『因果の魚』

★今週はBLマンガ強化ウィークです。…いやそんなウィークはないんですが、私がBLマンガを読み過ぎて読書記録が溜まりに溜まってるんで、10/7まで勝手にBLマンガを、ジャンルの偏りないように紹介し続けます。★

新井煮干し子さんのBLマンガ。ジャンル分けするなら…純文学系といったところでしょうか。

逸成と諒一はいとこ同士で同い年で幼馴染。だけどその関係は、逸成が王様、諒一が奴隷。逸成のいうことは絶対、諒一はなんでも従う。…んだけどこれが、BL的な、キレイキレイした感じではなくて、なんかこう、もっと純文学的な感じで、鬱蒼と暗い人間の心理の深淵を覗くような感じで、よかった。ハッキリ言って諒一が不気味で気持ち悪い(笑)。

「エリート御曹司×絶対服従いとこ」という帯から妄想されるBL的ファンタジーを裏切って、二人は最終的にどうにもこうにもならない。そして二人のお互いに対する解釈が微妙にずれている。ずれたまま、変わっていくのも止められない。だけど唯一、セックスしてるときだけ共犯者、二人で夢を見る…。で、結局二人の感情と関係に名前を与えるなら…？何回も読んで、ああかこうかと考えて、自分で結論を導かないといけないという意味で、純文学みたいな作品なのです。不気味だけどこういうの好き～！