『アンダーグラウンドホテル KISS & KILL』

★今週はBLマンガ強化ウィークです。…いやそんなウィークはないですが、私がBLマンガを読み過ぎて読書記録が溜まりに溜まってるんで、３ヶ月に一度くらいの頻度で勝手にBLマンガを紹介し続けたく…気が向いたらお付き合いください…m(_ _)m★

定広美香先生のBLマンガ。あの伝説的作品『アンダーグラウンドホテル』の続編というかスピンオフ。前回サブキャラだったノーマンが重要な役どころを演じます。

舞台は変わらずアメリカのアンダーグラウンドホテル。ホテルといってもただの地下刑務所で、ここには終身刑などの凶悪犯罪者が収容されていて、脱獄不可能といわれている。つまり一生出られないこの場所でせいぜい余生を楽しもうと皮肉った呼称なのですね。

特殊な環境には特殊な秩序が生まれます。ここを管理するのは看守…というのは表向きで、実はシャットコール（囚人のボス）が牛耳っている。ハイここまでが事前知識！

で、ノーマンっていうのが、前作で恋人ウィルとの心中に失敗して絶望してて、何度も自殺を図るんだけど、今回のシャットコール・エリーがすぐ看守を呼んで邪魔するんですよ。「あいつは俺が殺す。それを横取りするヤツは、たとえあいつ自身でも許さねー」とかなんとかいって。好きって言えばいいのに（笑）。

ここが定広作品の奥行きですよね～。なんかこう、昨今の間口の広いBLみたいにサッパリとわかりやすいハッピーエンドじゃなくて、愛情表現がねじくれていて、さらにそれが複数人に向かっているっていう。だって最後まで読んでみて。この場合、ノーマンの愛は誰に向かってると思います？明らかに三人に向かっていて、なのにハッピーエンドで、たしかにノーマンとカップリングにならなかった男もいるけど、ちゃんとカッコイイじゃないですか！！こっちがメインだったのか？っていうくらい。

BLだけどBLの類型を軽やかに逸脱して、もはや孤高の地位を築いてると思う。

さらにシリーズ続編があります！読む読むー！！