り飛車主体ですが居飛車も指すということで対抗形かと思いました。戦型は相手の75歩に42玉からの右4間、なのですがそこからなんと相手の方が78金、58金と上がり相居飛車戦に!これには意表を突かれました。

(便宜上手前が先手となっています。)

現在31玉と指された局面。相手の伸びすぎの35歩(相手が先手なので本当は75歩)を逆用して良い攻撃陣を敷けて満足のいく序盤戦となりました。ここで45歩と攻めを敢行。以下同歩、同桂、88歩、同玉、77角成、同桂、55角、56飛車、54銀と進行。

ここで71角が厳しい一手となりました。72飛車と寄りましたが44歩、同角(同金なら同角成、同角、54飛車で優勢)、同角成、同金に33歩、同桂、同桂成、同金と敵陣を乱しての攻め+飛車を8筋からそらすことにより自玉の脅威を緩和して優勢に。

終盤戦に突入して上図。相手の14角と86歩がいい反撃手で優勢ながら少し気味の悪い展開。ここでちゃんと時間を使い読みを入れて58歩と守ったのが勝因でした。14の角を不能にすればこちらの勝利は揺るぎません。そういった意味で浮かむ瀬推奨の25銀のほうがいい手だったとは思いますが、優勢を維持できたので問題はなかったです。本譜は相手の攻めをある程度応じた後にその駒で反撃して勝ちに。個人目標の8-1を達成できました。しかしチームの様子を見るとなんとなくみんな顔が険しい。これはまさかと思いましたが・・・

×石井ー尾形◯
×藤吉ー白川◯
×藤井ー小菅◯
×本池ー阿部◯
◯佐々木ー蛇口×
◯羽仁ー平野×
×水口ー牟田口◯

2-5負け・・・!

石井先輩と本池君は相手のエースの方に負け。藤吉先輩は得意戦型を封じられて負けに。藤井君は互角の終盤戦での負けだそう。最終日はどうも冴えてないと感じました。佐々木先輩は勝ち、水口君は本に載ってるような攻め筋を食らい、序盤でいきなり負けになってました。チームとしては悔しい負けになりました。

 

~とりあえず3日目までの結果はこのような感じとなりました。また総評を次の記事で書きたいと思います。

 

羽仁@会場とスーパーがつながってるとごはん買うのにすごい便利ですよね!